折々のことばより なだいなだ

  

  人間が二人集まります。力は倍になります。しかし、
  責任は半分になったと感じるのです。     なだいなだ

強制収容所では人を番号で呼ぶ。動物を食する時は「肉を食べる」と言う。こういう「抽象化」によって人は自らの残虐性に鈍感になると、作家・精神科医は言う。組織の中に入るというのも同様で、人は個人としては消え、役割になる。そして個人の肉体に内蔵された攻撃と抑制の二つのスイッチのうち、後者がきちんと働かなくなる。(人間、この非人間的なもの)から。