毎晩8時過ぎに帰る生活していると、テレビなど見る時間ありませんが、テレビは私に
とって欠かせないものなので、厳選して(笑)見逃さないようにしています。こんな気持
ちを神様が察して、フラリとテレビをつけると「待ってましたー」と言わんばかりにすっ
ごくいい番組に出くわすことも多く、”呼んでるなぁ”と思うこともしばしばです。ですの
で、夕食の支度をしながらの”ながら見”も多く、片付けないといけない用事もすべて”な
がら”時間がいくらあっても足りません。積み残し積み残しの毎日ですけれど、その時々
「今でしょ」の番組ってあるんですよね。14日日曜の「ナンシー関のいた17年」もま
さにそうしたものでした。選挙速報を各局がここぞと仕掛けても、ナンシー関より優先
するものなんてありません。天才消しゴム版画家のナンシーさんはその風貌からしても異
彩を放ち、その、人と社会の本質を抉り取る言動は今日の選挙速報にあわせて、また是非
ちっぽけな政治家にコメント寄せてほしかったです。ドラマ仕立てになった放送は、安藤
なつというナンシー演じる俳優によって、ナンシーさんの半生を如実に映し出していまし
た。コラムニストでもあったナンシーさんは、ずっとテレビを見続けながらもきちんとテ
レビと距離を取っていたことがわかりました。どうしてこのような人が今居て下さらない
のだろう。もしナンシーさんが生きていたら今回の衆院選をどう書かれたか、テレビに映
る政治家にため息つきながら思ったことでした。
親交あった、いとうせいこうさんと、リリーフランキーさんが喪失感あふれる言葉を言っ
ておられ、それがまた、ナンシーさんのいない大きな穴の埋められなさを物語っていまし
た。妹さんの視点から描かれたことにより、小さな消しゴムに凝縮された彼女の鋭い感覚
がよみがえってくるようでした。再放送が望まれます。