パッチ・アダムス

アメリカの俳優 ロビン・ウイリアムズの訃報が連日伝えられている。彼を惜しむコメン

トがたくさん寄せられているが、どれも彼の笑いに救われ、楽しませてもらった!と言う

感謝のコメントがほとんどであるのに、皮肉にも彼は重度のうつ病であったと。薬物や

アルコールの依存症でリハビリ施設に入っていたと聞いてはいたが、自死とは・・。

随分前になるが、日本医大・医療管理学教室で「癒しの環境研究会」というのが発足し

発会から参加して随分医療環境について多岐にわたり楽しく勉強させていただいた。その

中で、当時ホスピタル・クラウンとして有名だったのが、パッチアダムス、ロビンである

ロビンは患者をユーモアで楽しませる医師を演じ「パッチそのもののような人だった」!

映画にもなり、待望の来日した際には、本郷の龍岡ホームにお年寄りを訪ね、順天堂医院

小児病棟を訪問して子供たちを喜ばせ、私達の癒しの環境研究会では、昭和大学の大講堂

にパッチをお呼びして講演会を開いた。女子学生を含め老若男女。たくさんの方々が

会場を埋め、なんと65歳以上のチアガールまで飛び出し、やんやの喝さいを浴びて

会場にいたパッチもアロハシャツを着た大きな体で大喜びしてくれたことを今も思い出す

このパッチのホスピタルクラウンがきっかけとなって、今では日本でも、クラウンの活動

が広まりつつある。そのお一人高田佳子さんもすばらしいクラウンで、彼女は風船マジッ

クの達人でもあって、見事な風船アートで人々をびっくりさせつつ温かい活動されている

病気になっても笑いを忘れず、笑みを忘れずと身をもって教えてくれたパッチが、心を病

んでいたなんて・・。彼に救われた人は世界中にたくさんいたはずだから、繊細な彼自身は

疲弊してしまったのかもしれない。あの大きな体と心からの笑い。お会いした時のラフな

雰囲気も忘れない。人のことは全身全霊で楽しませるのに、自分が落ちこんだ時に誰にも

頼ることができなかったのだろうか?

スティーブン・スピルバーグ監督が「映画を撮りながら気分が落ち込むこともある。そん

な時はロビンに電話すると元気になれるんだ」と話していたことが伝えられた。

ありがとうロビン。そしてパッチ!

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