バランタイン のカシミヤ

春らしくなって来て、桜の開花ニュースも始まりそうですが、朝夕はまだまだ冷える日も

あります。桜が咲く頃、「花冷え」という美しい日本語もあります。

先ほどメンテナンス終わられた方が、何ともきれいなグリーンのカシミヤのカーディガン

をお召しでしたので、見れば見覚えのある金ボタン。「ひょっとしてバランタインです

か?」とお聞きすると、「よくお分かりになったわね。もう30年くらい前のもので

しょうか。色もきれいだし、あったかいの」とおっしゃって触らせていただくと、その

カシミヤのソフトなタッチにびっくりでした。学生時代にバランタインのカーディガンを

友人と「清水の舞台から・・」のつもりで買って、大事にとってあることを思い出し、帰っ

たら引っ張り出そうと思いました。何とも上等なカシミヤ、その手触り、厚み。逸品に

ふさわしいカシミヤです。確かスコットランドのメーカーで、カシミヤ100%です。

お聞きすると、ピンクもお持ちとのことで、桜の季節の肌寒い日に重宝するの!との

ことでした。久しぶりに本物の本物にあったおもいでもう一度撫でさせていただきまし

た。腰までのちょっと長めの丈が、何ともオーソドックスで、ヨーロッパ的です。思い出

すと、このバランタインのカーディガン出始めた頃は、ワンピースが流行り、ワンピース

の上にこのカーディガンを肩にかけたステキな女性が青山・六本木あたりにいらして、学

生の私達の憧れでした。伝統のブランドというのはこういうことだなぁとつくづく思い起

こさせて頂いた患者さんの逸品でした。

お帰り際、首に捲かれたマフラーが、杉綾(ヘリンボーン)のやはりカシミヤのステキ

なもので、逸品を大切に愛用なさっておられるお人柄がしのばれました。よいものを拝見

させていただき有難うございました。豊かな時間でした。

バランタインのカシミヤ

 

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