介護の現場から③

初めて父のところに男性の看護士さんが見えました。名札がドクターも看護士さんもSTさん・・もみな同じ色なので、よく見ないと区別がつきません。ドクターと思ったら、看護士さん。男性みてドクターと思う私の先入観でした。その方、挨拶されたものの、マスクにプラスチックのガードに眼鏡ですから、声が聞こえません。父のそばで何かおっしゃっているので、「すみませんが父94でこちら側耳遠いのです」と申しあげてもガード付きのマスクを外さないので、「マスクを取ってお話し頂けませんでしょうか?」と申しました。すると「お口のケアにきました」とのこと。何にも持っておらず、「?」と聞きますと、この4月に看護士になったばかりとのこと。どうなさるのか見ていても父の入れ歯外すことも難しそうなので、「私がやりましょう」と申し出て、「食後の手入れするので入れ歯を外しましょう・・」と父に言ってペーパータオㇽを口元に持っていき自分で外してもらい、キャッチしました。新人看護師さん「うわッ!」と。唾液含め食査がつき糸引き納豆みたいな入れ歯みて、びっくりしたみたいでした。「未だ駆け出しで授業でも口腔ケアの時間短く何にも知りません」・・と。偉そうにするわけも行かず、私がやることも正解でないかもしれませんが、汚れを取って患者さんのお口の中がきれいになって、お食事が美味しく感じられれば良いことなので、やってみますから見ていて下さいと言って、いつも父にしている流れを見て頂きました(ドキドキ・・)

その間、94歳でも自負もありますので沢山言葉かけをし、いくら娘と言っても、失礼にならぬような気づかいをしていつものように淡々と進めていきました。お口の清掃している間に、ちょっとの時間でも、入れ歯を清潔なやわらかいブラシあてて、洗浄剤につけます。その間ああだこうだ話乍ら、やわらかいスポンジブラシやはねブラシなど使ってお口の粘膜もそっとなでたりします。ベロもオエッとならない範囲で当てます。強引に舌ブラシあてるとかえって傷ついて嫌がります。配食されるお気遣いの野菜のおかずもなかなか味付けが合わないのか?積極的にとりませんので、口の掃除にはなりません。日ごろいろんなものを食べることが、お口の運動および掃除になっているわけです。

そんなこんなで、清潔になった入れ歯を、先日の菊谷先生の講座で学んだように、わざと
無造作にペーパータオルに載せて「どうぞ」と父に差し出すと、「ありがとう」と必ず上の入れ歯から口に納め下の入れ歯を入れて上下の噛み合わせを確認します。大したものです。「アーッさっぱりした」という父の言葉がご褒美です。実際看護士さんの現場で、このような手間かけていられないでしょうが、実際何分もかかりません。口の中を清潔に整えてあげることは、結局肺炎予防になり、摂食機能も落とさずに済むことが多いので、お口のケアは優先してやって頂くと、患者さんにも医療者側にもいいこと尽しなのです。

という訳で新人看護士さんはただ「ハーッ!」と感心しきりでしたが、この病院は別にSTのチームが回ってくれますので、総合力で助かっています。

そうは言っても、ちょっと目を離すと父を心配した母が、「アイスクリーム食べますか?
ヤクルト飲みますか?」となるので、それをダメというのでなく食事をきちんと取るにはチョコチョコ、「チョコとかヤクルトのませていると、ご飯食べなくなっちゃいますよ」ということを、世話したい側の気持ち損ねないように話すのも「技と気遣いがいります」

さりとて94だからもう好きなようにさせたらいいんじゃないの?という声も聞こえそうですが、どっこい片耳がほとんど聞こえない父にも、「気配はわかる」ということを念頭に置いて、「心無いことはしないようにしよう」と介助に通っています。人間は寿命迎えるまで人間であることを忘れないようにしたいと思います。

専門家の看護・介護・家族の看護と介護。見守り。
世話する側の「知と情の管理」
介護の現場は自分を問うことでもあります。
父を取り巻くすべての方から、学ぶことばかりの毎日です。有難いことです。

スキンテア 再び

父の介護中です。94という年齢の上、今回の入院で少々食欲も接触も落ちており、肌を毎日清潔にしボディオイルなどでケアしていても、皮膚は紙のように薄くなっています。
事情で服薬が出来ないので、肩の痛みにパップ剤で対応くれました。週末看護士さんも手薄なせいか、私に貼り直してほしい・・と。最近のパップ剤は大変薄くゴムのようで、裏紙もプラスチック材なのかはがすのもとても大変です。

それより94歳の父の肩に貼られた古いパップ剤を剥がすのに、”本当に神経遣いました”先日学んでブログにあげました「スキンテア」の話です。
父に聞けば、「歯がす時痛いんだよ」とのこと。そうでしょうそうでしょう。皮膚が一緒に剥がれそうですもの・・。なので少しずつそこしずつ剥がすほうに手を当てながら進めると、うまくいきました。「痛くないねェ」と父の言葉にホッとして・・。

これは張るのも、剥がすのも神経つかわないと、皮膚一緒に持ってっちゃうな!と感じました、繊細なこの作業、忙しい看護の現場でどうでしょうか?

高齢者の皮膚に対応したパップ剤が開発されることを切に願いました。塗るのもありますが、高齢者は経験値から、又好みで慣れ親しんだということも大事な用件ですので、違和感なくてなお且つ安全な商品があるといいですね。

ブログに書いておきながら、94歳の父の皮膚を見て、こんなにもうすーくデリケートになってることにあらためてびっくりし、注意しなければと自戒しました。皆さまも注意して、バンドエイドや絆創膏の取り外しなさって下さいね。

介護の現場から②

昨日の新聞からです。介護中のおばあちゃま。言語訓練中でこう尋ねられたそうです。知ってる鳥の名前教えて下さい。[ハイ、焼鳥!] いいですねぇ。このお答え。きっとこのおばあちゃまは皆の人気者になって、楽しくリハビリされ、ご回復なさる事でしょう。笑いは地球を救う!でした。今日も父、母とこんなスタンスで過ごせれたら幸いです。紫陽花がたっぷり咲いてきれいですね。

介護の現場で・・

先週父が救急で入院しました。94歳です。応急処置が功を奏して、意識も戻り会話も食事(それなりですが)も出来るようになってきましたが、思うようにはなりません。でもこの病院には「口腔ケアチーム」がいてくれて、昨年に引き続きとても良くして下さいます。私がいる時には、私が父の総義歯を洗い、お口の中をスポンジブラシでマッサージを兼ねて、汚れ取りしています。94歳でも父です。赤ちゃんではないので大人の父に話すように心がけています。昨日ちょうど昼食後に私が既に入れ歯を外して洗い、お口の中もきれいにした後、衛生士さんが見えました。ベロ(舌)の汚れが気になっていたのと、
食事微妙な味が、わからない・・と、父が言ったからです。それを伝えてあったので、衛生士さんが来てくれました。

「お口の中きれいにさせて下さいね」
「さっき娘がしてくれましたよ」
「アッそうでしたね。私はベロの汚れを見ましょうか?」
「もういいよ。やったんだから・・」とちょっとイラッの父。
「そうですか。でもね、ベロの上に汚れたまってカビみたいになっちゃうと、せっかくの
ご飯がまずくなっちゃうので、召し上がれないと大変でしょう?ご退院になれなくなっちゃうし。それにこれ私の仕事ですので、業務報告にあげないと叱られちゃうんですよ」
「そりゃ大変だ。あなた困るね。ハイハイ」とお口を開けて、ベロをベーッと出してくれる父なのでした。

衛生士さんのプロらしいうまい言葉かけと、父の目を見て、穏やかにあったかくお話し下さる姿勢に、思わず「プロ!」と叫びながらありがとうの気持ちでいっぱいになりました。
現場は困難なことがたくさんですが、このような方々に支えられています。感謝。

大人の歯みがき・みがき残し編

最近は随分ホームケアも進んで、年数回の歯科医院でのメンテナンスの他に、おうちや職場でのケアが当たり前になってきました。とてもすばらしいことです。

ただ、自分ではしっかり磨いているつもりでも、歯と歯茎の間など、実は約8割の方が磨き残しが多いというデーターが出てきました。特に歯みがきに自信ありという方に磨き残し多いという事らしく、過信してはいけないということでしょう。

2014 ライオン(株)が調べた、自分の歯みがきに関する自覚と歯垢
             (歯と歯茎の間の歯垢)付着状態の調査では

        やや磨けている     やや磨けていない   みがけていない
        歯垢付着スコア     歯垢付着スコア    歯垢付着スコア
        21%から60%     60%から80%    80%以上

自分の歯みがきに
”自信あり”の    19%       49%        32%    
自覚良好群

  (参考)
自覚不良群     20%       40%        40%

ということは、歯みがきに自信ありの自覚良好群の81%=約8割の方が実に磨き残しが
多いということになります。ですので、磨き残しやすいところを、定期メンテナンスの時にしっかり教えてもらい、より丁寧に注意してお手入れなさるように致しましょう。ホームケアとプロのケアの連携の必要は、ここにあります。磨き方が悪いのでなく、歯ブラシの届きにくいところが、磨き残しになりやすいのです。日本人の約半数に叢生(そうせい→歯が重なって生えてるところ)があります。歯垢の残りやすい部分こそ、しっかり意識して、フロスや部分磨きのブラシ等使ってケアしましょう。年齢によって、思わぬ体調の変化もあり、いつもと同じにケアしてても、結果が違うということがあります。お一人で悩まず、ご相談下さい。

歯の衛生習慣

昔6月4日は「虫歯予防デー」とされてましたが、現在は6月4日から10日が歯の衛生週間になりました。以前は6月4日になるとあちこちの動物園で、カバの口をアーンと開けて
歯ブラシする光景が一般的でした。

70年代、日本は虫歯の洪水で「333運動」3度の食事後3分以内に3分間歯を磨こうと学校で教わったと思います。その後の食生活は砂糖摂取が大きく増えるなどがらりと変わるものの、歯みがき習慣は根付かず、10歳以上55歳未満で、虫歯で処置した歯や、未処置の歯がある人は長く9割もいたという調査があります。しかし歯の衛生週間運動などの地道な取り組みに「歯磨きしない人」は87年調査以降1%に減ったそうです。いまでは子供のむし歯も平均1本となりました。

昭和の人気番組「8時だよ全員集合」の最後にカトちゃんが「宿題やったか?」「歯磨けよ」と言っってお茶の間で笑ったものです。効果があったのでしょうね。

最近では8020運動となり、80歳で20本の歯を残そうということですが、ここえきて平均寿命でなく、健康寿命=ご自分でご自分のことが出来る概念となり、ますます日々の生活重視ということで、「食べる」ということに主眼が置かれ、それには「お口の中が整っていること」が大事・・と意識が変わってまいりました。

毎日している歯みがき。されど歯みがき。
虫歯も歯周病も細菌の感染症。丁寧な歯みがきと定期的に歯科医院で歯科衛生士に汚れを取ってもらい、噛み合わせ、歯茎のチェック等をして、お口の機能が下がらないように
致しましょう。

歯みがきも身につくとやめられない習慣です。
ならば、時々専門家のチェックを受けて、変っていくご自分の体・お口の中に沿ったお手入れをして、有効なお口のお手入れをしましょう。使うブラシ・フッ素ペースト・デンタルフロス・歯間ブラシ・入れ歯のお手入れ、日々進化してますし、皆様のお体に合わせたケアに、充分お応えできる時代になりました。

やらなきゃ損そん!! 歯みがき・お口のお手入れです。
さて、きれいになったお口で、今日は何を美味しく頂きましょうか・・!

「第一大臼歯ケア」で認知症を予防する!

先日ブログに書きましたように認知症勉強会でも、お口のケアをして、特に噛む機能を確保するのが専一ということを学びました

今週号の女性雑誌にも”第一大臼歯ケアで認知症を予防する”の文字。一般紙にもこのような記事が載る時代です。歯が抜け始めたことが、認知症の原因の一つになっていた!?その意外な関係を握る歯は、40代で4人に1人が失っているという現実があります。丁寧な歯みがきとプロのケアを受けて、特に噛むための「要の歯」である「第一大臼歯」を死守することが、認知症予防の第一歩かもしれません。
残っている歯の本数が健康寿命と比例することは、よく知られるようになりました。

第一大臼歯を残すことが肝心要と言っても、既に失ってしまった方もあるでしょう。それでも義歯・ブリッジ・インプラントなどで噛むことを維持しましょう。噛むという行為は顎を開け閉めすることで、多くの筋肉が動き、血流がアップします。それにより血液をどんどん脳に送ります。実際、寝たきりの方に、入れ歯が整うと、話せたり・立ったり・歩けるようになったり認知症の予防に、噛むことが大きく影響することがわかっています。
ただ、先日も学んだように、初期認知症になられている方に、インプラントなど、ご自分でケア出来ない治療法を選択するのは、好ましくありません。

また40代以上になると歯周病で歯を失うケースが多いのに対し、第一大臼歯の4割ほどは「虫歯による」というデーターがあり、特にこの奥歯は既に金属が被さってる方も多く
金属入ったり、被さってると虫歯にならないと勘違いして、お手入れがおろそかになり再び虫歯にする方も多いです。加齢と共に歯の根元に虫歯ができやすくなり、歯みがきしていても、その方に効果的な歯みがきの仕方をご存じない方もおられて、次々と歯を失っていきます。

歯のお手入れは、トータルな健康管理の為と意識して、いつもやってる歯みがきだけど
「歯科衛生士に効果的な歯みがきの仕方。年齢・お口の中の状況に合わせた虫歯を予防するフッ素の使い方」などオンリーワンの方法を教えてもらって下さい。

元をただせばこの大切な奥歯は、子供のころ乳歯の後生えてきた奥歯です。ですので、当院ではお子さんの時から、乳歯の奥歯は生えかわるけれど、虫歯菌は次の歯にうつっていくことを話します。そして大人の奥歯が生えてきた時には、「一生使う歯であること。臼の役目でずーっと大事」かを話します。その為ホームケアとプロケアが必要で、又初期虫歯の状況でも、よく観察しレーザーで確認し、「早くに削り始めないこと」が肝心です。早くに削って金属かぶせ始めれば、歯の寿命は確実に短くなります。

歯はいつまでも元気でいるための、大切なパートナーです。
一本一本丁寧にお手入れして、治療の繰り返しにならぬように一歩進んだケアをしましょう。。

入れ歯でも定期的に来たほうがいいんですね。

”一年前、困りに困って見えた初めての患者さん。義歯が合わず何度受診しても
思うようにならず、悩まれていました。当院でもお役に立てるか不安でしたが、よくよくお話しを伺い、義歯を作り直すことになりました。初診終わった時受付で、「こんなに良く話を聞いて頂いたことは初めてでした」とおっしゃるのです。当院では普通のことなので特段のことを致した覚えもありません。ただ義歯を作るということは、アクセサリーを作るのではないので、その方のお気持ち・お暮らしぶり・生活習慣など含め折々に伺うことは、必要不可欠と思っています。言い方悪いですが、義歯というのは”リハビリテーション”です。

段階を追って、義歯作る準備しながら、回を重ねるごとに患者さんにも変化が見られ 「入れ歯でも、皆さん定期的に通われるんですね」と気づかれました。待合室で、入れ歯の定期チェックに見える方とご一緒したからです。はたして義歯が出来た日のお喜びようは半端でなく、お家でのお手入れも熱心に聞いて下さり、こんなことしたことなかった、ただ洗浄剤にチャポンじゃダメですねと。その後何回か調整に来て頂き、こんな風にするんですか?とびっくりされたので、召し上がって頂けるようにしないといけないこと。お家でのお口のお手入れ・入れ歯のお手入れ共に大事だということをお話しし、ご理解いただけてうれしかったです。その内、下の入れ歯も作って下さいとのことで、準備開始。ようやく暮れには上下で召し上がれるようになりました。その後残った数本の歯の維持の為お手入れを話しましたが、一回目のケアの日をお忘れになりました。するとお口の中に汚れがついたのを自覚なさって、「入れ歯の具合いいいからって、前の感覚になってこなくていいと思っちゃったけれど、やはり入れ歯の調整とチェックしてもらって、口の中きれいにしないとダメなんですね」と気づかれました。

長く当院にお通いでなく、「何かあったら歯科医院に行けばいい」と思ってらした患者さんに、そうでないことをお伝えするのはとても大変です。特に高齢になられるとなおのこと、習慣を変えるのは難儀なことです。根気よくお話しし、必要なこと・できることをご案内して、快適な日を少しでも多くして差し上げることが、私達の仕事です。

前回,衛生士が残った歯のお手入れを話したところ、「入れ歯は私にとって、ダイアモンドより大事」とおっしゃったとのこと。でも生活習慣には勝てないので、すぐ以前のお手入れしない生活に戻ってしまわれるのです。根気よくおつきあいすることが大事ですね。

”習慣がつくる 心もからだも” は日野原先生の名言です

ご存じなかったことを、出来ることにかえていただき、結果が出ること(お口の中・入れ歯がきれいに保てること)をお教えして、皆さまが快適に過ごせるように試行錯誤の毎日です。先ほど帰られた高齢者の女性。息子と同居なのでお肉も食べますよとのこと。元気にお過ごしいただけているお話し伺えるのは、嬉しいことです。

 

ホワイトニングと禁煙

先日ホワイトニングなさった男性。本日調整に見え、本当に健康的にきれいな歯になりました。ところが衛生士さんから、せっかくきれいにしたのに、未だ2~3本タバコ吸っちゃうんですって!と。そこで禁煙支援部隊・私の出番。

よく聞いてみると、当院にいらして「タバコの害」を聞いてから、気にはなっていて意識はしてると。それで十分・・と思って聞いていると、タバコ買ったけど、まっいいかなと
ストップも出来て、この一週間で2~3本で済んでます!とのこと。なーんだ毎日でなく
一週間でなのね。これならいけると思い、今の心持ちを伺うと、この方は禁煙成功すると確信しましたのでそれ以上は言わず、少し体重増えると思いますが、タバコ欲しがってた脳がチェンジしようと思い始めてるから、無理せずなさって下さいと、その頑張りを賞賛しました。途中でCOPDのことはしっかり話し、本数少なくとも、肺の組織がスカスカになることはちょこっと話しました。今度見えるまでに体重が増えると思いますが、健康取り戻すステップですので、必ず体重は戻りますので、充分にビタミンCも取って下さいと言い添えました。きっとこの方は禁煙成功なさると思います。行ったり来たりも仕方ないので、結果的に禁煙できればいいことです。ホワイトニングした、白い健康的な歯がその方の意思を表してるように私には思えて、必ず禁煙できると希望に思えました。

犬の歯周病

 休日に時たま見る「ペットの番組」
以前犬を飼っていた時は、当院でも「犬の歯ブラシ・犬フロス」を売っていました。大変好評で、当時の飼い主さんには「飼い犬の歯のお手入れの大切さ」伝わって、今頃高齢犬になったでしょうが、きっと感心持ってうまくお手入れしてくれていると思います。

さて、番組では、アメリカで犬の歯周病を勉強した先生が、かなりタイトなニュースをお話ししていました。3歳以上から特に発症が進むこと。あっという間に進むと話し、目安は「犬の口臭」と案内してました。”魚の腐った臭い” ”卵やきゃべつの腐った臭い”
わかりやすいなあ~と感心しました。犬は言えませんからね。
更に歯肉のヘリが赤いのは歯肉炎!と、私共が扱う各社の「タフトブラシ」をご案内していて、そのデモが丁寧極まりないこと。又感心してしまいました。

巷では、やたらと麻酔して一度で歯石取ったりするもんだから、麻酔のショック起こしたり、お口のなか血だらけにしたり、飼い主はオロオロするばかり。

犬に限らず動物は人間のように「あっち痛いこっち痛い・・」と言えないのですから、人間より予防重視です。うちで飼っていたダックスフンㇳのオスも、20年ほど前奥歯を磨き忘れていて炎症おこし、ある朝、片方の目がつぶれるほど顔がはれて、熊さんのようになり、本人(犬)も情けなさそう。獣医さんに飛び込み、機敏な獣医のご尽力で、感染起こすこともなく処置できたことを昨日のことのように思い出します。又その子供であるオス犬は、千葉の愛犬家にひきとれられましたが、若いうちに歯周病が進んでいたのか?「抜歯」と言われたそうですが、「一度に全部はダメですよ」と言っておいたのに、獣医さんの判断で一度に抜歯し、感染して亡くなりました。飼い主さんは悔やんでも悔やみきれないと嘆きましたが、あとの祭りでした。もう15年以上前の話です。

この番組ごらんになって、お一人でも多くの飼い主さんが、日ごろのワンちゃんのお口のお手入れやって下さればうれしいことです。何もつけずに空ブラシすれば、食べかすたくさん出てきてお水のボールにすっ飛んで行って、ゴブゴブお水飲みますから、うがいと同じ効果で、お水のボールが食べかすでいっぱいになるでしょう。

どうぞ、いつまでも愛しい愛犬の歯を守るために、今からでもお手入れしてみてください。おっかなびっくりでも大丈夫です。話しかけながらゆっくりなされば、お出来になります。大丈夫。

 

ドラゴンブレス!

今年は新年早々にニュースレター 「口臭」を作り皆さまにお配りしています。
先日差し上げたアメリカ人の患者さんに、口臭ってなんというのですか?とお聞きすると
そのまま「バッドブレス」でした。まぁわかりやすいこと!

今日はたまたま、フィンランドにお詳しい先生が、「口臭」について書いてらっしゃいましたが、やはりバッドブレスというものの、もっと強烈な口臭は ”ドラゴンブレス”ですって!!こりゃ強烈ですね。

海外では、挨拶は「ハグやキス」するので
挨拶や会話の時、口臭あると→同じお付き合いできない位に思う・大変気を遣うとのこと
口臭=「病気」という認識で、直す努力しないのはおかしいと考えるそうです。

日本のように口を手で覆ったり。はっきり言わないで遠慮する国とは、大きな違いです。
夫婦でも相手に口臭あっても、言わない文化があるのが、口臭を認識するのが遅くなってる要因です。口臭の原因には、口の乾きや寝不足・ストレス・水分不足などありますが
一番大きな原因は、お口の中の原因菌の除去が出来ていないのです。
気になる方は、紙コップに自分で息吐いて、すぐに鼻でにおいをかぎ、または家族や友人にかいでもらってみてください(頼むのも勇気要りますが)神経質になる必要はありませんが、強い口臭の陰に大きな病気が隠れていることもありますので、侮れません。

又、喫煙者はタバコ臭が強く、口臭あるにもかかわらずタバコ臭が隠してしまっているのでなお注意が必要です。重度の歯周病になっている可能性が大きいからです。
タバコはすべからく、病気をマスキング(隠して)しまうので、喫煙者は発見がおくれます。当院では、根気よくタバコをやめるメリットをお伝えし、少しでも早く病気のリスクを減らすようにお話ししています。

ドラゴンブレス!なんて言われたら、ショックですし、その方もお気の毒ですからね。

 

認知症3-3

5認知機能障害からくる摂食嚥下障害
  
  ・実行機能障害と見当識障害

6運動機能障害からくる摂食嚥下障害
  
  ・咀嚼様の運動を見極める

   ー舌と科学運動の一体化
  ・摂食拒否様の行動を見極める
   ー口腔周囲の原始反射(咬反射、指を吸われる、歯ブラシをかむ)

7地域包括ケアシステムの中で歯科が機能するために
  
  ・気づいて、つなげて、対応する

★認知症患者さんには、特有の「食べることの障害」があり、病名は同じ[摂食嚥下障害」であっても、原因によって、ステージによって実態は異なります。そして将来必ず通院できなくなります。口腔清掃も自分では出来なくなります。口腔の専門家として、正しい知識が必要です。患者さんの将来を見据えて、今どんな処置をすべきかの正しい見極めが必要欠くべからざるものになります。

大変充実した研修会でした。受講レポートに基づいて、院内ミーティングをし、日々の診療(来院されてから、お帰りになるまで)の中で、私達にできることは何か。この勉強を生かしていきたいと思います。昼休み持参したお弁当を階段教室で頂き、外に出れば芝桜が咲く庭園の大学でした。仲間と共に学び、青空の下「気持ちいいわねェ」と初夏の風に吹かれ、恙無い日常の幸せに感謝した一日でした。誰もがなる「老い」に向き合うことを怖がらず、正しい知識と患者さん方から教えて頂く沢山の事に支えられて、これからも皆様方の生活の維持に、お役に立ってまいりたいと思います。

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認知症3-2

1認知症を知る

  ・どんな時に、何が起こるのか
  ・認知症は治癒しない病気
  ・残された時間を知る
  ・来るべき運動障害の発現に備える

2通院患者さんの認知症の始まりをとらえる
  
  ・外見・生活の変化をみる

  ・定期的に通う医院だからこそわかること
     -プラークコントロール、会計時、身だしなみ、アポイント
  ・かかりつけ歯科医だから家族に訊けること
     -「最近、こんなこと、多くありませんか?」

3歯科治療を受ける能力があるうちにやるべきこと
  
  ・口腔内環境の整備

  ・抜歯のタイミング
  ・義歯

4認知機能の低下と運動機能の低下
  
  ・認知症タイプによるちがい

  ・アルツハイマー型、レビー小体型、パーキンソン症候群
  ・咀嚼機能=咬合支持×運動能力 という見方
  ・認知症が進行しても保たれるもの

「表面ごとで、考えてもいなかったお話し・ご提案ばかりで不勉強を悟りました。
新聞雑誌に出ていることは他人ごとでなく、今現在、更に、この事が進行する真っ只中に
いらっしゃる方が多いことをしり、歯科医院だからこその気づきと学びが必要と感じ入った次第です」続く・・

ホワイトニング 男性のご希望も増えて参りました

風薫る5月。爽やかと言うより夏の暑さの毎日です。4月5月と新年度がスタートして、連休も終え、いざ腰据えて仕事に邁進!という時期なんでしょう。男性のホワイトニング。ご希望が増えて来ました。ビジネス上、ますますコミュニケーション、対面してのお仕事が重要視されているからだと思います。歯の、お口のお手入れが、身だしなみ、エチケットになって嬉しい限り。いい息してますか?なんて一昔前のコマーシャルです。きれいなお口を大きく開けて、話したり、笑ったり、召し上がったり。なんだか元気でいいですね。写真はホワイトニング中です。施術中、日当たりよいお椅子でまったりです。

 

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今始める歯科の為の認知症講座・受講してまいりました 3-1

いいお天気の日曜日。行楽日和の日。スタッフ全員で表記の勉強会に行ってまいりました。最初「?認知症?」と思いましたが、講演項目に
「定期的に通う歯科医院だからこそわかること」というのを見つけ出席を決めました」

朝早く待ち合わせして、わいわい医科歯科大学をめざし、新しくきれいになった大学構内のMDタワー鈴木章夫記念講堂は設備もすばらしく、びっくりでした。テレビや雑誌で引っ張りだこの日本歯科大学教授・口腔リハビリテーション多摩クリニック院長の
菊谷武先生は、院長の後輩の先生でもありますが、テレビで拝見してもとても親しみある紳士でいらっしゃるので、楽しみにしていました。実践に基づいたお話しはとても心を打ち、スタッフ全員自分の担当で思い当たることあるのか、うなづきながらの受講でした。
当院は定期メンテナンスの患者さんが多いですし、開業32年目ですので、長くお通いですと、それなりにおかわりになってくることもあり、菊谷先生のご講義から、私共も
わかっていなかったことも多く、又認知症のステージをきちんと理解していなかったこともあり、又それぞれのステージにおいて、召し上がれるお食事の理解も乏しかったと反省
致しました。又今すべきこと、しない方がいいこともわかって、「目からうろこ」でした。文頭に立ち返って「定期的に通う歯科医院だからこそわかること」だと痛感しました。受講後の食事会でも、「知らない事ばかりだった」「もっと摂食嚥下の勉強必要ですね」「介護食も勉強したい」・・さまざまな意見がでました。後日院内ミーティングをして更に勉強を進め、正しい知識を得て、積極的に患者さんに関わっていきたいと思います。虫歯・歯周病の予防と管理だけでなく、「患者さん=生活者」としての視点を更に持って、日々患者さんと向き合っていきたいと感じました。以下が講演項目です

☆今始める歯科の為の認知症講座 (患者さんと家族の為にできること)☆

 ・沢山の内容学びましたので、3回に分けて掲載させて頂きます。

 

想像力と手っ取り早い確認能力が必要です

今朝のニュースです。

高齢のご婦人から「119番」に電話あり、「火事?」と言ったらしいのですが、受けた消防庁の交換台は、「蜂(はち)」と聞き、「救急車要りますか?」と聞くと、「いらない」と答えて電話切れたので、消防車の出動なく、結果的に火事で焼死なさったとの報道でした。

先日、スタッフ全員で「認知症」の勉強会に伺い、初期・軽度の認知症もあれば、様々な進行度合いもあることを知りました。又、予備軍の症状でも馬鹿にしてはならない貴重な「兆し」があることも学びました。

このニュースを聞いて私はまず、「入れ歯外してる時間だったんだろうか?」と思いました。入れ歯の方は、寝るとき入れ歯を外して寝る方が多いので、とっさの時に「発語」にならない事もあります。もしくは、認知機能に何らかの症状がおありになって、詳しくお話しできなかったんだろうか?もしくは既に、火の手が回っていたのだろうか・・。いろいろ考えをめぐらし、いずれにしてもお気の毒なことでした。

「蜂(はち)?」と聞いた交換台も「火事ですか?刺す蜂ですか?」と聞きなおす確認のやりとりあってもしかるべきでした。残念ながら想像力と確認が不足していたと思わざるをえません。

当院の患者さんでも、年齢と共に「曖昧な表現」なさる方もあって、失礼ないように、違う方向からの聞き方なり、お尋ね方法をかえたりして、できるだけ、おっしゃりたい事を確認させて頂いたり、お訴えを聞いたりするようにしております。はては「この方はどのようなことを訴えたいのだろうか?」と想像力を働かせ、予診票・当院独自のPOSチャートの記入を再見してアプローチに努めます。いずれにしても、「いいや、いいや」にはしないようにと日々心がけています。また、ご高齢者や耳が多少遠い方は、聞こえてなくとも「うなずいたり」「はい」といったり・・なさることがままあります。このようなことも踏まえて、”鵜呑みにせず” スピーディな確認が必要と痛感させられるニュースでした。どのような状況であったか?事実はわかりませんが、受けた方がもう少し想像力もって「言い直したり、質問したりしてたら・・?」ご本人は受話器を持ってお電話したのに・・と思うと、残念でなりません。どうすべきであったか?今後に生かしていただきたい朝の悲しい残念なニュースでした。

お子さんの感性って スゴイなぁ (歯の日にちなんだ標語より)

毎月8日は「歯の日」だそうで、昨年の口の健康啓発標語コンクール受賞作品にはびっくり。お子さんの感性ってスゴイですね。この子供たちのきれいな歯をきれいなまま、育ってほしいと願います。

・僕の夢 リンゴがおやつの 80歳

・きれいな歯は 私の努力の 成績表

・よく噛むと 頭が良くなる 元気出る

・歯みがきは 病気予防の 第一歩

・スポーツで ここ一番は 歯の力

・自慢の歯 ぐっと噛みしめ ホームラン!!

・歯に感謝 いつものお礼を 歯磨きで

・きれいな歯 日々の努力が 実を結ぶ

・白い歯で 集合写真 ハイ ティーㇲ

・まぁーいいか その時 むし歯が始まるよ

・歯の五輪 金銀よりも 白一番

日々診療室でお伝えしたいことが、ぜーんぶ入っています。このように理解してくれている子どもたちが、もっともっと増えることを願います。今月勉強会有るので、出向きますが、このような子ども達の歯を守るには、お手入れだけでなく、食事・おやつの取り方が重要です。口を育てる食事、日本食の「口中調味」の特色を生かし、昔の三角食べを復活することが、結構重要です。地味なことですが、各地でこの取り組みが始まっています。

それにしてもこの標語の素晴らしいこと。子供たちの感性に脱帽です。

公開フォーラムのお知らせ

近年、さらに食の重要性が注目され、乳幼児から高齢者まで食育の重要性が叫ばれています。歯科の臨床現場では、まだ食に、問題抱える子供たちへの有効な支援策が十分とは言えず、この問題を総合的に診る為の専門的知識と技術が求められます。関連多職種(保育士・小児保健・発達心理士など歯科の関係者でなくとも)との連携の中で、この問題を国民共に考えるという目的で開かれます。

日時  平成27年 5月31日(㈰) 午後1時から午後4時5分

会場  市ヶ谷 日本歯科医師会館一階 大会議室

主催  日本歯科医学会 (HPご覧ください)

参加費 無料

申し込み方法 ご希望者は日本歯科医学会HPよりダウンロードしFAXかEメールで直接申し込みください、300人になり次第終了。03ー3262-9214

味覚力

 昨今言われる、若い方の食のことですが、先日興味深い番組をやっていました。
ご存じのように、味覚は 甘味・塩味・苦味・酸味・うま味の5つに代表されますが
これらに対する味覚力は「子供のころの食生活による」ものが大きいようです。

学習院大学の品川先生という方が、学生さんにこの5つの味覚について、25点満点で調査をしたところ7点~23点までに分散したようです。

23点の女子→おばあちゃん子で、地方出身。けんちん・ほうとうのようなたくさんの具
      材の祖母の料理で育った。好き嫌いなし

19点の女子→小さい頃から、メニューの数が多く、旬の野菜とかよく食べた

7点の男子→野菜は苦手。だって味が薄いか味しないでしょ!野菜いってとのこと。好き
     なものしか食べない。5歳までハワイで育ったので肉ばかり食べていた。
     最初からペッパーやマスタードをたくさんつけて食べていた。

この調査を総括して品川先生は、「味を判断する力のない子供は、同じものばかり食べたがるので、用意する人が出来るだけいろんなものを経験させないと、”うま味” ”苦味”などは知らずに大きくなるとのこと。

東北大の都築先生は「大人からでも味覚開発はできる」=ワインがいい例ですよ!と応援メッセージ。大人の方がうま味・苦味感じるようになる。小さい時に経験少なくとも、食わず嫌いもあるのでいろいろ食べさせてあげた方がいい。1週間で10品目以下では少ないが、1週間で30品目取れていればいいんじゃないでしょうか?とのことでした。

この番組から、お味噌汁・スープは本当に有効だと感じました。具だくさんにできるからです。特にお味噌汁は、けんちん汁とはいかないまでも、様々な野菜や肉類・キノコ類・海藻など入れられるので、汁椀一杯で優等生です。今一度見直してみたいと思いました。子供のころの食生活って、とっても大事なんですね。働くお母さん増えて朝も忙しさは、格別でしょうが、寝る前に野菜だけ出汁で煮ておけば、翌朝お味噌溶けばOK.お味噌汁は塩味濃くしなければ、スーパーな和食だと思いました。

実際あちこちの小学校で、このスーパー和食の取入れが始まっており、「ご飯・具だくさん味噌汁・もう一品」の和食給食で、残食が減ったそうです。家に帰っても 「ご飯・味噌汁におかずひとつ」が提案され、子供たちに「イライラしなくなった」「元気出た」
「集中できるようになった」という声も出始めているようです。朝食を食べなかったり
菓子パンにジュースだった子供も変わり始めたとか・・。嬉しいですね。

これに「いただきます」「ごちそうさま」を忘れずに教えてあげて、”食べ物が自分の為に作られていることを感じて育ってほしい”とある給食の担当先生は伝えています。

あちこちで。子供の食事・働くお母さんを応援する仕組みが始まっています。こうじゃなきゃいけないということはないけれど、子供・若い人だけでなく取り入れたくなる提案でした。

なんで入れ歯のお手入れ必要なの?

入れ歯には見えない汚れが付着しています。一見きれいに見えても、汚れを染めだしてみると!写真のようにビックリです。入れ歯のピンクの部分の素材が微生物が付きやすいと言うことの上、唾液(つば)による自浄作用の低下、さまざまなのんでるお薬による唾液そのものが出にくくなってるせいもあります。入れ歯にたまった汚れ、プラークは病原菌の温床になり、病気を起こす原因にもなります。食べたら外してブラシで目に見える汚れを取り、一日一回は洗浄剤て除菌をおすすめします。

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いのち蝕む砂糖!?

歯科の仕事をしていると、どうしても砂糖についてお話しする機会も多く、そのほとんどは虫歯・歯周病との関連です。その際、これからの季節はもちろん、いつでも話題に上るのが、おやつよりも缶コーヒーや清涼飲料水などでした。学校医をやっていた中学校では学生自ら流行りの清涼飲料水に含まれる砂糖をはかり、角砂糖何個分かをポスターにしてくれたこともあります。

オフィイスで集中して仕事した後・営業の外回りから帰った後・長い会議の後などホッと一息つきたくて、缶コーヒーやペットボトルのジュース・炭酸飲料を一気に飲み干したりする方も多いようです。

一般的な缶コーヒーには、角砂糖3個分
コーラなどには、角砂糖10個分
スポーツドリンクには、角砂糖6~7個分 と言われます
ファーストフードのシェイク状のドリンクには、なんと角砂糖10個以上!20個近く。
砂糖には、栄養素はなく高カロリーで、コカイン同様の依存性があることも心配されます

WHOのガイドラインによると
成人・子供一日当たりの糖類は、全カロリーの5%未満にすべきとの見解。ジュースや缶コーヒー2本も飲めば。その日はもう糖類はオーバーです。砂糖にはカロリーあっても必要な栄養素はないので「空のカロリー」と呼ばれ、白米・アルコール・白く精製された小麦粉も同じです。「空のカロリー」は体に入ると大きな負担です。カロリーあるので何らかの経路で”ブドウ糖”になります。”ブドウ糖”がエネルギー源になるには体内の機能や物質を使う必要があり、その一つがクロムという必須ミネラルの一種です。砂糖にはクロムも含まれないので、ブドウ糖をエネルギー化するために、他の食品から摂取したクロムを浪費するので、体に多くの負担がかかるわけです。

砂糖の過剰摂取で、脳にも変化が起こります。と言うのもコカイン・モルヒネ・ニコチンと同じように砂糖の依存性により脳に変化が起こってるようです。ですので仕事の合間や息抜きに砂糖たっぷりの缶コーヒーなどを飲み干す習慣に警鐘ならしています。

タバコをやめられないのも、ご本人の意思が弱いのではない・・と禁煙支援しています。ニコチンがないとダメ!と脳が認識しているだけですので。砂糖も同じように”脳が記憶=依存”するようになるんですね。砂糖=甘いものの習慣と言うのは本当に怖いものです。当院でも患者さんとお話しする時に、虫歯のことだけでなく、砂糖は「空のカロリー」と言う説明を増やして、お体全体への影響もお話しする様にしたいと思います。

スティーブンジョンソン症候群

このニュースをたまたま見て、バイオリ二スト 川畠成道さんのことを思い出しました。

なぜニュースになったかというと、2014年市販薬による副作用で亡くなった方がなんと15人。後遺症残った方がやはり15人いらっしゃるそうです。なんということでしょう。この市販薬というのは、風邪薬と解熱鎮痛剤だそうです。
その副作用の中で大きいのが、スティーブンジョンソン症候群。
高熱が出て、皮膚が赤くなり、視力が低下する怖い副作用です。徐々に症状が悪化するので気づきません。知っていれば、早い対応で重症化を防げます。アレルギー体質の方は市販薬とはいえ、特にご注意です。

「僕は、涙のでない目で泣いた」これは文頭に書いた川畠さんの本の題名。川畠さんは目のご不自由な方ですが、すばらしい演奏なさるバイオリニストです。CDでは聴いていましたが、随分前地元でコンサート開いた時に生で聴き、その澄んだ力強い音に、力強いけれど伸びやかであたたかい音に魅せられました。終わってすぐその本を買いました。

川畠さんが小学校3年生の時、おじいさまおばあさまがアメリカに観光旅行に行くので、初孫の川畠さんを夏休みの思い出にディズニーランドに連れてってあげようと初めての海外旅行だったそうです。ロスに着いたその日から「寒い寒い」と言いだし、翌日も不調で熱も38度もあったためおじいさま達が日本から持ってきた薬を飲ませたところ、もっと具合悪くなり、ホテルの手配で現地のドクターに診てもらい、扁桃腺とのことで新たな薬をもらっても症状はどんどん悪くなったそうです。翌日体にブツブツが出来はじめ、呼吸も困難になってUCLAの病院に運ばれました。最初川崎病も疑われましたが翌日、スティーブンジョンソン・シンドロームと確定されたそうです。その時「全力尽くすが助からないかもしれない」と言われ日本からお母様が呼ばれ、その時でも39度という高熱な上、息子の体が赤く血だらけ、意識朦朧だったそうです。紙のシーツに寝かされ、からだがくっつくので紙をはがすのはとてつもなく苦痛だったとご本に書いています。UCLAのみなさんのご尽力で、波を乗り越えたものの待っていたのは、視力の低下。後遺症が目に出たと小さな成道さんは実感したそうです。長い入院を経て退院の運びになったのは10月も半ば。おじいさまは「帰国しても、よくよく療養に努め、成道が世の中に役立つ立派な人間に成長するよう育てるのが、私ともの責任」と病院スタッフはじめ関係者に感謝の言葉を述べられたとあります。

バイオㇼ二スト川畠成道さんのバイオリンの音色には、多くの方の愛情に支えられてのものなのでしょう。あの時ロスで風邪薬を飲まなかったら、死ぬような思いも目も悪くならずに済んだかもしれないが、それを恨んだことは一度もありません・・とそれも運命だったのですと。コンサートで拍手と歓声頂くことがどんなお薬より、僕には効果的だと。

そして最近では彼と同じように、同じ薬を飲んで目を悪くされ、同じ症状に苦しんでいる方と交流を持ち、励みになってらっしゃるそうです、なんと強い方でしょうか。

ニュースでたまたま見たお薬の副作用によるスティーブンジョンソン症候群のことをお伝えするだけが、つい川畠さんのお話しになりました。

熱が出る、発疹が出る、皮膚が赤くなる、目が見えにくい。そんな症状出る前に、風邪薬鎮痛剤など飲んでいらしたら、ちょっと気にしてみてください。早い対応は重篤化を防ぎます。

川畠さんのメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲は本当にすばらしいです。ぜひ視聴してみてください。心に沁みわたります。

お口の中に関心持って下さるのは嬉しいけれど・・

今まで医科の先生方が、お口の中(歯科の分野)に関心お持ち下さることは一昔前なら皆無と言っていい状況でしたので、昨今では、歯周病と心臓病・糖尿病・骨粗鬆症・・と関連性に注目下さるようになったのは、大変ありがたい、患者さんにとっても朗報です。
ですけれど、お口の中って人それぞれ状況も違うので、いっぺんに、又一度の歯科医院受診で、お口の中がよい状態になるなんてありえないことも知って頂きたいのです。

と言うのも最近、手術前の患者さんがいきなり主治医から「治療をお願いする歯科医院へ」というような用紙をお持ちになることが散見されます。その中身を読みますと大変
なのです。なぜと言えば

手術に臨まれる前から歯科で「定期メンテナンス」をきちんとしてらっしゃった方はともかく、事が起こってからでないと歯科にはご無沙汰・・という方が入院だからと言って急にお口の中をすっかりきれいにするなんて、出来ないのです。
そりゃ2・3か月の猶予があれば出来る限りのことは致しますけれど・・。

お口の中の歯石取るくらい簡単だろ・・と思われても困るのです。

歯石がたくさんたまるような方は、まずお口の中に問題抱えていることも多く、時間かけて石になったお口の汚れを、ガリガリ急いで取ればいいという問題ではないのです。
歯石の元は早いうちは柔かい歯石なので、お家でのケアとか歯科医院でもそう大変でなく、コントロールできます。
又歯が抜けっぱなしの方に急に何かを詰めたりかぶせたりも、プラーク(汚れ=細菌の塊)があるお口の中でやっても意味をなしません。

このようなことを踏まえてから、歯科受診を勧める用紙を患者さんに配ってほしいと思います。

いきなり短期で・短時間で治療をしてください・・と言うような用紙を持って見え、全身麻酔の手術するので一か月弱でとご指定されても、口の中精査や治療とおっしゃられても当惑致します。
ましてや手術を控えて、様々な服薬の方も多く、歯科の対応も時間がなくては「おっつけ仕事」しかできずかえってよくありません。

私達歯科からの、発信の仕方が不十分なのだと思いますが、医科の先生方もこのような状況を踏まえて、患者さんにご指示やご案内いただきたいのです。

はたして医科のドクターの中で、何人の方がご自身もお口のケア・虫歯歯周病の定期メンテナンスしてらっしゃるでしょうか?ご自分が日ごろお口の中にご関心持って、定期ケア受けて頂いていればおわかりいただけると思います。

又手術をなさるような病院には、歯科口腔外科が併設されているところも多く、まず院内の歯科口腔外科で連携してフォローしていただき、何も知らぬ患者さんが右往左往しないように、ご案内いただければと思います。
私共としても特にOP(オーラルフィジシアン)グループの一歯科医院として、全身状況・喫煙状況・服薬状況等伺って、安全・安心に診療を進めたいと考えています。

先日このような指示受けて来院下さった方、歯科受診は覚えてないほど久しぶり!6~7本が抜けたまま・残った歯もC3がほとんどといった信じられない状況です。
よくこれで今まで召し上がっておられた?と驚くような咀嚼も出来ない状況です。

鼻腔の蓄膿でなく頭の ”前頭洞炎”となり耐え難い耳鳴り頭痛に悩まされ病名が判明し、手術が決まってからもタバコを1カートン買うほど、生活習慣と病気の関連をご存じない方です。気の毒としかいいようなく、なぜ手術や歯科受診の案内するときに、担当医が「タバコの害」も話してないんだろう・・とその「いびつな対応」に少々腹も立ちます。

医療が専門化することは技術の進歩と相まったことでしょうが、人の体はパーツパーツが皆関連しているのです。からだ全体を見てもっと血の通った対応しないといけないとつくづく感じ、大きな問題だと思いました。

臨床って教科書とおりにはいきません。
そこを感じ取る・読み取る感性が、医療者には不可欠だとつくづく思ったことでした。
難しい時代だからこそ、「人間力」がもっともっと医療には必要です。

一見親切なような歯科受診を勧める用紙の提供ですが、上滑りのないきめ細かい対応が望まれます。自分が患者になった時でも、このような提案は戸惑うばかりと思います。
また、歯科開業医として患者さんにもっともっと自分の体に「関心」もって頂けるように医療者として心尽さねばならないと、反省したことでした。

医療技術・最先端の医療機器に甘んじることなく、患者さんから発する言葉・雰囲気・しぐさ、そして生活習慣。そんなことを読み取る・キャッチする臨床力が望まれます。
医療は人と人だとつくづく思う、気づかされる一日でした。

 

ジャンクフード税!?

今日のニュースで既に皆さんご存じかと思いますが、アメリカのある自治区で、”ジャンクフード税”が導入されました。全米初だそうです。肥満と糖尿病の多さに決断されたようです。住民の健康危機とまで心配される程だったそうで、その代り野菜や果物の税金は廃止になるようです。そしてジャンクフード税は食育・スポーツ施設の建設などに充てられるとのこと。他にフランスではソーダ税・ハンガリーではポテトチップ税が既に実施されているようです。

昨日、コンビニなどの”日持ちするパン”などに入っているPH調整剤のことを書きました。忙しい現代にあって、気軽で便利・好きな時に好きなものが食べられる便利ということにすべからく警鐘ならす時期になったのかもしれません。

いつぞや電車の中吊りで読んだ「あなたの体はあなたの食べたもので出来ている」
まさにその通りなんですね。神経質にならずに、一度「食」というものを考え直さねばとつくづく思ったことでした。

お口の中がピリピリします

最近このようなお訴えが多くなりました。特に高齢になってらした女性です。女性ホルモンの減少により様々な症状が出てきますが、のんでらっしゃるお薬・特に誘眠剤などによるかと懸念しますが、ここに来て恐るべき情報が入ってきました。それは、PH調整剤です。よく利用するお菓子やパンなどに含まれています。特にコンビニのパンなどに多いということはPH調整剤が{日持ち向上剤)だからでしょう。Ph調整剤はクエン酸・フマル酸・重合リン酸塩などから成るそうで、日本では使用量に制限がないそうです!恐ろしいですね。

昨今・いつもイライラしてる人・キレる人が増えてきたのも、このような利用が多い食生活を懸念する声が上がっています。重合リン酸塩のリン酸は、私達に重要な「亜鉛」を体外に出してしまうそうです。「亜鉛」は脳が正常に働くために必要不可欠なミネラルですが、不足すると件名のように、お口の中や舌がピリピリする症状になる場合もあります。よく知られるシジミなどに多いですが毎日シジミ汁飲むわけにもいかず、亜鉛のサプリをとっても栄養素ってバランスの問題ですから一種類取ればいいというものでもありません。ならば亜鉛を阻害する、リン酸塩の多い日持ち剤・PH調整剤の多い食品の摂取を控えるしかありません。気にしてたらキリがない!とは言わずに、知らずにとっているものが微量でも積み重なってたまっていけば体に変調起こすのですから、侮れませんね。

昔のお豆腐のように物は腐るもの。便利が当たり前になって、自分でも大切なことを忘れていたことに気づかされました。便利ということの引き換えに、私達現代に生きるものは失うことも多いのかもしれません。今日からPH調整剤気をつけていきたいと思います。

皆さんもパックに入った日持ちのする食品など、ちょっと裏をみてPH調整剤気にしてみませんか?

認知症講座 患者さんとご家族の為に出来ること

つい最近、メンテナンスでお約束の70歳の女性。いらした時に「今ようやく着いたのですが、途中で道がわからなくなって歩いてる人に聞いたのよ」とのこと。他の会話は全く何ともないのに、伺ってみると、以前何回かそんなことあって、家の周りをぐるぐる回っちゃったの・・。その日のメンテナンスメニューをゆっくりやるよう衛生士に指示して、ご家族と連絡とってみました。お家にはどなたもおらず、困って市の相談係に話してみると、「帰りが心配ですね!」と快くご家族と連絡とってくださり、追っ付け次男さんが仕事途中でお迎えに来てくれました。何気に「いや実はこういう事しばしばあって、心配してたんですが・・」とのこと。仕事途中にいらっしゃるの大変だったでしょうに、お礼をおっしゃって、次の予約も取って帰られました。「母がこうして元気でいられるのも、口の面倒見てもらってるからだから、何とか来ます」とのこと。あっぱれなご家族ですが、そうそう仕事も抜けてはいられないだろう・・と案じました。

この件以来、受付でのお金のやり取り・お約束の勘違いなど、気になることばかり。そんな話をスタッフにしたら、「そういえば、歯の型を取ったりする時、むせる方増えてきたように思います」との発言。開業32年目にもなると、メンテナンスの長い方は30年近いお付き合いです。40で来院の方は70歳。50で来院の方は80歳です。当院の最高年齢のメンテナンス患者さんは93歳のおばあちゃま。そう考えれば、人が歳とっていくにつれ発症する”認知症”の学びも必要だね!ということになり、今月末勉強に行くことになりました。声かけると、日曜にも関わらず、全員「行きます!」とのこと。患者さんだけでなく、自分の家族含め切実な問題ですから、嬉しい反応です。

伺う認知症講座の講師によれば、「患者さんが全く元気だった頃からのかかりつけ歯科医であれば、患者さんの変化に気づくことがあります。その変化が認知症の始まりであれば、早期に対応することで進行を遅らせることが出来ます。認知症患者には特有の”食べることの障害”があり、病名は同じ〝摂食嚥下障害”であっても、原因によって、ステージによって、実態は異なる。そして将来必ず通院できなくなり、口腔清掃も自分では出来なくなります。口腔の専門家・歯医者や歯科衛生士が正しい知識を持ち、口腔の専門家だからこそ知っておきたいことを学んでほしい・・とあります。患者さんの将来を見据えて学んでほしいという趣旨に大きく心動かされました。

駅前の小さな歯科医院ですが、長年信頼いただいてお通い下さる患者さんが、生涯にわたって、ご機嫌にいて下さり、ご自分で美味しく召し上がってくださること、人として尊厳のある暮らしがキープされることを心から願うものです。そのためにも歯科医院として出来ることは何か!ぜひ、みんなで学んで生かしていきたいと思います。楽しみな勉強会になりそうです。勉強して脳が疲れるでしょうから(笑)終了後にお肉をしっかり食べる食事会を企画しています。医療提供側が元気でいないと!ね。

あいうべ体操で口の筋肉強化、鼻呼吸に

普段何気なく口を開けてることありませんか? 人は鼻と口で呼吸できますが、口だけで
呼吸していると、様々な病気になりやすいことがわかってきました。口呼吸を防ぐには
”意識づけ”が大切です。無理なく鼻呼吸が出来るようになる体操が注目されています。特に今花粉や黄砂が飛ぶ季節。これらによるアレルギーで鼻の通りが悪くなることも口呼吸の原因になります。

口呼吸をすると、口の中が乾いて唾液がなくなる「ドライマウス」」にもなりやすくなります。口呼吸になるのは、口の周りや舌の筋力が足りないことが主な原因です。福岡市の
内科医・今井一彰先生は口の周りの筋肉を鍛える顔の体操「あいうべ体操」を約10年前に考案されました。下図のような4つの動作(1セット)を約4秒間かけてゆっくりします。この体操は口の周りの唾液腺から唾液が分泌されるのを促す効果があり、更に口の周りや舌の筋肉が鍛えられ、口呼吸から鼻呼吸にかわっていくと言います。トイレの中やお風呂の中などで習慣化させると良いとのことです。「箸の使い方を覚えさせるように、口を閉じさせるのも教育が必要」と今井さんは口呼吸の全身に及ぼすリスクを危惧して、この体操を勧めています、

先日のブログで告白したように(笑)私も数年前より朝の身支度の時に「あいうべ体操」をやっています。それこそ忘れることもありますが、ベーッと舌を出すと口の周りが柔らかくなってなんだかニコッとなるのです。それから出勤します。開業32年目となったのでそれなりの年ですが、お世辞でも「いつも元気でニコニコしてますね」と言われるのが自慢です。いつでも声かけて頂けるように、相談してみようかな?と思って頂けるように私自身ゆったりとニコニコ居たいと思います「顔施のある人」が目標です。明日の朝も「あいうべ体操」頑張ろ!

この図は、みらいクリニックの今井一彰さんに グラフィック竹田明日香さん です

 

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奥歯の寿命を考えると・・

最近はお子さんの発育もいいので、奥歯が早く生えるようです。寿命が延びた今、すり鉢の役目の奥歯を大事にしないと、大変な事になりますね。出典は平成17年千葉県歯科保健実態調査からです。少し古いですが・・

それによると、下の第一小臼歯は61・4歳
         第二小臼歯は58・3歳
         第一大臼歯は54・3歳
         第二大臼歯は49・8歳

ということは平均健康寿命前に男女とも奥歯を失うということですね。これは大変です
ウサギさんじゃないのですから、前歯で噛んだりしてるわけにいきません。

ではなぜ、奥歯を失う確率が早いのでしょうか?
①お口が小さい
②頬粘膜が硬い(ほっぺたの筋肉が広がりにくい方です)
③嘔吐反射がある(すぐオエ-ッとなる)
④矯正装置が入っている
⑤親知らずがのぞいてる・・。斜めに生えている 
⑥舌が邪魔して毛先が当てにくい      などの理由で奥歯が磨きにくいからです

なので、・ブラシが届きにくい奥歯の奥も楽に磨け
    ・上や下の奥歯の外側・内側にも届く  歯ブラシ及び部分磨きブラシが必要

そのようなホームケアを毎日して頂いた上で、定期メンテナンスで歯科衛生士に取れていない汚れのコントロールをしてもらうことです。
前歯で噛み切って、奥歯の臼で咀嚼する。小さい時学校で習った通りです。

お口の中はそれぞれ役目があります。お口は皆さんの大事な食器です。いつもきれいにして、美味しくお食事を召し上って、またきれいにして次のお食事に備える。よく噛んで召し上がれば唾液も出て、飲み込みにもご不自由なく、お口の中も中和されます。この繰り返しがスムースにいけば、生涯にわたってご自分のお口で召し上がれることが可能になります。奥歯は召し上がるだけでなく、「イザッ」という時、踏ん張り時に噛めなくては仕方ありませんね。無駄な歯は一つもないのです。理屈に合ったお手入れして大事に致しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

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健康番組真っ盛り

今朝いらした奥様。ご子息が医療関係の方・・。近々「カマンベールチーズ」がなくなるから買っておいて・・と言われた由。何やら健康情報で特集されるそうです。昨年でしたか?”ハードチーズ”が虫歯予防に良いとの情報お流しましたが、こんどはカマンベールチーズ!何に聞くんだろう・・!!毎日毎日テレビで「あれがいいこれがいい・・」の上雑誌には なたまめ・黒酢・酵素・・。イヤハヤ大変な時代です。その上特保だけでなく栄養補助食品の規制が大幅にゆるくなって、この先どうなるのでしょうか?こう言いながら、私メも朝は大忙し! ブラックコーヒーに最近、小さじ一杯のココナッツオイル入れて、認知症予防を期待しています。出勤前の歯ブラシするときには、ブラシし乍ら、30回の爪先立ち(ふくらはぎ運動!)。歯ブラシ終えフロスしてフッ素仕上げをしたら、

あいうべー体操して、二ッと口角上げて「鏡に向かってヨシッ!」して出ます。想像するだけでおかしいでしょう!?家族が見たら、こわい!?せいぜいこの位。あとは3食出来るだけカラフルな食事を心がけています。お魚もだ~い好きですが、お肉・特に骨のついたものとか尻尾とかスネとか大好物。それでも骨密度足りないのですから、女性のからだを保つのって大変ですよね。でも食事は楽しく、美味しくが大事なので、我慢して食べるのは避けたいと思っています。という訳で、山盛りの健康情報の中から、出来るだけ選りすぐってお役に立つことを書いていきたいと思います。毎日いろんなことが起こりますが、ご飯をちゃんと食べて、前を向いて大きく息吸っていれば、「そのうちなんとかなるだろう」です。大丈夫・大丈夫!

アッそうだ、春めいてきて買い物途中とか道端を見て下さい。結構かわいいお花が咲いています。お庭の花でなくとも、”からすのエンドウ”とか”オオイヌノフグリ”とか。ちっちゃいけどよく見るとかわいいですよ。これらは雑草と呼ばれますが、植物にお詳しかった昭和天皇が「雑草と言う植物はない」とおっしゃたのはあまりにも有名です。そうなんです。雑草でもよく見ると一つひとつかわいい花弁です。今年はまだ見ていませんが、芝生の間などに顔出す”ネジバナ”も大好き。よくみればひとつのお花がランの形です。見つけたらごらんになって下さい。薄いピンク色ですよ。では、健康情報も吟味して取り入れましょう。忙しい時は買ってきたお惣菜のお世話になりますが、栄養素を補充する意味で、生や蒸したカラフルなお野菜をたっぷり食べたりして体調を整えましょう。色とりどりの野菜売り場を見るとワクワクします。そろそろ筍・蕗・・ああ忙しい!

真剣です

2015032512100000.jpg衛生士の診療風景です。よい姿勢見て,いい仕事してるんだなぁ~と思わずシャッター切りました。中山先生にSRPのご指導頂いて随分経ちますが、成果も出てきて仕事への興味も倍増のようです。SRPにはスケーラーと言う道具が必要で、その道具を最高のパフォーマンスで使おうと思うと、それを手入れする為の道具が又必要です。SRPの効果を上げる努力している人は、スケーラーの手入れに余念がないし、そういう人は手入れをする道具を粗末に扱うことはありません。少しでも時間があると一人静かにシャープニングする姿は、カッコいいなぁと思うこともしばしば。職人さんのように集中してる姿はステキなものです。和風総本家と言う番組をよく見ますが、すべての職人さんに共通する”空気感”があるように思う・・と著名な山本浩正先生が書いておられます。日々患者さんに合わせた処置をし、会話をし、ドクターや仲間と症例検討する姿にも感性が育ってきて、その元は患者さんが下さってるんだなあと思う事しばしばです。いずれにしても患者さんやスタッフ間でのコミュニケーション経て学び取っていく姿楽しみでもあります。細かな仕事ですから、目もからだも労わって下さいね、休日は充分休養しリラックスに努めて下さい。そうそうしっかり食べてね!中央歯科の入社条件は食べるの大好きな人!ですから。

脂質代謝異常と歯周病菌との関連、人間でも立証(2014)・・

今年初めにお伝えしようと下書きし掲載忘れましたので、遅まきながらアップさせて頂きます。最近このような「うっかり」多く心せねばと反省です。ニュースはフレッシュな内にお伝えしなければ・・。

歯周病が動脈硬化に関連することが指摘されているが、岡山大学大学院歯周病態学分野の

工藤値英子助教(現・神奈川歯科大講師)と高柴正悟教授らの研究で、歯周病患者は動脈

硬化に係わる悪玉コレステロールの値が高いことがわかった。平均年齢60歳の男女45

人に3年2か月の臨床観察研究の結果だそうです。歯周病の原因菌ジンジバリスの感染度

と超音波検査・血液中の因子の検査による動脈硬化の状態だそうで, その結果ジンジバ

リス菌に対する免疫グロブリンG値の高い患者は、悪玉コレステロールの値も高いことが

わかったそうです。これまでの実験では、マウスによる報告だったが今回の研究で、人間

においても歯周病菌の感染が脂質代謝異常の原因となることが示され

動脈硬化と歯周病菌の関連がはっきりしてきたようです。

食塩を美味しく控えよう

「厚労省は3月6日新たな減塩目標を公表しました。「高血圧を引き起こす要因」と賢い減塩を勧めています。
今まで 男性 11・1g→ 8g

    女性 9・4g→ 7g が目標とのことです。

食塩の摂取量ワースト一位は 中国 次が日本

日本は特に”みそ””醤油”文化の国ですので、つい摂りすぎるのでしょう。しかしながら

循環器疾患(心臓病や脳卒中・・)の他腎結石・骨粗鬆まで塩分が関係しているそうです

血圧は加齢によって上がることが多いですが、食塩摂取量が多いほどこの上がり方が強く

なります。諸外国から見ても日本人の摂取量が多いのは日本人固有の食生活にありますが

実は、外食や加工品からの摂取量も大きな割合を占めているのです。「減塩」=美味し

くないと思われがちですが、最近若い方もスチーム料理・蒸す調理法を取り入れる方も多

く関心が高まっています。又食塩摂取は胃がんの発症とも関係しているので、「今」始め

てほしい減塩です。新潟県では「にいがた減塩ルネッサンス運動」と名つけて県民の

摂取量を10年で2g減らす目標掲げ、今好きなだけとって将来我慢するか、少しずつ楽

しむか考えようと提案しています。WHOでは健康的に食べられる量として一日5gを

奨。日本人の摂取量から見ると達成は難しいようですが、「今の頑張りが将来の健康に

がる。時間軸で考えてほしい」と専門家は伝えています。かといっていきなりすべての料

理の味を薄くするのでなく、わかるかわからないかと言う程度から始めるといいようです

す。突然味が変わると家族も戸惑います。すべての料理の味をいっぺんに変える「全部

型」でなく、多様な味付けの中から薄味でも飽きない食卓。素材の味を意識した食事を

勧めています。ちなみに我が家では、この季節、新キャベツや新玉ねぎが柔らかく瑞々し

いので、ざく切りにしてフライパンにいれ、ヒタヒタのお水とオリーブオイル少々で

蓋して沸騰させ、湯切りしたらそのままお皿に盛って、レモンやお酢または少量の塩コ

ショウだけで頂いたりします。旬の野菜は甘くやわらかくびっくりする量が頂けます。

その時々、オリーブオイルの代わりに、豚ばら肉・ベーコン等あり合わせと彩を考えるの

も楽しいです。キャベツを白菜に変えたり、セロリの葉っぱをあとから加えたり、お好み

でありです。そしてこのような火の通った野菜を先に食べ始めると、血糖の上昇も緩やか

です。減塩は「お塩」を何が何でも減らそうでなく、食材の塩分含有量を知って、上手に

利用し、やさいや加工品の組み合わせと素材の味を意識すれば、結構楽しいものです。

私も大好きで食べ過ぎるきらいのあるのが、練り物。ちくわやさつま揚げなどです。ちく

わを一本ビールのお供に食べたしにゃ、2gくらいの塩分取ってしまいます。食事

は楽しんで、かしこく減塩したいものです。

「あなたはあなたの食べたもので出来ている」  まさしくその通りです。 頑張ろ!

参考までに 塩分の多い(と思ってないことが多い)食品の代表を

    食パン一枚  約0・8g

    お味噌汁一杯・ちくわ一本  約1・8g

    塩鮭 一切れ  約2・5g

    親子丼 一人前 約3・0g

    きつね蕎麦(おつゆも含む) 一人前 約4・5g

    ラーメン一人前(おつゆも含む) 約5g

又みんなの大好き肉じゃがですが、煮汁100gでは一人前の食塩摂取量 約2・2g
                煮汁200gでは   々      約1・7g 

umami

先日、日本料理の村田さんの記事を書かせて頂きました。今や日本料理は世界が認めるとところとなり、「umami」と言う文字が普通に使われています。昨夜はパリの有名店が「春菊」の若芽を摘んで、ハーブのように使ったり、面白い使い方をしていて、その香りを愛でて下さっていました。日本では鍋物が主の春菊ですが、昨今春菊をサラダにしたり
する方もいらっしゃるようです。素材も含め脚光浴びている日本料理です。

て「旨み」日本人がうまみと間違えるのは→塩味・無味
外国人が「旨み」と間違えるのは→酸味だそうです。  
また昆布・鰹節・緑茶など、旨みが強いものになれてる人とそうでない人もいるそうです

そもそも「味」は舌にある”味蕾”というセンサーで感じるわけです。タバコを吸う方が濃い味を好むのは、舌の上に舌苔と言うコケ(汚れ)があるため感じるセンサー味蕾が働かなくなってるからで、禁煙なさって舌の表面がきれいになってくると、薄味でもわかるようになられることからも明らかです。この味蕾は肌と同じように、ターンオーバーし、一定周期で細胞が入れ替わっているのです。普段から薄味に慣れ、味の変化を感じていたり味のアレンジを楽しんでいたりすると、センサーの感度も上がり、味覚力が高まるようです。時は春。着るものも薄着になるこのチャンスに薄味になれて(笑)ものの「旨み」をじっくり味わってはいかがでしょうか?

ココナッツオイル

きっと今日仕事終わって寄っても、スーパーから消えてるんだろうなぁと心配なのが、ココナッツオイルです。昨日の健康番組で認知症予防に、大きな効果があると特集されました。今年初めにも雑誌にのって、このところ忘れっぽいと自覚の私は、早速に買いに行ったものの、近所にはなくある駅内の輸入製品の多いスーパーでようやく見つけました。

ココナッツは嫌いではないものの、チョコレートやクッキーに入ってるのが好き!のレベルなので、常温になったオイルの存在は知らずでした。はたして買ってみると白いクリーム状。湯煎するとと透明の液状になります。独特のココナッツのにおいがします。
当時の案内で、朝のコーヒーに小さじ一杯入れるとのことでしたので、やってみましたが「認知症に有効と聞けば積極的に入れるでしょうが、効果出るまで続くか自信ありません。嫌いじゃない私でもにおいは気になります」といった状況です。

そもそもなぜ「ココナッツオイル」かと言うと、認知症は「脳の糖尿病と言われる」そうですが、つまるところアルツハイマー型認知症は、脳のエネルギー不足で、脳内でブドウ糖が利用できない状態とのこと。なので”ケトン体”を与えればいいという理屈です。そのケトン体に「中鎖脂肪酸0・3%のココナッツオイルが有効」との説明でした。ケトン体と言うのは肝臓で脂肪が分解するときにできるものだそうです。ケトン体を増やすのに有効なココナッツオイルの他・炭水化物を減らすことも有効のようです。

ココナッツオイルは一日小さじ3・5杯を目安にとのご案内ですが、初めは小さじ1杯位から試してほしいそうで、下痢をなさる方も中にはあるそうです。それと肝臓悪い方・糖尿の方・腎臓悪い方は主治医と相談くださいとのことでした。でもお医者さんって、薬のことはご存じでも、栄養や食事の事詳しい方あんまりいらっしゃらないですよね。これが大変困ることです。お医者さんに中には、昨今の食事栄養の事鑑み、診療下さる方もおられるかもしれませんが、ほとんどの方は失礼ですが”医者の不養生な方”が多いとお見受けし、「栄養のことは専門でないので・・」とおっしゃる方がほとんどです!?

番組では、コーヒーにも・お味噌汁にも・炒め物にも・酢の物にも・・何にでもココナッツオイルを垂らしてと勧めていましたが、いくら認知症に効くからと、何でもおかずにココナッツオイル入れてたらそれこそ気持ち悪くなるし、日本食独特の旬のお野菜などの香りもどうなんでしょう?とチョコっと疑問に思いました。ココナッツオイルが認知症に有効なのはわかりましたが、これからの季節の山菜・筍・蕗・野蕗・・などの香りは香りで楽しんで、うまくココナッツオイルは取り入れないと、その独特のにおいで、途中でいやになりそうな予感もしました。

先日日本料理の村田さんの和食への思いを書かせて頂きましたが、本来のお料理というものを、大事にしたいと思います。日本料理は本当に完成されたすばらしい料理ですので健康に良いものの取り入れ方も、本来の姿を崩さない方法をとりたいなぁ~と思った私です。無国籍料理と言うのもありですけれど、日本料理の良さも大切にしたいと思う気持ちも大事に、健康に良いものを取り入れていきたいと思います。こうしてる間にもスーパーでは「ココナッツオイル売り切れ!」なんでしょうね(笑)確かに認知症は怖いけれど
食生活のバランスとって、楽しんで食事を頂きたいものですね。

朗報!

昨夜のテレビで、すごいニュースをやっていました。なんと「尿一滴で早期のがんがわかる」というものです。しかもお薬とかレントゲンでなく、”線虫”(アニサキス)の活躍によるものだそうです!にわかに信じがたいことです。今まで早期発見の難しい膵臓がんやGISTにも有効とのこと。これは本当にスゴイことです。まだ発見されたばかりの状況なので、実用化には10年かかると、突き止めた研究者は言っておられました。二人に1人がガンに罹患する時代。少しでも早くと願います。そもそものきっかけがすごく、ある外科医が鯖にあたった患者さんの治療中に、アニサキスが異常に集まっている細胞があり、何故かピンときてその箇所を生検して見たら、がん細胞に食いついていたという発見だったようです。そこから線虫がガン患者さんの尿のにおいを好むことを発見し、共同研究してたどり着き、九大は国際特許を出願し、日立製作所などと健診システムの構築を進めているようです。「ピンとくる」これってとっても大切ですよね。伊万里有田協立病院の外科部長が「ピンときた」おかげで今後沢山の方に恩恵があるに違いありません。すばらしい発見です。人間ドックなどで腫瘍マーカーと言うのがありますが、なかなか初期のものは引っかからない、部位により得手不得手があるとよく言われていましたので、昨夜のこのニュースは大変な朗報です。アニサキスと言えば、よく烏賊のお刺身食べて七転八倒したと、悪玉のように言われていましたがびっくりですね。研究が順調に進むことを心より願い祈っております。「ピンときた先生」快挙でらっしゃいました。朗報です。

現場の栄養士さんの質問に答えて(栄養と料理より転載)

Q サルコぺニア予防を考えるとき、高齢者のタンパク量は推奨量で充分ですか?

A たんぱく質の推奨量がサルコぺニアやフレイルティ(虚弱)まで予防できる量との

誤解もあるようですが、違います。サルコぺニアの管理・予防の為の値ではありません

推奨量や推定平均必要量は、たんぱく質出納の不足を回避するための値。すなわち体の

中のたんぱく質が減らないようにするために定められた量です。加齢により衰える筋肉

を保ち、維持できる量ではありません。

サルコぺニアの管理・予防のための量はまだよくわかっていませんが、目標量はこれを

念頭に置いています。雑誌栄養と料理の巻末には、一般的なお惣菜の成分値がのってます

ので本屋さんなどで一度目を通して下さい。

私事ですが、昨年93歳の父の介護で経験したこと、又ホームに入院中の義母の食事

でいつも気になっていることがあります。それは、栄養士さんの多くが、紙の上で栄養分

や成分量を見ていて残念ながら実際の摂取を確認ではないということです。それはどうい

うことを言ってるかと言いますと。下図のように「食べた量を見ていない」ということで

す。やってらっしゃる所もあるかもしれませんが、多くはただ下膳されてしまいます。

病院のシステム上のこともありましょうが、栄養士さんは献立の計画はするけれど、その

食事すべてが対象者の口に入ったかどうかを見ていないということです。逆に対象者は、

出されたものをきちんと食べていないこともあり、栄養士が提供する以外の食事や食品を

食べていることさえあるのです。食事摂取基準で示す値は、提供する食事の栄養素量では

なく、「口に入る量」になります。食べている現場を時々観察して口に入る量を勘案し、

献立を作成して頂きたいですね。ただし食事摂取基準は一般向けでないものの食習慣をと

うして健康を守りたいと考える人にとっても、常に根底にある基準となるでしょう。食事

が治療の上でも大切だと見直されていく今日。ツールや環境は徐々に整ってくるでしょ

う。更に病院ではNSTと言う栄養士をチームにいれた診療体制が進んでいく事を、切に願

っています。多職種が同じ土俵で連携できたらかなり貢献になり、何より患者さん方のご

回復が早いしょう。

2015030315570000.jpg

闘病中

2015030613580000.jpg闘病中の患者さんから、お葉書を頂戴しました。と言うのも先月付き添ってらっしゃるご家族が、歯のお手入れのものを取り換えにいらしたときに病状を伺い、買っていらした歯ブラシや洗口薬が体調にあって使って頂いているか心配で、お見舞いを兼ねてお手紙したらご返信下さったものです。病気がわかるまで、大変お元気できちんとメンテナンスに見え、ご自分でホームケア出来ていただけに、入院が決まって来院された時に、急なことにご不安もあり、またイライラしてらしたからです。このお葉書から、お辛い闘病の毎日でもできるだけご自分でなさろうと頑張ってらっしゃるご様子が目に浮かびます。元気になって再び中央歯科に行きたいと思います・・と言う言葉に、並々ならぬ闘病へのお気持ちが察せられます。どのような状況になられても、ご自分のお口の中を自分で手入れしたいですよね。そのことを大切に思って、日々お一人お一人の患者さんに向き合おうと思っています。難しいことですが、人として生きるのですから自分で出来ることは、自分で出来たほうが嬉しいです。きっとそう思います。生活者としての患者さんを大切にする中央歯科でありたいと思います。

抗がん剤

ん治療中の患者さんが増えてきました。

今日ここ二年ほどがんの治療を始められ、つらい抗ガン治療を受けながらも、週5日仕事

をされている昔からの患者さんが「詰め物がとれた・・」とのことで急遽来院。お顔も黒

ずみお痩せになって、壮絶な治療がうかがえるのに「仕事してると気がまぎれるの」とい

つもながらの明るいお声。頑張っていらして涙も出せません。新年早々メンテナンスにみ

えた時には、これほどではなかった手の黒ずみとあかぎれのような傷。副作用だからしか

たないのよとなに気におっしゃるので、こちらも思わず両手で包み込むように撫でてしま

いました。ほかに対応が思いつかなかったからです。ガサガサで脂っ気のない手。外のト

イレでエアーで乾かす器械のエアー!痛くないですか?と聞くと、「そう痛くて、風がい

たくてやわらかいガーゼのようなものでそっと拭くの」とのこと。そうでしょうそうで

しょう。痛いでしょう・・。前回の時も、妊娠した時みたいにご飯の炊けた匂いが嫌な

の・・。とのことでおみかんばかり食べてるとのことでした。今日はお腹空いて、お餅焼

いて何もつけずに食べて美味しかったぁと思ったら小さな古い詰め物とれた!口も抗がん

剤始まってカラッカラだけど、この間頂いたうがい薬を使って少し楽なの。でもフッ素と

か以前のように使ってなくて心配なの・・。とあくまでも従来と同じ前向きな方です。以

前やはり女性の消化器がんの闘病中の患者さんに教えて頂いた、食事のアドバイスを思い

出しお話ししてみました。他の方からの受け売りなんだけれど、「煮豆が結構食べられる

っていうお話でしたが、如何?」「そうなの、煮豆結構おいしくて食べられる。フジッコ

の宣伝みたいだけれど」「そうよかった!煮豆も、黒豆・花豆・ウグイス豆・白インゲン

豆等種類もあるし。五目豆だと昆布や人参とかも入ってるけど挑戦なさいますか?」

「大丈夫そう、今日休みだから買ってってみる。お餅なら食べられるので、歯気をつけて

食べてみるわ」とびっくりするほど積極的。こちらの方が元気頂きました。前回ご案内し

たうがい薬と同内容のペーストがあり、”ミントの香り絶対いや”とおっしゃるので、非常

に穏やかで使えると思い、トライアルで研磨してみたところ、「行ける!これなら磨いた

感じする。嬉しい!」とおっしゃったので、衛生士も喜んで、買っていただきました。こ

のシリーズは”がん患者さんに特化したもの”で、随分前から折々ご案内しています。

おまけに、超柔かいスポンジブラシおつけして、歯ブラシのナイロンの毛がイヤ!ってい

う時はこのスポンジで汚れをそうっととってね。ホームケア用品はは抗ガン治療の為に必

要なので、領収証も別にして”必要なものだと書き添えて”保険とか医療費の適用になるよ

うして差し上げました。スタッフ全員患者さんの頑張りにびっくりしながら、又のご来

院・研磨洗浄にいらっしゃる日をお待ちすることにしました。お辛そうな乾燥した手のひ

らや甲も拝見したくさんの学びを頂戴した一日でした。ヨーグルトが安い!おすすめの八

百屋さんによって、ヨーグルトと煮豆買って帰られるとのこと。

穏やかな日と痛みが軽減されることをお祈りしています。神様お守りください。

プロジェクト8

 

当院のように予防をベースに歯科診療をやっていますと、おのずと全身状況・服薬状況

を伺うことは必須になります。健康保険がひっ迫してきて、各企業でも生活習慣病への

取組み、とりわけ食事指導も含め、かなり具体的なことまでも患者さんにお伝えして

ご協力と自助努力を仰ぐようになってきました。生活習慣病の一つ”糖尿病”は、歯周病と

の関係も深く切っても切れない仲です。当院でも糖尿病の数値を確認したり、歯茎からの

出血の具合、デジタルレントゲンによる骨吸収の度合い、歯周ポケット等より神経を使っ

て対応しております。このブログでも周辺情報含め折々発信してお役に立つよう心がけて

います。読んでいただければ幸いです。

魚沼市のプロジェクト8は、かなり積極的な行政の取り組みで、目的は「危機意識の共

有」糖尿病の数値がすっごく高いのに放置されている住民が多いようで、糖尿病を判断す

るうちの一つHbA1cを基準よりかなり高いのですが「8はダメだよ!」の運動を起こして

いるそうです。「エッ8!」とびっくりしますが、それ以上が多いということでしょう。

子供(孫)が吹き出しでしゃべるポスターには「お父さんお母さんHbA1c8じゃダメ!

」と書いてあるのです。その数値に向かって、町中で運動できる場を設け、いつでもくれ

ば誰でも運動できる仕組みを作り、これがきっかけで歩く・出かけるようになったお年寄

りも多いようです。お一人熱心なドクターが中心になっており、この活動を”地域医療魚

沼学校”と名付けている事からも、何とかしてあげたい!と言うお気持ちが伝わってきま

す。お子さんが減って高齢者増える日本の状況。この魚沼市のように地域での取り組みは

日々の生活を振り返ることに貢献し、寝たきりを予防し、健康寿命を延ばす取り組みとし

て注目を浴びています。一人でも、いつからでも、どこからでもやる人はやるのだ!と

感じいりました。自治体と言うか行政を批判だけしていても仕方ないことで、みんなで

理解して動く仕組みづくり、大変勉強になります。ご年配の方も、わかりやすく話せば

お年召した方でも、良かれと思うことは積極的になさるんではないでしょうか?

要は持っていきよう・インフォメーションの仕方いかんであるとプロジェクト8から学び

ました。

私達の提供する「医療の主役は誰?」と言うことですね。日々この大切なことを忘れず

やってまいりたいと思います。日本全国あちこちのご活動勉強になります。

認知症講座 患者さんと家族のためにできること

開業30年を経ると、この問題は避けて通れぬことになってきました。受付での行き

違い。印象時(型を取る時)のむせる方が増えてきたとの助手さんの報告。この道の歯科

における第一人者・菊谷先生の勉強会。声をかけたらスタッフ全員が「行きまーす」との

返事。貴重な日曜日です。家族もあるのに本当に当院のスタッフはよく勉強します。患者

さんの将来を見据えて、今どんな処置をすべきか。定期的に通う医院だからこそわかる・

気づく・手を打つことが出来ると思います。学んだことは又皆様に還元すべく、なるべく

スタッフ全員で研修・検討します。いつもみんなで学ぶ。このことが大切と感じていま

す。嬉しい仲間です。4月のことですので研修後あらためてご報告しますね。

人はたちまち10歳若返る

美容ジャーナリストの斎藤薫さんは、なかなか厳しくも鋭いご指摘される方ですが美

い年の重ね方シリーズの中で、これは!と身に沁みることをおっしゃっておられます

。それは ☆「きちんとする」だけで、人はたちまち10歳若返るというものです。

いまや多くの方が実年齢の7掛けの”気持ち年齢”を生きていると言われます。40歳が

28歳の気分を生き、50歳が35歳の気分を生きている。そういわれれば確かにそんな

感じです。しかし年齢と気持ちのギャップは、年々激しくなるばかり。実際の”見た目年

齢”をそこに合わせていこうとするとやはり無理があるんですね。そんな時2~3秒一瞬

で出来る若返り。それが「きちんとすること」だとおっしゃるのです。ほんとそうかも

!?ついイイやこのシャツでも。ちょっとゴミ捨てに行くだけだから、このまんまでと

”寝巻おきまき”で行っちゃえ!ってやっていませんか?そのうち、結構大胆にそのまま

電車に乗っちゃったりして・・。

「きちんとする」→よく整って乱れたとこのないさま・・・ですって。

でも、意識してやってみれば出来そうです。服選び・洋服の着方・立ち方・歩き方・

座り方・そして姿勢。口紅やマスカラの塗り方も・・。体でつくる”きちんと”多分無限

にあるでしょう。言葉遣い・お辞儀の仕方まできちんとし始めたらきりがない。この中か

ら自分にできる”きちんと”をいくつか心がけるだけで、人はたちまち若返る・・と言うの

です。聞けば聞くほど「そうだなぁ」と思います。逆に言えば「だらしなくすれば」

10歳どころかそれ以上に老けて見えるということでしょうか? あな恐ろしい!!

これからは、毎日いくつかの「きちんと」を持って出ることにしましょう。例えば

ストッキングを丁寧に履く。春になってワイシャツ着るなら、アイロンかけてパリッと。

髪の毛は後ろもよく整えて。口臭などないようにお口のケア頑張って等々・・。それに

加えて大切なのはお顔の表情。朝出かけるときに鏡の前で、「あいうべー体操」やって

口角上げてにっこり笑って!

なんだか書いてるだけで元気になってきました。「きちんと」は案外お安いサプリかも

しれませんね。good newsかも!

使用済み消耗品の山です。汚物ですが失礼します。

大体3日でこんな量です。ギュウギュウ詰めですが、左がグローブ、右側は少しでも血

液・唾液がついて汚染したものなどです。お一人お一人取り替えますので、当たり前です

がスゴイ量になります。普通ごみと厳密に、処理も別にします。使用器具の滅菌パックも

スタッフが使うグローブも、すべて患者さんお一人お一人専用にするのはたり前です

保険診療では苦しいところですが、安全安心に医療を進める上でたとえ出費がかさんでも

当たり前のことです。ましてや歯科医院が扱っている虫歯・歯周病は感染症ですから、

患者さんに対しても衛生管理は必須ですが、総じて働くスタッフにとっても大前提です。

昨年7月の「歯科器具を使い回しの報道」等もってのほか、恥ずかしい限りです。これら

医療消耗品は、歯科医師会を通じ信用のある専門業者さんに委託して、基準に沿って処理

されております。器具の消毒滅菌はこれまた当たり前ですが、ヨーロッパ基準クラスBの

滅菌にておこなっております。安心して受診ください。

 

2015021717370000.jpg

お仕事を楽しんでこそ!

 先日、衛生士学校生さんの見学でびっくりしたことにちなんで、少々きついことを書き

ました。悩んでいる方に誤解ないように申し上げれば、ブランクあるからダメ・・とかい

う問題ではないからです。当院にも、少々ブランクがあって復帰した歯科衛生士がいます

彼女は、当院に来る前に他院で復帰したのですが、かなりの覚悟で復帰したのですが

学びたい気持ちが出てきても学ぶ環境になく、仕事を進めるうえで沢山の疑問が出てきて

前に進みたいと当院を訪ねてきました。その時のことをよく覚えています。子供のいる

主婦ですが、学びたい気持ちがキラキラした目にあふれ、目が真剣で面接中大いに気持ち

を感じたものです。当院で衛生士を開始しても、いつも「なぜ?」「どうして?」と真摯

に取り組み、パート勤務でも自宅で勉強している様が見て取れ、勉強家です。そして何よ

り、経て来た社会生活を生かそうとする、年齢を経てもきれいでいようとするその気持ち

が患者さんにも伝わって評判もよく、復帰されてよかったなぁと感じています。以前脱灰

面に短針はまずいですよね?と電話してらした衛生士さんもおられました。子育てしてブ

ランク中も新聞や医療情報に目を配っていたつもりだが、随分歯科も変わったんですね!

と電話を下さり、それをきっかけに復帰して活躍されました。その後転居されましたが

きっと活躍されてることでしょう。申し上げたかったことは、間が空いて復帰するに

しても、勉強せずして国家資格だけで復帰は難しいということです。ではどこで学ぶん

だと声が聞こえそうですが、そのような受け皿はまだないので学べる環境に入るしかあり

ません。日進月歩の中で、週二日午前中だけというような時間で長いブランクを埋めよう

とは少々難しいかな?と感じます。当院では年一回歯周病の専門医に、SRPのトレーニン

グ受けておりますが、それとて一年が待どおしく見て頂くとまた一歩前進して自信を

持って毎日患者さん対応できます。当院では衛生士もドクターと常に検討しながら進めて

いますので多角的に検討も出き、患者さんを担当しますが自分一人で悩むこともなく、他

のスタッフと意見交換を経て、やりがいにつながります。ブランクあっても問題ない方も

おられるかもしれません。ご本人次第と言っては失礼ですが、歯科衛生士という仕事は

仕事の意味・意義・貢献度を実感しお続けになれば、長く続けられる意義ある仕事です。

ブランクあっても、その期間の子育てや社会生活の積み重ねを生かすには、まずスキルの

確認とブラッシュアップが必要です、お戻りになりたいと思ったら、まずそのような時間

を自分に課せられるかどうか、学び直して役に立つ覚悟はあるか・・が大切です。

復帰なさるには様々なご苦労があるからこそ、復帰で挫折しないためにあえてお話ししま

した。もし自分が患者さんだったら、ブラッシュアップしていない歯科衛生士さんに担当

して頂きたいか考えれば自ずとわかると思います。歯科大学・歯科衛生士学校が定員割れ

という情けない実情は、私達が患者さんから信頼されるような仕事をし、仕事をする方も

お役に立っているという誇りをもってすれば、きっと魅力的な職業と評価され、元気な

業界になって行くと信じます。またキツイ話になってしましましたが、現状をお話ししま

した。厳しいですが、真摯に取り組めば、患者さんがちゃんとわかって下さいますので

勉強しつつ毎日仕事をしていこうと思います。酒田の熊谷崇先生のOP(オーラルフィジ

シアン)で、全国たくさんの仲間もそう思って頑張っていることを力に、淡々と丁寧に

続けていきたいと思います。

バレリーナは一日レッスンを休んだら、筋肉がダメだそうです。あの華やかな舞台の陰に

は見えない努力があるんですね。そこまでシビアでないとしても、プロはそういうものか

もしれません。海外では歯科衛生士が独立してオフィイスを持っている。そんな夢に向

かって日本も進めたらみなさん歯科衛生士さんがステキになりますね。そのような活動さ

れている歯科衛生士さんもおられます。彼女が教える衛生士学校には、主婦やキャビンア

テンダントさんなども転職希望で学んでいるそうです。衛生士さんの仕事に、人との

関わりがますます求められてくるので、頼もしく又楽しみな動きでもあります。

歯科衛生士という仕事は、大変ですがやりがいのあるお仕事です。労せずしてうまくいく

ことはないのですから、この仕事が好きでしたら、ご自分に少し投資する時間を作ってお

続けになることをお薦めします。確かに歯科衛生さんはどこの診療室でも求人しておりま

す。衛生士さん一人につき100人の求人があるなんて、煽るだけのことはしたくないと

思います。真剣に仕事している衛生士さんにしてみれば、毎日毎日が発見、同じ症例なん

てありませんし、同じ方でもアレッと思うくらいお口の中が変わることがあります。だか

らこそ面白く(失礼ですが)どうにかして差し上げようと 取り組むのです。面白いと言

っては失礼ですが、関心もって誠実に取り組まずして、人の健康支援なんてできません。

誤解ないようにと書き直しましたが、又きついいい方になりました。本音はまっすぐ

お伝えするしかありません。気を悪くなさったらお許しください。読んで下さって有難う

ございました。

 

インフル退治 歯磨きから!? 

2月15日付の新聞にまた載っていました。インフルエンザ予防にお口の汚れを取ること

今回日大チームの研究では、お口の中が不衛生だと、「タミフルなどのインフルエンザ治

療薬が効きにくくなる可能性がある」ことがわかったそうです。逆に言えば歯磨きの

徹底など日常生活の注意で、予防できたり・重症化を防ぐ可能性が出てきたわけです。

インフルエンザウイルスは、細胞内に入り込んで増殖し、他の細胞に感染を広げる際、

ウイルス表面の酵素「ノイラミ二ターゼ(NA)」を使って自身を表面から切り離す。

タミフルやリレンザなどはNAの働きを妨げることでウイルス感染を防ぐという理屈だ

そうです。チームの研究で「歯垢に含まれる2種類の細菌がNAを作りだし、ウイルスの

増殖を助ける」ことがわかったそうで、インフルエンザウイルスはのどや鼻の奥で感染、

増殖します。感染部位が口に近いことを考えるとますます口腔内細菌とインフルエンザ・

又他の病気との関係も注目されます。お口って全身の源ですね。

家族も含めたチーム医療(あるリハビリ病院の取り組みより)

日本はついに超高齢社会となりました。皆必ず歳をとり、からだも不自由になります。

加齢に伴い筋肉が衰えていく事を「サルコぺニア」と言うことはクリニックブログで

以前、書かせて頂きました。日本語では、筋肉減少症・筋力減少症と訳されます。筋肉は

使わないと衰えます。私達は食べるときに、食物を口の中に運び、噛み砕き。のどへ送り

ます。何気ないいつもの動作ですが、噛んで飲みこむには顔の周りの筋肉や咀嚼する筋力

を使っているのです。これを”嚥下”と言い飲み込むことが困難な状態を、嚥下障害と言い

ます。嚥下障害の原因は病気や栄養不良及び老化などです。それまで普通に食べられてい

た方も、ひとたび誤嚥性肺炎で入院なさると、数日間栄養を点滴に頼り安静にしただけで

上手く食事を飲み込めなくなります。嚥下機能のサルコぺニアです。こうなるとまず

飲み込みの検査をして安全に食べる方法をとります。食べる力を取り戻すまで、「ミキ

サー食」や「ソフト食」お茶や汁ものはとろみをつけて飲み込みやすくし、合わせてリハ

ビリを行います。飲み込む時は、呼吸の調整や痰を確実に出す必要があります。又食前

食後の姿勢も重要です。口の中が汚れていると肺炎の治りも遅く味がわからないなどの問

題が生じるので、歯磨きの仕方や入れ歯の調整も必要です。このように食べるためのリハ

ビリに多くの職種が関わります。これを見て「私も頑張らねば」と言う年配者もいれば、

疲れも出て意欲が落ち、「もういいや」という方も少なくありません。そんなことを見逃

さずご家族と相談して、次の一手、お孫さんの協力など頂く場合もあるようです。「じー

早く帰ってきてー!おやつ一緒に食べてお散歩行こうよ」こんな一言で元気になられ嚥

機能がよくなったりもするようです。当院でも禁煙支援の際、どうにもこうにも固まっ

ゃって進まなかった時、「おじいちゃん臭いからタバコやめて!」のお孫さんの一言で

禁煙できたことがありました。医療スタッフは患者さんの笑顔を取り戻すため努力します

が、ご家族の協力はより一層効果があると結んでいます。ご家族含めたチーム医療で入院

中からケアできると、退院後のサルコぺニアの予防につながりますね。リハビリテーショ

ン病院におけるこのような取り組みは、私達歯科医院の対応にも大きな示唆となります。

多職種連携に加え、家族をパートナーとして連携が功を奏し、お食事できる状態に

もどれることを願い、ご不自由になる前から認識して準備と備えが必要と感じました。

ご来院の度に患者さん方から伺う、ご家族の暮らしぶり・ご年配者の介護の状況・ご病人

の生活状況など、生きた知識として本当に為になります。日々見聞きする些細なことが

どんなに役立つことでしょう。相互交通を大切にして対応していきたいと思います。

認知症予防は「歯が命」(週刊文春より)

大きな電車の中吊りでつい買ってしまいました。それによると政府が認知症対策の国家戦

略をまとめた際、早期の対応が重要な認知症「歯を健康に保つことが認知症予防に大き

な効果を発揮することが明らか」と発表したらしいです。(1月27日付)

摂食機能療法を専門にする、植田耕一郎先生・〝歯がイイ人はボケにくい”を書いた倉治

ななえ先生・日本歯科大の小出馨先生によると、4400人の調査で自分の歯が19本以

下の方は要注意。高いヒールを履く方・足を組む人はリスク大・長電話やバス電車での

居眠りは歯の不調を招く・・と手厳しいご指摘です。ですが、歯を保つには、虫歯・歯周

病だけでなく、噛み合わせ・噛みしめ要するに悪い姿勢など考えれば、合点は行きます。

でも歳とるということは手足も不自由になり背中も曲がり、何かと姿勢も悪くなりますか

ら、一概に歯科だけで解決できることではありません。と言うより、当院のように「歯も

体の一部」と考え、からだ全体のことも加味して診断したり、サポートせねば”灯台もと

暮らし”になりかねません。入れ歯を入れていることを申告せず、整体屋さんに行って

首を引っ張ったりしては、かみ合わせも何もありません。整体なさる方も「入れ歯ですか

か?」と聞くくらいしてほしいものです。合わない入れ歯を放っておいた方のことは

先日「ためしてガッテン」で取り上げられ、ブログにもレジュメを書きました。入れ歯を

合わせ、食べられるようになり、お口元が整うと、鏡を見ようという気になります。鏡を

見れば自然と髪に手がいき、身づくろいをなさるようになります。一日何の刺激もなく

パジャマのままで、日にも当たらなければ、ぼーっとしてしまうのも当然です。

タバコ・歯磨き不足・甘いものをダラダラ食べる・・など歯に悪いことは一目瞭然ですが

一番は男女ともに、唾液の減少です。年齢によるものが大きいですが、高齢になるとお医

者さんからの「お薬が増える」ので、口渇と言って、お口がとても乾きます。薬大国日本

は尋常ならざる服薬量です。一度お医者さんとご相談されるとよいと思います。又食事も

食べにくいからと、軟らかくやわらかく、小さく小さくして飲み込みやすいように過分に

配慮する傾向にもあります。硬い必要はなくとも、味わえる限度の大きさ(テクスチャー

)があります。まだまだそのような状況にない方は、是非にご家族と話して、「食べやす

くしない」のも歯を残す・認知症予防に大切と思います。シチューや煮物やカレーなどの

野菜も大きくてもやわらかくすれば、かじって自分でお口の中で小さくできます。元来

日本食は「口中調味」というのです。

あの東北の震災の時も”お大事に症候”という言葉がいわれました。あの惨事の中で架空で

ものは言えませんが、お出来になる力や体力・気力のある方を大事にし過ぎて、本来もて

る力が「萎えた」と感じた医療関係者が多かったようでした。でもあの状況では仕方な

かったかもしれません。

これからの認知症予防には、今わかっていることを他分野が一つになって検証することで

す。人の体はパーツパーツで出来ていても、一つとして関係ないものはありません。です

ので、医科・歯科・薬剤・理学療法・栄養・言語等みんなで知恵を出し合えば、すばらし

い予防がすすむのではと感じています。歯科の分野でも、虫歯・歯周病をうまくコント

ロールでき口腔ケアが維持されれば、人間としての暮らしが保てると大きな希望と確信を

もっていますし、皆さんの意識が変わってきて、すばらしい健康観になられてきたと

思います。一人でも多くの方に「口は健康の源・認知症予防に優先事項」と思っていただ

ければ幸いです。

ためしてガッテン 大人のむし歯と入れ歯

昨日2月11日のガッテン!「大人のむし歯と入れ歯」衝撃的な画像に皆さま驚かれたの

では、ないでしょうか?でも事実です。

前半は、虫歯でした。大阪に「歯神社」があって、皆さん「むし歯が直りますように」

と手を合わせていましたが、本来なら「むし歯になりませんように」とお願いできるよう

にならないとダメですね。まだまだ「むし歯は守れる」が伝えられてない証拠です。

さて、「大人のむし歯=痛くない!」とめい打った特集です。当院でも主に中高年の患者

さんにお話ししている ”歯茎の根元と歯と歯の間のむし歯” です。年齢と共にどうして

も歯茎が下がります。そうすると覗いてくるのが歯の根元(象牙質)です。ツルツルの

エナメル質と違い象牙質は敏感なんですよ。象牙質が丸裸になってるのに、硬い歯ブラシ

使い古してガサガサの歯ブラシに、たっぷり歯磨き粉つけてゴシゴシしたら、悲鳴あげる

の当たり前ですよね。又、作った人工物と歯の間に凸凹がありますし、歯と歯のくっつい

た面には細菌の汚れ・バイオフィルムが潜んでいます。ですから、軟らかいブラシ・

デンタルフロスが必要なんです。こうして一本歯を失えば、お口の中全体の噛み合わせが

自然と変わり、それぞれの歯に負担が増えて、順繰りに歯を失っていくのです。それは

歯があごの骨に埋まっているからと大事なこと”が説明され特に上下の奥歯を一本失うご

とに、黄色信号から赤信号に加速しますという「怖ーい」お話でした。一度手鏡で

ご自分のお口の中をじっくり見て頂き、小さな白い詰め物で色の変わったところはない

か?よく見て頂き、定期メンテナンスする中で、積極的に担当歯科衛生士か歯科医師に

ご相談ください。

後半は「入れ歯」についてでした。巣鴨でインタビューした3人のご高齢者、「何でも

食べられるよ」「もう10年以上使ってるけど、歯医者にはいかないよ。薬局で入れ歯に

塗るの使ってるから、大丈夫」「上も下も総入れ歯だけど、歯医者には行ってない。合わ

なくてしゃべると外れるから、孫が怖い!っていうの」この方々を大学にお連れして、噛

みあわせ含め検査をしました。入れ歯が顎にあってる方は一人もおられず、入れ歯の歯も

すり減っていて、三人とも ”あごの骨が半分に減っていました! ”あごの骨の骨吸収”

びっくりするほどでした。当院で入れ歯をおつくりする場合は、作った後定期的にご来院

出来るかどうかが条件です。アクセサリーでないのですから、定期的にかみ合わせのチェ

ックやお口の中の汚れを管理しなければなりません。お家でのお手入れもきちんとしてい

ただくことが条件です。実際、健康保険で入れ歯は赤字です。なので出来上がったあと

調整をなさらない歯科も多いと聞きます。入れ歯はその方の食べるよすがです。健康保険

の見直しも急務ですが、だからと言って食べられない入れ歯を、調整しないということに

はなりません。番組では”望ましい入れ歯”と”そうでない入れ歯”が提示されました。

出演者が「それって、歯医者の腕の違いですか?」と大胆質問され、言いにくそうに

「歯医者が上手いか下手かということになりますねェ」とはっきりお答えになりました

。入れ歯の良しあしは、お使いになる患者さんがよくわかりますから・・。説明下さった

医科歯科大の先生も「小さすぎる入れ歯には、注意してください。床が小さいという

事は、お口の中で動くということですと断言されました。又当院と同じように、市販の

入れ歯に塗る”安定剤”は出来るだけ長期使用しないようにと釘を刺されました。顎が変っ

てからでは入れ歯の作り直しは本当にご苦労されます。又安定剤のお口の中への害も

とりざさされています。と言う訳で、汚い・怖いお口の中の画像が一杯出ましたが、かな

り突っ込んだ内容で、当院の患者さんにはお伝えしてることばかりですが、広まって

よかったと思います。詰め物も入れ歯も、作ったらおしまいでなく、作った直した時から

進行させない努力が要ります。お口の中にいる悪さをする細菌は、強力ですから。

アナウンサーの締めは 「歯があるためのは・な・し」でした。

 

気になる加齢臭?

 世の中消臭スプレーが大流行り。布団も乾す時代から、シュッシュッとスプレーしたり

布団専用クリーナーの広告がTVを賑わしています。ちょうど当院では、「口臭」に特化

したニュースレターをお渡ししたところです。俗に言う加齢臭に口臭も入るかと思いま

すが、「加齢臭」と言ういい方には多少抵抗があります。歳を重ねた人だけでなく、生活

習慣から若い人でも臭いのある方がおられます。医学的には老化やストレスが一因となっ

て皮脂腺の中の脂肪酸と過酸化脂質が増加し結びついた後に分解酸化して発生する臭い

ですが、そのためには不摂生な生活を改善する事が肝心で、食べ物などに気を付け

適度な運動など、当たり前のことばかりです。ですから臭いが気になったら、生活習慣を

見直すきっかけになればよろしいですね。意外ですが、初めて受診される方の中に、一日

一回しか歯ブラシしない方もいたりして、ギョッと致しますが、歯ブラシする必要性・

虫歯歯周病の成り立ちを知らされていないのですから、我々歯科医院側の足りなさも

あります。そんな事当たり前と言ってしまえばそれまでで、若い女性の中に、失礼ですが

下着を毎日替えてない方もいると聞くと、マスカラ厚ぼったくする前に、清潔にしてよと

言いたくなります。又一時期流行った朝シャンのように、身体の洗いすぎも良しあしで、

ある程度の年齢になると、余分な皮脂を取ってしまい乾燥肌になるので、洗いすぎも禁物

です。一年一年体も変りますが、一日のうちでも、お口が乾燥する時間があります。食事

もばっかり食いをせずバランスよく食べ、ビタミンCやEを十分にとり、適度に運動して

好きなこともしてストレス発散する。「臭いなんて言わせない」と気をつければ、加齢臭

などなくなります。ただし喫煙者はタバコ臭と共に、洋服や持ち物さえもたばこ臭くなっ

ていて、吐く息もタバコ臭たっぷりですので、周りの大切な方々にサードスモークの健康

被害を与えぬよう、禁煙をお勧めします。さわやかな息って、どなたにも可能なことです

男性でも女性でも、お口の臭いは百年の恋も冷めますね。電車で横に座った方があくびを

されても、顔をしかめないで済むようになれば嬉しいです。ですけれど気にしすぎてスト

レスためては言語道断。明るく楽しくが一番ですね。加齢臭なんて飛んで行け!

お弁当の時間 (天声人語)より

 1980年のこと、自分は中流と考える人が約9割という新聞記事を読んで、作家向田

邦子さんは学校給食の影響だろうと思い、毎日一回同じものを食べて大きくなれば、そ

う考えるようになって無理はないと書いたそうです。「お弁当」と題したその随筆は、戦

前の小学校のお昼は貧富などを考えないわけにはいかない時間だったと続きます。そして

「私がもっと利発な子供だったら、あのお弁当の時間は、何よりも政治・経済・社会につ

いて、人間の不平等について学べた時間だった」と述べておられます。戦後は困窮する日

本に、アメリカなどから救援物資が贈られ、小学生は粉ミルクをのみ、全国に給食が普及

し小学校のお昼から表向きの貧困は消え、80年代ごろは世の中が最も平均して見えた時

代となった。でも思い出せば私の小学生時代もお弁当の時には、日の丸弁当はいい方で、

田舎でしたが充分にお昼のない同級生もいたように覚えています。

今、中流は細り、子供の6人に一人が「貧困」とされる水準で生活している。3食のうち

しっかり食べているのは給食だけ。給食のない夏休みに体重の減る子がいる・・と言う深

刻な話もあるそうです。親から子へと格差は固定しがちです。もうすこし利発な政治家や

官僚だったら、子供の苦境から不平等について学ぶのではないでしょうか?恵まれた世継

ぎの多い政界だからこそ、想像力を欠かさないでまっすぐ向き合って欲しいと願います。

子供のころの食事は、味覚を育て心を育て、何事があっても立ち向かう大切な人としての

軸であるからだを作ります。人はその日に食べたもので生きているというコマーシャルが

ありますが、子供に本当にそうだなぁと思う昨今です。

 

深夜の番組で・・

 高校生を集めて、珍しく歯の話題をおもしろおかしくやっていました。意外や意外若い

男の子が、歯磨き粉たっぷりつけて長時間硬い歯ブラシで、アワアワにすればいいと思っ

ていたこと。当院では若い男性だけでなく、ペーストは後で、まずやわらかい歯ブラシや

フロスでべたべた汚れを取って・・とお教えし、その後ペーストつけてねとお話しし、

ご理解実行頂いています。まだまだ30分も、長時間磨けばいいなんて思ってる方もある

んですね。びっくり!でした。

本題です。その女子高生たちの80%が胸キュンとなるのが、なんと「鏡の前で男性が歯

ブラシする姿」だそうです。その理由として、①歯ブラシしながら眠気と闘う姿に胸キュ

ン♡ ②歯ブラシしてる時盛り上がった頬が子供っぽくてかわいい、胸キュン♡ とのこと

極め付きは、朝日を浴びて、男性が歯ブラシしてる姿は「王子様みたい!」でした。

今の特に女子高生には、驚かされました。

他にも歯茎チェックのコーナーがありましたが、歯茎にブラシ当たると「痛いから磨かな

い」と言う高校生が多く、歯肉炎状態の人が多いこと、歯科医院でケアをうけてない人が

多い事も浮かびました。歯肉炎が進むと歯が抜けます!と大学の歯科衛生士さんが脅かし

ていましたが、ブラッシングすれば2週間で元に戻りますよ・・と大雑把なアドバイスも

していました。そのブラッシングが大事なんですが・・。内容ともあれ、深夜のお笑い番

組のようなところで、「歯や歯茎」が話題になって嬉しくもありましたが、食べ物も生活

習慣も変った昨今、正しい情報をどのようにして伝えて行くべきか、課題も浮かび上がり

ました。当院としては、HP・ニュースレターを通じて、又日々ご来院の度に、それぞれ

の患者さんにお伝えし発信して、水の輪のように伝っていく事を切に願います。