学生時代から憧れでもあり、大好きだったフランス菓子のルコントが8月末で閉店した。
ニュースを知り、問い合わせたらもう既に各店舗行列で、電話での取り置きは出来ないと。今年になって買ったフルーツケーキを食べずにずっと寝かしておこう・・等とみみっちいこと考えた。
思い出せばサンタクロース役にピッタリの、体格いいムッシュー・ルコントが六本木に小さなお店を開店、頂いてみて、そのなんとも幸せな美味しさにビックリ!したものだった。それぞれにお酒はきっちり風味をそえ、大人が楽しむお菓子に背伸びして味わう事を覚えた。その頃流行ったコーヒーは、フレンチローストだった。
カッコいい夏木陽介さんがロールスロイスで買いに来たのにも出くわし、どんな風に召し上がるんだろう?とワクワクした。
白衣姿のたっぷりした胴廻りの、にこやかなムッシュー・ルコントに、最後に会ったのは随分前の三越だった。「サバ?マダム」といい歳になった私に声かけて下さった、よく響くまぁるい声が耳に残る。その後亡くなったと知ったが、お菓子は引き継がれ、ずっと何度も楽しませて頂いた。ルコントのケーキってどうして、特別じゃないのに特別なんだろう・・。
ついに閉店。
そう言えば最後に買いに行った時、先に買われたお客様はダンディな、帽子の似合う紳士で、買ってらしたのはスーリーとサバラン、そしてタルト。
我が家と同じだぁ。嬉しくなってその紳士の後ろ姿を眺めた事を思い出す。
大人が楽しめるケーキ屋さんが姿を消す。
私達が、ようやくいい歳になってきたのに・・。
ムッシュー!
ありがとう💓