秋のない,いきなり初冬になったこの11月、体温超えるあの暑さも過去のように思えますが、つい先日まで汗びっしょりの毎日でした。9月末ころから朝夕の気温差が大きくなり、咳をする方、喘息ようの方、顔色の悪い方、食欲のないかたが増えています。先日もブログに書きましたが、自律神経が追い付かないんですね。私達も地球上の生き物ですから、自然の変化の中でからだが対応しながら生きているわけです。充分食事に気を付け、さまざま努力していても空振りの日もあり、本当にこの気候の変化にはまいりました。
話は変りますが、最近の患者さんの中に「予防の為にと、お医者さんからこういう薬飲むように言われたの。歯医者に伝えて・・と言われて」とビスフォスフォネート剤(骨粗しょう症の薬)の相談されました。注目のBP剤ですが、医科の先生からも、もう少し患者さんに説明頂き理解いただいた上で、歯科のほうに振っていただきたいと、思わざるを得ないこともあります。というのも投薬された患者さんご自身が、「お薬飲むことに十分理解や納得されていない」方も中にはいらっしゃるからです。聞けば、「お医者さんがおっしゃったんだから・・」とのこと。先生にお任せでなく、お聞きになってよくわからなければ、何度でもお聞きになっていいんですよ・・と、丁寧にお話しします。昔と違って”お医者さん任せではなく、「十分説明いただき、わからないことは質問して納得して、患者さんご自身が了解して、服薬なり治療進めること」とお話しします。歯科を受診の際にも、当院ではそう考えてご案内しており、服薬のある方には教えていただき、ご協力の中で進めております。ご自分の状態・現在の状況に立脚してありのままを知ること・知らせること。その上で「さてどうしましょうか?」だと思うからです。
言われるままにお薬いただき「なんだかなぁ~」と思いながら帰ってインタネットで調べ、友達に聞き、TVの健康番組を探し、お薬の効果のフォローアップ曖昧なまま、ご自分で飲んだり飲まなかったり調整なさってる方も多く、それで医療費云々は言えません。自分の体を知ること。医療者のお任せにしないこと。生活習慣を見直し、自分のからだの中からも直せる力があると知る方が増えれば、本来の予防も進み、医療費の無駄が省けるかもしれません。「お医者さんに聞いたら悪いでしょう?」そんなことはありません。お答えできないことも中にはあるかもしれませんが、できるだけお聞きになってコミュニケーションおとりになってください。現在の保険制度ではなかなか難しいことだらけですし、会話の分は保険点数にありませんが、点数にならないからと説明を省く時代でもありません。からだの持ち主はほかならぬご自分・ご自身です。メモッたり、質問したり、相互のコミュニケーションあっての「インフォームドコンセント」です。当院もまだまだですが、できるだけ患者さんとお話しして進めたいと考えています。
「答えは患者さんの中にある」これは昔ある先生がおっしゃった名言です。患者さんとの会話は治療を進める上で宝(情報)の山です。そしてそのようなことが大事にされる保険制度になって初めて、予防の意味が出てくるのではないでしょうか。医療従事者の私達も時には患者になります。予防と消費者の意識をもった患者さんが増えれば、医療そのもの・保険制度も変わっていくと期待しています。