私も初めて知った言葉です。「お花見」「お月見」「雪見」のように、ただ枯れた野原を見に行くという「枯野見」
枯野なんて見て楽しいかな?と思うのが普通かもしれません。確かに寒々しいだけのような気がしなくもありません。
先日ある美術館の庭園で見た風になびくススキの群れに、圧倒される美しさを見て、ブログにあげました。外環に乗る前の道でもススキの群れはまるで手ではいたように、大きく揺れたりすると、ドキッとする美しさです。
それだけでも美しいのに、江戸時代の人はその冬枯れの景色に、通り過ぎた季節とこれから再び訪れる季節を想像して楽しんだそうです。
簡素な世界の中に、豊穣な時の移ろいを見出すなんて、四季のある日本ならではのとても高度な美意識ですね。雲一つない青空だったり、渡り鳥やトンビが地上に影落として飛び去るさまの美しさ・・と紹介したデザイナー・堀畑裕之さんは伝えています。
先日ご紹介したススキの群れも、ススキの穂がだいぶ開いたからこそのボリューム。これが未だ開く前のススキだったら、針のような銀色で又違った趣だったでしょう。季節感が薄らいだとは言え、見つければ日本の美しさは沢山あります。あったかくして「枯野見」行ってみましょうか。チョコレートとホッとワインでも持って・・。