昭和60年からずっと来院だったおばあちゃまが、入れ歯が痛いとのことで急患で見えました。
2年前まで定期的に入れ歯の調整とお口の汚れを取りにいらしていましたが、88歳と言う高齢の上、体調を見ながらの来院と言う事で、インフルエンザの時期は避けて・・足元悪い日は自重して・・などと言っているうち内2年半もあいてしまいました。
ご高齢者でなければこちらからアクセスしますが、ご家族に伺うと今ちょっと難しい・・と言うお声もあって遠慮してしまいました。
2年半ぶりにいらしてみると、加齢による症状も少し見受けられましたが、お口の中は大変ご不自由な状況でした。
「アッやはりお電話なり、お手紙さし上げてお呼びすればよかった!」と後悔する間もなく、(その日に抜歯はしない当院ですが)お食事も不自由だろうとの院長の判断で、残根を抜歯させて頂き、急ぎ入れ歯の作成にかかることになりました。
ご一緒くださった同居のご長女も「おかゆがいい!と言った時に家族が気づくべきでした。内科の先生が眠れるように誘眠剤を下さってから、かえって具合悪く薬を減らそうと思った矢先。食べられないから、母はおかゆと言ったんですね」と後悔しきりでしたので、「ご年配の方は遠慮なさってなかなか本当のことをおっしゃらないので、どちらのお宅でもそうですよ。ご家族の皆さまよくなさってらっしゃいます」と申し上げたら安堵され、「これからは私が母の入れ歯お手入れするので、手入れの仕方教えて下さい」とおっしゃりご伝授しました。
「あと何年元気でいてくれるかわかりませんが、入れ歯も整えていただき、好きなものをおいしく食べて過して欲しいので、よろしくお願いします・・」と帰られました。
「おかゆがいいと言ったときに気づくべきでした」こんな風におっしゃってくださるご家族に囲まれて、幸せなおばあちゃまです。
お帰り際、「パパ(長女のだんな様)がよくしてくれるの」とおっしゃる88歳の患者さんに、「早くおいしく召し上がれるように、入れ歯の準備しなくては!」と院長はじめスタッフ学びの一日でした。ご家族の愛情あふれるご様子何よりと嬉しく伺いました。
当院では入れ歯は作りっぱなしにせず、定期的にかみ合わせ・汚れなどチェックに来ていただいています。ご自分で裏に調整剤を塗ったりせず、気になったら遠慮なくお電話ください。おいしく召し上がれる事が当院の一番の喜びです。
受付・佐藤