タバコを長年吸っていると、咳や痰が出やすくなります。慢性閉塞性肺疾患(COPD)
かもしれません。自覚症状が少ないので、息苦しくなってから受診する方が目立ち、風邪
や喘息と混同され、発見が遅れる場合が多いようです。当院は禁煙支援診療室ですので
折に触れお話ししておりますから、随分皆さん関心を持たれ、禁煙された患者さんまたは
ご家族も多くなりました。いったんCOPDになると健康だった頃の肺には戻れないから
です。COPDは灰に入り込んでいる気管支が炎症でむくんだり、その先で酸素を取り込
む肺胞が壊れたりして、酸素を取り込みにくくなった状態を言います。長期にわたって
ゆっくり進行するため、気づかないうちに徐々に悪化します。最後は命に係わる呼吸不全
に至ります。喫煙者の約20%がCOPDになるとされ、禁煙後に症状が現れることも少
なくありません。また、非喫煙者が受動喫煙によってCOPDになる例も報告されていま
す。当院では禁煙支援するときにも、「残念ながら吸っていた期間がチャラにはならない
のですよ。ですから少しでも早く禁煙を・・」と勧めます。
40歳を過ぎて咳や痰が続くようなら、呼吸器内科のある医療機関で肺年齢を調べて下さ
い。又お口は開けば唇や歯茎の色ですぐ喫煙者かどうかわかります。ですからすべての
歯医者さんがもっと禁煙支援に積極的になれば、かなりの喫煙者を救うことができます。
タバコは虫歯・歯周病の最大のリスクでもありますから、歯科医院がもっともっと親身に
なってお話しして、禁煙できるように力を貸さねばなりません。喫煙していてお口の中は
きれいにはなりませんから。又ご本人の意思が弱くて禁煙できないものでもありません。
依存症ということを踏まえ、早くタバコ(ニコチン)から離脱でき、口臭のないきれいな
お口になるよう願って、当院は禁煙支援を続けて参ります。詳しくはHPインフォメーシ
ョンの禁煙支援ページをご覧ください。一人でも多くのかたが、ちょっとでも早く禁煙の
機会をものにできますように、一本でも多くの歯を残すことが出来ますように、支援し
お役に立ちたいと思っています。ご相談ください。