「オーサー・ビジット」という新聞のコーナーから
ジャーナリスト 池上彰さんが、札幌聖心女子学院での授業の模様
この62年の歴史を持つ学校にとって、この日の授業が最後。生徒たちが入学した年には、閉校が決まっていたという。カトリック系の同校には寄宿舎があり、宗教の授業もある
池上さんはまず、パレスチナ・ガザ地区での紛争問題を取り上げた。概してユダヤ教とイスラム教の宗教対立ととらえられがちだ。しかし池上さんは、元をただせば「2千年前から続く土地の奪い合い」だと指摘した
そもそもユダヤ教とイスラム教、キリスト教には、「自分たちは神によって生かされているという共通概念がある」と。自身は「なんちゃってブッディスト(仏教徒)」だとしながらも、信仰しない宗教であっても、その宗教を知り、尊重することが大切で、それは言語の違いにも当てはまる、と言及した
池上さんは、ロシアによるウクライナ信仰の背景を、言語を例に解説した。ウクライナにはウクライナ語だけでなくロシア語を使う住民もいるが、ウクライナ政府がロシア語を制限するような動きを見せた。これに、ウクライナ東部のロシア語圏の住民が反発、ロシアにつけ込む口実を与えたとした上で、「宗教であれ言語であれ、リスペクトしあえてこそ本当の国際人では?」と問いかけた
最後に質問が殺到した
英語の他に習得すべき言語について聞かれると、「外国語を話せること以上に重要なのは、”語るべきもの”を持つこと。そこに教養が表れる」
目的意識を持って入学し、「しんがり」を務めることになった生徒たち。池上さんは期待を込めて激励した
*授業を終えて*
伊藤理央さん 「宗教の授業がどう役に立つのかわからなかったけれど、その意義を教わり、すっきりしました」
山本優奈さん
「語るべきものを持ちなさい、というメッセージが特に響いた。その為にもよく調べ、本を読み、教養を身につけていきたい」
池上さん
「国際社会において、宗教の基礎を学ぶことは必須の教養になり、強味にもなることが伝わったなら良かった、皆さんの言動にはこの学校だからこその学べた、その蓄積が現れていましたよ」と
真綿のように水含むがごとく、水光る若葉のような若い方々のように、私も言葉を大事につかって話したいなぁと思ったことでした
桜も咲いて、春が来ました・・