コミュニケーションって難しい。着せ替え文字(朝日新聞・ことばの食感より)について

同じ言葉でも書き方によって感じが違う。「大也」「文人」という兄弟が「ひろや」

「ふみと」かと思うと、「ダイヤ」「モンド」だったりするそうです!何種類もの文字を

使う日本語ならではのコスプレじみた贅沢な遊びと書いてありますが、幼稚園や学校の

先生困るだろうなぁと心配するのは私だけでしょうか?

「コーヒー」が「珈琲」になると紙コップのイメージは消え、「フランス料理」の看板が

「仏蘭西料理」に変わると、財布の中身が気になります。文字のイメージって面白いです

ね。「総理」や「大臣」も「ソーリ」「ダイジン」では権威がなくなります。「ヒロシマ

」は「広島」以上に被爆の連想が強くなり、「はつ音」という交ぜ書きは「発音」か

「撥音」か不明だし、「讃美歌」も「賛美歌」で代用されて荘厳さが減った感じです。

そう考えると私達女性も「女」と書くのと「オンナ」と書かれるのでは雰囲気がまるで

違いますし、なんだか女性として微妙な思いがふつふつと湧き上がってきます(笑)。

そういえば以前から論争までもいきませんが、患者さんを「患者様」というかどうか

ですが、当院では「患者さん」です。「様」と呼ばないから失礼・非礼ということは

ありません。それよりも「患者様」と言っておいて、他の言葉すべてが、ぞんざいでは

意味がありません。「鈴木さん」とお呼びしても軽いということはなく、「鈴木様」と

お呼びしたから丁寧ということでもありません。要は心がこもっているか、お迎えしよう

というこちらの心持次第と思います。この着せ替え文字を読んでも、日本語は実に豊かな

意味と感触・音色を持ちますので、大切に言葉を発したり、書いたりしていきたいと思い

ます。そういえば若き女子高の頃先生が「もじ」というとひどく眉を曇らせ「もんじでし

ょう」とおっしゃたのを思い出しました。先生のご尊顔とこのようなことしか思いださな

い劣等生の戯言です。日本語って本当に美しくまた面白いですね。

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