またまた日曜・題名のない音楽会の話題です。
世界に名だたる”ヴェンゲーロフ”(ヴァイオリン)を迎え、日本のスーパーキッズが何人
か出ました。きっとすごい子達なんでしょう!質問ある人?の佐渡さんの声に「ハイ」
と上がる質問が、優等生過ぎて先日のサッカーのようでした。(失礼)
ある子どもは「なかなか指がよく動かない・・と。ヴェンゲーロフは、「右手が飛行機
左手が着陸する飛行場だと思って弾いてごらん」とあくまでもやさしくわかりやすく。
もう一人の子は「ドボルザークを弾いてるんだけど、僕の先生は”土臭く”弾きなさいと言
うけどわからない」と。「プーッ」と私は笑ってしまいました。”土臭い”っていったい
どういうことをおっしゃって子供に指導なさったんでしょうか?ヴェンゲーロフは笑うこ
ともなく、演奏して見せて「君はドボルザークをどう思う?」と聞いたりしたりして
とても人間的でした。ヴェンゲーロフが尊敬するブロン先生。聞いたことあるなあと
確か今ベルリンフィル首席の樫本大進も師事したすばらしいバイオリニストです。
樫本大進も若くして有名なコンクールで優勝し、そのままコンサート三昧でもいいのに
ドイツに留学し、歯科医のお宅に寄宿して普通の生活をしながら、ブロン先生にヴァイオ
リン師事し、空いた時間は寄宿のご家族とともに、芝刈りをしたり実に伸び伸び生活を
楽しみながら、普通の日常を送りながら厳しいレッスンするドキュメントを見ました。
英才教育とばかりに脇目をふらずでなく、花を見たり森の中で木々のにおいをかいだり
鳥の声を聞いたり草木や虫の生態観たり、キッチンで料理の手伝いしたり、川の流れ海を
見たり、そんなこと大事なんではないでしょうか?そうそう本を読む・読書も大切です。
その後樫本大進は、小澤征爾の後押しも受けて、栄光への階段を上りついにベルリンフィ
ルの主席となったわけです。ですからドボルザークを弾くときに「土臭く」なんて指示な
さるならば、たまにはヴァイオリンを置いて、子どもたちと野山に入りオゾン吸って、草
木や土と遊んでみたら・・と提案したくなりました。番組最後にヴェンゲーロフが弾いて下
さったマスネの「タイスの瞑想曲」はどなたもアンコールになさる名品ですが、今まで聴
いたことのない伸びやかで巾があって豊かなタイㇲの瞑想曲でした。ヴェンゲーロフの肩
にのったヴァイオリンとヴェンゲーロフのからだが一体となって、まるで一つの楽器のよ
うでした。すばらしかった!