昨年暮れ、ノルウェー・オスロで開かれたノーベル平和賞の受賞式に出席した、日本原水爆被害者団体協議会の代表団のニュースは、皆様ご存じでらしたと思います。ご高齢の皆様が行きの長旅にもかかわらず、立派なご挨拶をされ、時折原稿を修正なさりながらの見事な演説に、心揺さぶられた方も多かったのではないでしょうか・・
その授賞式に向かわれた被団協の80~90代の代表委員3人が行きの便でエコノミークラスだと知った、長年客室乗務員を務める方が「ハードなスケジュールの中、分刻みで動いてきた高齢の方々にとって、10時間以上のフライトは大変だ」と帰国便の担当となった折、帰りもエコノミークラスと知り、ビジネスクラスに少し空きがあることを知って、初めて最高責任者に直接メールを送ったそうです。「高齢の方たちなので、何とかなりませんでしょうか」
帰国直前にCEOに送ったメールに返信も期待していなかったが、程なくメールが帰ってきて「素晴らしいアイディアだと思う。喜んでサポートします。搭乗者の名前を教えて欲しい」帰国便で3人はビジネスクラスになった・・
長年客室乗務員勤めるこの方は、母親の戦時中の疎開体験を聞いたり、被爆地の長崎を訪れて被爆の実情を見たりしてきた
「苦しい思いをされたにもかかわらず、一生涯かけて活動を続けてこられた」
北欧から羽田に到着したスカンジナビア航空(SAS)の機内に、13日朝、伝えたかった気持ちを到着時のアナウンスに添えて日本語で読み上げたそうです
「苦しい思いをされたにもかかわらず、これまで生涯をかけて行ってきた、そしてこれからも続けていくであろう貴重な活動に対し、深く感謝すると同時に、核兵器も戦争もない平和な世界が一日も早く訪れますよう、心よりお祈り申し上げます。これからも平和への声を上げ続けて下さい。乗務員一同皆様のご健康とご多幸をお祈り申しげます」
機内は温かい拍手に包まれた・・とありました
到着ロビーに車いすで出てらした方もおいででした。長いご活動に感謝と尊敬の心あふれ、きめ細かい機に敏なご対応に拍手するとともに、記事を読んでこちらもあったかい気持ちになりました。ステキなお話伺いました。