尊重し合える 真の国際人に

「オーサー・ビジット」という新聞のコーナーから
ジャーナリスト 池上彰さんが、札幌聖心女子学院での授業の模様

この62年の歴史を持つ学校にとって、この日の授業が最後。生徒たちが入学した年には、閉校が決まっていたという。カトリック系の同校には寄宿舎があり、宗教の授業もある

池上さんはまず、パレスチナ・ガザ地区での紛争問題を取り上げた。概してユダヤ教とイスラム教の宗教対立ととらえられがちだ。しかし池上さんは、元をただせば「2千年前から続く土地の奪い合い」だと指摘した
そもそもユダヤ教とイスラム教、キリスト教には、「自分たちは神によって生かされているという共通概念がある」と。自身は「なんちゃってブッディスト(仏教徒)」だとしながらも、信仰しない宗教であっても、その宗教を知り、尊重することが大切で、それは言語の違いにも当てはまる、と言及した
池上さんは、ロシアによるウクライナ信仰の背景を、言語を例に解説した。ウクライナにはウクライナ語だけでなくロシア語を使う住民もいるが、ウクライナ政府がロシア語を制限するような動きを見せた。これに、ウクライナ東部のロシア語圏の住民が反発、ロシアにつけ込む口実を与えたとした上で、「宗教であれ言語であれ、リスペクトしあえてこそ本当の国際人では?」と問いかけた

最後に質問が殺到した
英語の他に習得すべき言語について聞かれると、「外国語を話せること以上に重要なのは、”語るべきもの”を持つこと。そこに教養が表れる」
目的意識を持って入学し、「しんがり」を務めることになった生徒たち。池上さんは期待を込めて激励した

*授業を終えて*
伊藤理央さん 「宗教の授業がどう役に立つのかわからなかったけれど、その意義を教わり、すっきりしました」

山本優奈さん
「語るべきものを持ちなさい、というメッセージが特に響いた。その為にもよく調べ、本を読み、教養を身につけていきたい」

池上さん
「国際社会において、宗教の基礎を学ぶことは必須の教養になり、強味にもなることが伝わったなら良かった、皆さんの言動にはこの学校だからこその学べた、その蓄積が現れていましたよ」と
真綿のように水含むがごとく、水光る若葉のような若い方々のように、私も言葉を大事につかって話したいなぁと思ったことでした

桜も咲いて、春が来ました・・

 

 

桜と菜の花

三月半ば過ぎ、突然の雪のあと急に暖かくなり、25日過ぎから桜が咲き始めました.。プツプツ咲き始めたと思ったら思いがけない暑さに、一気に咲く勢い!でも気温差あるので、お花が長持ちするかもしれません
私たち日本人にとっては富士山と桜は別格ですね

昨年の話ですが、近所の古木の桜が満開に近くなったある日、たまたま通りがかり「随分な大木になったなぁ」と少し離れたところから見ていたら、桜の木の下でこちらに手を振っているご年配の奥様が。「どなたかなぁ、存じ上げないなぁ」と何気に近づくと車いすにご主人様かな?うとうとしておいででした

「あ~よかった!あなたがお召しの黄色いセーターが菜の花に見えて、やっぱり桜と菜の花よね」と思ったの・・と思いがけない言葉。その方の田舎では桜と菜の花はセットなんですと仰られました。初めてお会いする方でした・・
車いすのおじいちゃまはずっとうとうとしてらして、この会話も聞かれたかどうか?なんだかまったりした時間が流れました

たまたま着ていた山吹色のセーターが、このようなやり取りになるとは!思っても見ませんでした。ほっこりまったりの時間でした。「こちらこそいいお話伺えて嬉しいことでした・・」とご挨拶してその場を離れました。相変わらず車いすのおじいちゃまは、うとうとしてらして会話をお聞きになったかどうか・・?でも、聞こえたに違いないと歩を進めると後ろから、「またね」とその奥様が手を振られていて恐縮しました

めったに色物を着ない私が山吹色のセーター着た日の、思いがけないご縁に、なんだか桜は笑ってるようでした。

今年も到来した春を超えた暖かさと満開の桜に、あのご夫妻は如何してらっしゃるかしら・・「桜と菜の花はセットなの」とおっしゃた穏やかなご夫妻を思い出し案じたことでした。桜って不思議なお花ですね。皆なにがしかエピソードがあるような気が致します

小さな子供たちが、桜咲く中を走り抜けていきました

地域ケアの新しい試み・生老病死を支える 方波見康雄著

ちっとも進まない断捨離中です。古い資料に加えたくさんの本を見つけては、パラパラ、ページめくっているからちっとも進まず、断捨離ハウツー本に書いてある通りの有様です・・💦

方波見康雄さんの「生老病死を支える」-地域医療の新しい試みー2006年版に目が留まりました。第6章・老いを生きるということ 最後の成熟に向けて・・から少しご紹介いたします

・そろそろ惜別の人生を覚えなければならない年齢になっている。過ぎ去った日々の記憶を、ただの追憶に終わらせてはならない。心臓手術によって、危うきところで死を免れたいま、「ぼくが、まだ若かったころ」の暗中模索の人生のあゆみの経験を、これからの新たな蘇りのよすがにと、ひたすら思っている。
セネカは指摘するー「生は短く術は長し」とヒポクラテスは言うが誤りである。われわれは短い人生を受けてるのではなく、我々がそれを短くしているのである。人生は使い方を知れば長い(「人生の短さについて」茂手木元蔵、岩波文庫)。後期高齢者と言えどもなお、人生に成熟と余熱のゆとりがあるということである。再び茨木のり子の詩を引用して、どこにでもある、だれにでもある、このささやかな物語をおえることにする。

ー自分の感受性くらいー

ぱさぱさに乾いてゆく心を
人のせいにするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにするな
そもそもが、ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ  (茨木のり子「自分の感受性くらい」花神社)

馬場あきこさんの選者退任を惜しむ歌

馬場さんに選ばれるのが夢だった死ぬまで歌は詠むだろうけれど
                             (大田市)安立聖さん    永田和宏選

※小さなコラム・佐藤ママの「きらりヒント」にも、以下「言葉を研ぐ」感覚身につけて・・として載っておりました

朝日歌壇選者の馬場あき子さんが退任されるとの記事が載っていました。短歌の提携である五七五七七という様式は、「言葉を研ぐ砥石」と馬場さんはお話しされています。定型の様式の中で「言葉を研いでいくうちに、こういうことを私は言いたかったんだという深い思いが歌の奥から出てきます」と説明され、そのために何度も句のつながりを考えるとのことでした。最近の家庭では砥石そのものが珍しくなりましたが、記事の中に見つけた「言葉を研ぐ」という表現にしばし見とれてしましました

昨今、思ったことをそのまま書き込んで世間にばらまく、ということが日常茶飯事です。ネットをみると、発言の自由という名のもとに他人を傷つける言葉があふれています。じっとしているだけで、目や耳に飛び込んでくる多くの言葉たち、何の悪気もなく放った言葉でも、受け取る人は傷ついて血を流すこともあります。心の傷が癒えない場合もあり、言葉は非常に危険なものともいえるのです

またその反面、かけられたほんのちょっとした言葉が、心を温かくし、人の人生を最後まで支えることもあります。人は一言の言葉を握りしめて一生元気に生きていくことが出来る生き物なのです。さまざまな立場の人の気持ちが理解できるようになり、とっさの場合でも言葉を選ぶことが出来るような鋭い感覚を、沢山の文章を読んで身につけて欲しいと思います(佐藤ママこと、佐藤亮子さん)

※2024年9月11日このブログにも、馬場あき子さん選の三句、素敵なので掲載差せていただいております

慣れたら難易度を上げましょう!懲りずに早口言葉

もうこりごりの皆様
しつこく早口言葉ですよ
定番だけど難しい早口言葉8選です🌸

レベル1
・この釘は引き抜きにくい釘だ

・瓜売りが瓜売りに来て
 瓜売り残し売り売り帰る

・裏庭には二羽 庭には二羽 にわとりがいる

・桜咲く 桜の山の桜花 咲く桜あり 散る桜あり

レベル2
・お綾や母親に お謝りなさい

・この竹垣に 竹立てかけたのは 竹立てかけたかったから 竹立てかけた

・親亀 子亀 孫亀
 親鴨 子鴨 孫鴨

・客が柿食や 飛脚が柿食う
 飛脚が柿食や 客が柿食う

フーッ!お疲れさまでした、しんどいですねぇ~
初めはゆっくりでいいので、口をおおきく開け、お腹からしっかりと声を出すことを意識し、徐々にスピードを上げていかれるといいようです・・と言われますが。先ずはご自分のペースで、お休みしながらでもいいので、続けてみて下さい

やらないよりやった方が、結局はお得です、と言うのは簡単、フーッ!

折々のことば 3344

共感のやり取りでは批評という言論が育たないし、磨かれていかないですね。
                         川野里子

今の人は、他人と密着するようなコミュニケーションツールに馴染みすぎ、批評すれば傷つくんじゃないかとびくびくしていると、歌人は言う。だが、批評は攻撃でも共感でもない。互いに練磨しあう過程を回避して、小さな共感の「島宇宙」に閉じこもるのは危ういと。”納富信留との対話「哲学と詩歌の怪しい関係?」(川野の対話集”短歌って何?と訊いてみた”所有)から

感じることを閉じずに

照らす月の写真と、たくさんのお魚が青い海に泳ぐ写真とともに、「光のたまごたち」と言う写真家・石井麻木さんのコラムに吸い込まれました、ご紹介します

この方は、子供だった時に起きた阪神・淡路大震災が脳裏に焼き付いているのが大きいと。30年という長い年月をかけて、神戸の街が、その街で暮らす人々が教えてくれたもの。懸命に伝え繋いてきてくれたものを、止めたくないと書かれています

能登に向かい、能登の人たちがいま必要としているもの、困っていることを伺う。能登を訪ねるたびに、この13年間の東北の人たちの涙やもらった温かい気持ち、子供たちの笑い声、毎月待っててくれる笑顔も心の中に連れて行く
小さかったあの子は先日東北で成人式を迎えた。戻れない故郷、解体されてしまった実家は戻れなくても記憶の中で確かに生きていた

思い返すと中越地震も熊本地震も西日本豪雨も全国各地の地震や豪雨災害現場にも足を運んできたのは、現地に行かなければわからないことばかりだからだ
能登の水族館。空へと泳いでいってしまったサメやイルカ。避難して戻ってこれた生き物たち。生き残った魚たちは揺らぐ光の中を泳いでいた

被災された方、支援する方、境目はない。共に生きている。それぞれの生活があり。それぞれの守りたいものがそこにあるけれど、想うきもちは誰にも壊せない。照らす月は誰にも隠せない

灯りのなくなった街で見あげた、目が眩むほどの星空。眩い星たちはいつだって、見えなくてもそこにある
不在の存在も、無意識の意識も、永遠の今も、感じることを閉じずにいたい。小さくても繋いでいく

草食のウシはなぜ筋肉質なの?

★科学ページ・栃木県Fさん(90)からの質問
ののちゃんと、麻布台助教先生とのやりとりから抜粋

のの・牧場で牛の乳しぼりを体験した。間近で見たおっきな体、すごい迫力だった。で、思ったんだけど、ウシは草ばっかり食べてるでしょ。それなのに、なんであんなに筋肉もりもりなんだろう

先生・じゃあ、筋肉を作るのに欠かせない栄養成分は何かわかる?

のの・タンパク質!

先生・正解!牛の飼料となる牧草にはいくつか種類があって、タンパク質を多く含むマメ科のものも含まれている。なので、草食だからと言ってたんぱく質が取れてないわけではないよ。とは言え肉食動物のえさに比べたら少ないことは確か

のの・じゃあ、どうしているの?

先生・秘密はまず胃にあるの。ウシは胃を4つ持っていて、第1の胃の中には細菌や真菌と言った微生物が沢山すんでいる。ここで、肉食動物や私達ヒトでは利用できない栄養素を分解して、アミノ酸というたんぱく質の材料に変えてしまうんだよ。そしてそれを栄養源にして、微生物自体が大量に増えるの

のの・へええ

先生・この微生物は第4の胃に運ばれ、ここでドロドロに溶かされて、小腸でアミノ酸などとして吸収される。微生物がウシの筋肉を作る材料になるってわけ。「微生物たんぱく質」と呼ばれてるよ

のの・お肉を食べる代わりに微生物の力を借りて、筋肉の材料を自分のおなかの中でつくっちゃうんだ、ビックリ。

先生・まだあるよ。老廃物となったたんぱく質は、尿素という物質になって血液中を流れるんだけど、ヒトではやがて尿や便として捨てられてしまう。でもウシでは一部が「唾液」になって、タンパク質の材料として再利用されるんだよ。似たようなしくみはウマにもあるとされるけど、ウシよりも分かってにことが多いみたい

のの・人間とは全然違うんだね

先生・それがね、パプアニューギニアという国の高地に、サツマイモが主食で、たんぱく質をとる量は、他と比べてとても少ないのに、筋肉質のたくましい人たちがいるの。これまでの調査で、この地域の人たちの大腸には独特の腸内細菌が住んでいて、ふつうなら廃棄されるはずの成分をアミノ酸に作り替えるなどして、タンパク質を確保していると推測されているんだよ。

のの・おなかの微生物すごい!

先生・微生物の謎がもっとわかれば、健康にも役立ちそうだね。でもまずは、君たちは、お肉も野菜もバランスよく食べてね

折々のことば  3334

古いこと、昔から知られたこと、誰でも見て見落としてきたことを「はじめて発見されたように」見るということ      ニーチェ

これが「真に独創的な頭脳の持ち主を特徴づけるもの」だと、19世紀の哲学者は言う。同時代の誰もが当たり前のこととして前提にしている思考の初期設定、ないしはフォーマットを解除し、あらためて虚心で眺めると、事物はこれまでになかった相貌で立ち現れてくる。
      ”人間的な、あまりに人間的な”(浅井昌男・手塚耕哉訳)から。
                   

忘れな草 テノール佐野成宏さんを偲んで

忘れな草  Non ti scordar di me     ディクルティス作曲 
                                                                    フルノ作詞
                     訳詞:佐野成宏

寒く太陽もない私の国から つばめ達は去っていった
すみれの花咲く春と愛と幸福の巣を探し求めて
僕のいとしいつばめも去ってしまった
さよならも 別れの口づけもなく

僕を忘れないで
僕の人生は君と結ばれている
きみを いつももっと愛し続ける
夢の中には いつも君がいる

僕のことを忘れないで
僕の人生は君とずっと結ばれている
僕の心の中には君のための 愛の巣がいつもあるから
僕のことを忘れないで

 

2月18日、今日は佐野成宏さんのお誕生日。還暦をお迎えの予定でした。光り輝くテノールは飛び去ることなく、ずっと私たちの心にあります

※この曲を、佐野成宏さんの声を!初めて耳にし衝撃を受けたのは、日野原重明先生が立ち上げられた「癒しと安らぎの環境」フォーラムでのことでした
当時、医療施設等はともすれば、機能に重きを置くばかりに、患者さん方々にとっては無味乾燥な施設になりがちで、その頃ようやくクオリティ・オブ・ライフ(QOL)が重視されるようになりました。施設の環境も、癒される、あるいはやすらぎを得られる場であるべきではないのか、という意識が醸成されつつあった中発会し、この活動を普及させていく為、広報活動の一環として当フォーラムの名誉会長である日野原先生が総監修、当フォーラム実行委員・テノール歌手の佐野成宏さんのご厚意により出来上がった、チャリティのCD「幸福の歌」の中の一曲です
ピアノはあの河原忠之さん、指揮は佐藤正浩さん、音楽監修・編曲は大島ミチルさんという豪華メンバーの素晴らしい、祈念すべき貴重なCDとなりました

あいまい表現が生む「良い加減」

擬態語や擬音語、目分量。わかるようでわかりにくいお料理の言葉
あいまい表現編が紹介されていました。あいまいだからこそ、自分ならではの味ができるのかも・・・?

・ひたひた
食材が水や出汁などに9割方、つかっているような状態。
「かぶる」は食材全部がぎりぎり水面下にある状態

・少々
親指と人差し指でつまんだ量
一つまみより少なく、塩なら0・3~0・6㌘程度
少々は塩以外にもよく使う表現で、㌘で表しにくい、ごく少量を指す言葉

・とろ火
(最も弱い火加減。とろ火、弱火、中弱火、中火、強火の順に強くなる。とろ火~中弱火までは鍋底に炎は当たらない。強火は鍋底全体に炎が当たる

・ひとつまみ
親指、人さし指、中指の3本でつまんだ量。塩で使うことが多く、0・6~1㌘ほどで、幅がある。軽量スプーンで言えば小さじ10分の1~6分の1程度

・ぐらぐら・グツグツ
ぐらぐらは、水蒸気の大きな泡が至る所で上がり、激しく沸騰している状態。
グツグツは、煮物などを中火~強火で煮る時によく使う表現

・ふつふつ・コトコト
ふつふつは、鍋底のところどころから水蒸気の細かな泡が立ち上がる「微沸騰」が続いてる様子。コトコトはシチューなどを弱火でじっくり煮込んでいる様子

・耳たぶ位の硬さ(白玉団子作る時によく言われますね)
滑らかで軟らかだが、まとめた時の形を保ってくれるくらいの硬さ。白玉団子やうどんの生地の硬さの目安

・雪冷え
常温は「冷や」、冷やしたものは「冷酒」。冷酒のなかでも5度程度にキンキンに冷やすと「雪冷え」
10度くらいなら「花冷え」、15度くらいなら「涼冷え」

               監修=東京聖栄大教授・福留奈美さん
               協力=料理研究家・渡辺あき子さん

わ~っ難しい、普段何気にやってることも文字で書くとかえって難しい・・

そう言えば、先日よく行列出来ている洋菓子売り場が、珍しくすいてたので試しに買ってみようと、そこにいた少し年長の店員さんに「どんなお味なのですか?」と聞いたら、「甘じょっぱいんです」と。それですぐ想像できましたが、そういえば今「甘じょっぱい」って若い方言うかなぁ~と思いつつ買って食べたら、チーズの塩気にクリームのほろ甘い味がうまくマッチした、「甘じょっぱい」お味で人気が伺えました(関係ないかぁ~)

料理を哲学する

最近何かと話題提供の、料理研究家の土井善晴さん

「こんなんでいいの?」という意見もあると聞くが、土井さんだからこその「今の料理の提案」がすこぶる小気味よい

先日JーWAVEでのやりとりが紹介されていた
大学生からの質問「最近は指示さえすれば機械でも美味しいご飯ができます。作り手の気持ちはどのように味に影響するのでしょうか」に答えて・・
「私はね、気持ちが荒れているとあとから反省する食べ物ができてしまうんです。素材ゆうのは触れば触るほどストレスがかかる。丁寧ゆうのは時間をかけることではなくて、素材をいたわって料理をすれば随分違うものになるんです」

移ろう自然の、小さな変化を感じ取る日本人の心の話。和食とは何か、正月料理に見る「ハレとケ」、盛り付けの哲学など扱うテーマは多彩。「人間は賢いから料理したんと違うんです。料理をして人間になったんです」など含蓄ある言葉が心を刺激する・・と、相方のステキなクリス智子さんのフォローとともに、卵を溶く音、てんぷら油のカラッとした揚げ音、ボトルから水を注ぐ音が響く中での会話。想像するだけで、美味しそうでステキ!
料理を作る、食す人の心のありようをきちんと、しかし肩肘張らずに伝える番組と好評のようです
父上は日本料理、家庭料理の真髄を、善晴さんご自身もフレンチも極めてらしたからこその歯切れよい言葉は、普段のご飯を、限りなく、シンプルに美味しくするような気がして、つい関西弁につられて聞いちゃいますね

料理を通じて生き方論みたいでもあるようですが「社会で本当にエライ人も、台所では新人と思って心がけて下さい。わきまえることを知ってもらえたらいいわ」「優しくないとおいしいものはできないよね」って言いきっちゃうのが凄い

幅広いリスナー層の中で、意外にも10代、20代からのメッセージが多いとのこと、いいじゃない・・いいじゃない
丹精込めた一品をじっくり味わうがごとく、心で言葉を味わう楽しみが人気の理由かもしれないと伝えています
毎日のご飯、気持ちよくつくって大事にしよう・・っと、あらためて思います

歌会始の儀「夢」

天皇、皇后両陛下に、皇族方も陪席された想像もつかない優雅な「歌会始の儀」
今年のお題の「夢」を詠まれた、新聞で紹介された一般入選者の歌が、それぞれにとても心に響きました

マエストロ小澤の夢はぐくみて楽都となれり山岳の街 
                  長野県 金井寛さん(77)

「戦争」の対義語は「夢」生徒らは班学習で言葉を探す 
                  新潟県 大堀みきさん(65)

まだ夢を見るのだらうか議事堂の壁に隠れたアンモナイトも 
                  埼玉県 吉田光男さん(60)

カーテンをあなたがあけて文鳥とわたしが同時に夢からさめる 
                  埼玉県 川崎ななせさん(31)

「実際に叶う程度にしておけ」とそんな夢など見たくないのだ
                  東京都 村木睦さん(23)

ペンだこに薄く墨汁染み込ませ掠れた夢と言う字を見てる
                  宮崎県 森山文結さん(16)

それぞれに情景が目に浮かび、一瞬別世界に飛んでいけるようで、圧倒されます。お若い方の瑞々しく大きな気持ちの吐露にハッともし、懐かしくも、いいなぁ~と羨ましく何度も文字を追いました・・

朗々とご披露される空気まで伝わって、不思議な幸福感にひたらせて頂きました

 

新年、脳トレはじめ・言いにくい言葉③  

懲りずに③・繰り返すと言いにくい言葉 です
(5回以上繰り返すと効果ありだそうです)たまげた!

・キツツキ ・狂牛病 ・午後5時55分55秒頃
・駒込 ・赤坂サカス ・炙りカルビ ・生ナマズ ・右目右耳
・肩たたき機 ・交響曲・歌曲・協奏曲

これで、新年早口言葉の猛ダッシュは終わり!です
継続は真なり~🌸(笑)お疲れさまでしたぁ
今年も皆様にいいことありますように
笑う門には福来る~!

 

小さな空   佐野成宏さん急逝の報を受けて 

小さな空  武満徹 作曲・作詞

青空みたら
綿のような雲が
悲しみをのせて
飛んでいった

※いたずらが過ぎて
 叱られて泣いた
 子どもの頃を憶いだした

夕空見たら
教会の窓の
ステンドグラスが
真赤に燃えてた

夜空をみたら
小さな星が
涙のように
光っていた

※くり返し

この歌をいつも歌って下さっていた、テノール歌手の佐野成宏さんが10日急逝されました。毎日宝物の彼のCDかけては涙が止まりません、エストレリータ、忘れな草・・。「あなたが好きだったのはA Vucchellaでしょ?」と知り合いに言われまた涙。
2000年、日野原先生の癒しと安らぎのフォーラム開始前、会場に流れる素晴らしい光り輝く歌声に圧倒され、受付け手続きも忘れて「このイタリア語も美しい歌手の方は、どなたですか?」とお聞きしたのが佐野成宏さんとのご縁の始まりでした。初めて追っかけのファンになりました
歌声だけでなく、お人柄にも惹かれるもの大なりでした。毎年お正月は、佐野さんのプライベートコンサートで、夫婦二人して心もうきうき幕を開け、日本に一台という縞模様のファツィオリのピアノとこの床は最高ですね・・と目の前で歌って下さる贅沢な時間でした。今年も豊かな良い年になりますように、と心新たにしたものです

経済大学で合唱していた時に、小林研一郎さんのお目に(お耳に)とまり、本格的に音楽への道に進まれました。その小林研一郎さんがピアノ弾かれ佐野さんが歌った夢のような日もありました。その日のLa danzaはすごくて腰抜かしました、たしか頼近美津子さんが司会をなさいました
そして、2009年和光市関係者のご理解ご協力、地元三師会、友人のお力拝借して、和光市サンアゼリア大ホールに、佐野成宏さんをお呼びすることが出来ました。オペラファンの方や、たくさんの皆様が佐野さんの光り輝くテノール・リリコを聴いて下さいました。患者さんの中には、マイク使わない声ってすごいんですね!と、小さいお子さんもご一緒に楽しんで下さいました
皆さまその節は有難うございました

その後ご出身地・駒ケ根で後進のご指導の為、町あげてのご協力を得て音楽コースも開かれ、東京音楽大学でも教えていらっしゃいました。いつでしたか?池袋でバッタリお目にかかったのが最後となりました

残念過ぎて言葉もなく、ただただ、光輝く美しいテノールを聴かせて下さってとても幸せな時間を頂戴したこと、あったかい方々がいつも佐野さんの周りにはいらしてご縁を頂戴したこと、そしていつもいい気持ちで聴かせて頂いて、それはそれは豊かな時間を頂戴したこと、あらためてお礼申し上げたいと思います。

ありがとうございました。佐野ちゃん♪
またお目にかかりましょう

 

新年、脳トレはじめ・言いにくいカタカナ言葉②

前回に続き言いにくい言葉シリーズ、お口まわりの筋トレと脳トレです
今回は②言いにくいカタカナ言葉、それ~っ!頑張って!

・ゴルバチョフ書記長 ・マサチューセッツ工科大学 
・シミュレーションシステム
・スリジャヤワルダナプラコッテ(スリランカの首都)
・エゾスジグロシロチョウ(シロチョウ科の蝶)
・メガスケパスマエリトロクラミス(中南米の原産の花)
・パキケファロサウルス(白亜紀の恐竜)

知らない言葉ばかりで、4番目のエゾスジグロシロチョウ迄はなんとか発語出来ました💦

偉そうに書いてますが、ここに書き出すだけでこちらも降参
ア~ッ疲れる~!
だけども頑張ってみましょうかね!

感謝の特等席

昨年暮れ、ノルウェー・オスロで開かれたノーベル平和賞の受賞式に出席した、日本原水爆被害者団体協議会の代表団のニュースは、皆様ご存じでらしたと思います。ご高齢の皆様が行きの長旅にもかかわらず、立派なご挨拶をされ、時折原稿を修正なさりながらの見事な演説に、心揺さぶられた方も多かったのではないでしょうか・・

その授賞式に向かわれた被団協の80~90代の代表委員3人が行きの便でエコノミークラスだと知った、長年客室乗務員を務める方が「ハードなスケジュールの中、分刻みで動いてきた高齢の方々にとって、10時間以上のフライトは大変だ」と帰国便の担当となった折、帰りもエコノミークラスと知り、ビジネスクラスに少し空きがあることを知って、初めて最高責任者に直接メールを送ったそうです。「高齢の方たちなので、何とかなりませんでしょうか」
帰国直前にCEOに送ったメールに返信も期待していなかったが、程なくメールが帰ってきて「素晴らしいアイディアだと思う。喜んでサポートします。搭乗者の名前を教えて欲しい」帰国便で3人はビジネスクラスになった・・
長年客室乗務員勤めるこの方は、母親の戦時中の疎開体験を聞いたり、被爆地の長崎を訪れて被爆の実情を見たりしてきた
「苦しい思いをされたにもかかわらず、一生涯かけて活動を続けてこられた」

北欧から羽田に到着したスカンジナビア航空(SAS)の機内に、13日朝、伝えたかった気持ちを到着時のアナウンスに添えて日本語で読み上げたそうです

「苦しい思いをされたにもかかわらず、これまで生涯をかけて行ってきた、そしてこれからも続けていくであろう貴重な活動に対し、深く感謝すると同時に、核兵器も戦争もない平和な世界が一日も早く訪れますよう、心よりお祈り申し上げます。これからも平和への声を上げ続けて下さい。乗務員一同皆様のご健康とご多幸をお祈り申しげます」
機内は温かい拍手に包まれた・・とありました
到着ロビーに車いすで出てらした方もおいででした。長いご活動に感謝と尊敬の心あふれ、きめ細かい機に敏なご対応に拍手するとともに、記事を読んでこちらもあったかい気持ちになりました。ステキなお話伺いました。

折々のことば 3280 器量

器はまだ空っぽなのに、期待というものがすでに盛られているのを感じます
                           石垣りん

瀬戸物売り場をのぞいていると、何かを誰かと食べる情景を想像し、心が浮き立つと詩人は言う。土が焼かれて品になるところが、焼かれて土になる人間と逆コースながら似ていて、肌身に近いところがあるし、人の徳分や、みめかたちを表す語が「器量」であることも面白いと。人の器量はその容量に表れ出るらしく、「懐が深い」ともいう。随筆集「焔にてをかざして」から

 

新年、脳トレはじめ・言いにくい言葉①

あけましておめでとうございます
本年も、それなりに楽しく、面白がっていきたいと思います。時には真面目に・・です。宜しくお願いいたします。

さてさて、ゆったり9連休の方もいらっしゃるとか?寛がれてることでしょう
お口元、ダラリンとしていませんか?お腹の周りもぷっくりダラリンとしてませんか?お口まわりのストレッチは、腹筋も使うので、何かと宜しいようですよ
まぁ聞いて下さい。口だけ動かせばいい(らくちん)脳トレです。

最近会話の途中でよく”かむ”ようになったあなた、原因は口や舌の筋肉や脳の衰えらしいです。放っておくと認知機能やらに影響する可能性も言われています、大変大変・・!
そこで!おすすめするのが、以前よりここでもご案内している”早口言葉”です
食べて飲んでばかりいないでぇ~!ごろんごろんしてないでレッツ・トライ!

☆彡言いにくい熟語

★老若男女 ★手術中 ★骨粗しょう症 ★生活必需品 ★来場者数 
★取捨選択 ★事情聴取 ★高所得者層 ★派出所 ★初出場 ★魔術師
★著作者 ★車窓清掃 ★新車車両 ★消費者庁 ★古美術商 
★商標法違反 ★環境保護規制法 ★地域経済活性化政策 ★営業所所長職務
★左折専用車線 ★消火装置設置業者 
★高架橋橋脚下(こうかきょうきょうきゃくした)

おいしいお餅や、普段より噛み応えのあるおせち料理の数々のあと、いじわるな早口言葉では顎(あご)が更に疲れますよねェ~!
懲りずに頑張って発音していると、早口言葉も出来るようになります。動かさないと動かない、ダラリンちょ!の口の周りの筋肉をウエイクアップ!!

今年もお元気に、「笑う門には福来たる」
デーケン先生流に「にもかかわらず笑う!」🌸
面白がってまいりましょう!

巳年ですから、脱皮~!
ダッピイー・ニュー・イヤー!?

折々のことば 3282

「あそこに仮設住宅が建つのに、なんで3カ月から6カ月かかるの?大学の先生だったら来週建ててよ!」 宮城県石巻市の小学生

東日本大震災後に訪れた避難所で小学生にこう問い詰められ、建築家・北川啓介はそれを機に短時間で組み立てられるインスタントハウスの研究に取りかかった。美しい建築よりも先ずは子どもらの想いに応えるものをと。能登半島地震の際も、行政の要請も待たずに現地入りし10棟設置したという。ホームページ「北川啓介研究室」から。2024・12・3

子どもの素直な声に聴く耳もって、応えようとする方がいる。なのにああじゃないこうじゃない・・と妙な段取りや、つまらないメンツやらなにやら、理解しがたいものが右往左往する国日本。イザッという時に動けるようにするには、普段の生活にもっと目をとめ、実情をよく見て、子どもの素直な声にも耳を傾け、頭やわらくして考え対応する大人でないといけないなぁ・・

そう言えばかつて日医大の癒しの環境研究会で学ばせて頂いていた時、阪神大震災の時だったと思うが、初めて「段ボールベッド」が紹介され、皆驚きを持ってウエルカムしたものだった。今ではかなり普及していると聞くも、被災地の様子を伺うと相変わらず体育館の冷たい床にごろ寝してらっしゃるのを散見する。急な災害に遭遇して、寝る所もままならない様子を目にするたび、この小学生の見つめる目を!声を!真摯に受け止めないといけないと強く思い、このような点に最初に光を当てる国であってほしい、ありたいなぁと強く思う

もうすぐあのお元日の地震から一年になる。続いての水害。被害にあわれた方々の生活の再建が進まれんこと、ご家族のご健康、安寧を願わずにいられない

思いつき、つぶやきの数々、この一年も拙い文におつきあい下さり有難うございました
寒さ増します折、インフルエンザも流行っております。どうぞ皆さま、おからだ専一になさって、良いお年をお迎えくださいませ
皆さまのお幸せと安寧を、お祈り申し上げます

 

チンパンジーも人の目を気にする?

この6月28日「オランウータン薬草使い治療?」とスマトラ島に住む「ラクス」というオランウータンが自ら薬草を使い顔の傷に塗って治療する話を紹介しました

そしたら今度は、チンパンジーが多くの観客が居ると、能力を高く発揮したり。逆にミスを連発したりするらしい、と京大ヒト行動進化研究センターのチンパンジーが、数字課題に挑んだ記録を分析した結果から判明したようです
普段から接している実験者が多いほど難しい課題では成績が上がったが、簡単な課題では成績が下がったとか

このチームの山本真也准教授は、「チンパンジーにも”観衆効果”が一定程度みられることを実証できた。今後探求したい・・と。

人間は観衆の存在によってパフォーマンスが大きく影響されることがある。多くの観客が詰めかけて野球場で、調子を上げる選手もいれば、逆にプレッシャーに負けて力を発揮関内選手もいる、これが「観衆効果」

人間に一番近いチンパンジーでも観衆効果があるかを調べるため、6頭のチンパンジーが2009年から2015年まで数字課題に挑んだ計9219セッションの成績と、その時の見学者の種類や数との関係を分析しました結果、最も難しい課題では、チンパンジーにとって最も近い存在である実験者の数が多いほど、正答率が向上したそうです。

一方、最も簡単な課題では、実験者が多いほど、正答率が下がった、実験者が一人増えるごとに正答率が6~11%低下する計算となった
見知らぬ見学者に対しては、成績に統計上の変化は見られなかったそうです

「人間の場合、仲間内に見られていると、自分の評価が気になる、チンパンジーも顔見知りか見知らぬ人かを見分けていて、何らかの心理的な変化が起こったのかもしれないとと推測しているとのことです
観客多いと能力発揮したり、ミス連発したり・・、仲間内に見られていると自分の評価が気になる・・親近感ありますねぇ

そんなぁ・・

笑っちゃう話をふたつ・・(ある新聞の投書)

☆彡英語の英
友人の英子さんが電話で住所と氏名を聞かれたとき、「えい子はどんな字を書くのか」と尋ねられ「英語の英です」と伝えたところ、しばらくして送られてきた宛名を見てビックリ!
「A子様」となっていた(笑)大阪府76歳→笑っちゃいますね。しかしながらまず今の世の中怖いですから、やたらに電話で教えちゃダメです。これ大事!

☆彡「ま」抜け
街路沿いの花壇に「すいません」と書かれたプレートが刺さっていた。何を謝っているのか、とよく見ると「すいせん」だった。奈良市・25歳→すぐ視力検査を

 

ことばあそびうた🌸また

谷川俊太郎さんの詩・瀬川康男さんの絵・福音館書店刊です

かってくった

いたかったら
いたかった
いたくったが
いたくはなかった

かゆかったら
かゆかった
かゆくったが
かゆくはなかった

うまかったら
うまかった
うまくったが
うまくはなかった

くさかったら
くさかった
くさくったが
くさくはなかった

 

ほっとけ    いつかご紹介済みのをもう一度

いけはほっとけ
こけははっとけ
たけはきっとけ
おけはおいとけ

つけはほっとけ
ふけはとっとけ
はけはほしとけ
かけはまけとけ

ごけはほっとけ
みけはかっとけ
さけはさけとけ
やけはやめとけ

     もう、ほんとに!フフフ・・

一生懸命だと

一生懸命だと 知恵が出る

中途半端だと 愚痴が出る

いい加減だと 言い訳が出る

そうだった・・そうだった、わかっちゃいるけどなんとか・な私
そう言えば、前にもここに同じ事書いたかも・・💦(言い訳)

谷川俊太郎さん

真っ青な空に銀杏の黄色も美しい日に、谷川俊太郎さん死去のニュースが飛び込んできた。一昨日、月一回の書下ろしの詩が掲載され、読んだ私は胸騒ぎをおぼえたばかりでした・・

感謝

目が覚める
庭の紅葉が見える
昨日を思い出す
まだ生きてるんだ

今日は昨日のつづき
だけでいいと思う
何かをする気はない

どこも痛くない
痒くもないのに感謝
いったい誰に?

神に?
世界に? 宇宙に?
分からないが
感謝の念だけは残る   

     「どこからか言葉が」谷川俊太郎 11月17日朝日新聞掲載

 

・以前、このブログに武満徹のPOPSONGS、石川セリ歌唱のCDから「翼」ご紹介しました。そのCDには谷川俊太郎さんの「死んだ男の残したものは」「恋のかくれんぼ」「見えないこども」の他、この歌ものっていて大好きな一曲です。ご逝去を知って谷川さんのこの歌を辿りながら ファンとして私もたくさんの感謝を捧げたいと思います。

うたうだけ

むずかしいことばは
いらないの
かなしいときには
うたうだけ
うたうと、うたうと、うたうと
かなしみはふくれる
ふうせんのように
それが わたしの よろこび

なぐさめのことばは
いらないの
かなしいときには
うたうだけ
うたうと、うたうと、うたうと
かなしみはふくれる
ふうせんのように
それが わたしの よろこび

アゲハの遺伝・10歳の昆虫博士の話

びっくりしたぁ~と言うより、たまげた!というのがふさわしいかも・・だって
小学校5年生の男の子が、国際昆虫会議でポスター発表し、英語で質問に答えてる!この小学生可愛い!すごいー!

長井丈君10歳・神戸の小学5年生
何でも「アゲハの幼虫の記憶は、成虫やその子孫に遺伝するのか?」がテーマの研究だとか・・

もとはと言えば、レモンの木にアゲハが卵を産み、幼虫からサナギになるのに死んでしまうという経験から関心持ったらしい・・
アレっ?誰かの話に似てるなぁ~。

と言うのも、以前診療室のベランダに、食べたグレープフルーツの芽が出てる種を植えたことがあり、芽が伸びて枝ぶりも立派な鉢植えとなり、気がつけば黒い糞のようなものが沢山あって、それがあっという間に青虫になり子供たちが面白がっていました。青虫に葉っぱ食べられて、グレープフルーツの木は裸ん坊になりそうこうしてるうちに、壁に幼いアゲハが、飛び立つ練習をしているのを見守った経験を思い出したからでした・・

この丈君は、それでは終わらない・・
一年生の時、僕とチョウチョの35日間というレポートをし
二年生では、アゲハの過齢幼虫(5~6回も脱皮)の大発見をし
三年生では、育てた蝶を離しても自分の周りを飛んでくれるが、野生の捕まえた蝶は自分の周りを飛んでくれない、なんでだろうの疑問持ち、記憶では!と思って、幼虫の時にラベンダーの匂いをかがせ、触る代わりに低周波をあてて記憶するようにしてみた!と。スゴイ~!

その理由がおもしろい。ママが片頭痛で、僕もそう、おばあちゃんもそうなんだよ・・と。アゲハを1世代から3世代まで飼育し、交尾させ研究に励んだらしい・・スゴ過ぎて言葉がありません

幼虫時に、ラベンダーの匂いと低周波をあて、嫌な事がある!と記憶させた結果、成虫の68%とその子孫もラベンダーの匂いを避けたそうです
その結果、アゲハも記憶は遺伝すると思うと結論付け、幼虫も可愛いけれど、成虫に遺伝するとわかってもっと好きになりました・・とにっこにこ笑顔でした

将来は生物学者になりたい、困ってる動物や人間を助けたいんです・・と、どこまでも目がキラキラ笑顔の丈君でした
最期にママが出られて、実験装置などお手伝いしたんですか?の質問に答えて「百均に連れてって、本人に考えさせ、自分で作るように促しただけ・・」とサラリとお答えになりました、拍手!

追記・何故あえて蝶の話題と思いましたが、最近よく、と言うより、今まで気づいてなかっただけかもですが、何かの時に「アレっ?蝶々だ」とアゲハが近くを舞うのに遭遇することがあり、友人にも「アゲハが来てるよ」と指摘されることも多くて、なんだか最近アゲハとご縁があるなぁ、不思議だなぁと思っていたので余計この丈君の着眼点と、10歳の素直な気持ちが繋がった研究に驚きながら、親近感持ったことでした
将来の生物学者目指して、丈君頑張って下さい!

山藤章二さんを悼む  東海林さだお

暑さが残る中金木犀も咲いたりする今年の秋、著名な方の訃報が届く猛暑後でした。9月30日に亡くなった山藤さんへ寄せられた、東海林さだおさんの追悼文です

山藤さんはまっすぐにものを見る人だった。
まっ直ぐに物を見て、まっすぐに表現する人だった。
小細工はしない。
だが”ズケズケ”と言うのともちがう。
歯に衣着せぬ、と言うのとも違う。
ありのままをありのままに表現するのだが、ありのままをどう捉えるか。
そこのところに”山藤流”があった。
山藤さんは相手を鋭く指摘する。
批評はとかく切り捨てゴメンになりがちである。
山藤流はそこのところを独特のユーモアにもっていく。
ユーモアに持っていくので、鋭く指摘された人の心は緩む。
緩んで安心する。
安心するのでつい頷いてしまう。
頷いたついでに、つい、ニヤリとしてしまう。
自分の事なのに、つい、ニヤリとし、苦笑し、その苦笑が,いつのまにか。肯定の苦笑になっている。
山藤さんは自分のことをしばしば「戯れ絵師(ざれえし)」と称していた。
世間一般で言うならば「イラストレーター」。
それをわざわざ「戯れ絵師」。
「戯れ」るは「ふざける」。
「絵師」に至っては何をかいわんや。
まさに江戸時代?鎌倉時代?
そういう反逆精神を常に忘れなかった。
忘れなかった、というより、心掛けていた。
山藤さんには世間一般ではあまり評価されていない一面がある。
あまりに当たり前なるがゆえにみんなが気がつかない面。
それは山藤さんの描く似顔が本人によく似ているということ。
実によく似ている。
当代随一、天下一品、唯一無二。
こんなこと(似顔が本人に似ている)をわざわざ書くのは、本人に似てない似顔を描いて平然としている人がいかに多いか、ということを言いたかったからである。
そしてまた、本人に似せて描くことがいかにむずかしいか。
本人に似せて描くことがいかに研鑽が必要か、ということを言いたかった。
そういうことを含めて、山藤さんは”さりげなさ”を大切にしていた、ように思う。
大げさを嫌った。
大げさは粋じゃない、と思っていたような気がする。
「戯れ絵師」はいかにも時代にそぐわない。
そぐわないし大げさである。
そぐわないし、大げさと知りつつ戯れ絵師を名乗る。
只者ではない。
また一人、「只者」が消えて行った。残念。

ビックリ!パリのメロンパン・ドバイの焼きそばパン

ヒェ―ッ!
パリのパン屋さんで、皆が日本のメロンパン買って食べてる!
しかも、アレンジがいっぱいあって、どの方も「美味しい美味しい」と
更に、ソーセージパンやら、カレーパンも大好評!

そしたらもっとビックリ!
次に出たパン屋さんの一番人気は、な~んと「焼きそばパン!」
こちらはドバイのパン屋さん、経営はなんとドバイのイケメン殿下!
もう、ビックリマークばかりですみません

アッ!(またビックリマーク)そうだ5月にアップしたデーツだ!と気づきました。なぜって焼きそばパンって言ったら、ソース焼きそば?
繋がりました!デーツ!

5月に私の大好きな「デーツ」のブログ書いた時、日本のソース会社の方がイギリスのウースター州訪問した際、ソースにデーツが使われていると知り、日本のソースの甘みに使っていた砂糖を→デーツに変えたという情報とぴったんこ合いました。

なぜって放送で焼きそばパン一位の、パン屋さんを経営するドバイの殿下が「デーツの甘みを使ったおたふくソースを使った焼きそばだから、ドバイの人に親しみがあるんですよ」と言ってるじゃありませんか?納得!にっこり
デーツ好きとしては、それが日本のソースの甘みに使われ、そのソースを使った焼きそば挟んだ「焼きそばパン」が、はるかドバイにつながるとは思ってもいませんでした。ハナマルのご縁ですね、
なんだか超嬉しい「デーツ縁」でした!(ビックリマークだらけすみません)
いやはや本当にビックリ! 繋がるなぁ~

折々のことば 3248

日本人だけが安全で豊かなことって、ありえないんですから。
                     緒方貞子

元国連難民高等弁務官は、国家の安全は社会の安定なしに確保できないと語る。ある社会集団ばかりが不公正な状況におかれることがテロや紛争の温床となる。日本が国際的な安全に依拠しつつ経済大国となったことを考えれば、国際社会でいま果たす役割も見えてこようと。
2001年のインタビューの再放送(NHK・Eテレ「テロはなぜ生まれるのか」10月2日)から。

チェロの堤剛さん 文化勲章受章!

8月26日付、チェロの堤剛さんの、ドボコンの放送を楽しませて頂いた記事をここに書き、随分前のお若い頃の再放送でしたがこれぞ!ドボコンと感動したと書かせて頂きました。そうしたら、この度の文化勲章受章の報!!何と嬉しいことでしょう

日本の音楽界全体を牽引し現在は霧島国際音楽祭音楽監督、サントリーホール館長でも居られます
「音楽は人間の心に内なる豊かさを育み、多様な背景を持つ人々の心を繋ぐ架け橋となります」と堤さん
亡き・小澤征爾さんらと後進の育成に奔走、今日本のチェロ界は個性、技術とともに充実の極みにあります「今の若いチェリスト、誰一人似た人がいないでしょ」と相好を崩し、若い作曲家から今も新作を託される日々だそうで、好奇心が先に立ち、嬉しくて挑戦をやめることができないとおっしゃるそうです

先日私が感動した、お若い頃の堤さんのドボコンとともに、いつぞや「題名」で放送された円熟味を増された今日の堤剛さんの演奏が、再放送なることを心から願います。
文化勲章受章おめでとうございます♪

川柳のらりくらり お題・虫歯

たまたま知り合いのところで普段見ない週刊誌をパラリと見たら・・
落語家・柳家喬太郎さん選の川柳コーナーが!
偶然お題は「虫歯」!

・歯医者さんが悪魔に見えた幼き日 (広島県・65歳)

・明日抜くと言う歯を舌で舐めている(千葉県・94歳)

・一睡もさせてくれない蚊と虫歯 (大阪府・82歳)

・カトチャンの歯ぁ磨けよを聞いとけば(静岡県・74歳)

・虫歯でもいいから欲しい自分の歯 (北海道・94歳)

☆彡今週の特選句!
・自然治癒しない虫歯と夫婦仲 (千葉県・75歳)

   以上選ばれたのは何故かすべて男性の句のよう。ご高齢の方が多く、のらりくらりと投稿なさるだけでも素晴らしい!気持ちがにじみ出ていて全部ハナマルですが、全てお気持ちお察し致しました・・ハイ

同じ月を眺めている

猛暑の後、まだまだ暑い中にも秋は来たようで、お月さまが冴え冴え見えます
スーパーのチラシにも、いきおい十三夜の案内やお月見団子の案内など、にぎやかです。今はご自宅でお月見団子を作るのも珍しんでしょうね・・
先日はスーパームーンとやらでしたが、曇りだった上、いつもと同じでした

でも、夜空を見上げると、金色の輝きを放つ月が、私達のことをいつも見守っています。幾千もの星の輝きを見ることが難しくなった現代であっても、月は変わることなく私達を照らしてくれていると感じます

月かげの
いたらぬさとは
なけれども
ながむるひとの
こころにぞすむ

大好きな歌です

あんこ愛

我が家には絶大なるあんこ好きが居て、魅力的なあんこに目がないのです。どら焼きは上野のうさぎや、あんみつはミツバチ、豆大福は群林堂、最中は空也・古印最中、どちらかと言うと「こしあん」好みですが、もちろん粒あんも大好きです。な~んだどっちだっていいんじゃない・・と言われればそれまでですが・・

いつぞや「あんパンとクリームパンどっちが好き?」と言う記事があり、「何言ってんのアンパンに決まってるじゃない」と思ったら、やっぱりアンケートとったら71%対21%であんパン好きの方が多かったそうです、にっ!
・あんパン食べるとホッとする
・あんパンは一個でも安心の満足感、忙しい時はあんパンと牛乳で決まり!

あの人もあんパン好きだったらしい、食に詳しいジャーナリスト重金敦之さんは「あんパンのへそ」と題してこう書いています
< ところで銀座のパンと言えば、誰でもが四丁目にある木村屋総本店のあんパンを思い起こすはずだ >
あんパンは日本初のパン屋、木村屋がつくったとされる。1875(明治8)年に明治天皇へ献上、天皇は「御感斜めならず」と返す。<  もってまわったいいかただが、要するに「気に入った」ということ。これが契機となって、日本中にあんパンブームが巻き起こった  >
やっぱり我々日本人「あんこの国」「あんこの民」なのだろうか・・

この後記事では、対するクリームパンは新宿中村屋が最初に作ったとされる云々・・続くが、あんこ好きとしてはここまで・・

里の父も大好きな木村屋のあんパン、父は桜の塩漬けがのったのが大好きでした。美味しいねぇの言葉に折々持参、最後の入院の時ロマンスカーに乗る直前デパ地下に飛び込み「桜あんパン」買ったものです。「随分小さくなったねぇ」。他の認識乏しくなってもあんパンの大きさにはすぐ気づき、細くなった手で、いつものように半分に割って、鼻を抜けるパン酵母のにおいに目を閉じて満足そうに頂くのでした・・「美味しいねぇ」いつものように言ってくれたことが家族みんなにご褒美のように耳に残っています
ほどほどの桜塩漬けの塩味と、美味しいあんこ、そしてパン酵母のにおい、ホッとしたんでしょう
みんな大好き、あんこ!

この新聞記事には、明治天皇の「あんこ愛」とありました
そう言えば高輪の高松宮邸そばに、松島屋さんと言う、豆大福の有名なお店がありますね、赤い暖簾だったかしら、しばらくご無沙汰の昨今です・・
おいしいお茶入れてあんこ食べましょう、何にしようかなぁ~

明日は明日の風が吹く

La  nuit  porte  conseil (夜は忠告をもたらす)
                  フランスのことわざ

田辺貞之助編「フランス故事ことわざ辞典」によれば、「何か重大な決定をするときには、すぐに決めずに、一晩落ち着いて考えろという訓え」重要な決断は即決しないで一晩塩漬けにして待てということだと

「夜は思案の母」「枕と相談せよ」とも言うらしい(折々のことば・鷲田清一)

たしかに、反省反省・・
猛暑の後ストンと肌寒くなり、ようやく秋晴れ、冴え冴え現れたお月様にハッとします。日に日に変わる自然や空気、大事にしなきゃもったいない、もったいない・・大事な時間

 

再び、アルフォンス・デーケン先生

喜び、悲しみ、苦しみを
分かち合う人間関係がないと
いらついたり、むかついたりする

喜びも人に話せば二倍
悲しみも人に話せば二分の一になる
周りの人は有難い 
             

朝日歌壇「番外地」選者・馬場あき子さん

馬場あき子さん選の時は、いつもクスッとしたり、ユーモアのセンスになんかいいなぁ~と拝読。猛暑の夏の終わり、セミの声も聞かなくなった頃の人生の達人の真面目とおかしみと、あります

・本名です結婚以来名乗ります「かいじゅう」なのです驚かないで 
                          海住 秀子
   「驚かないで」と言われれば驚かないが、いきなり「かいじゅうです」と名乗られたら耳をうたがい、「えっ」と顔を見てしまうだろう。「海住」の文字でやっと納得。次にすぐ友達になりたくなるにちがいない。実に魅力的なお名前だ

・長男の帰省する度知らぬ貌ポールスミスのパンツを洗ふ 
                          斎藤 紀子
    このお母さん、結構楽しんでいる。息子のブランド趣味を通してその心の世界を除いているのかも。ポールスミスはイギリスのファッションブランド。オシャレだなァ。家で手洗いしていいのかなあ。どんなパンツだったのだろう

・家のみで〆の焼きそば振る舞えば上品な味やねとソースかけられて
                          山田 啓子
    この家飲みの場面は親しい人々の賑わいの中でのこと。下句が断然面白い。啓子さんが振る舞った〆の焼きそばは、関西風の味だったのか。客の一人が「上品な味やね」とほめたそばからソースの入った器を取ってじゃーっとかける。「あっ」と思う日々の顔が見える。

選外ながら・・とユーモアあふれる短歌を目にして、またこれらを選ばれる馬場あき子さんのセンスにこころがふわっとしました。ほっこりハナマル!

小田凱人君、金メダルおめでとう!

昨晩テレビで放映あるかなぁ~と、BSのフジ子へミング特集見ながら探していたけど見つからず、それでも眠い目をこすってチャンネル移すも見当たらず!エ~ッ!こんな大事な時に放映ないんだと、ブツブツ言ってたら少しして、小田選手金メダル!とテロップ出て、バンザーイ!

準決勝に進む前も、「金メダル取るために来た!」と強い決心を言ってただけに本当にすごい!おめでとう!
時々自分を鼓舞するようにとがったパフォーマンスする小田君に、頑張れ~と、そのキッパリさに、手に汗握りながら応援の声も大きくなりました。練習に明け暮れる中、小さい子たちにテニスを教えたり、関心持ってもらえるように活動する、小田凱人君まだ18才!

大きな手術をし、車いすになって大変なのに、レジェンド国枝さんを見て車いすテニスをやろうと決め、車いすの操作も体調も大変な日もあっただろうに、決めたら一生懸命、追いつき追い越せその成長ぶりはどなたもご存知のように清々しい
先日ここに那須川さんとのやり取り載せましたが、想像超えるご苦労おありでも、それを微塵も見せずに挑戦する小田君の姿、日々の自分のちっぽけな事なんか、ぐずぐず言ってられないわ!とこんな歳の私にも思わせてくれるパワー頂きました
頑張れ!小田凱人君、なんだか清々しく嬉しい!

素麺イタリアンと一汁一菜

素麺イタリアン!名前に惹かれ、土井さんだし・・なんだろう、やってみようと見ました。それがそれが画期的!お素麺を茹でないで、味つけもしないで美味しく仕上がりました。猛暑の夏に最高!

土井善晴さんは、大阪出身の料理研究家、スイス・フランスでフランス料理を学び大阪吉兆で日本料理を修行の、知る人ぞ知るお料理のプロ。日本料理の土井勝さんの息子さんです。かの昔フランス料理は飯田深雪さん、中華は陳さん、日本料理は土井勝さんと言われた時代でした

その土井勝さんの息子さんが最近「普通に美味しいもん」今日幸せになるなら家事は捨てたっていい、完全無欠より大切な「一汁一菜」(ご飯、味噌汁、漬物)がある。具だくさんの味噌汁にすれば、おかずも兼ねながら、漬物はなくてもいいと・・言い始められたもんだから話題沸騰!

日進月歩の家電の進歩で、家事が驚くほど楽になって・・いないのはなぜだ?と土井さん。家事は本来生きること、「家事からの解放を」と
整えられた部屋、品数の多い食事、糊のきいたシャツ、そんな理想が私達を苦しめる、嫌なら手放したっていい。完璧な食事を捨てよ、ご飯と味噌汁だけ、家庭料理はその「一汁一菜」で充分と大胆発言です、幸せになろうと

ワーキングマザーから一人暮らし、子どもの巣立った家庭まで、多くの人が料理を「しんどい」「億劫」だという。本来料理には「ケとハレ」があるが、これがごちゃごちゃになってるのが原因と土井さんは言う
家庭でもレストランのような料理を作り、まるでグルメ番組のように「美味しい」と言われないといけないという勘違いがある。美味しい、まずいでなく家庭料理は普通がいいんです・・とキッパリ

家庭料理は「家族の心の置き場」だから、お祭り騒ぎのような「美味しさ」でなく、手作りの安心できる「ふつう」が大事
ご飯炊いておけば、具沢山の自由で手軽な味噌汁だけで普通に美味しい
「そこでできた時間や気持ちの余裕」を大事にしてほしい。一汁一菜に何か加えたくなったら、それも構わない

「一汁一菜」を始めたら、もっと料理を作りたくなったと言い出す人がいます
余計なものから解き放たれたからでしょうねとも、付け加えています

一汁一菜の提案は、「家庭料理の初期化の提案でもあります」どんな家事家電やサービスが便利になっても、軽減されない負担感。余計な家事を捨てようとする「捨て家事」がここ数年の大きなトレンドです!とおっしゃいました。自分の家事を「棚卸し」しましょうとキッパリおっしゃる大阪弁に、ハッとします

素麺イタリアン作るのを拝見しても、僭越ですがお料理を知り尽くされ、基本をしっかり踏まえておられるからこそ、材料の性格もきちんとご存じな上でのご提案なので、本当に心に響き「こうあらねばならぬ」に風穴をあけて下さったんだとおっしゃること深く心に沁みました
何でもそうかもしれません・・お料理の専門家から大きな示唆を頂きました。

暑さ残る中にもスーパーには栗も売られたり、秋の兆し垣間見るこのごろです
この夏の暑い日々、水分補給!とガブガブお水やお茶飲む日が続きました。どれほど胃も疲れていることでしょう。具だくさんのお味噌汁でほっこり胃を労わってやるのもいいかもしれませんね
素麺イタリアン!もぜひお試しください。いけますよ!

折々のことば 3088

迷惑をかけたり、かけられたりしながら、
濃厚で味わい深い人間関係がつくられてきたのだ  多田富雄

 幼い頃から人に迷惑をかけるなと教えられてきたが、歳がいって真っ先に甦るのは、とんでもない不注意や失敗で迷惑をかけあった経験ばかりだと、免疫学者は言う。師弟や友人、家族の間でも、迷惑をかけあう中で関係が濃くなる。迷惑をかけないよう気を配るばかりの付き合いはなんとも「味気がない」と。
随想集「独酌余滴」から

1998年熊谷崇先生が、「虫歯も歯周病も細菌の感染症」とヘルスケア研究会を立ち上げられた発会の日、基調講演はこの免疫学者の多田富雄先生。蝶ネクタイで登壇され、歯科の予防の会の立ち上げに一番スゴイ免疫学者がなぜ?と、不勉強の私達は思ったことでした。難解なお話の中で「サイトカイン」だけは、何故か耳に残っておりましたが、その後感染症として口腔内を学び実践する中でも、この言葉は忘れておりました
それが、世界中を混乱に落としたコロナの出現!で俄に蘇りました。あっ「サイトカインストーム」1998年あの時、多田富雄先生がおっしゃったのがこれだった!

多田富雄先生、ご専門を離れると趣味豊かな方でらして、お能も嗜まれていたと知り、今から26年前にこのような第一線の免疫学者のお話を拝聴出来た幸運に、感謝するばかりでした。熊谷先生のおかげです
しかしながら晩年、多田富雄先生は突然の脳梗塞で声を失い、半身不随でご不自由になられた時には、患者さんとして専門部署にご意見述べられたと記憶しており、ご立派な方だなぁと尊敬申し上げておりました
偶々「折々のことば」に先生のお名前を見つけ、再び感じ入ること大なりでした

ゲリラ豪雨や暑い中にも、空にはいわし雲、9月の風のにおいがいたします

産経新聞 「朝の詩」から

凧が空高く飛べるのは
誰かが糸を
引っぱっているから
でも凧は
その糸さえなければ
もっと自由に
空を飛べると
思っている
その糸がなければ
地上に
落ちてしまうのも
知らずに       宮川優

本を整理していて、曽野綾子さんの文庫に目が留まった。その本の中にこの「朝の歌」から・・があって再読。凧の糸は、それは確かに自由を縛るように見えるが、その重い糸に縛られた時に、初めて凧は強風の青空に昂然と舞うのであると

見るともなくページをめくって、再び感動したりしているからちっとも整理が終わらない。しかしそれもいいと思う・・猛暑の夏の終わり

堤剛さんのドボコン

先日に続き、たまたま堤剛さんのドボコン、再度お聴きする幸運に恵まれました
1981年6月NHKホールにおけるN響コンサートです
少し前惜しまれつつ亡くなったピアノ・中村紘子さんの同じ年のコンサートも放送され、友人たち皆興奮しました、エレガントな中村紘子さん、堤さんと仲良しだったと記憶しています

ツウぶってドボコンと言いますが、ドボルザーク作曲・チェロ協奏曲ロ短調です。かの昔、ロストロポービッチがこの曲を弾いてから、その演奏に魅せられこのように呼んでいるように、勝手に理解しています
小澤征爾さんとも通じてらしたロストロポービッチは、実に人間的でおっきくて
その演奏は心揺さぶるものでした

1981年の懐かしい堤さんのドボコン♪♪
若々しさみなぎる中にも、壮大に歌いあげ気持ちいいくらいでした

それにしても、もみあげの立派なこと!不謹慎にも「また逢う日まで~、会える時まで~」の尾崎紀世彦さんのもみあげを思い出してた私です・・あの頃、流行りだったのかなぁ

第三楽章のおわり、朗々と歌うチェロの美しい調べは、何度聴いても、演奏終わってもからだ中に響いて、とても豊かで幸せな気分になりました

そう言えばその頃のオケには、女性の演奏者が少なかったことが見て取れ、時代の移り変わりに興味深いものがありました
その後ご活躍の、ホルンの千葉薫さんの若々しいお顔もありました、隅々まで懐かしく、豊かな演奏聴かせて頂きました。みずみずしい気持ちを思い出しました
音楽ってだからステキです!

甲子園のトンボ

高校野球真っ盛り、仕事しながら何気につけてた、テレビから聞こえて来た「トンボ・・」

「トンボ歴30年のベテラン・・」のアナウンサーの声に、「うん?」と画面を見ました。そうしたら甲子園球場の地ならしをする方々にカメラが回っていて、その地ならしする器具のカタチが竹とんぼのようだったので、「トンボ」ってこの事かぁと初めて知った次第です

まるで聖地のようにきれいに整われた球場の地面は、このようなプロの方々によってなされたものだと初めてしりました。
しかもその一人の方が、「少し雨降ってくれると助かるなぁ、いや、経験値だけなんですけどね」と空を見て又、黙々とトンボと言う器具を動かすご様子に、どの部署にもこうしたプロフェッショナルな方々がいらして、成り立ってるんだなぁと、そのプロ意識の凄さに感嘆しました
だからこそ、甲子園を去る若者たちが土を持ち帰りたくなるんだろう、その甲子園の土には自分の達成感とともに、かけがえない人々、表に出ない支える人々も含めてのおもいも詰まってるから、持ち帰りたくなるんだろう・・と

ふと、島根県の足立美術館の庭師たちの話を思い出しました。2003年以降アメリカでも有名な庭園の人気ランキング一位を続けている日本庭園です
人工の庭と、自然の山々とで究極の美を創り出している庭師の集団、
拝観者が来る前の早朝に、一枚の落ち葉もゴミもチリ一つ残さず、お客様を迎えるそうです。ランキングの為でなく、今日見えるお客様の為に、「掃除に始まり掃除に終わる」といって憚らないプロの庭師たちだそうです
剪定もハサミを使わず、手でつまむ時もあり、人の手が加わって自然は美しい魅力を増す!と言い切ります

甲子園のトンボを知って、トンボ使っておもいを込めて整地し、全国を駆け上がってきた球児たちに最高の舞台を陰で支える甲子園の整備の方々を見て、足立美術館の庭師と重なり、やはり、晩秋の足立美術館に行きたくなりました

そうそう、待合室の新刊本コーナーに置いといた「大事なものは表から見えない」と言う絵本。土の下の植物の根っこやらを紹介した私の大好きな絵本でした。子供たちが、ただ飽かずページをめくってるのを見るだけで幸せでした

高校野球の選手たちの頑張りに拍手!
そして関わる方々にも、大きな拍手差し上げたいですね

後記・試合も終わった25日の情熱大陸が、たまたまこのお話しでした。今月”100歳”を迎えた「阪神甲子園球場」を支える現場を8カ月にわたって見つめたと。1月、内野の土を耕運機で掘り起こす「阪神園芸」の職員たち。春までの3カ月が、その年の命運を握っていると言う。目指すのは、水はけと水持ちのいいグラウンド。この一見相反する整備の真髄。ファンの間で語り草の”神整備”には、気の遠くなるような準備があるという。つい正座してしまうような心に響く番組でした。トンボに気づいて、いろいろ知れて有意義でした

パリの漫画喫茶 続き

8月2日にパリの漫画喫茶7月24日放送のテレビ時評のレジュメを、ここに載せさせていただきましたら、先日の夜番組の再放送がありました

興味深く拝見したら、息子に漫画喫茶を勧められて一緒に来たママとか、そのママが「漫画には人生の哲学が描かれて面白い」等、また夫と交互保育!?なる言葉も初めて知って、思いがけず知らないことだらけでした・・

パリで年間約100冊もの、日本の漫画の新刊本を出してることも驚きを持って、初めて知りました。漫画喫茶に関わる流ちょうな日本語のフランス人男性が一番好きなのは、手塚治虫の「火の鳥」だそうです、日本は世界で一番影響力のある国だよ・・と

読書の合間に、供えられてるカップ麺を、特にインスタント焼きそばのUFOが人気で、若者が器用に「美味しい」とすすってました。カップ焼きそばを大事に抱えて帰る若者に、クスっとしました

「あきらめないで、前へ」
漫画で言われると勇気出てくる!と小学生くらいの男の子が、マジ顔で言うのでした、そして一生懸命、日本語を話そうとしてて・・その位日本の漫画に魅せられてるご様子、なんだか嬉しいなぁ

又、あらためて日本の漫画のラブコメでは、女性が男の人の為に頑張ろう!だけど、欧米の女性は、自分の為にきれいになろう!と思うんだよ・・編集に携わる男性の言葉はすんなり、痛いほど届きました・・

ちなみに人気の一位はワンピース
       二位はNARUTO
       三位はドラゴンボール
       鬼滅の刃・・と続きます

日本の漫画喫茶に集うフランスの方々から、知らないことを沢山教わりました
見方が変われば、理解も変って面白い!とあらためて痛感でした
それにしても、その漫画喫茶に集う方々が、どなたも穏やかだったこと・・

草熱れ くさいきれ

今年に入って、ある方から頂いた「美人の日本語」山下景子・美しい文庫本は日めくりのように、毎日開かせて頂くのが新しい習慣になった
そして8月13日が「草熱れ」(正直読めなかったです・・)

元気への変換 
生い茂った草が強い日光に照りつけられて発する、むっとした熱気の事です
「熱れる(いきれる)」、熱くなるとか、蒸れるという意味で、「息切れ」や「息有る」が語源だそうです
炎天下で、草たちも一生懸命息をしているのですね。
「熱る(いきる)」となると、調子に乗って勢いづくという意味もあります。
暑い時は息づかいも荒くなります。ところが、息づかいが荒いのは、暑さのせいではなく、興奮して、勢いづいているからだと思い込んだわけです。
楽しくなくても、笑ってるうちに楽しくなるように、暑くて息を切らすことを元気に変えてしまったのです。
私たちも草たちを見習って、この夏の猛暑を元気に変えてみませんか。とある

はて?本の後ろを見れば平成20年4月初版、平成24年8月3版発行
今、令和6年8月。3版から約12年経った。毎日35度以上の気温を聞くことが当たり前になった昨今の夏、ひどい時は優に40度を超す日もある
山下さんが「草熱れ」を書かれた頃の8月13日は気温何度位だったのだろうか?
おもえば私も小さい頃、野原を走り回った時の気温の記憶は全くないものの、なんだかム~ッとした草の青いにおいは思い出す。「くさいきれ」は微かに記憶があるような、ないような・・
現在の猛暑では、子どもでも外を走り回るのも憚れ、嘆くばかり・・
なのでそんな子供たちを見る影もなく、私も「くさいきれ」はすっかり忘れてしまいました。皆さまは草熱れ、覚えておいででしょうか・・?

池江選手応援しています

パリ五輪も随分進んで、メダルを手にした日本人選手が、帰国する映像も見られます

早くに水泳に登場した池江選手!
白血病の過酷な闘病を乗り越え!再びオリンピックに登場下さるなんて、なんともすごいことです!がんばりましたね
闘病からプールに戻った時の、筋肉落ちてやせたお体の映像をおぼえている人は、きっと誰しも「すごいことだぁ。頑張るなぁ!すごいなぁ、応援したいなぁ」と思ったはず・・
その時、池江選手は「水の中に戻れてうれしい」と顔をくちゃくちゃにして、インタビューに答え喜んでいらして、こちらも思わず「やったね」と叫んでしまいました

思うこちらは勝手だけど、それからどれほど大変な鍛錬の日々を送られて来たのか、計り知れません。彼女は頑張った!海外に鍛える場を求めて日本を飛び出してまで頑張った!だから、今回の結果は彼女にとって不本意かもしれないけれど、私達はわかったと思う。「あきらめないこと」「やってみること」

不本意な結果の後のインタビューで「無駄だったのかな?」と池江選手。そして一呼吸して「次の4年後頑張ってみようと思う・・」と付け加えた、すごい!

「無駄」ではなかったですよ、気楽に言って申し訳ないけれど、どれだけ大変か想像つかない治療と闘病経て、私達は前向くあなたを見ました
みんなそれぞれ、いろいろあるけれど、「前を向く勇気を頂きました」
だから、心から「頑張りましたね!ありがとうございます」です

その後のリレーに参加されたあと、めまい?起こされ医務室に入られたとニュースで知りました。おおごとにならぬことを願い、しっかり休息取られてご快癒を祈り、おからだ専一にと願うばかりです。

みつけた幸せ

「似ている言葉 みつけた幸せ」
             こんな宮城県の女性の投稿がありました

ある朝、食事で「ドレッシング」を使った後、「ストッキング」を探していたら、二つの言葉が似ていると気付き、嬉しくなった。
嬉しさは、朝の通勤電車でも職場でも消えず、幸せだった。他にも似ている言葉がないかと考えた。
「ホイップ」と「ポリープ」は、やだな。「ビジネス」と「美人です」も似ている。言葉遊びだが。
なゼドレッシングとストッキングがうれしいんだろう。それぞれの世界が素敵だからだ。朝食はいつだって爽やかで、笑顔がこぼれる。ストッキングをはいて、先輩女性たちは奮闘してきた。居場所は、一方は冷蔵庫、一方はタンス。そうしたイメージが組み合わさり、偶然の出会いに不思議な気持ちになる。
日本語の語彙数は30万~50万語ほどと言う。言葉の海で、二つの言葉が偶然、仲良く浮かんで輝いた。さりげない日常を送っていたら、また言葉たちが浮かび上がるかしら?・・と

見知らぬ方の投稿に、ステキなことを考えてる方がいらっしゃるなぁ~と知った一日。この春BSでとても楽しかった番組「舟を編む」。「言葉」がとても深く面白かったので、なんだかもう一度見たくなりました・・
いつになく他愛のないお話し失礼しました、なんだかほのぼの響いたのでした

パリの漫画喫茶

7月24日の「ドキュメント72時間SP」何気に見たら、現在オリンピック真っただ中の、パリの漫画喫茶が舞台でした
他局の「Youは何しに日本へ」でも、いかに日本の漫画が世界中で愛されてるのかとしばしば感じていたけれど、このドキュメント見て思いがけずいろんなことを知る機会となりました。以下、興味深いテレビ時評のレジュメです

☆「パリの漫画喫茶」が舞台のドキュメント。この場所を訪れるのは大学の試験が終わったばかりの女性や、大学卒業後、なかなか就職が決まらない移民の男性、児童養護施設から月に一度訪れるという少年などさまざま。ステップファミリーや、離婚した元夫と交互に子どもを育てる女性など、フランスの多様な家族の在り方が見えたのも興味深かった。

番組によると、フランスで人気の漫画は「ONE  PIECE」や「ドラゴンボール」など日本と変わらないようだ。しかし、漫画喫茶に来ている人たちが手に取る漫画はもっと個人的なことが描かれてる作品だ。読んでいる漫画についてスタッフが尋ねると、皆その内容を的確に説明する。日本の漫画の成長ストーリーに勇気づけられたという人や「善と悪がグレー」で「完璧じゃなくて欠点があったり」するところが良いと評価するひともいた。

特に漫画喫茶を訪れる人の発言で驚いたのは、フランスで日本の漫画を出版している会社で働く男性が、少女漫画、特にラブコメは売れていないと言っていた場面だ。その男性が言うには
「(日本のラブコメが)男性の為にきれいになろうとか頑張ろうとする主人公が多いけれど、欧米の女性は、男性のために活躍したいわけではなく、自分のためにきれいになりたいから」とその理由を語っていた。
日本の漫画の多大な影響力を感じる部分もあったが、日本では当たり前に思っていたことが、海外では新鮮に受け止められたり、不思議に思われたりしていることが分かるという意味でも面白い企画であった。(ライター・西森路代さん)

ふむふむ・・

エ~ッ!虫?草?

増刷出来!の新聞の見出し、何々・・誰のベストセラー?とよく見れば

「食べられる虫ハンドブック」
びっくり!おいしい!食用に適した132種を紹介。揚げる・茹でる等の調理法や味・食感をまとめた本邦初・虫の食材図鑑 オールカラー 1540円

「食べられる草ハンドブック」
採集方法や適した調理法、美味しい「イチオシ」まで、食べられる野草160種を季節ごとに紹介!アウトドア・自由研究に オールカラー 1540円   

びっくりしちゃって何度も見ました。いよいよそんな時代?・・
虫をおかずに買いに行く時には虫かご持ってくのかなぁ~とふざけて友人に言ったら「バカなこと言わないでよ!」と一蹴されましたけど、本が出るくらいなんだから・・と私。もうそんなことになっているのだぁ
まだまだでしょうけれど・・大変だぁ~!

 

爽やかな二人 小田凱人さんと那須川天心さん

珍しく暑さ負けし気力も落ちてヤレヤレ・・と歳を実感のこの頃、何気に新聞に「対談で省みた固定観念」とあり、固定観念と言う言葉にギクッとなって読みました。ある記者さん60歳を前に一番関心ある「パラリンピックは社会を変えられるか」をテーマに仕事をしている方の編集考記でした

掲載の写真を見ると、小田選手がボクシングのポーズして立っていて!傍でなんと那須川選手が杖をついている、アレ~ッ・・?

「この杖、カッコいいっすよね。持って撮りたい」二人の対談終了後「決めポーズ」を撮影しようとした時のこと。記者さんは二人の空気感をどう表現するか?決めかねていて希望を尋ねたところ、那須川選手の発したこの言葉に、正直「やられた」と思ったんだそうです
1998年の長野冬季パラリンピック前からパラスポーツの取材をし、「義足や車いす、手足の欠損が分かる写真をそのまま載せていいのか」そんな声が社内から上がったこともありどこまで見せていいか自分にも迷いがあったと
「ありのままを伝えて」選手たちからそう言われたこともあり、パラリンピックの父、グッドマン博士の「失ったものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ」に共感し選手におもいをよせてきたつもりだった

だが、緑色の杖を持ちたいと言った那須川選手の発想にハッとして「杖は障害がある人が持つもの」と言う固定観念が自分にあったと気づかされたとあります

「多くの人に競技を知ってもらうのが大事、カッコいいのが一番」対談で盛り上がる二人を見て、新しい時代が切り開かれていく感覚があったと、素直にのべておられます、きっといい雰囲気だったんでしょうね

長野大会から26年が経ち、パラスポーツを取り巻く環境も激変し、五輪との一体化が進み、パラ選手も国内最高峰の練習施設「ナショナルトレーニングセンター」(東京)が使えるようになり、またパラ選手をアスリートとして雇用する企業も増えてる昨今、厳しい練習に耐え、結果を残してきたパラ選手たちの影響力や発信力がいま、社会を変える源になっていると感じる・・と書いています

小田選手は「思い描いている未来像やロマンは天心さんと一緒。車いすテニスプレーヤーだけで終わりたくない。いろんな側面のある人として、やっていきたい」と語り、那須川選手も「ぼくとマインドがすごく似ている」と応じたそうです、なんだか文章読んでるだけでもワクワクが伝わり、素直でカッコイイ!

パリ・パラリンピックで金メダルが期待される車いすテニスの小田凱人選手(18)とキックボクシング界の「神童」と呼ばれ、ボクシングに転向した那須川天心選手(25)のこの爽やかさに私も記事読んで「やられた」と思うと同時に、小田選手が歩く時に使う緑の杖持ってポーズする那須川さんと、ボックスのポーズする小田君に、固定観念かぁ!?頭カチカチはダメだなぁ・・と素直に思ったいい日になりました
若いお二人ありがとう、応援するね!