新聞に連載のつんくさんと山中教授との往復書簡も、五通目になりました。今回はつんくさんが病気になられた時の気持ちを吐露して、とても興味深く読みましたのでご案内します。
・・・音楽では失敗からも何かをつかんでやろうと思えるのに、日常の生活となると、「
他の人はどう?」「世間的には?」と自分だけが違うことに恐怖心を抱いたりしてしまいます。
がん治療の時もそうでした。医師に「まずは標準的治療を」と言われ、「あ、そうしなきゃ」と思いました。ですが、病名が同じでも、病気は人それぞれ、世界に一つ。どんな治療が良いか、一概には言えないはずです。それでも「一般的にはこの治療から」と言われると他の治療をすることが悪いように思えてしまう。本当は自分自身がまず病気に正面から向き合わなきゃいけないのに、つい医師任せになっている。それって医師を信用してるというと聞こえはいいですが、実際は病気から逃げてたんだなぁって思います。
その時に家族がいてよかった。妻は逃げ腰だった僕に気づき、即座に気持ちを切り替え、率先して病気に立ち向かい、治療法を探りました。「あなたにとってベストは何か」と。妻のほうがロックですね。笑。
あれから3年近くになりますが今も妻の支えがあって毎日を過ごせています。ハワイでは子供が遊ぶ簡単な遊戯施設でも「ここで遊ぶなら全てのリスクはあなたにある」と書いてあります。そうなんですよね。人間生きていく上でのすべてのリスクは自分にあるんですよね。まぁ。日本の遊園地は安心安全で素晴らしんですけどね。先生とのやり取り本当に勉強になりました。・・・・・
(前回山中教授からのお手紙では、日本ではずっと一つの研究テーマを突き詰めていくのがよしとされる風潮があり、悩みましたが、利根川進先生は研究テーマの変更を「おもしろいのなら、やってみればいいじゃないか」と霧が晴れていきました。つんくさんの米国での挑戦素敵です・・というものでした。)