大切な方が他界されました。
鶴見俊輔さん。その温厚なお顔は一生忘れないと思います。
こんな主婦の私でも、この方のお話しは何べんも聞きたいと思いました。お姉さまの鶴見和子さんもステキな知識人でしたが、本当に豊かな方でらっしゃいました。気さくで素敵な方でらっしゃいました。上の世代と下の世代を自然に繋げて下さる稀有な方でした。よくテレビ番組でお見受けしても、堅苦しい感じなど微塵もなく、わかりやすいお話しの仕方で、聴くもの見るものに、「考える」と言うボールを投げて下さいました。
折りしも「安保法案」で老若男女大きな動きや声があふれている今日こそ、鶴見さんのお力が必要なのではなかったでしょうか。
難しい話題を平易に、硬い問題から大衆的なことまで、幅が広くて底の深いお人柄だからこそ、私のような主婦にも伝わって、関心持たせて頂けたのだと思います。
国会中継・ニュースなどで見る国を代表する人たちの「浅くうすっぺらな感じ」はため息出るばかりです。話すこと・立ち居振る舞い。信頼・尊敬に足る人は少なくなりました。
鶴見俊輔さんはお話しお聞きするたび、とても心が豊かになる思いでした。何がどうというのでなく、このように考えることが出来るのだと、心がふくらみ安寧になり、知恵が浮かんでくるのです。鶴見さんのお話し聞いた後は、いつもそうでした。この心の充実感。
鶴見和子さんのお話し伺っても、このような毅然として、ステキで豊かな日本の女性がおられるのだと感じ入ったものです。お着物姿が何ともエレガントでした。
今こそ若い方々に、一人でも多くの若者に、鶴見俊輔さんのお話しを聞いていただき
一人ひとりが考える時間もてたら、どんなにステキだろうと訃報を聞いてつくづく残念に思いました。きっと追悼番組などでお目にかかれるのでは?と思っていますというより
今一度、あの温厚なお顔・あの声・あのお話しぶりに触れさせていただきたいものです。