両親の世話で海辺の家に行った帰り、池袋行き電車まで時間があり、駅前の懐かしい魚屋を覗いたらまぁ可愛い小鯵、竹の名札には「じんた」とある。そうだこの辺ではそう呼んだっけ!一山400円也。久しぶり唐揚げにしようと。小さくてゼイゴとったり面倒くさそうだけど、今の私にそんな作業も反ってやりたいほど心が疲れていて買ってしまった。側にこれまた新鮮なとこぶしが。8つでこれも400円。チョコっとおつまみにお刺身にしてあと煮ようかな?と思っていると、声をかけられた。「どうやって召し上がりますか?」振り返れば素敵なおばさま。「買ったことないけれど、通の方とお見受けしたので」とくすぐるようなこと仰られて、このままか、蒸して貝はずしてバタ焼か、甘辛く煮るか?などと知ったかぶり申し上げると、「アラッだったら私も頂いてみるわ」と買って行かれました。なんだか嬉しくなって、新聞でくるんで貰った上埼玉まで帰るから保冷剤タップリねと電車に飛び乗りました。両親の世話が思うように行かず疲れはてくたくたで帰って、小さいけど新鮮な小鯵の下ごしらえを無心にしていたら、些細な悩みは飛んでいきました。カラッと揚がった小鯵を美味しそうに食べる家族に疲れも吹っ飛びました。昔ながらの魚屋さんとのやり取り、声をかけて下さった方とのやり取り、くるんでくれた新聞紙。コンビニ、スーパーとは違うおしゃべりも、新鮮なお魚の上を通り過ぎる秋風に吹かれてなんとものご馳走。疲れも吹っ飛んだ一日でした。