命の授業

聖路加国際病院の日野原先生が、10月4日102歳のお誕生日を迎えられました。お元気で診療され、課外活動も続けてらっしゃいます。驚異的なことです。先日久しぶりに「命の授業」の様子を拝見しました。これは小学校に出向いて子供たちに「命」というものを実感してもらう貴重なご活動です。以前より聴診器を人数分用意なさって心臓の音を聞かせるなど、子供たちから歓声が上がる実践的な活動されていました。この様子は「10歳のきみたちへ」という本に記されています。10歳という年齢は、大人へと変わっていく大切な年齢とのこと。「今、君たちが生きているのは、自分の為に使える時間があるということだね。これから大人になったら、その自分の時間は人の為に使うのですよ。だから君の命を大切にする以上に大切なことはないの。人の役にたつ大切な時間という命だから」と子供たちに話します。子供たちは静かに目をキラキラさせて、日野原先生の力強い言葉に聞き入ります。子供がこんなに静かにお行儀よく、人の話を聞けるなんて、やはり日野原先生のお気持ちが伝わっているんですね。

「シャボン玉飛んだ、屋根まで飛んだ、屋根まで飛んで壊れて消えた・・」野口雨情の歌の歌詞が、幼くして亡くなった雨情のお嬢さんをシャボン玉に託した歌ですよ・・とみんなで歌ったあと伝えました。子供たちはよそ見もせずお話に聞き入っていました。日野原先生は既に28000人の子供たちにこのような命の授業を続け、講演後には子供たちから感想文など沢山いただいているようです。その感想文を受けて「子供のうちにきちんと”命の大切さ”を伝えれば彼らはわかる」と実感なさってのご活動です。思春期の扉の前にいる君たちへ!と熱く語る日野原先生の言葉はきっと多くの子供たちに届いたことでしょう。45分立ちっぱなしで話された後、代表の子供のキックを、ゴールキーパーのように見事に受けられた102歳の現役医師に、拍手がやみませんでした。

 

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