新型コロナウイルスの脅威を理由に、日々の暮らしが閉ざされる今こそ、自分で考え、自由な心で生きていこう・・そんな示唆に富む、文化人類学者・批評家の今福隆太さん(64)の東京外語大学「最終講義」の詳細を新聞で知りました。
クレオール(混血)文化研究の第一人者である今福さんは権力と個人の関係を考えされられた、19世紀アメリカの思想家ソローと言う方を主人公にした朗読劇を披露し、「思考停止に陥ることなく、冷静に考え、信念を貫く芯の強さを持つべきだ」と伝えるような筋書きだったそうです。
緊急事態宣言が全国に拡大し、人々の暮らしは様変わりしました。今福さんは今、外出自粛で「生身の人間の親密な語り合い」の意義が見失われていることを危惧されているようで、テレワークやオンライン飲み会など、テクノロジーで代替する動きもあるが、「テクノロジ―の世界に移行すれば解決できる・と言うようなテクノロジー楽天主義は、現実を見失っている」と警鐘ならしているそうです。
「場所を共有しながら親しく交わることで、思いがけない思考の発露を発見する機会は、とても重要です」と改めて語り、「手紙を生身のコミュニケーションの手段としてとらえなおすことも出来るし、電話やラジオによる声の伝達にも新しい意味があるかもしれない」と、古くからの伝達手段が持つ「生身」の要素の大切さを口にされたようでした。
きっとどなたも、テレワークやオンライン飲み会だけがいいとは思ってないでしょうし、今仕方なく取ってる手段がそうなだけで、どなたも「生身」の有難さ・ぬくもりなど、懐かしく思いながら事態の終息を願って、我慢したりしてるのではないでしょうか?どっちかが良いと言う問題でなく、我慢せざるを得ない今だからこそ、「生身」の重要さ・意味がよくわかるのですね。
「生身の語り合い」の大切さ。
充分に享受できる日を夢見て、我慢したり辛抱したりしましょうか・・。必ず解決される日が来ると信じて!今は辛抱時・・。