今はお休みだが、少し前まであるテレビ局で「ジェネラルドクター(総合診療医)」と言うのをやっていた。視聴率も高く、あらゆる方面から、病気を見るのではなく、病気を持った人を理解して診断しようと言う”当たり前と言えば当たり前”だが、知識だけでなくその背景も読み取ってと言うドクター達の取り組みに、感動しながら安堵したものです。このような総合診療医を育てる整備が進められています。
ある放送で、高齢化率の高い山村で、老老介護・独居老人が多い地方で、90歳にならんと言う一人暮らしの女性が、ニトロを飲みながら畑仕事を止めない。往診にいったドクターが入院を勧めても頑として受け付けない。
「入院したら、命と同じくらい、もしかすると命より大事に思ってる畑が枯れてしまう。そのお婆さんにとって生きることとは、畑でとった作物食べて、近所で物々交換しながらその土地で暮らしていくことなんですね」と往診する総合診療医の言葉。
病気やケガを克服したり、治したりすることが本質ではない。医療の背景には、常にその人の生活があり、その生活の質を高めることが医療の本質と気づかされたとその総合診療医は言っています。今後急速に高齢化が進む大都会でも、このように高齢者を支えるのは地域の力。そのためにも総合診療医の育成は欠かせないとおっしゃっておられます。そのために必要な、患者の声に耳を傾けるきめ細やかな診察、ち密で論理的な思考による診断方法などを学生や研修医に伝える日々だそうです。
技術も知識も大切ですけれど、医療の本質は患者主体の診療であり、患者さんを幸福にすることにあるという、ジェネラルなフィロソフィーだということを、強く伝えたいという総合診療医の言葉は大変い意義深いものとして心に残りました。