明けましておめでとうございます!
寒い中にも、よいお年をお迎えになられたこととおもいます
昔は、お正月は食っちゃ食べ、食っちゃ食べ・・と言われました(お行儀悪い言い方で失礼します)
それぞれのお宅で、おせちもお雑煮もいろいろ、ご出身のお雑煮の味を堪能なさってる方も、多いのではないでしょうか?
私も毎年決まったおせちですが、こだわるのは「なます」
このいかにも簡単で、いつでも出来て・・のなますですが、結構、試行錯誤しました。無類の人参好き!ですから、若い頃は人参を多めに入れて、悦に入ってましたが、いつか母に作ったところ「品が悪いわねぇ」!
母が言うには、大根と人参のバランスが悪いというのです。そして
「こう言う単純なものほど、技術が出るのよ!」と。ひぇーっでした。
師走のある日の新聞に、「なます」にスポットが当たった記事があり、母の言う通りのことが書いてありました。
それによると、「なます切り」と呼ぶ長さ4センチ、繊維に沿ってマッチ棒の太さにする。人参は塩をしてもやせないので、大根より細く切り、量は大根の1~2割ですと。人参そんなに少なくていいんだぁ~と反省。多ければいいってもんじゃないのですね・・。それで品が悪かったんですね。
紅白の色のバランスは大切で、赤が多いと重たく、少ないと間が抜けて見える、ここに柚子の黄色を添えると全体がまとまります・・京都「お料理はやし」のご主人の弁。旬の大根を生かして目に鮮やか、歯触りは小気味よく、他の料理の間に清涼感を与える役割を持っています・・と。
我が家では、お正月に拘らず、お酢の物としてしょっちゅう作り、家人は「なますないの・・?」と好んで頂きます。
大根と人参を切ってから塩して、絞る加減でお味が大きく違う経験も
何度もしてきました。お料理って本当に難しく、でも楽しいですね。
「単純なものほど技術が出る」すべからくそうですね。
そんなことを指摘してくれ、教えてくれた母も94歳。昨年末から都内のホームに入居となりました。最近訪問の度、結婚前のさまざま思い出したことを話すようになりました。音楽学校で教えて下さったという先生の名前を突然思い出し、小澤征爾も指導した有名なピアニストだったので、本を探したら見つかりこれから持参して喜んでもらおうと思います。慣れない環境での違和感の中にも、自分らしさを保とうとしている母を見るたび、これからのかけがえない時間を大切にしてほしい、少しでも心寄せ、共にありたい・・と思います。