折々のことば 3344

共感のやり取りでは批評という言論が育たないし、磨かれていかないですね。
                         川野里子

今の人は、他人と密着するようなコミュニケーションツールに馴染みすぎ、批評すれば傷つくんじゃないかとびくびくしていると、歌人は言う。だが、批評は攻撃でも共感でもない。互いに練磨しあう過程を回避して、小さな共感の「島宇宙」に閉じこもるのは危ういと。”納富信留との対話「哲学と詩歌の怪しい関係?」(川野の対話集”短歌って何?と訊いてみた”所有)から