人生いろいろ・・・

島倉千代子さん(若い方にはご存じないかも)が旅立たれ、連日島倉さんの歌声が流れています。なぜか11月という季節によりそう湿り気があって艶っぽいお声です。日本人しか出せない声質が島倉さんのお声でした。ちょうど今日レコーディングの予定だったらしいのですが、ご本人から「その日まで待てないので・・」とのご連絡に急遽ご自宅をスタジオにして録音したという新曲が流れました。絞り出すような、想いに満ち皆様への感謝に満ちた島倉さんの最後の歌声の後、「この場面をいただけたことに感謝と」お別れとも取れるメッセージが流れ、もらい泣きしてしまいました。ご自分の寿命を感じられたのでしょうか。以前日野原先生に、患者さんはね、ご自分の最後ちゃんとわかってらっしゃるから嘘を言ったりごまかしてはいけません。誠実にあたたかく心こめて接してさし上げることですとご教示いただきました。急遽駆けつけ録音の算段された方々のお気持ちは十分に伝わって、きっと島倉さんにかけがえのない時間となったことでしょう。石川さゆりさんのお見送りの言葉にも心打たれましたが、支援されていた田勢さんのお話にもびっくりでした。田勢さんが東大で講演した際島倉さんをお呼びすると、「東大の門くぐるのこれで三度目なの。一回目は安田講堂事件の時、どういうことが世の中で起こっているのか知らないと恥ずかしい・・と思って見に来た。2回目は乳がんの宣告受けたとき、そして今日で3度目と」島倉さんの知らない面が語られました。お別れに集まった歌手の方々皆さん心の底から泣いてらっしゃるのが見て取れました。不器用なようでも正直に生きた方ではなかったでしょうか。歌う姿勢・そのお声はきっと忘れないと私も思いました。イチョウが黄金色に色づき、ハナミズキが赤く染まり、桜の葉も色づき始めて日本人の心を歌った島倉さんを見送るようです。人生いろいろ、かけがえのない一日一日を丁寧に過ごしたいものです。 受付 佐藤

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