開業30年を超すと、定期メンテナンスに通われる方々も、順繰りにお歳を召され家族環境も変ってきます。独居の方も多くなってきました。イザッという時より、そうなる前のご不安とかどうしているんだろう?と思っていたら、新宿区の戸山ハイツで試みが始まっていました。
高度成長期の末期に建てられた広大な敷地の一角に「くらしの保健室」が出来、地域コミュニティで「おひとりさま」の生活を支えるボランティア施設だそうです。
当院でも時々ありますが、病院で検査数値の説明受けたがよくわからない。医師には聞けず、帰る道すがら不安になって立ちより、看護士・薬剤師等の経験積んだ専門スタッフが対応され安心して帰宅。ちょっと具合悪かったり悩みや心配がある時に、また何もなくともだれかと話したい時に気楽に立ち寄れる。一人暮らしの悩み事を聞いてもらい、気が軽くなって帰っていくことが出来る。そう学校の保健室のような存在。
訪問看護が必要になるよりももっと前の段階で、予防的なことも含め一人暮らしの高齢者や在宅で療養する人たちが、小さな悩みを解決できる仕組みを、長く訪問看護に携わる看護師の方が開設しました。訪問看護ステーションとしての依頼も受けるようです。独居の高齢者や在宅の方は一人で思い悩んでいるうちに、状況が悪くなって行く悪循環に陥りがち。しかしじっくりお話しを聞くだけで解決することが案外多いとのことです。
特に自立してそれまで一人で頑張ってきた人ほど、助けを求める事に躊躇し、高齢になって体力落ちてきた時にひきこもってしがいがちとの事。いつも外の世界とつながっていることはとても重要なんですね。外に出るためには、誰かの手助けが必要。近所の人でも良くいく八百屋さんでもいい。そういう人たちとのつながりを大切にして、外に出るきっかけを持ってほしいと、開設者はおっしゃっています。誰もが安心して暮らすために必要なシステムとして、全国で自発的な広がりがあるようです。
毎週木曜には200円で提供される昼食会もあるとか。すばらしい取り組みです。