1998年、初めて予防の会が立ち上がり、入会しました(詳しくは当HPご覧くださ
い)「本来虫歯も歯周病も稀な病気である」の言葉にびっくりして予防への取り組みが
始まりました。バイオフィルムという細菌の汚れ・そのバイオフィルムの破壊と除去が
命題でしたが、そのバイオフィルムたるものの正体を知らねばなりません。初めての事
びっくりすることだらけでしたが、全国から集まった700人の仲間を心強く思い
勉強しました。学校検診で有名なC1・C2・・の前に、C0(要観察)という言葉も出てきて
「脱灰と再石灰化」という認識を知りました。フッ素の、世界に於ける認識日本の認識
も把握しました。そして新聞紙上に「私達歯科予防の会に属す歯科医院では、探針は使い
ません」というアピールになりました。かなりセンセーショナルだったせいか、あちこち
からつつかれました。そんなことしたら、学校検診できないじゃないか・・とまで。
使わない理由は特にお子さん方にですが、臼歯の咬合面とっても柔かくデリケートなので
探針でつついてしまうと穴をあけるからです。虫歯は細菌の感染症ですから、突っついて
傷つけてはなりません。ましてや早くに虫歯の治療と言わんばかりに、削ってはいけませ
ん。探針は必要な時に出します。その代り当院では海外ではあたりまえの先のとがってい
ない器具を使っています。このようなわけで、患者さんがお座りになってすぐ用意する
当院の基本セット(もちろん滅菌済み)に探針は入っていません。
学校検診などで、探針使う先生がいらしたら、ちょっと気を付けましょう。虫歯の進行度
は目で見るだけでなく当院ではレーザーで確認もして、慎重に処置を決めます、いつどう
いじるかでその歯の寿命は決まってしまいます。くれぐれも、早めに処置することがいい
とは限らないと思ってください。早期発見早期「管理」です。何を管理するか?感染症を
起こす原因菌の管理です。虫歯も歯周病も細菌の感染症ですから、菌の管理・いうなれば
お口を清潔にすることです。そのためにメンテナンスがあります。歯科医院の大事な
本当の役割です。もちろん直す治療もしますが、きれいになったお口での処置のほうが
小さくよい処置ができることは誰の目にも明らかです。探針の話から飛躍しましたが
いじらないで済むお口の中にコントロールしておくことこそ、歯医者として誇らしい
大事な仕事です。一本の歯も、一本の指と同じ大切さと考えています。
「どう判断して、いついじるか?」が大事です。判断を誤るとかえって虫歯を作ってしま
うということを覚えておいてください。