給食で伝える 和の食文化 という新聞記事がありました。
子供たちにもっと和食の給食を食べてもらい、日本の食文化を守りたい、そんな願いを込めて活動する人たちの紹介でした。
「和食をだすと残す児童が多い」「学校の養護教諭でさえも、自身が和食をきちんと習ったことがない」の声に答えたものだそうです。14年に「和食応援団」を設立、関わった料理人が講習会を開き、食育授業に出向くそうです。
目黒のある小学校では、週4回に和食を増やし、昨年は和食の残食率が10%超えていたが、「食べなれていない」ことが原因と気づいてから、食材を最初口にしやすいメニューにして取り入れているとのことです。
高野豆腐・三つ葉なども子供たちは苦手だったが「慣れが肝心」と繰り返すうち口にする児童が増え、一年たつと残食率は4%まで下がったそうです。
食文化をつないでいきたい・・と言う強い思い。うーん・・。
歯科の立場から申しますと、小学生くらいですと、昔と違ってまだまだ味覚が育っていないとも感じています。離乳の時から様々食することにより、味覚は「育つ」のですが、昨今この味覚のセンサーの乏しい子が多いように感じています。それほどいろんな食材を口にしておらず、逆に加工食品が多いからともいえるかと思います。
ある時、ロールキャベツを結んでいたかんぴょうを指し「このリボン食べられる?」と聞いた子がいたそうです。子供たちの食文化がこれだけ少なくなっているのかとびっくりする一方で、先生自身も自分はかんぴょうのことをどれほど知っているのだろうと考えたそうです。
早速当院でそのくらいのお子さんいるスタッフに聞いても、かんぴょうは知ってるけど食卓には上らない・・と。お寿司食べに行っても「マグロ・マグロ」と。そういう私も、かんぴょうを食べるのは、96歳の父に昔ながらの「しのだ寿司」を所望され、一緒に食べるくらいです。
ロールキャベツする時も、わざわざかんぴょうで縛らず、楊枝で留めておしまい。そのくらいかんぴょうは身近でなくなっています。
子供にアプローチする前に、家で食事を作る人が先では?とも思いますが、
特に乾物は「面倒くさい」と敬遠されがち。でも保存はできるし、栄養価は高いしで、切り干し・ひじき・高野豆腐の手軽な美味しさが広まって、普段の食事で食するチャンスが増えれば・・と考えました。
かく言う私も、高野豆腐は小さいころは好きではありませんでした。なんだかスポンジみたいで。でも親戚の法事で美味しく煮た高野豆腐が出てきて、そのジューシーさにすっかりとりこになり、自分でも積極的に買うようになりました。小さな高野は必需品です。お出汁をたっぷり吸った高野豆腐は小鉢にあるとつい手の出る美味しさです。長野に縁のある衛生士さんが、地元の方が食べるというこまかに刻んだ高野豆腐を買ってきてくれてから、お味噌汁に居れたり、混ぜご飯に入れたりと重宝です。
子供たちにも、いじくらずにストレートに美味しさ伝えた方がいいのでは?と私は思います。
先日の県民ショウでは、この10年のランキングやってました。山形の「ひょう」という雑草?を食べる習慣も知らない土地では食したことなくとも、地元では当たり前。
無理やり手を尽くして、お料理にしちゃわないで、この県民ショウのように
「ヘーッ」って言う地方の食べ方などをリアルに伝えた方が、子供たちは地理や気候や風土とともに、和食を理解し、口にするのでは?と思いました。
プロの料理人の方よりも地元の普通のごはん・おかずとして和食を紹介した方がより身近に感じて、子供たちも食べるチャンスにつながるのでは?と外野の私は思いました。
まずは子供たちの口に入るまでに携わる家族・料理する人に広めたらいかがでしょうか?世界遺産にもなった和食は日本の文化。
ぜひ子供たちが好んで口にするようになるといいですね。体にもいいですから・・。