歩荷(ぼっか)

 

新聞の土曜版を見て、目が釘付けになりました。尾瀬ヶ原でとあり、湿原に点在する山小屋10軒に生鮮食品届ける「歩荷」(ぼっかと読むそうです)と言うお仕事で、尾瀬では25歳から51歳の男性6人がなさってるそうです。

山小屋が営業する4月下旬から10月末まで週に6日間働くとか。自然保護の為車両通行は鳩待峠までで、この背負子は長さ170センチもあるそうです。別名 背負梯子(しょいばしご)。一番遠いのは約12キロ。この写真のかたはこの日、7・7キロ先の小屋目指し、キャベツ16キロ、肉9キロ、ジャガイモ11キロ他計76キロに、着替えなど含め86キロになったそうです。

報酬は荷物の重量と距離で算出される歩合制で、この日は一万二千円だった由。「突風でも豪雨でも山小屋の求めに応じて必ず届けます。そうしないと宿泊客の食事に影響がでるので・・」と。小屋の主人はヘリは天候に左右され飛べない日もあるから歩荷には感謝してると。

「苦行?」と聞いたら、帰路は文字通り肩の荷を下ろした気分になり、時折、自然が見せる最高の瞬間に立ち会える・・と答えたそうです。人が人を支え、人は人に支えられています・・と言う言葉に目をさまされた私でしたが、毎日つまらないことで、愚痴ってる場合じゃないわ!とこの写真と記事読んで思ったことでした。コツコツと地味なお仕事を信念もってなさっているこんな方々に支えられている毎日なんですね。

写真では周りの草ぐさが歩荷が休む柔らかいお座布団のように見えます。