以前の放送を見逃し、しょげていたら偶々深夜に巡りあいました。NHKBSカフェの再放送「脳科学者再生の記録」です。遅い時間でしたがこれもセレンディピティ。ラッキーと見てしまいました。
インタビュアーは、あの中村桂子さん。こちらも科学者ですから相当スゴイ内容でした。でもとてもわかりやすく話されていて、ある意味、患者さん・そのご家族に光明ともいえる番組でした。
主人公ジルは、バリバリの脳科学者。彼女がある日脳卒中になったのです。そのジルが言うには、世話してくれるドクターやナースが
「どのような目で私を見るか?」
「どのような態度で接してくれるか?」
「適切に扱ってくれるか?」 →が患者にエネルギー(生きる力)を
与えてくれた・・と言うのです。
脳卒中患者は敏感ですよ!と。
番組見ていて「エーッ」て思いました。脳はわかってたんだと・・。
今現在日本では、自治医大などで、「脳には柔軟性があり、接続ポイントのシナップスが再構築される」という研究が進んでいるそうです。
即ち、脳の回路が作り直される=赤ちゃんと同じように脳卒中の患者さんの脳も再編成される=ダイナミックな修復が行われるということです。すごいことですね。朗報です。
闘病中もジルは、数学者である母が
「出来ないことはくよくよせず
できることを伸ばそう」と積極的なサポートされたそうです。
著名な脳科学者が、パズルの意味も裏表もわからず、苦戦している画像が流されました。表に絵や色がついてる認識もなかったと。
巷では、脳卒中の患者さんは三年たつとリハビリは天井!?と言われるそうですが、この番組では「頑張る患者さんは三年たっても戻る!」と言ってました。その方の状況にもよるとは思われますが、希望が見えますね。
想像超えて六年目にジルは、一段飛ばしで階段が上がれるようになり
八年目ついに日常生活に戻れたそうで、今ではステンドグラス
作りにも励み、視覚的な、芸術性もかなり戻ったそうです
ジルの母は、脳卒中のカギは「意欲」だと伴走を続け、ジルとともに
・脳卒中のリハビリは最初の6か月が大事。
・脳の柔軟性と学習性を信じましょう。努力すれば生活の質は向上する!と
笑いながら伝えています。
・五感を通して感じる情報を大切にすると、より情報が沢山入ってくるとの経験を経て、積極的に犬を連れて・森などの散歩をしているそうです。
自治医大での研究も、失った記憶や脳を取り戻す研究で、言葉を話すことができるようになる脳の柔軟性に、期待しているようです。
☆出来ないことはくよくよせず、できることを伸ばす
脳卒中から復活したジルからのドキュメンタリーは、ご自身が脳科学者だけに「明るく希望に満ちた」ものでした。
患者さんが、周りで世話するものが「どのような目で見て、どのような態度で接してくれるか・・」に敏感という話は、先日勉強した「ユマニテュード」に通ずるものがあり、「脳も復活するのだ」という深夜の再放送は大きなギフトでした。皆さんがご覧になれる時間の再々放送が望まれます。