いつも器械のお世話いただいている方のお身内に思いがけないご不幸があり、若いご子
息をなくされた伯母様をどう慰めたらいいでしょうか?というご相談を受けました。
グリーフケアと一口で言っても、其々の厳しい状況にお声かけも何も途方にくれます。
以前も書きましたが、作家・柳田邦男さんのご子息が自死なさったあとに「サクリフィ
ス」(犠牲)というご本出されました。その前に縁あってお目にかかった折り、「無言」
という会話もあるんです、とおっしゃられたことを思い出しました。言葉を交わせなく
なった意識を失われたご子息のベッドの横にいると、静かな空気が流れ窓のカーテンが
風に揺れ、言葉を交わせないもののご子息とこの時間を共有していると思うと、心通いあ
った気がした。看護師さん達がカルテとは別の、「サブカルテ」に「今日は温かい風が窓
から入ってきて、○○さんの頬が緩んで気持ちよさそうにお休みでした・・」などと気づい
たことを記入した日報読ませていただき、静かに見守って下さっていたことを知って、言
葉がなくとも通い合う会話があることを知りました・・というものでした。
文頭の、何か慰めてあげる方法はないでしょうか?の相談受けて、お手紙を思いつきまし
た。それも大人でなく、小さいお子さんいらっしゃるので、お子さんからの「お元気です
か」の短いお手紙は・・と提案したこと、忘れておりました。
今日器械のことで来訪時に、「あれから子供と伯母とで手紙のやり取りが始まり、次はお
手紙に写真入れようと伯母も写真を撮りに出かける気になったりして、おかげ様で元気
になってきて喜んでいます」小さいお子さんのお手紙は、どんなにうれしいことでしょ
う。きっと何度も何度も読み返されて、お気持ちが落ち着かれるようになったのでしょ
う。小さいお子さんはお子さんで、お手紙書くために字を覚え、漢字を練習して一生懸命
お手紙してるのでしょう。思いがけずに報告いただいた嬉しいお話は、うっとおしい梅雨
空にさわやかな気持ちと嬉しさをを運んでくれました。デジタル時代でも、お葉書や封筒
に入ったお手紙は嬉しいものですね。お元気になられますように。