オーラルフレイル

最近とみに言われる、”口から始まる心身の衰え”
先日、平野浩彦先生(健康長寿医療センター)が丁寧に説明しておられました。

口の機能が落ちる(オーラルフレイル)→柔らかいものばかり食べる→さらに機能が落ちる→食欲落ちる→栄養偏り体力も落ちる→誤嚥性肺炎起こしやすくなる

まさに階段を転げ落ちるがごとくですね!
オーラルフレイルになると要介護は2・4倍、死亡率は2・1倍だそうです。

昔は歳とれば歯は失って当たり前・・でしたが、1989年8020運動が始まり(この当時80歳で20本の歯が残ってる人はたった10%)、歯科でも予防が言われるようになり2016年には8020は50%にまで上がったそうです。みんな頑張りましたね!(歯科の現状は海外から見たらまだまだ・・)

しかしながら、歯が残ってみると「残った歯がある口を如何に使うか」が重要になってきたそうです。それはそうですよね・・。なので、歯科の専門以外の人を如何に巻き込んで、いかに支援していくか!が重要となってきたと平野先生。
納得です。

・ある例として、香川県まんのう町ことなみ地区(高齢化率50%)の木村歯科医が発案した、バス買い物ツアーが、地元の高齢者の健康アップ・お口の健康アップに大きな成果を上げていると紹介されました。これには地元スーパー・管理栄養士・歯科衛生士など参加し、口の事だからと歯科だけでなく、その他の専門家たちが「生活の場」に出て行って取り組む様子が紹介されました。参加した高齢者は「楽しい、又来たい」と満面の笑み、気持ちが上がりますよね。すばらしいご活動です。

・又、毎日の生活の場でもっと気楽に「口」を使ってみること

・究極の口腔トレーニング
 特に、「うがい」は誰でもやれるが、なめられませんよ!と平野先生。

そう言えば、コロナになる前から当院では「うがい・手洗いをして頂く」ことが診療前の準備でしたが、「ガラガラガラ!」と洗面所から大きな音だけ方・・。使用後、洗面所をビチャビチャにする方など・・いろんな方いらっしゃいました。こう言う方々は概して、肝心な歯ブラシは結構大雑把!

平野先生は「うがいは、されど”うがい”」で口まわりのトレーニングンに最適と

・「ブクブク」は→お顔をよく動かして、しっかりブクブク

・「ガラガラ」は→のどを開いて、絶妙に息整えて 

要はこのしっかりした口腔トレーニングが、究極のオーラルフレイル対策ですと
そして「口を如何に楽しく使うか・・」ですよと加えられました。

確かに、何でもやらなければ老いるのみ。パタカラ体操も、大声出すことも、先日案内した「若隆景」を連呼することも、やらなければそれまで。できなくともちょっとでも続けていると、出来るようになるから不思議です。

人生最後まで「食べる楽しみ」は持っていたいですね。
だからこそ、大した時間もいらないので、口を動かしのどをよく開く小さな口腔トレーニングを心がけて、美味しくいただける日々を大事にしましょう。