再び、アルフォンス・デーケン先生

喜び、悲しみ、苦しみを
分かち合う人間関係がないと
いらついたり、むかついたりする

喜びも人に話せば二倍
悲しみも人に話せば二分の一になる
周りの人は有難い 
             アルフォンス・デーケン

朝日歌壇「番外地」選者・馬場あき子さん

私は嗜まないが・・馬場あき子さん選の時は、いつもクスッとしたり、ユーモアのセンスになんかいいなぁ~と拝読。猛暑の夏の終わり、セミの声も聞かなくなった頃の人生の達人の真面目とおかしみと、あります

・本名です結婚以来名乗ります「かいじゅう」なのです驚かないで 
                          海住 秀子
   「驚かないで」と言われれば驚かないが、いきなり「かいじゅうです」と名乗られたら耳をうたがい、「えっ」と顔を見てしまうだろう。「海住」の文字でやっと納得。次にすぐ友達になりたくなるにちがいない。実に魅力的なお名前だ

・長男の帰省する度知らぬ貌ポールスミスのパンツを洗ふ 
                          斎藤 紀子
    このお母さん、結構楽しんでいる。息子のブランド趣味を通してその心の世界を除いているのかも。ポールスミスはイギリスのファッションブランド。オシャレだなァ。家で手洗いしていいのかなあ。どんなパンツだったのだろう

・家のみで〆の焼きそば振る舞えば上品な味やねとソースかけられて
                          山田 啓子
    この家飲みの場面は親しい人々の賑わいの中でのこと。下句が断然面白い。啓子さんが振る舞った〆の焼きそばは、関西風の味だったのか。客の一人が「上品な味やね」とほめたそばからソースの入った器を取ってじゃーっとかける。「あっ」と思う日々の顔が見える。

選外ながら・・とユーモアあふれる短歌を目にして、またこれらを選ばれる馬場あき子さんのセンスにこころがふわっとしました。ほっこりハナマル!

小田凱人君、金メダルおめでとう!

昨晩テレビで放映あるかなぁ~と、BSのフジ子へミング特集見ながら探していたけど見つからず、それでも眠い目をこすってチャンネル移すも見当たらず!エ~ッ!こんな大事な時に放映ないんだと、ブツブツ言ってたら少しして、小田選手金メダル!とテロップ出て、バンザーイ!

準決勝に進む前も、「金メダル取るために来た!」と強い決心を言ってただけに本当にすごい!おめでとう!
時々自分を鼓舞するようにとがったパフォーマンスする小田君に、頑張れ~と、そのキッパリさに、手に汗握りながら応援の声も大きくなりました。練習に明け暮れる中、小さい子たちにテニスを教えたり、関心持ってもらえるように活動する、小田凱人君まだ18才!

大きな手術をし、車いすになって大変なのに、レジェンド国枝さんを見て車いすテニスをやろうと決め、車いすの操作も体調も大変な日もあっただろうに、決めたら一生懸命、追いつき追い越せその成長ぶりはどなたもご存知のように清々しい
先日ここに那須川さんとのやり取り載せましたが、想像超えるご苦労おありでも、それを微塵も見せずに挑戦する小田君の姿、日々の自分のちっぽけな事なんか、ぐずぐず言ってられないわ!とこんな歳の私にも思わせてくれるパワー頂きました
頑張れ!小田凱人君、なんだか清々しく嬉しい!

素麺イタリアンと一汁一菜

素麺イタリアン!名前に惹かれ、土井さんだし・・なんだろう、やってみようと見ました。それがそれが画期的!お素麺を茹でないで、味つけもしないで美味しく仕上がりました。猛暑の夏に最高!

土井善晴さんは、大阪出身の料理研究家、スイス・フランスでフランス料理を学び大阪吉兆で日本料理を修行の、知る人ぞ知るお料理のプロ。日本料理の土井勝さんの息子さんです。かの昔フランス料理は飯田深雪さん、中華は陳さん、日本料理は土井勝さんと言われた時代でした

その土井勝さんの息子さんが最近「普通に美味しいもん」今日幸せになるなら家事は捨てたっていい、完全無欠より大切な「一汁一菜」(ご飯、味噌汁、漬物)がある。具だくさんの味噌汁にすれば、おかずも兼ねながら、漬物はなくてもいいと・・言い始められたもんだから話題沸騰!

日進月歩の家電の進歩で、家事が驚くほど楽になって・・いないのはなぜだ?と土井さん。家事は本来生きること、「家事からの解放を」と
整えられた部屋、品数の多い食事、糊のきいたシャツ、そんな理想が私達を苦しめる、嫌なら手放したっていい。完璧な食事を捨てよ、ご飯と味噌汁だけ、家庭料理はその「一汁一菜」で充分と大胆発言です、幸せになろうと

ワーキングマザーから一人暮らし、子どもの巣立った家庭まで、多くの人が料理を「しんどい」「億劫」だという。本来料理には「ケとハレ」があるが、これがごちゃごちゃになってるのが原因と土井さんは言う
家庭でもレストランのような料理を作り、まるでグルメ番組のように「美味しい」と言われないといけないという勘違いがある。美味しい、まずいでなく家庭料理は普通がいいんです・・とキッパリ

家庭料理は「家族の心の置き場」だから、お祭り騒ぎのような「美味しさ」でなく、手作りの安心できる「ふつう」が大事
ご飯炊いておけば、具沢山の自由で手軽な味噌汁だけで普通に美味しい
「そこでできた時間や気持ちの余裕」を大事にしてほしい。一汁一菜に何か加えたくなったら、それも構わない

「一汁一菜」を始めたら、もっと料理を作りたくなったと言い出す人がいます
余計なものから解き放たれたからでしょうねとも、付け加えています

一汁一菜の提案は、「家庭料理の初期化の提案でもあります」どんな家事家電やサービスが便利になっても、軽減されない負担感。余計な家事を捨てようとする「捨て家事」がここ数年の大きなトレンドです!とおっしゃいました。自分の家事を「棚卸し」しましょうとキッパリおっしゃる大阪弁に、ハッとします

素麺イタリアン作るのを拝見しても、僭越ですがお料理を知り尽くされ、基本をしっかり踏まえておられるからこそ、材料の性格もきちんとご存じな上でのご提案なので、本当に心に響き「こうあらねばならぬ」に風穴をあけて下さったんだとおっしゃること深く心に沁みました
何でもそうかもしれません・・お料理の専門家から大きな示唆を頂きました。

暑さ残る中にもスパーには栗も売られたり、秋の兆し垣間見るこのごろです
この夏の暑い日々、水分補給!とガブガブお水やお茶飲む日が続きました。どれほど胃も疲れていることでしょう。具だくさんのお味噌汁でほっこり胃を労わってやるのもいいかもしれませんね
素麺イタリアン!もぜひお試しください。いけますよ!

折々のことば 3088

迷惑をかけたり、かけられたりしながら、
濃厚で味わい深い人間関係がつくられてきたのだ  多田富雄

 幼い頃から人に迷惑をかけるなと教えられてきたが、歳がいって真っ先に甦るのは、とんでもない不注意や失敗で迷惑をかけあった経験ばかりだと、免疫学者は言う。師弟や友人、家族の間でも、迷惑をかけあう中で関係が濃くなる。迷惑をかけないよう気を配るばかりの付き合いはなんとも「味気がない」と。
随想集「独酌余滴」から

1998年熊谷崇先生が、「虫歯も歯周病も細菌の感染症」とヘルスケア研究会を立ち上げられた発会の日、基調講演はこの免疫学者の多田富雄先生。蝶ネクタイで登壇され、歯科の予防の会の立ち上げに一番スゴイ免疫学者がなぜ?と、不勉強の私達は思ったことでした。難解なお話の中で「サイトカインストーム」だけは、何故か耳に残っておりましたが、その後感染症として口腔内を学び実践する中でも、この言葉は忘れておりました
それが、世界中を混乱に落としたコロナの出現!で俄に蘇りました。あっ「サイトカインストーム」1998年あの時、多田富雄先生がおっしゃったのがこれだった!

多田富雄先生、ご専門を離れると趣味豊かな方でらして、お能も嗜まれていたと知り、今から26年前にこのような第一線の免疫学者のお話を拝聴出来た幸運に、感謝するばかりでした。熊谷先生のおかげです
しかしながら晩年、多田富雄先生は突然の脳梗塞で声を失い、半身不随でご不自由になられた時には、患者さんとして専門部署にご意見述べられたと記憶しており、ご立派な方だなぁと尊敬申し上げておりました
偶々「折々のことば」に先生のお名前を見つけ、再び感じ入ること大なりでした

ゲリラ豪雨や暑い中にも、空にはいわし雲、9月の風のにおいがいたします