フレイルとサルコペニアについて(ダイジェスト)

フレイル

開業30年たつと、お通いの患者さん方も歳を重ねられながらメンテナンスに通われるようになりました。それでも2階にある当院にいらっしゃれるのですから、お元気でらっしゃいます。自宅でのお手入れもよろしく、定期メンテナンスも欠かさないのでお歳にしてはお元気な方ばかりです。お口の手入れが功を奏していると思われうれしいです。

           歳重ね丸くなるより固くなる
           診断は昔過労で今加齢
           デパ地下にあること知ったグルメ旅

                   全国老人福祉施設協議会の「還暦川柳」の収録作です

年齢とともに衰え行くのはいかんともしがたい状態、歳をとり、筋力や活力が低下した状態を「フレイル」というそうです。もろさ・はかなさ・弱さを意味するとか。いっとき言われた「脆弱化」をわかりやすくいったものでしょうか?それにしても悲しくなる言葉ばかりです・・。
日本老年医学会は「健康と病気の中間的な段階をフレイルと呼ぶ」ことにし、これをそのまま放っておくと、介護が必要になる状態で、「疲れやすくなる」「歩くのが遅くなる」「体重が減る」といった要件が三つ重なると認定されるそうです。ただ元に戻らないわけでなく、早めに気づいて栄養とったり、ストレッチなどの運動したりして回復も可能とのこと。フレイルという言葉によって予防意識が高まって、要介護のお年寄りが減ることを目指すというものの、広まりそうもないですねこの言葉。馴染みなさ過ぎ、いかにもお役所の発想かな・・。 英語のスペルからとったことはわかりますが・・。
ともかく予防に効果的なもののひとつはタンパク質ですが、お肉でなくとも美味しくよく噛めて食べられれば、よく吸収されからだは喜び元気でいられます。工夫と心の持ちようも大事ですね。いずれにしても、アンテナ広く高く張って、いいと思うことは積極的にやって行く、好奇心というか気持ちの若々しさを保つことではないでしょうか?
昔アルフォンス・デーケンさんに頂いた言葉「にもかかわらず笑う」と同じように「にもかかわらず、前を向いてあきらめない」気持ちを維持することでしょうか?人との接触もなくなると家に閉じこもりがちですので、隣近所で声かけあう、こんな些細なことが大事かもしれません。一番悲惨で悲しいことは「孤独」と感じることです。お声かけ合って、元気の交換しましょう。「いいお天気ですね」「昨日はスゴイ雨でしたね」「紫陽花がきれいですね」「新しいスーパーが出来ましたよ」「お足元気をつけて」「帽子よくお似合いですね」。ちょっとした一言が元気につながるかもしれませんね。

サルコぺニアってどんな病気

「サルコぺニア」 この言葉を最近よく聞くようになりました。高齢化が進む中で、要介護や寝たきりの要因として今もっとも注目されています。サルコぺニアとはギリシャ語で「肉」「筋肉」を表す sarco と「減少」「消失」を意味する peniaを組み合わせた「筋肉の減少」という意味だそうです。
広義のサルコぺニアは加齢によるものなので65歳以上の4〜5人に一人、80歳以上では2人に一人がサルコぺニアになっているという報告があるそうです。サルコぺニアは病気一歩手前の状態、結構深刻な健康問題とされ、寝たきりにつながるといわれます。
以前このブログで 「フレイル」(虚弱)という言葉をご紹介しました。今はどうにか日常生活を行えている、いわば”病気の一歩手前”の状態を言います。要介護状態へは、フレイルを経て進むことが多いと考えられています。このようにサルコぺニアになると体が動きにくくなり活動量が減ります。活動量が減ると食欲が低下し、低栄養となります。
低栄養とは健康な体を維持するために必要な栄養(エネルギーやたんぱく質)が不足している状態のこと。低栄養になるとサルコぺニアがさらに進行します。つまりサルコぺニアがサルコぺニアを加速させるという悪循環を引き起こしてしまうらしいのです。以前、ライフプランニングセンターの道場先生に、脆弱化のスパイラルと教えていただきました。そのことに似ています。
私事ですが、93歳で倒れ幸運にも復活した父が全くそのとうりです。関心持ってこのフレイルとサルコぺニア勉強しながらお伝えしていこうと思います。

サルコぺニア2

前回の続きです。
高齢化が進む中で、要介護や寝たきりの原因として今もっとも注目されている”サルコぺニア”は加齢などによる筋肉量減少で誰にでも起こりうる症状です。特に足の筋肉が減少するとちょっとした段差にもつまずき、転倒しやすくなります。
60歳代になると20歳の時と比べて一般的に腕の筋肉量は10〜15%。足の筋肉ん量は40%も落ちるそうです。サルコぺニアの人は」今はどうにか日常生活を行えている、いわば”病気の一歩手前”の状態なのです。この状態をフレイル(虚弱)と言います。この段階で、あるいはその前に筋肉トレーニングや栄養改善を行えば通常の生活に戻ることが可能になります。一般にはロコもの方が言葉としての認知度は高いのですが、ロコモの方はサルコぺニアになっている可能性が高いと考えられます。
又筋肉の減少というと、痩せた人を思い浮かべますが、サルコぺニア肥満も話題です。筋肉量の減少に加えて志望が蓄積してイル状態です。サルコぺニアに該当し、なお且つBMI25以上の人を指します。小太りといった感じですが、このサルコぺニア肥満になると、糖尿病のリスク19倍、女性は高血圧のリスク約2倍になるという報告があります。
ところがサルコぺニアはまだ「保険病名」として認められておらず、検査を行っている医療機関はほとんどありません。食事指導も低栄養を引き起こさないような「リハ栄養」という新たな考えの指導が必要です。

・筋肉量のチェックには
①握力計を使う
②横断歩道を青信号で渡り切れるかどうか
③指輪っかテスト(簡易な筋肉量テスト)があります。両手の親指と人差し指で、ふくらはぎのもっとも太い部分を囲みます。

指がくっつかない人  サルコぺニアの可能性低い
指がぴったりくっつく サルコぺニアの可能性あり
指が重なってしまう  サルコぺニアの可能性高い だそうです。やってみて下さい

・サルコぺニアの予防・改善

①筋肉トレーニング・・と言ってもお家で出来そうです

・ハーフスクワット 椅子に座って123数え立ち上がって123ゆっくり元に戻る
・爪先立ち 腰巾に足を開き背筋伸ばして123でかかとをあげ、123で元に戻る
・ももあげ 椅子に座り背筋を伸ばし椅子の座面を両手でツ゚k差観123と片足の膝をゆっくりと引き上げる。123と声出しながら元に戻る

②筋肉の材料となるたんぱく質の摂取です。肉・魚・乳製品・大豆製品です
③禁煙です。 詳しいメカニズムはまだ完全ではありませんが。喫煙者はサルコぺニアに

なりやすいとという研究結果が多く報告されています
いずれにしても生活の質を落とさないためにも「病気になる前の元気な状態に戻る」ため
にも、過度の安静や低栄養は好ましくありません。この点の改善の為、管理栄養士の奮起
が望まれます。医師・歯科医師・看護師・管理栄養士・歯科衛生士・理学療法士・言語療法士等
皆さんとの連携が望まれるところです。

まだ自力で戻れる崖っぷち状態の悪循環 それがフレイル

寝たきりになりたい人なんていないと思います。そうなってしまう確率を、自力で下げる方法があることご存じですか?
frailtyこのコーナーで何度も取り上げているフレイル。ひとたびフレイルの状態になると図のようにどんどん衰えていく悪循環になり、容易なきっかけで取り返しのつかないことになります。
ブログで何度もご紹介済みですが図の真ん中にある言葉。サルコぺニア。「筋肉量がへって筋力か身体機能が落ちている状態」を指し”フレイルの中核を占める状態”です。悪循環を注意深く見て頂くと、活動度の低下と食欲・摂取量の低下があることに気づくでしょう。「運動しない・栄養的にも十分な食事をしない」ということだそうです。この循環は図の方向に回るだけでなく、ご本人の努力次第では逆方向にまわすことも十分可能だそうです。
と言うのはどんなに高齢であっても、適切に運動すれば筋肉は増え、筋力も上がるそうです。筋肉の材料、すなわち食事が欠乏しているとせっかくの運動が無駄どころか毒になる可能性もあるようです。お食事が大切です。
ここでいう「運動」とは?特別なものでなく誰でも使える運動メニューなのです。きわめてシンプル。毎日のウォーキングで、歩数を一か月に一割ずつ増やしていく、これだけでいいそうです。騙されたと思って、やってみてください。もし上限を決めなければ、一年後には今の約3倍歩いている計算になるそうです。下記のもう一つの表をご覧下さい。

※英語ではfrailty(フレイルティ)ですが、日本老年医学会では「フレイル」と
呼ぶことを提唱しています。

要介護の原因疾患 (上位5つ 平成25年国民生活基礎調査より)
1脳卒中   21・7%
2認知症   21・4%
3高齢による衰弱  12・6%
4転倒・骨折    10・9%
5関節疾患    6・8%→このうち3・4・5は「フレイル」から容易に移行します。

こんな言い方もなんですが、”手厚い介護は、助けてもらう瞬間は嬉しいが、虚弱の人が自立にもどるチャンスを奪い、虚弱や要介護の期間を長期化する。介護に頼り過ぎない生活を目指せば、ピンピンころり型で老いて行く可能性が高いという福祉からの見方もある事を付記致します。
よく言われる”お大事に症候群”かもしれません。理論的にはわかりますが、独居のお年寄りもいらっしゃるわけで、難しい問題を含すんでいますが、日常のちょっとしたことで、身体能力を維持可能だとわかってきたということです。やるかやらないか。少しでも早く気づくか放っておくかで、ずいぶん違ってくる事がわかってきたようなので、お伝えしました。(以下の図は順天堂医院院内ニュースより引用)

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①オーラル・フレイルを予防して健康長寿を目指しましょう!

昨日届いた、日歯広報(所属する日本歯科医師会広報)に上記件名「オーラル・フレイル」の文字が。先日3月26日開催の理事会で新たな考えとして示された・・とあり本当にうれしくなりました。
当ブログでも、医科からの発信を受けて、今年初めから「フレイル」「サルコぺニア」について何度か書かせて頂きましたので、いずれ歯科でも動きがあると目論んでおりました

良かったぁ!
からだの健康寿命を言う時に、まずお口から!と思っていたので、これで医科との連携が少しでも進めば嬉しいですね。そしてもっと国民に向かってこのことが広く伝わるようにしないとなりません。その時になってから慌てても、なかなか難しいです。
今は小さい時、子供のころから「食べること」「からだを作る食の事」を伝えなければならないとつくづく思っているので、あちこちでこのような動き歓迎です。まず、歯科医院の多くが治療だけでなく、お口の役割をもっともっと伝えて、「いい人生につながるお口の大切さ」を担って行ければと思います。日歯のこの提言大賛成!

フレイル予防 歯の噛み合わせ大切

歯科医師会のオーラルフレイル提案もあり、心強くなってきました。当ブログでは、数回にわたりフレイル・サルコぺニアをお伝えしていますが、もう一度あらためて書きます。

高齢になり軽い病気やケガがきっかけとなって、急激に体力が衰え、介護が必要になったりします。要介護と健康の中間にある状態を、2014年に日本老年医学会の提言によれば、75歳以上の多くはこの状態にあるとしています。
加齢と共に筋力が衰えた状態を「サルコぺニア」とよび、これに認知機能障害やうつなどの心の問題、一人暮らし、経済的問題などが加わると「フレイルになりやすい」と言われます。日本には統一基準がまだないのですが、米国老年医学会の評価法「フレイル」と呼び

・一年で4キロ以上体重が減った
・疲れやすくなった
・握力の低下
・歩行速度が秒速1メートル未満
・身体の活動性の低下
の5つのうち3つに該当するとフレイルとしています

日本では国立長寿医療研究センターの調査解析によれば、熟睡感がなく目覚めの悪い人・奥歯で噛めない人・地域活動しない人はそうでない人に比べ、フレイルになりやすかったとのことです。
しかし適切な対策さえとれば健康な状態に戻る可能性はあり、寝たきりになるのを遅らせることを知ってほしいと伝えています。

そのほか大事なことは大きな大げさな運動でなくとも
・横になったままグーチョキパーと足の指を動かしたり
・背伸びをしたり
・家事や歯みがきの際、かかとをあげたり下したり・・
・三度の食事でタンパク質をしっかりとること     そして

★奥歯でしっかり噛めるようお口の中を整えておくことです
奥歯でかみ合わせが出来ないと、咀嚼に必要な筋肉が減っていってしまい、軟らかいもの・食べやすいものばかり食べていると、口の周りの筋肉が衰えて、本当に食べられなくなります。無理のない範囲で、シャキシャキ・サクサクと言った食感の生野菜なども召し上がると、意外と食欲出たり、楽しいものです。
手のひらを頬にあて、奥歯で噛み合わせ、頬の筋肉が動くかどうか、確かめて下さい。お口の周りの筋肉が働いてくれるかどうか、噛むだけでなくゴックンと飲み込む時にも筋肉が必要です。

高齢者の中には、びっくりするほどお元気な方もおられ、そのような方には、年配者が集まる場などで、指導役を任せる取組みも始まっているようです。助け助けられの意義を最大限生かすには、一人でも多くの方が新しい知識を持ち、気づき合うことだと思います。
誰もが迎える「老い」。みじめな思いが少しでもヘリ、生活の質が少しでも維持できて、「ありがとう・おかげさま が行き交う世の中」になるといいですね。理想かもしれませんが、やる意味はあるようです。ちょっとずつでも・・。

②オーラル・フレイルを予防して、健康長寿を目指しましょう(日本歯科医師会)

先日このブログで、日本歯科医師会のオーラルフレイルへの取り組みをご案内しました。さらにマスメディアなどを通じて、多くの国民に伝えていくことになったようです。

歯周病の治療や歯を失ったときの治療を受けるのはもちろんのこと、「滑舌の衰え」「食べこぼし」「わずかのむせ」「噛めない食品が増える」などのささいな口腔機能の低下を軽視しないことが大切です。このわずかな口の衰えは、身体の衰えと大きくかかわっています。
日本歯科医師会は、「8020運動」に加え、ここにオーラル・フレイルの予防という新たな考え方を示し、健康長寿をサポートしてまいります・・とあります。

これからもこのブログで、お口の中に定まらず、皆さんのおからだ全体にお役に立つ情報をご案内していきたいと思います。

今日は本当に春らしい暑いくらいの陽気となりました。まだ4月ですが、紫外線は相当強いようです。外に出るときには、サングラス・帽子などで予防いただき、いつでも取れる水分も携帯ください。
そうそう近所の内科の先生から伺ったことですが、「モーラステープ」というパップ剤張った方が、日光を浴びて湿疹出る方が散見されてるようです。日光疹の既往なくともご注意ください。

タバコをやめた瞬間に (こんなにいいことが増えます)

20分    血圧が下り始め、脈もゆったりに。
        手足の温度が正常にもどり、血流がよみがえる

8時間   血液中の一酸化酸素が正常になり、酸素濃度が上昇し正常になる

24時間  心臓発作を起こす可能性が少なくなる

48時間  食べ物の味が良くわかるようになり、においにも敏感となる

2週~3か月 血行が良くなり、肺機能が改善する。歩行が楽になる

1~9か月 咳や息切れが改善する

10年   肺がんにかかる危険率が喫煙者の十分の一になる
     (口腔がん・食道がんの危険率も低下する)

15年  心臓病にかかる危険率が吸ってない人とほぼ同じになる

            アメリカの肺がん協会データーより抜粋
            SGセンター薬剤師 中垣繁監修リーフレットより

瞬時にいいことがありますので、「いまさら~」と思わず、次の一本に火をつける前に
おいしいお茶(今は様々な種類のおいしいお茶がありますよ)やお水飲んで、ニコチンを
体から排出してください。そうこうしてるうちに、”脳の一日●●本分のニコチンがなくてもよくなり” 減煙から禁煙 と成功なさると思います。

決して吸ってる方の「意志が弱いのでタバコやめられない」ではありません。
脳がニコチンの量を記憶して依存してるだけです。
応援しますので頑張ってみてください。必ず禁煙できます!

雪原の白ウサギを探すようなもの(再掲載)

医療の世界では○○認定医が大流行ですが、「マンモによる乳がん読影認定医試験」というのがテレビで紹介されていました。芸能人の乳がんの告白などから、検査はしてても・・という風潮を踏まえ放送されたと思われます。よい番組でしたのでお知らせします。

マンモグラフィー検査は、検査自体が患者にはかなりつらいので、エコーで済ましてしまう人も多いようですが、エコーもマンモも両方必要だというのが大方の見方です。エコーはばらつきが多く、観るドクターの技量に左右されるので単独では判断できない。技術・知識・集中力がものをいうそうです。当院の院長も常日頃言っていますが、「画像は読影が命」と。正しく撮影されたものを慎重かつ精密な読影には相当な技量を要するものです

私事ですが、かの昔ある専門病院のドクターは、放射線専門医が読影し報告してきたものを、主治医がさらに拡大鏡を近づけてみて、今度は石灰化の小さな粒の間隔を図って記録判断くださいました。今の時代はずいぶん違うと思われますが、基本的に見る目があるのとないのでは雲泥の差です。

この日の番組で紹介されたこの認定医試験。合格率は60%だそうです。決められた時間に100枚だったでしょうか?マンモの読影を強いられみなさん真剣そのものでした。対象は医師と放射線技師です。私たち女性のために頑張っていただきたいですね。このような医療現場での研鑽の裏で、乳がん検診30%という低さも問題です。先生方も頑張ってくださってるんですから、積極的に乳がん検診受けたいものです。

ですので乳がん検診は、医師や技師の技量が勝負。発見できるドクター・発見できないドクターがいるとはっきり言っておりました。マンモグラフィーによる乳がんの読影は
「雪原の白ウサギを探すよう」とはこのようなことを指しているのですね。私たち患者側も医師の技量を見抜くくらいの患者でありたいものです。なんでも”お任せにしない”ことですね。大切な自分の身体。大切なそれぞれのパーツ。かけがえのないものです。賢い患者にならないと・・。

水洗式咀嚼!?  (岡山大学・小児歯科岡崎先生より)

今注目の、また唾液の話です。   

”唾液” 文字通り 口から垂れる液です

   ”よだれ”も 唾液が余って垂れるから ”余垂れ(よだれ)”というらしいです。

岡崎先生によれば
  以前は、子供が口を開けると唾液が沢山出てきて、防湿の為にラバーダムというものをつけた。それでも横から漏れ出すので、その下に排唾管挿入して治療した。ビショビショに唾液出る子供が多かったので、正直治療する方にしてみれば、唾液は厄介者だった。

ところが、最近の子供は、口を開けていても唾液(つば)がたまらない。おかげで治療はとても楽になったが、そうも言っていられない。どう考えてもこれはおかしい。どうして!?

一つに食生活の変化を上げておられ、特に

  常に水やお茶など飲み物を飲みながら食べている。流し込みながら食べているので
  これを”流し込み食べ” =水洗式咀嚼 と呼んでいるんですよ。唾液でなくなります

  昭和30年代まで、食事中にお茶飲むと「行儀悪い」と言われたものです。調べたら
  サザエさんの漫画にも、食卓に”湯のみ”は置かれておらず、お茶は食事が終わったら
  みんなで飲むものだったと記憶しています。
  今はファミレスでも、席につくとまず水を持ってきます。

  マウスの実験でも、水分の多いエサを与えると、耳下腺・顎下腺の発達が悪かったそ
  うです。
  同じことが、いま私達の子供たちに起こってるのではないだろうか?と案じてらっし
  ゃいます。

そういえば・・と自分でも小さい頃を思い出すと、いまよりもっともっと「よく噛みなさい」と言われるまでもなく、噛み応えの多い食事があったように記憶しています。おかげで、「良い食材を味で覚えたせいか?」今どこへ行っても、何を食べても美味しく味わえ
お店の方とも食材談義も事欠きませんし、友人同士で食事をしても、豊かな食材で育った幸せは何事にも代えがたい・・と親に感謝するばかりです。

お仕事もつお母さんも増えてきて大変だと思いますが、食事の経験は生活習慣として、大きく響きます。
どうかこの岡崎先生のご指摘に耳を傾け、親御さんもご一緒になさって下さい。お母さん方もお若くても、どんどん唾液は減ります。お子さんとご一緒に、お食事時の水分の取り方をちょっと工夫されて、唾液が出るように思い切ってトライしてみましょう。お水・お茶などをお供にせずとも、良く噛めば必ず唾液は出ます。やらなければ出ません。唾液でなくなるばかりでなく、飲み込み困難になります。

唾液が少ないと虫歯も俄然増えます。
知らないでいて不自由になるのは、もったいないですね。

 

 

 

 

 

サルのむし歯に思う

allある動物園のリス猿(小さいですね)の右目の下が、プクンと腫れて見るからに痛そう!獣医さんが診たところ虫歯が進んでいて、歯の根のところを切開して腫れは引いたそうです。最近お客様からお菓子の投げ入れがあり、ついサルたちも口にしてしまうようです。 人間もサルも一度甘いものを口にしてしまうと、美味しいものに目がなくなっちゃいますものね。

本来サルは、自然の食べ物をよく噛んで食べ、唾液を出して洗い流しているとのこと。今人間に言われていることと同じですね。 日光の猿軍団も人間のものを頻繁に食べるようになって、同じように虫歯に悩まされているとか・・・。 本来野生動物は”飢えとの戦いなんです” と解説された言葉が、人間にも同じだなぁと つくづく感じいったことでした。

人間の方は ”いつでもどこでも何でも手に入るようになり” お腹すいたらちょっと食べしてるうちに、きちんと食事をとらない子ども達も増えてきているようで、 ”好きなものだけドカ食いするなど”「飽食の栄養失調」と言われて久しい人間への警鐘と似たところがあります。

20年も前の話ですが大阪の片山恒夫先生から教えられて手にした「食生活と身体の退化」未開人の食事と近代食・その影響の比較研究 W,A, Priceには、開発が進みそれに伴って持ち込まれる先進国のし好品(砂糖の入ったお菓子など)で、原住民の歯が虫歯になって行く過程が示されていました。その本の強烈な内容を思い出しました。

習慣は人がつくる 心もからだも (日野原重明)

あなたのからだは、あなたの食べたもので出来ている

まさに私達は、口にするものによって大きな影響を受けています。食べるものによって 病気がつくられてしまうことを心しなくてはなりませんね。 (下記の写真は 上記にご案内したプライスの赤本
表紙と、開発が進むことにより原住民に増えた虫歯の画像です)

2016/ 4/ 8 16:21 2016/ 4/ 8 16:21

鼻水だけでも医者に行く? (細谷亮太さんのお話しより)

元聖路加国際病院・小児科部長の細谷亮太先生は、子どもに対する姿勢とお気持ちの大きさに圧倒され、又ごくごく自然に子供をとらえて、丈夫な子供に育ってほしいというお気持ちにあふれていらっしゃるので、ついお書きになったものに目がいってしまいます。

この新聞記事も ★「食う寝る遊ぶ」が出来れば平気★ と副題がついています。そして

健康とは、何でしょうか?私が子供の頃、日本はまだ貧しく子供はみんな、鼻水を垂らして遊んでいましたが、今のお父さん、お母さんの中には、「鼻水が出たら医者に診てもらわないといけない」と、子どもを病院に連れてくる人がいます。
でも、”食う、寝る、遊ぶが出来ていたら人間は大丈夫です”。食欲がちゃんとあり、すやすや寝られて、機嫌よく遊び、熱もなければ、病気ではないんですよ。

小児科の外来は、危ない場所です。インフルエンザの子供や、水疱瘡の子供がいる可能性もあったり、お父さんお母さんの安心のためだけに、危ない場所にこどもを連れて行くのはやめておいた方が良いのです。ただし子供が幼いうちは特に、小児科の専門医をかかりつけにして置き、いろいろ相談できる関係つくりをしておくと安心です。医者を次々と変える「ドクター―ショッピング」はお勧めできないので、お医者さんが医学的なことはもちろん親よりよく知ってるわけですが、よい関係をつくって、子どもの症状の急変に相談できるようにしておくことが大切です。医者の判断だけに限らず、「どうもおかしい」「ただ事じゃない」と気づけることが、とても大切です。
と上手なかかり方を提案していました。

大事に至ったらどうしようと親だったら思うのは当然ですが、この細谷さんのお話し伺うと,本来人間って強いものなんですね。ただし「食う・寝る・遊ぶ」が出来てれば平気と
いう細谷先生の言葉を頭に置いて・・ですが。
子供を思えばこその細谷先生のお考え、参考になればとご紹介いたしました。

 

 

 

朝食抜くと脳出血のリスク3割増

朝食を抜くことが多い人は、毎日食べる人に比べて脳出血のリスクが3割以上高まるとの調査結果を、国立がんセターなどの研究チームが発表した。(2月5日付け新聞)
8県の男女約8万人(45歳から74歳)を平均で13年間追跡した。その間、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)を発症した3772人と、虚血性心疾患(心筋梗塞・急性心臓死)を発症した870人について、朝食との関連を調べた結果、

「朝食を週に0~2回」は脳出血を起こすリスクが1・36倍・脳卒中全体では1・18倍高かった。心疾患では優位差は見られなかった。

チームによると、朝食を抜くと空腹によるストレスなどで、血圧が上がることが知られている。高血圧は脳出血の大きな要因で、中でも早朝の血圧上昇がリスクを高めるという。解析した阪大・公衆衛生教授・磯博康さんは「そうした背景が脳卒中を引き起こす原因につながってる可能性がある」と指摘しています。

当院でも朝食抜きの方に伺うと、夜遅いので食べないとか、朝食べると電車に乗って気持ち悪い!?とかいろいろおっしゃいますが、朝起きてネバネバのお口を手入れ後、ヨーグルトにバナナでも、スープにパンでもいいので、何かしら召し上がって体にエンジンかけてくださいと申し上げています。朝食抜くと、糖尿病のリスクも上がるので是非召し上がってと、唾液検査などしながらお話しします。食事することは、その方の体を作ることですが、歯科的に言うとお口の掃除と言っては何ですが→噛む(咀嚼する)ことは、脳にも歯にも歯茎にも、さらに申し上げれば、「心」にも大切なのです。

ですから、病気を呼ばないために、朝起きたら、カーテン開けて部屋に光を取り込み、
脳を起こして、朝ごはん召し上がってください。少しづつ召し上がってみるうちに、その方の朝ごはんスタイルができて、一日がスタートするようになることを祈っています。

乳ガン専門医から

年一回指定された乳ガンの精密検査と診察に行ってきました。検査なのに行くまで気の重いことと言ったら!それでも都内に住んでいる35の時から、良い先生に恵まれつつ今日まで来ました。

芸能人や有名人の乳がん報道に外来は沢山の患者さんでした。幸い私は今回もパスでしたが、主治医である女医先生と骨粗鬆症の薬の話などしながら、当院の取り組みHPに情報載せたことを、連携有りがたいわぁ!と仰って下さり、添付の図も使って宜しいと下さいました。

私も初めて知りましたが「炎症性乳ガン」と言うもので、突然同心円描いたように赤くなり、皮膚は夏ミカンのようになるそうで片方だけだそうです。こんな時は直ぐ受診してほしい、放って置かずにね。是非そちらのHPで広めて下さればとラフスケッチ下さいました。

ガン検診は行くまで気が重いけれど、後で後悔は残念なので、毎日のお風呂上がりの自己チェックと専門医による定期検診受けましょう。丁度blogに”雪原で白兎を探すようなもの”というマンモやエコーの読影の難しさを書かせていただいた直後だけに、女医さんの
きっぱりした言葉はとても有り難く思いました。早ければやれること沢山あるのよ!の助言には女性の大切な乳房失わせたくないと言うあったかいお気持ちを感じました。

皆さんも乳ガン検診受けましょう。今は女医さんも沢山おられます。乳がん検診怖いより、受けないでいるほうが怖いです。案ずるより産むが易し。ぜひ受けましょう。

 

2016/ 2/ 9 15:45

 

美しい死

資料整理していたら、大事なコピーが見つかりました。当時いつもバックにしのばせていたのですが、歯科予防の集まり・熊谷崇先生(日吉歯科診療所)主催の会に出向いた折、熊谷先生がこの同じ記事をスクリーンに大写しにされ、同じ思いでいらしたことが嬉しかったのを覚えています。今でも十分通ずる良い記事なので、ご紹介いたします。

「美しい死であったと感じました」ガンでなくなった先輩学者の病理解剖に立ち会ったとき感想を求められ、思わず口をついて出た言葉だったという。「なぜ美しいと表現したのか。自問自答しました」こんな切りだしで始まった森亘日本医学会長(元東大学長)の話は味わいがあった。先日、東京で催された日本医師会創立50周年記念大会での「美しい死。品位ある医療の、一つの結果」と題する特別講演である。

森さんは病理学が専門。「優に千を超える」解剖の体験をもとに「必要にして十分な治療を施された遺体には、それらが見事に反映し、それなりの美しさが感じられる」という。
なぜか。「その疾患の結末としてべく起こるべくして起こった変化の集まりであり、大きな修飾は感じられない」からで、「節度ある医療であり、品位ある医療である」。
逆に「脳死状態に陥った後も長く心拍動、呼吸を保ち、脳や脊髄が融解しつくすまでに至った患者の病理解剖所見は、美しいとは映らない」とも。
「節度ある医療は、知識、教養、品位を併せ持った医師によって初めて下しうる。今日の医師にはこうした高度の素質が求められる」と訴えた。

さらに、言外に一部医師の過剰診療を批判して、「医師に与えられている大きな裁量権は、良識を欠く行使の下に置かれるならば、やがて取り上げられてしまう」と警告した。講演は、制度改革や医療界を心配する心情にあふれ、「医師には、医学的力量とともに人間的教養と品位が求められている。このことを、ぜひ後輩たちにおしえてほしい」と結ばれた。演壇を降りた森さんに「感銘を受けました」という声が寄せられていた。 
          朝日新聞 「窓」論説委員室から 平成9年11月7日号

18年経った今でも、心突き動かされる文章です。
そして、熊谷崇先生が新しい歯科の会を立ち上げた時「本来虫歯・歯周病は稀な病気である」とおっしゃったこと。事が起こってから修復処置をするのが歯科ではなく、そうならない為にお口の中のバイオフィルム(原因菌の汚れ)の破壊と除去=取り除いてよい状態にすること が大事であると予防の会を立ち上げたコンセプトに通ずるものがあって、歯科としての新しい取り組みの必要性と共に、なおのこと森先生のお話しに感銘を覚え共感したことでした。古い記事ではございますが、紹介させていただきました。こうして時間が経っても読むたびに、心に重く響き新たな気持ちにさせて頂けます。

 

スメハラ

先日日吉歯科の熊谷先生先生の研修に行ってきましたが、まだまだ会合などに行くと「何とも言えない口臭?タバコ臭?ひどいんだよね。よく本人平気でいられるよ・・」と憤慨してらっしゃいました。私達も実際電車に乗ったりして、お隣の男性が”あくび”でもしようものなら、「ウッ」と息止めることがあります。独特の口臭。歯科のメンテナンス受けてるの?と聞きたくなります。

若い方でも顔や髪形に時間とお金かけてるのに、口開くと「エッ」という方も散見します。最近ではこのような、まわりに迷惑かけるようなにおいを発することを「スメハラ」
「スメルハラスメント」というそうです。

定年退職されたお父さんが家にいるようになると、口臭ひどくてイヤだから外出するの・・とおっしゃる奥方の理由は別(単なる言い訳)だと思いますけれど・・。いずれにしても口臭などないように、ホームケアと歯科医院で定期的に受けるプロケアが必須です。スメハラと書いてるだけで臭ってくるようで、筆を止めます!

喫煙者の方は口臭だけでなく、歯を失う速度がすごいのですから、タバコ臭含めた口臭だけでなく、健康損なう最大リスクのタバコから早く逃げ出しましょう。当院は禁煙支援診療室です。ご相談ください。

 

日吉歯科に行ってきました

お正月松開けて間もなく、早朝の飛行機で山形県酒田市の日吉歯科に研修に行ってきました。何年か前、冬出向いたときは大荒れのお天気で、羽田にひっ返すかも?と言われ随分遅れて到着したこともありました。

今回は順調な離着陸で、全国から50人程が集まり、朝8時半から熊谷先生の研修受けてきました。いつも時代の先を読み、どうしたら皆様の口腔の健康に役立つ歯科医療になるか。常に考えて私達を導き励ましお力貸して下さって、頭が下がる思いです。日吉歯科のスタッフさんも全面協力体制で感謝するばかり。私達も日々精進し、患者さんに利益をもたらす本来の歯科と言うものを、手綱緩めずに実行して参りたいと心に誓いました。毎日が学び。皆様の口腔のお役にたつべく頑張ります。
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なんでもっと早く言ってくれなかったの!

長年メンテナンスにお通いの方が、「母が亡くなりました。長いことありがとうございました」と。86になられたお母様は、ご主人を見送って7年。しばらくはメンテナンスにおいでになっていたものの、家に閉じこもりがちになってましたが、ご長女はじめお子さんお孫さんのお力で静かに暮してらしたようです。

連れ合いのご主人は、たばこに起因する病気で、7年前他臓器に転移して亡くなりました。最後のご来院の折、もう病気も告知されておりましたが「なんでもっと早くタバコのこと言ってくれなかったの!」とおっしゃられたことを昨日のことのように思い出しました。 最初の肺の病気が見つかる前から歯茎の状態が良くなく、たばこの害が懸念されたので申し上げましたが、こちらの力不足もあり聞く耳を持って頂けませんでした。肺の病気が見つかった時も、依存が強く受診終わってドアを出てすぐ、タバコに火をつける有様でしたので、ND(ニコチン・ディペンダンス)だったと思われますが、当時歯科医院でたばこの害を言うところは極めてまれでしたので、自分の勉強不足もあってそれ以上進みませんでした。

今日その奥様の急逝を聞き、胸膜炎と伺って「水が溜まって苦しかったのではないですか?」とお聞きしましたが、「我慢してたようです」とおっしゃるお身内に、ただお悔やみ申し上げるだけでした。

たばこの害は全身です。肺や胃だけでなくあらゆる病気の原因です。今お口の中の細菌が全身の病気に悪さすると言われますが、タバコは口から吸うのですから、一番の被害はお口の中なのです。これからも当院は禁煙支援をすすめ、近所の内科医院さんも引き続き協力連携下っています。長く通われた高齢者の急逝の報に、連れ合いの亡き患者さんの声を思い出しましたので書かせていただきました。

28日カンブリア宮殿で熊谷崇先生が話されると思いますが、今歯科は、皆さまの「生涯にわたる健康支援」が使命と感じています。
ですので「禁煙の必要性」も、「歯を失わないための歯科受診」も、早く!広く!伝えなけれならないことと痛感しています。

日吉歯科診療所・熊谷崇先生カンブリア宮殿に初登場されます

当院所属する、オーラルフィジシアンの代表・熊谷崇先生が、1月28日カンブリア宮殿に登場されます。昨年10月のプロフェッショナルでは大きな反響があり、先日再放送なりました。

痛 くなってから、詰め物取れてからなど、ことが起こってからの歯科受診でなく、そうならない為の、お口の中を、歯を歯茎を守るための歯科受診が本来の歯医者 の利用の仕方と言うことを再度お知らせなさるようです。口の中の細菌が悪さして身体の病気を引き起こしていることが明らかな昨今、今一度、私達歯科の現場 からのメッセージをお聞きになってください。歯科の本来の役割を知って頂き、熊谷先生の診療室からのレポートが皆様の全身の健康維持にお役に立てれば何よ りと思います。遅い時間ですが、是非ご覧ください。

2016/ 1/10  8:34
2016/ 1/10 8:34

ミカンを食べる・・この単純な行為!

お正月、地方の老健にいる義母を訪ねました。お正月らしい玄関入ると、いつもお世話になっている職員のお迎えの笑顔がいつもながら有難く思えました。お正月といえども、職員の方々大変なお仕事だと思います。義母は昼食中で「今日もごちそうなのよ」と嬉しそうでした。終わるまで部屋でまちますよ・・と日当たりのよい個室で待っていました。

好物をいろいろ持っていったので、それぞれ開けては大喜びし、きれいな包装紙もきちんとたたんで取っておく・・と嬉しそうで、義父の遺影にお供えするにも、どのお菓子にしようかと悩んでいる様子も微笑ましく、有難く思って眺めていました。

義母は無類の柑橘類好きで特におみかんに目がありません。手の平が黄色くなるほど食べるの・・と笑っています。日本の冬と言ったら炬燵とミカンですよね。
昨今炬燵と言うのも珍しいでしょうか?

さて、義母がミカン食べるのを見て、「ミカンをたべる」と言う行為そのものがスゴイ
口の動きなんだとつくづく見入ってしまいました。

おもての皮をむき、房を取り、白い筋のようなのを取ってひと房を持って口に運ぶ、口に入れたら上下の歯を合わせ、中味を口に入れ唇でしごいて房だけを出す。この行為が出来て初めてミカンが頂けるんですね。素晴らしい口の動きです!

90歳になる義母の口元をみて、ミカン食べられるのって,スゴイことなんだ!と痛感しました。ナイフを使わず気軽にいただける日本のミカン。それにもまして「歯があってこそ」頂けるミカン。「甘いわねえ」と次々とミカンを口に運ぶ義母をみて、召し上がれて喜んで下さってよかったぁ!と思ったことでした。私達が帰った後もきっと召し上がっているに違いない。手の平が黄色くなるまで・・と帰りの車の中でなんだか嬉しい私達でした。好きなものが食べられるのって、一番の幸せではないでしょうか?「極楽極楽」と言って見送ってくれた義母に手を振りながら、「食べられてこその今の健康」とお世話下さる方々に感謝するばかりです。

唾液が出るようになってきました

先ほどメンテナンス終わられた患者さん。三年前舌癌と診断され手術を受けられました。メンテナンス担当の歯科衛生士が、粘膜の微変に気づき、院長と慎重に対応した結果でした。

オペ直前もオペ後も、耳鼻科の主治医先生が口の中のフォロー無しなので、当院で
慎重かつ念入りにフォローしてきました。とはいえオペなさったのは大学病院ですので
あくまでも出来る範囲ですが・・。耳鼻科と歯科との連携の難しさは今も昔も変わりません。これでは患者さんが気の毒です。途中もどかしいと思うところもありましたが、主治医にもよるのでしょう・・。この患者さんの主治医先生は、「オペしたところだけにしか関心のない方」のようで当院がしっかりサポートしようとスタッフで話してここまで来ました。

オペ後は沁みたり違和感多く、通常の洗浄もスケーリングも難しく、ただただお話し伺って寄り添い、少しでも口から召し上がれるように、「出来ることしか出来ない」日々でした。その中で再発・転移におびえる心落ち着かない日々もありましたが、それでもいらしてお話し下さる患者さんに、こちらは多くを学ばせていただきました。良かれと思う衛生士の処置が受け入れて下さらなかったり、ご不満をおっしゃる日もありましたが、それもこれも”ガンになった”という事実と悲しい孤独な思いが、十分にサポートされていなかったからと、今思えば理解できますが、その時には、患者さんの心の思いが十分に理解できていませんでした。臨床心理的に言えば、「怒り」に近い感情がおありだったと思います

今日メンテナンス終わって、随分晴れやかなお顔でしたので、お声掛けしたところ
「唾液が出るようになったの!」と何度も何度もおっしゃるのです。「あのね、お口の中こうしてきれいにして頂き、食事もだんだんよく噛める食事に戻ってきて、そうするとね唾液って出てくれるのね!」とおっしゃいました。

「唾液が出るとね、よく噛むでしょ。味もわかるようになってきて、口の中もさっぱりするのよ」と教科書に書いてある”唾液”の効能をぜーんぶ言って下さいました。
私もこれを聞いて、嬉しかったです。

三年経ったのねえ・・とおっしゃる患者さんに、「よかったわあ、よく頑張られましたもの」と申しあげて喜び合いました。当院の力は微々たるもので、全て患者さんが現状をぶつけて下さり、教えて下さった結果です。
そして何より、普段寡黙なご主人が良くなさって、そばにいらした結果です。奥様と別に「どうしたらいいでしょう・・」と食事や、ご本人の心の不安について相談に見えたこともありました。そのご主人のお気持ちに感じ入って、何度かお悩みを聞くだけでしたが
、ヒョンな一言やアドバイスをとても喜んでくださったこともありました。

今日メンテナンス終わられて、晴れやかなお顔で「唾液が出て来たの」とおっしゃって下さった患者さんの嬉しそうなお顔を励みに、これからも個々の状況に対応できるよう
スタッフ全員で学び、その方が日々おいしく召し上がれることが使命と認識して、精進してまいりたいと強く思いました。
ご自分で食べられていれば、力も希望も湧きますね。
患者さんに教えて頂きながら、得たことはまた他の患者さんにもつなげて、お役にたてれば幸いです。共に頑張りましょう。、

Q 摂食嚥下障害に気づくためには、どんなことに気をつけたらよいでしょうか?

本日配達の1月15日号週刊朝日に良い記事がありましたので、ご紹介いたします。
お答えは、日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長 菊谷武先生。
昨年スタッフともども、MCI 認知症のの講座で勉強させて頂いた菊谷先生です。

A 注意点は主に食事時間が長くなっていないか?体重が減っていないかです。毎日
顔を合わせているご家族には、これらの変化を見過ごしがちです。
高齢者の場合、インフルエンザや肺炎・骨折・一過性の脳梗塞・歯の不具合といった
直接は摂食嚥下障害につながらないような不調が重なり、本人も気づかないうちに摂食嚥下機能が低下することがあります。
すると、食べられなくなり、全身の状態も衰え、摂食嚥下機能がさらに低下するという
負のスパイラルに陥っていきます。食事時間や体重の変化などを注視し、早めにリハビリを始めましょう。(菊谷歯科医師)

今のように摂食嚥下が注目される前、聖隷三方ヶ原病院の藤島先生でしたか?飲み込みにくい患者さんには、お食事前に簡単な準備運動するといいですよ!と教えて頂いたことがあります

それはお食事前に

  ・肩を上げ下げして、今から「ゴックン」しますよ!を知らせる

  ・お口を大きくパクパクして食べ物がお口に入る準備をする

                  ★お口やお顔周りの筋肉に信号を送るんですね。

それと同時に、呼吸と嚥下(飲み込むこと)の訓練として、お茶(又はお茶ぜりー)を
口に含んでゴックンしたら、「ハッ」と咳するように息を吐く。
                 →こうして実際の「食べる行為」につなげます。

もう一つ大事なのは、姿勢です。
車いすの方も含めて、足がブラブラで食べぬように、ピアノの”足台”みたいなのに足をつけて召し上がると、姿勢が良くなります。又背中にビーズクッション(又は丸めたタオル)あてるだけでも姿勢が整います。

口から食べることが何より幸せなことです。
あきらめずに「安全に」トライください。

 

介護を学ぶ 米寿の挑戦!(朝日新聞より)

あんまりびっくりしたので!ご存知かと思いますがご紹介します。
川崎市在住の88歳の女性が、介護資格を取得のニュース。約一か月間講座に通い合格なさったそうです。これから介護の現場で働くおつもりとのことです。

講義でも一番熱心にメモを取り、笑いをおとりになるジョークもおっしゃって、受講生たちの飲み会にもご参加とか・・。授業は皆勤だったそうです。糖尿病や心臓病の持病があるので、「勉強しておけば、介護される時に、”相手も楽なはず”」と思い立ってのことだそうです。この発想がまず、スゴーイ。

一緒に学ぶ同級生の若者?も 「高齢者のリアルな体験が聞けて、とても勉強になる」「88歳でも介護サービスを提供する側になれるということに気が付いた」と。

75年ぶりの学校は「教わることをなかなか覚えられないのは困るけれど、新しいことを知ることができて面白い」と88歳の弁。今後は、実際に介護施設で働くことを考えているとのことです。ご本人は「タオルをたたむことくらいしかできない」と控えにおっしゃっているようですが、先生側は「食事の介助や慶弔ボランティアも十分お出来になる」と太鼓判のようで、厚労省の担当者も「聞いたことがない」と驚いているようです。

104歳になられた日野原先生も常に仰っておられるのは、「常に何事にも興味をもち、新しいことを創めていれば若々しくいられる」をこの方は実践され、元気と勇気をいただけるすばらしい記事でした。シーツ交換の手早さには周りがびっくりしたようです。
新聞に載った写真には、介護される側でなくサービス提供側の88歳を取り囲む若い人達の尊敬を持った笑顔がたくさん写っておりました。お仲間にも励みになるんですね。
後に続くお元気な高齢者に「エール」になったんではないでしょうか。ぐだぐだ言ってられないなぁと私も大いに刺激いただきました。ありがとうございます。

子どものサプリ慎重に (朝日新聞19日付記事より)

当院の一階は内科さんです。12月初めご近所や小児の患者さん・保育関係の方から「新しいタイプのノロ」のことを耳にするようになりました。
とある日の朝、一階の内科さんに小学生低学年と思われる男の子が母親に連れられて医院に入るところでした。オヤっと見ると、手に見慣れた赤い小瓶、R1ヨーグルト。今評判のヨーグルト私も愛用しています。サプリとは違いますがR1ヨーグルトは絶大な人気です。でも受診途中に歩きながら飲まなくてもねぇ・・。

いわゆる子供向けのッサプリが随分と売られているけれど、子供に対する安全性や有効性が確認されてはおらず、専門家は慎重にと19日付の新聞では警鐘ならしています。2013年の厚労省のネット調査によると、1歳から6歳の乳幼児を持つ母親2063人の内、165人(8%)が子供にサプリを与えたことがあると。
その理由は「食事だけでは栄養が足りないから」「好き嫌いが目立ち始めた」などだったようです。

一方国立健康・栄養研究所によると、子供向けサプリのほとんどは子供への安全性や有効性を確かめる製品試験は行っておらず、科学的根拠が確認されていない。一般的にサプリは成分を過剰摂取しやすく、健康被害のリスクもあると書かれていてお知らせしたいと思いました。

同研究所の情報センター長は「幼少期から足りないものはサプリで補う・・と安易に与えると、大人になっても適切な食習慣が身につかない。必要な栄養素を取るには、いろいろな食材を食べることに尽きる」と。それはわかってるんですよね。でも好き嫌いの多い子どもが多い、お母さんは仕事もって忙しい・・と言う現実もあります・・。

又栄養士協会の方は 「まずは、何故食べないのか原因を知ってほしい。時間をおいたり味付けを変えたり工夫して、食の楽しみを教えていく事が大事」と言っていられます。
そうは言ってもお母さんも仕事してたりの昨今なかなか大変ですよね。ですがCMで流れているように「あなたの身体は今日食べたもので出来ている」の通りです。学校でも給食の方や、地域の方の協力で、子供たちに様々な食材を食べてもらおうと、協力が始まっています。

まず大切なことは、お父さんお母さんが「美味しいね」と、子供たちを巻き込んでおいしそうに食べることかな。手の込んだお料理でなくとも、ジャガイモ茹でただけでもバターのせたり、お塩振っただけでも美味しい。忙しければジャガイモ安い時に皮付きのまま茹でて冷蔵庫に入れておけば、すぐチンして、あるいは切ってフライパンで焼くだけ、トースターで焼くだけでもいい。ツナ缶開けてのせて食べてもいいいし。
そのままつぶして、ベーコンネギなどくわえて”おやき”にもなるし・・。

人参嫌いのお子さんが沖縄に家族旅行に行って「人参のシリシリ」という炒め物を作るようになった。5歳のお子さんがバクバク食べるようになって、もう何度も作るようになった・・とひょっとしたきっかけでたべれるようになった嬉しいいきさつを新聞で読みました。つい頼りたくなるサプリですが、お子さんにはくれぐれも慎重に。働くお父さん・お母さんの社会のサポートは、食事のことから取り掛かるといいのかもしれませんね。
各地で「子供食堂」の動きが活発になっていることは喜ばしく、お母さん方にどれほど強力な応援団でしょう。

当院でも小児の患者さんの親御さんには、お食事の材料を出来るだけかじって味わうように調理していただく事。食べやすく食べやすくしないでも「美味しい」と子供たちが感じるように頑張って下さい、応援してますよ・・とお話ししています。ちょっとの手間ですがあとは楽になりますよ。

またまた あいうべー体操!

当院で随分前からご案内している、「あいうべー体操」
今日もあるテレビで、男性のドクターがこの季節のウイルス退治にちなんで、推奨してました。そうか!ウイルス退治にもいいんだ!と納得。

ご存じのように大きくお口を動かして、「あ・い・う・べー」と目まで大きく開けて顔面の体操です。これやると随分唾液(唾)がでて、お口の環境整えるのによいので患者さんにお勧めしていました。もう何年前からかしら・・。結局唾液出るので、この季節のウイルス退治にいいということですね。

その上大きくお顔の筋肉動かしますので、いろんな!表情しますからお顔もほぐれて、笑顔が豊かになるように思います。疲れてる一年の終わり。「あいうべ―体操」して、にこやかに師走を乗り切りましょう。寒さもヤなことも、顔で笑って心で泣いて。笑ってるうちにヤなこともどこかへ行っちゃいますよ。You  Look Great!

NHK総合診療科

先日の放送は、歯科の当院にも大変参考になる内容でした。

最終診断は「膿胸」だったのですが、患者さんの主訴がウエストよりの背中の激痛でしたから、まさかこのような診断名とは思いませんでした。それでも指導医の救急医は、運ばれて10分で診断ついていたとのこと!さすがです。

その上救急車で運ばれてストレッチャーから、ベッドに移す際の患者さんの様子をつぶさに見ており、その時に大きなヒントがあったようです。再現ビデオの隅々から、診断に結びつく細かなヒントをたくさん得ており、その救急医としての緻密さに驚きました。その場の研修医にも大きな刺激と勉強になったようです。

膿胸と一緒に感染性心内膜炎の病名が出ましたが、どちらも「お口の中の細菌」が少なからず影響しています。このことが放送で伝わっただけでも大きな意味のある番組でした。

歯ブラシしないことがすべてというわけではありません。喫煙もこの患者さんには大きなリスクファクターです。しかしながら、いま口の中の細菌が多くの炎症性疾患とかかわっていることがわかっています。口の中の細菌が肺炎に大きく関与していることは自明の事実。口の中の細菌だけが原因ではありませんが、この番組でお口の中をきれいにすることの意味を、一人でも多くの方が気づいてくださって、毎日のケアと歯科医院でのプロのケアの重要性をご理解いただければ嬉しいです。

再び日吉歯科診療所

年末調整の書類を揃え、さて休もうかと歯ブラシを手に取った瞬間、「稀代の歯科医、山形県酒田市の熊谷崇・・」と消そうと思ったテレビからの声。
「エッなに?」と歯ブラシくわえたままテレビの前へ。昨年10月放映された「プロフェッショナル」の再放送でした。アップになった熊谷先生のお顔見たら、寝るわけにもいかず(笑)と言うより、見なきゃ!と歯ブラシ置いて、本気で再放送を見ました。

「この歯だったら30年ビクともしませんよ!」と画面いっぱいにおっしゃる潔さ。
定期メンテナンスしてたのに、虫歯出来てしまい、「悔しい!」という担当歯科衛生士に
「冗談じゃないよ。悔しいのは患者さんでしょ」と言いきる熊谷先生。通院15年のデータを振り返り、口の中の汚れが随分ついていたことを正直に指摘しなかった歯科衛生士を窘め、患者さんにも普段の手入れが少々おろそかだったことを明らかにした上で、自分達が至らなかったことを謝ったのでした。患者さんもフロスをさぼったこと、ホームケアが手抜きであったと反省なさりながら、この曖昧にしない日吉歯科の姿勢に、もう一度ご自分のお口の健康は、人任せにせず自分でもやれることはやらないとと確認されたようでした。

このような患者さんとの関係を結ぶまでには、ありとあらゆる努力が要ります。
それは、病気(疾病)虫歯・歯周病の成り立ちをはっきり患者さんにお示しすることです。その上で患者さんご自身のお口のデーター(資料)をとってご自身に知って考えて頂き、つまり意識を変えて頂くことにより、患者さんご自身が気づかれて、”痛くなってから通う歯医者”でなく、「痛くならないようにお口の中を守る歯医者」への定期メンテナンスを習慣になさるようになります。

これを伝え実行に移すのが 「免許(ライセンス)を持つもの責任」と熊谷先生は言いきられます。

医療者として、本当のことを知らされていない患者さんの意向に沿いたい気持ちもわかるが、エンドポイントは患者の利益だよ!とおっしゃる熊谷先生を師として、歯科医療の公益性を重んじてブレずに進みたいと思います。お子さんたちがフロスすると気持ちいい!と言うことが普通になるように。口臭なんてなくして大きな口でしっかりしゃべって
ニコニコ顔でお過ごしいただきたいものです。
夜でなく誰もがごらんになれる時間に、又の再放送を願います。

 

H27/10月3~4日のチームミーティングに参加して

爽やかな10月とはいえ、遠く山形酒田の地に、全国からかくもたくさんの歯科医療従事者が集合する。酒田市のタクシーはぜーんぶ庄内空港と東北公益大学の往復に取られてしまうのではないか?と思うくらいの大人数の大移動です。空港で予約した医院の名前をかざす運転手さんの風景は、やもすれば昔の温泉地?でしょうか。

オーラルフィジシアン・チームミーティングもこれで何年になるでしょう。朝4時の自宅近くの羽田行きバスに乗り、朝六時過ぎのヒコーキに乗っていざ酒田へ。9時の開始には全国各地からドクター・歯科衛生士・コデンタルがこんなにたくさん集まるなんて・・!
昨年10月・NHKプロフェッショナルに満を持して登場された、歯科医師 熊谷崇先生んのコンセプトに共感し、歯科医療の改革を目指す我々の集合です。もう10年以上のお付き合いになる先生方、最近ご一緒するようになった先生方。どの方もここに来る労をこぼす人などいません。それよりここに来なければ得られない情報以上に、おなじものを志す仲間との「変わらぬ強い絆」を又結びに来るのかもしれません。
来るたび、会うたびに強くなるその絆は、いつも患者さんへの”まなざし”。緊急になってから、困ってから、何かあってからの従来の歯科受診でなく、患者さんのお口の健康、症状なくとも進んでいる歯周病含め、削ることはすぐ必要なくとも初期虫歯などないか?手を下す前に、守れることがたくさんあることをお伝えして、患者さんご本人に気づいていただき、ご自身の健康は自分で守れることを理解頂けるようにし、患者さんと共に
問題解決に向かうのが今の歯科医療です。

今回アメリカの先生から、あらためて患者さんご本人が参加して初めて、歯科医療が成り立つという基本的なことが再確認出来、そのために医療者に必要なスキル以外の、大切な
要素や知識があらためてわかりました。病気を見ずして人を診よ・・と言われて久しいですが、私達歯科医療従事者の人間も問われていることを痛感しました。

名だたる研究者や臨床医に混じって、今回初めて歯科大学生が発表されました。聞けば
一般職を経験された後、思うところあって人生を考えてらっしゃる時に、熊谷崇先生の
歯科医療のイノベーションを知り、歯科大学に編入された方でした。発表内容にも心打つものがありましたが、この世界しか知らない私達にとって、ビジネス社会を経験された後、歯科医師を目指してらっしゃるその孤高な、崇高な思いを伺って感動しました。発表後称える表彰があるのですが、その場も遠慮されたようで、とても謙虚でわきまえた方だなぁと思いました。このようなことは以前でしたら、大学の医局で先輩方が教えたものですが、医局というものが随分と緩やかな雰囲気?になった昨今、このような”礼儀”や”たしなみ”というものを教える人が少なくなったのはとても残念なことです。このことは、インプラントの第一人者・小宮山先生がご発表の中で、強くおっしゃったことに等しく、医療者としての「立ち位置」と言えることかと思います。

すべての発表者から得るものは大きいものがありましたが、とりわけ小宮山先生が、歯科医療従事者としての「たしなみ」をきちんとおっしゃったことは、何より気持ちの良いものでした。ドクターである前に人としてあるべき姿。スタンダードのステキさを存分に伝えて下さって、今だからこそとても新鮮でした。

どんなに新しい情報や新しい器械揃えても、基本がきちんとできていないことには、いかんともしがたい。それは、たった一枚の情報提供の用紙を書くことから、医科の先生にお伺い立てる時に、同程度の知識を持ち合わせているか・・にまで及ぶものでした。刺激たっぷりの2日間でしたが、あとでレポート読めばわかるでなく、あの場で同じ志の仲間と時間と感動を共有することが、患者さんに正確に意義あるものとして伝わる原動力と思いながら帰ってきました。疲れましたがこの心地よい疲労感は、必ずや患者さんに伝わる「大きな力」になると信じています。スタッフの感想文が何よりそれを物語っています。皆様に還元できるように、医院全体で前に進みます。   院長 奥富史郎

再び ユマニテュード

随分前に、フランス人イブさんの新しいケア?の形、ユマニテュードご紹介しました。その後日本全国で大きなうねりが出来、イブさんも看護士さん・介護職さんへの講習会を頻繁に開かれているようです。フランス滞在長かった人に言わせると「あたりまえのこと言ってるだけよ」とおっしゃいますが、文化の違いもあって日本ではなかなか難しいのでやれていないだけだと思います。

この度NHKで三夜連続「認知症」の番組があり、中盤にイブさんが出演され「ユマニテュード」の実践をされました。
イブさん言う「ユマニテュード」とは①見つめる ②話しかける ③触れる
この三つにつきます。
それならやっています・・と言いたいところですが、頑なになられたり、抑制が効かなかったり・・の方々に、イブさんがこの三つをなさっただけで、ヘルパーさんが
「ウッソー!」と涙出すほど、患者さんが変わられるのです。私も初めてみた時同じように「ウッソー」と思いましたが、よくよくイブさん見ると、①見つめる②話しかける③触れる、が本質的に全く違うと気づきました。

イブさんはまず、”相手を人間として接すること” ”認知出来なくとも、生きる喜びは忘れていないと尊敬していること” これに尽きると感じました。
認知症が進んでも、様々な能力が隠れていることを認め、誰か?はわからなくとも”感情はわかる”と認め、ひたすら見つめる目は強くなく優しく、話しかける言葉には深い愛情あふれ、触れる手は柔かく優しく。

現場でベッド上の患者さんの体位を変えるヘルパーさんが、黙って患者さんを動かそうとしているのでNON!と。「ハーイ、こちら向きましょうね。そうそう、痛くないですか?ゆっくりでいいですよ」と話しかけながらなさることをすすめていました。
そういえば、最近赤ちゃんのおむつを替える際に”一言も言わず” 極端な例がスマホ片手におむつ替える人もあると聞いたことがあります。こちらも一緒で、黙っておむつ変えるのでなく「冷たかったね」とか「気持ち悪かったね」とか言いながら赤ちゃんの目を見ながら話しかけながらがコミュニケーションのスタートです・・と小児科の先生方もおっしゃっておられます。

まぁ日本では、他人とハグする習慣もないし、ハグしたりしたら照れますし、文化習慣の違いとはいえ、イブさんが日本語もお出来にならないのに、見つめたり、さすったり、フランス語で話しかけただけで、高齢者や患者さんがニコッと笑ったり、おだやかになる様子には、本当に驚かされます。まさに魔法のよう!

  ☆深い思いやりを持ってすれば、介護者そのものが「薬になる」
このイブさんの言葉に大いに納得し勇気づけられて、出来ない理由を探さず、出来るほうに向かいたいと思ったことでした。

本を読む学生の患者さん

当たり前と思うようですが、最近待合室でスマホをする方はあっても、若い方で持参の本を読む方はかなり珍しいです。今日の男子学生さんは、予約の時間よりかなり早く見えて「待ちますから・・」と。カバンから出した本を熱心に読んでいます。他の患者さんがご覧になった本をかたずけに行った折「何の本をお読みになってるんですか?」とお聞きすると、照れたように差し出されました。”マッキンゼーの・・” 何やら面白そう。大学に入り授業も面白くこの本はホント面白いんですよ・・とのこと。

中に日本の外交は云々書いてあったので、実はね”日本の医療もそうなのよ。なので私達オーラルフィジシアン”というグループ(熊谷崇・日吉歯科)に属して、患者さんに利益になる歯科医療を勧めたいと思っているの・・と、ちょっと唐突と思いましたが、本の内容にひっかけて話してみました。興味持って下さったので、日本の健康保険が疾病保険と言って、病気を治す為の保険で、予防する保険でない事。その為に削らなくてもいい歯を削ったり、いじらなくてもいい歯を早めにいじったりする医療が後を絶たないこと。そうでなくするために、当院では皆さまにお口の中の資料取りをしてご説明し、ご自身に理解いただいて、どうしたらお口の中をよい状況にできるか?ご一緒に考えて頂き、診療進めていきたいのですと。スタッフも技術もスキルップの勉強もしますが、機会あるごとに、国内外のドクターの講義を聞いて新しい情報なり、今海外ではどのように考え対応されているのかなど、・・外も知って情報収集に努め、見極めて患者さん方に良かれと思うことを提供したいと考えていますと話しました。

学生さんってこんなにわかってくれるんだ!と、真剣に聞いて下さる目を見て、若いって真綿のように吸収早いなぁと感じました。だからこそ、正確で裏付けのある情報を提供したいと思います。

話し終って又、大事そうにページをめくる学生さん。”紙の本”を持ち歩く様子をなんだか嬉しく思いました。スマホやタブレットで本は読めますが、やはり私は紙の本で読みたい。本は紙質・意匠・文字の様子など小さい総合芸術です。本は世界を広げてくれます。
今日は久しぶりに、楽しみな学生さんに会えてうれしいひとときでした。

 

 

 

 

 

 

朝霞地区三師会( 医師会・歯科医師会・薬剤師会 ) で、ピクトグラムシールが出来ました

最近お馴染みになりましたお薬手帳ですが、朝霞発祥!ってご存じでしたか?私達もこの度初めて知りました。この手帳は受診の際情報を共有し、お薬が重複して処方されるのを防ぎ、またお薬同士相性の悪い薬が処方されるのを防ぐ意味があります。また、薬により心配される副作用を軽減したり、のんでいる薬により控えた方が良い医療処置に目を光らせる意味もあります。何れにしても、患者さんご自身に飲んでいる薬への関心を高め、医師とのやり取りがズムーズに行くような情報提供、ある意味カルテ開示にもなり、安心安全に医療を進める上で、とても良いピクトグラムシールです。当地区の薬剤師さんのご尽力により出来上がったものです。全国に広まるといいなぁと願い紹介させて頂きます。患者さんのご子息で薬剤師さんがたまたま携わっており、資料とシールお持ち下さいました。皆さんのお役に立てれば幸いです。(HPトップページ左端に、BP剤のボタンもありますので、そちらもご覧ください)

2015/11/13 15:48

認知症予防にガム!

高齢者が増えていることは周知の事実ですが、このところテレビ・雑誌・果てはスーパーの食品の案内にまで、”認知症予防に・・オイル”とか花盛りです。

そんな中、私たちにも身近な「ガム」も!有効!
朝起きてまず、カーテン開けて、陽の光を浴びたら、「ガムを噛んで咀嚼して脳を起こす」事が有用だそうです。当院でもキシリトールガムは皆さんにご愛用頂いておりますが、虫歯予防だけでなく「認知症予防にも有効」ということですから、あらためてご案内しようと思います。当院のガムは、入れ歯にもくっつきませんし、仮歯(Tek)の方には要注意ですが、唾液を促進するためにも、うまーく患者さんに合わせてご利用いただけるように、ご案内したいと思います。

いずれにしても、噛むこと!(咀嚼)がいかに大切かということですね。

トイレのあと、手を洗わない人 15・4%!

 11月も半ば近く、この辺ではインフルエンザの前に、幼児にかなり溶連菌など出てきました。当院では以前から受診前に石鹸による手洗いをお願いしており、お済みになってから呼びするようにしております。「今家出るときに歯は磨いてきましたよ!」とおっしゃる方にも、恐縮ですがお願いします・・と受付でお願いして、うがい手洗いしていただき
今ではすっかり習慣化しました。

このうがい手洗いの習慣が、転じて歯ブラシ・デンタルフロスへの習慣につながっていると思います。良いことは、きちんと意味を伝えて続けていただこうと思っています。

ところが昨日のテレビによると、なんとトイレのあと手を洗わない人が 15・4%!!

今朝の番組でも、その場のネットの投票で下記のようでした。
  ・石鹸で洗う人     6099
  ・水で流すだけの人  20912
  ・洗わない時もある人  9447
  ・洗わない人      1685

ちなみに、どうせ洗うなら、石鹸で手のひら指の間を洗わなければ意味がないそうです。
トイレ後に手を洗わないなんて、いくらおしゃれしてたりしても幻滅ですね。もしその方が家庭や。お店でお料理する方だったら・・。ぞっとします。

今トイレ後流すのも、蓋しめて流さないと、周りに飛び散ることも証明され伝えられています。周りにもずいぶん飛び散ってるんですよね。

日本では抗生剤の多用により、感染症にお薬が効かなくなってきたと指摘されています。まんべんなく栄養取って、軽い運動して免疫高めても、どんどん強くなる感染症の原因菌から身を守るのは大変です。せめて、トイレの後は石鹸でよく手を洗い、ハンカチやタオルでなく、使い捨てのペーパーで手をふく。この位は習慣としたいものです。

 

過剰歯がみつかった

最近鼻水の治療などで、耳鼻科受診の際、上の前歯あたりとかに過剰歯が指摘され、隠れた状態なので、手術が必要といわれる方があります。どんなものなのでしょうか?

過剰歯とは、本来の数よりも多く歯ができてしまった状態を言います。乳歯から永久歯に生え変わる時期に、歯のもとが正常より多く作られるのが原因です。上の前歯の真ん中あたりが多く、正常な歯と同じように、歯の先が口の中に出てくる方を向いた場合と、逆向き(上の歯が鼻の方に向かう場合)があります。複数本の場合もあります。お子さんの100人に一人位はあります。予防はできません。過剰歯によって、永久歯が生えるのを妨げることや、歯並びを悪くすることがあります。

過剰歯の向きが正常ならば、歯茎の外に出てきてから抜歯します。逆向きでは、過剰歯が歯茎の内部の骨の中にとどまっていたり、鼻の方に向かって動いたりするので、CT画像などで、その位置や形態を確認して手術します。過剰歯の抜歯は健康保険が適用されます。ただし過剰歯に伴う歯並びの乱れの治療は保険外です。

この抜歯は、周りの正常な歯の成長に影響が出ないように、歯の根が十分成長した9歳から10歳ごろが一般的と言われています。個人差がありますので、小児歯科や口腔外科でご相談ください。

骨と免疫・歯周病との関連

「骨免疫学」と言う新しい分野の研究が進んでいるらしいです。朝日新聞によると
「体を支える骨と、病原体から体を守る免疫は全く違う分野と考えられてきた。だが、免疫系は骨代謝に影響を加え、骨の細胞は免疫系の維持に関わることがわかってきた」そうです。
免疫系の骨への影響としてわかりやすいのが、免疫の以上で関節が腫れたり変形したりする関節リュウマチや、細菌感染による炎症が原因で歯を支える骨が溶ける歯周病です。一方骨の中にある骨髄では免疫細胞のもとになる造血幹細胞がつくられる。維持には骨芽細胞が関わっているということです。

当院でも1998年から歯周病が心臓病・糖尿病と関連とお話しし、最近では骨粗鬆症との関連もお伝えしてきておりますが、歯周病菌は炎症性の全身疾患と密接な関係にあるということが明らかなようです。

歯科衛生士という仕事

先日、10月3~4日酒田における、オーラルフィジシアン・チームミーティングで、アメリカ・オマハの宮本先生からお話あったように、歯科衛生士という意義あるお仕事が

アメリカではなりたい職業の5位に対し
日本では 125位と大きく差のあることがわかりました。
これは歯科医師も似たような評価になっています。

なぜなんだろうと・・という論議もここ何年もされてきましたが、相変わらず歯科衛生士という専門職が、アシスタント業務しかしていない実情があります。
また歯科衛生士のプロとしての仕事が明確になっていない。医院ごとに理解が違い、仕事内容に大きな差があることがわかっています。ですので、専門学校を卒業しても、現場で要求される仕事が大きく違う場合があり、離職者も多いのです。

今月号の女性自身(10月27日号)にこれから儲かる仕事・消える仕事という特集があり、その中で、「最近15年間で増えた仕事」のリストに歯科衛生士が載っていますが、なんと18位で、1位の介護職員の25分の1しか増えていません。現場の歯科衛生士さんからも発信して、就業する歯科衛生士が増え、大変でしょうが人々の健康に大きく貢献するしかありません!消える仕事でなく増えた仕事にランキングで何よりですが、この数字は何とかしなくてはなりません。

毎年歯科衛生士学校卒業生いるのに、現場でプロとして活躍し、継続できてる方は少ないのが現状です。
いずれにしても、歯科衛生士という意義のある、人々のお口の健康だけでなく全身の
健康に大きく寄与する歯科衛生士の貢献と魅力を伝え、一人でも多くの歯科衛生士が、
役に立つ仕事であることを実感下さり、喜びを持って毎日が充実することを願っています。

急ぎのお知らせです。NHKがん予防 ③禁煙 再放送されます

20年来当院では、虫歯・歯周病を予防する観点から、禁煙支援をしております。(詳細はHPのトピックスご覧ください)

今週から、がん予防5つのポイントとして、国立がんセンターの津金先生が、テーマごとにお話しされております。昨夕は「たばこ」についてでした。たばこの害は伝えられて久しいですが、まだまだ公共の場での喫煙所・交通機関での放送で「おタバコ」というなどその健康被害には及び腰です。津金先生のお話はとても穏やかに尚且つきちんと害を伝えるもので、日々たくさんのがん患者さんを診てらっしゃると、また救えない患者さんを
目の当たりにしてらっしゃると、「たばこ」の害を真摯にお伝えにならざるを得ないのだなぁと思いました。昨夜の放送には、一般のレストランのオーナーさんも出られ、なんと「お店を禁煙に踏み切った!」というものでした。ファミレスでも分煙にしかできてないのに、すごいことだなあとみていると・・

「禁煙にしたら、お客さんがた減りして、店が立ちゆかなくなる」と心配しましたが、思い切って ”禁煙” にしてみたら、「空気のいいところでおいしいお食事いただけてうれしい」とか 「気持ちよくお食事できるようになりました」とか・・反響があって、心強く思い、禁煙に踏み切って本当によかった・・と、お店のあちこちに、禁煙を啓もうするポスターとか資料をお配りしているとのことでした。

このように、禁煙になさったことでお店の評判も上がって、お客さんがかえって増えたとか・・。医療機関でもなかなかできないことですのに。このレストランは立派だと思いました。

この昨日の放送が、★10月20日㈫・13時35分より再放送になります。ご家族に喫煙者のいる方、ご自身がたばこやめられなくて困ってる方、皆さまぜひご覧ください。
当院でも禁煙成功者たくさんおられ、ご自分の体への意識が大きく変わられ、何より
禁煙とともに「よいことが増える」ようです。

吸ってる方の意志が弱いのではなく!ニコチンの依存だけです。みなさんやめたいのです。当院でお口の中を見ながら、禁煙支援させていただければと思います。

口臭!

今虫歯と歯周病の原因が、丁度インターネットに載っています。大体あっていると思いますが、食後に歯ブラシはまだしも、今時「楊枝で」はないかなぁ!?

それより、フロスや歯間ブラシ(サイズ選択気をつけて下さいね)を歯ブラシの補助として使ったらいかがでしょうか?いずれにしても、ゆめゆめ食後歩きながらの楊枝くわえては頂けません。歯ブラシ・フロスも洗面所で致しましょう。

特にフロスは大事です!
当院では、口臭に特化したニュースレターもお配りしています。ご参考になさって下さい。

チームミーティング出席しました

昨年10月プロフェッショナルに登場した酒田市の熊谷崇先生率いる、オーラルフィジシアン・チームミーティングに出席してきました。朝一番のヒコーキで到着して最初の講演はアメリカのドクターによる、パンキーフィロソフィでした。2日に渡り盛り沢山な学びで、未だ未だ勉強不足を痛感しながらも、学ぶ仲間が全国にこれだけ居るかと思うとファイトも湧きます。かれこれ20年近く一緒に学ぶ先生方やスタッフさんにも会えて、仲間の居る有難さと心強さを痛感しました。帰ったら早速日々の臨床に還元しようと思います。夜は思いがけず、中山先生も加わって、酒田のお酒・お魚やお野菜堪能しながらさらに論議が続きました。お口の中をきれいに整えて、健康に長生きしようと言う取り組みには、先ず歯科医院で定期メンテナンス続けること。その意義をブレずにお伝えして行こうと決意も新たにしました。患者さんに更にご理解深めて、ご自身の事としてお続けになられるように、伴走したいと思います。

 

私にとって、初めてのチームミーティング。期待と緊張の中、出発しました。一つの会場では、入りきらない人数が集まっており驚きました。内容はと言うと非常に興味深く、今一度日々の臨床を見直す、とても良い機会となり勉強になりました。これらのことをしっかり自分のものにすることで、日々の臨床に還元し患者様にお伝えできれることが一つでも増えればと思っておりますので、今後もよろしくお願い致します。                                                                                                                                   鎌田俊彦

今年で3回目のチームミーティングになります。貴重な話がたくさん聞け、新たに挑戦してみたいこと、改善点を発見できました。新たに始めるのは勇気がいりますが、1歩ずつ前に進んでいこうと思います。                                                    神子島靖子

今年はお天気にも恵まれ会場にも入りきれず別会場が用意されるほどの大盛況の勉強会となりました。海外の先生のお話は難しい所もあり、私にはついていくのが精いっぱいの場面もありましたが、自分の中で咀嚼し患者さんにもわかりやすくお伝えできるように、この2日間学んだことを活かしていきたいと思っております。                                        小室恵

 

2015/10/ 3  6:14

2015/10/ 3 12:05

2015/10/ 4 10:33

2015/10/ 4 12:48

2015/10/ 3 19:20

2015/10/ 3 19:21

 

 

お年寄りの皮膚・・(スキンテア)

先ほどいらした患者さんのお父上、86歳で介護状態のようですが、ちょっとしたことで、腕の皮膚に擦過傷・・とのこと。前にこちらのブログに書いた「スキンテア」のことを読んでいただいていたので、絆創膏やテープ類、バンドエイドとか気をつけないと、皮膚はがしちゃうんですよね!と理解されていました。 着替えなどで皮膚が粉吹いてるようで・・と仰るので、看護士さんなどに聞いてみて、”ベビーオイル”をそおっと、塗ってあげてはいかがでしょうか?と申しあげました。私の父も以前から、そうしています。踵もおかげ様でツルツルですし、食事がとれて栄養状態がいいかどうかにもよりますが、
これから寒くなると余計皮膚が乾燥しますので、ベビーオイルはいいと思います。先日量販店見たら、無香料で比較的お安く、使えると思いました。

体重がすごく減ってるということなので、褥瘡もできやすくなってくるのではないでしょうか?当院では、外科処置終わった患者さんに、「微量元素」の入ったゼリーをご利用頂いていますが、これも褥瘡予防に有効です。お口からまんべんなく栄養が採れればいうことないのですが、なかなか難しい方には、このようなサプリなど有効と思います。

話それましたが、ご高齢者の皮膚は本当にもろく・薄いので、大事に扱って差し上げて下さい。又普段から清潔にして、皮膚の保護の為に潤いのオイルやクリーム利用も、一考かと思います。ご高齢者こそきれいにして差し上げたいですね。

レジオネラ菌

先日テレビで、消化器の先生が面白い事!?話されていました。清潔好きの日本人にとって大事な「お風呂」です。疲れていてもお風呂入って湯船につかると 「ああ~いい気持ち」となりますが、そのお風呂が不潔!と言うのです・・。
お風呂も機能的になって、追い炊き機能付きがほとんど。毎回湯船のお風呂の水を入れ直しているご家庭ばかりではないのではないでしょうか? その先生おっしゃるには

・お風呂は追い炊きしない

・ぬめり(バイオフィルム)がレジオネラ菌のエサになる

・お釜洗浄は月一回は必ずやる

これを頭に入れておかないと、お風呂のお湯は不潔なんだそうです。

ついでに言えば
お風呂で歯ブラシする方も多いようですが、湯気で歯ブラシの先に、レジオネラ菌がくっついている可能性もあるので、お風呂場に歯ブラシを置きっぱなしにしないでくださいとのこと。

消化器の先生なので、手術後とか、怪我でおなかに傷のある方は、特に気をつけてほしいと言ってました。

お風呂と言えば、清潔というイメージしかない私は、びっくりでした。
知らない事っていっぱいありますね。

フッ化物を家族ぐるみで有効に

当院では1998年、日本で初めて歯科予防の研究会が出来て活動はじめた時から、フッ化物= フッ素のきちんと入った歯磨き粉を皆さんに使っていただいています。大人は950ppmf・子供は500ppmfです。乳幼児は状況によりご案内しています。基本は
ごぶごぶぺっ!が出来るようになったらです。

日本では大人のフッ化物の応用例は決して多くありません。それはフッ化物応用がまず子供を対象にスタートした歴史があるからです。

歯科医の中にも「子供には有効だが、成人には歯も成熟して効果的でない」と言う考えの方もいます。しかしそうでしょうか?高齢化社会になり、齲蝕(虫歯)のリスク部位(なりやすい部分)も変化し、又歯周病治療により歯が残るようになってきたので、歯の根元が露出し、この部分の齲蝕(虫歯)の増加など、環境が大きく変わってきました。

ですので、乳幼児期・学齢期・成人期・高齢期と言う風に、ライフステージを4つに分けて、そのすべてで、「セルフケア」と「プロのケア」の両方でフッ化物を応用することが必須と考えられています。又広く普及していくべきと考えられます。

当院では、 ”からブラシ”と言って、何もつけずに水だけのブラシで汚れを取って頂き
(タフトブラシ・フロス・歯間ブラシ等も使用)その上で、フッ化物(フッ素が大人
950ppmf入った歯磨き粉)をブラシにつけて、ブラッシングしていただき、
「うがい一回だけにして下さい」とお願いしています。せっかくのフッ素の効果が
なくなるからです。こう書くと面倒のようですが、慣れれば簡単!”からブラシ”で汚れとれているので、フッ化物でコーティングしたようになります。

フッ化物(フッ素)は虫歯予防において、再石灰化への触媒(応援団と呼んでいます)です。どうぞ正しくうまく使って、大人になっても高齢になっても、ご自分の歯を守って下さい。

歯科と認知症

9月6日院長の母校で、緊急フォーラムとして開かれた「歯科と認知症」
この春、菊谷先生の講演をスタッフ全員で聴いていたので、すんなり入ってきました。その中でも、トピックスは

アルツハイマー病の原因因子・老人斑(アミロイドベータ蛋白)と歯周病のPg菌が、ラットにおいて相関することがわかったということです。又歯があれば、特に奥歯がきちんとあればしっかり噛みますので、
転倒率が50%も減るというデーターも示されました。

認知障害になる前の初期認知症(MCI)の時に、兆しに気づいて有効な投薬や、トレーニングすることで進行を止められることもわかってきました。

噛むことの重要性。
歯を残し・維持するためには、歯周病が進まぬよう、歯科医院での定期管理が必須です。
ホームケアに加えて、このプロのケアを続けることが、お口の中をきれいにすることが
=認知症予防に直結するという貴重な学びの一日となりました。今後来院患者さんのご様子をよく見て、コミュニケーションとって、将来を見据えた対応していこうと思います。

ドライ・ボディ (ガッテンより)

水は筋肉に貯める! エッそうなんだ。ビックリ。この日の話題は脱水ですが、問題は筋肉でした。
筋肉は水分ためるタンクだそうです。成人で20リットル・筋肉落ちた80歳位では10リットルしか貯められないそうです。なるほど。ですので、筋肉量が多い人=熱を出す働きがうまくいく人=水分たっぷりの人 ということになります。

からだの60%は水分なのに蓄えられない人がいる。そうすると脳が委縮するので、1%の脱水で痛みを強く感じるんだそうです。寝たきりの方がからだを動かせない・動かさないので、あちこち痛みを強く感じるのも、こんなことも影響してるのかもしれませんね。

若くとも日本人の400~800万人がドライボディ予備軍だそうです。

当院のような歯科医院でも、夏場は特にお口の中がネバネバという方いらっしゃいます。
お口のケアが出来ていない場合もありますが、夏場はまず脱水を疑います。

・口の中がネバネバ
・脇の下が乾いてる
・皮膚をつまむと跡が残る
・便秘気味
・体重の急激な減少   これらは脱水症状です→水分・塩分取り十分な食事が必要です

このようにならないように、運動して筋肉つくり、水のタンクを大きくしておくことのようです。
十分な食事と言いましたが、一食抜くと、コップ3杯分脱水するそうです。

そして特に下半身。
下半身には筋肉の6割が集中しているそうですので、①速歩 ②スクワットが有効だそうで、この運動終わったら30分以内に牛乳一本飲むといいそうです。よさそうですが忘れそうですね・・。

まっ結論として、「筋肉鍛えれば、脱水にはならない」ガッテン!!

筋肉を強くしよう!

サルコぺニア!

こんな言葉がテレビや雑誌に頻繁に出てくるようになりました。このブログでも今年初めころから何回となく取り上げてきました。今まで言ってたことは、「骨を大事に」ばかり。その骨を守る筋肉がもっと大事とは言わなかったのです。筋肉は骨を守る大切な役目です。歳を取ってくると、ついあっさりした食事に偏りがちなうえ、お肉を食べない!という方もいて、転びやすい・息苦しい・・など、病気というより、日常生活が送れなくなるような、「フレイル」という状態におよぶので、何度か情報を載せていただいております。昨日は一歩進んだ話をやってましたので、かいつまんで書いてみます。

高齢社会になって、足元おぼつかない、杖をつく方、シルバーカー利用する方、街中でも目に付くようになってきました。歳を取ってくると、ついあっさりした食事に偏りがちなうえ、お肉を食べない!という方もいて、転びやすい・息苦しい・・など、病気というより、日常生活が送れなくなるような不自由が出始めます。その悪循環が 「脆弱化」です。日に日に弱っていくのです。当ブログでも、被災地の「お大事に症候群」などを引用して、筋肉が衰えていくことが歩けなくなることの”きっかけ”になることをお知らせしてきました。

サルコぺニアは、日常の動作が困難になり、感染おこしやすくなって病気になりやすくなり、避けたいことですが死亡率のアップにつながります。60代から懸念されますが、75歳くらいになると急激に増えるそうです。

・最近、歩くスピードが低下した(青信号のうちに横断歩道が渡れない・・)
・転びやすくなった
・手すりをつかまらないと会談が上がれない
・ペットボトルのキャップが開けにくい  などあったら要注意!と国立長寿医療センタ     ターの先生が、ご本人だけでなくご家族にも注意を促しておられます。

またBMI18・5以下。75歳以上で痩せてる方も要注意とのこと。
粗食の方は、たんぱく質がだいぶ不足してるので、お肉だけでなく粗食の方は、たんぱく質がだいぶ大豆たんぱくなども積極的にとってほしいそうです。

「サルコぺニア肥満」というのも最近懸念され、おなかが出てて、足の細い方だそうです
          太っていても筋肉が減少か、筋肉がない方だそうです

またダイエットが話題の若い女性にも、警鐘鳴らしておられ、やせ願望がこうじて、食事制限ばかりで運動しないため、筋肉量が減少し、ついでに骨量も減り、お年寄りと同じくらいのサルコぺニア状態になってる若い人もいるとのことです。ひどくなると生理も止まってしまうとか。

当ブログでも、発信しているように、食事は大事です。たとえ外食でも、お弁当の内容バランス見て選ぶ・ランチを決める、その際油もの・濃い味などでごはんでおなか一杯にせず、食物繊維やたんぱく質がとれるかどうかが問題です、

このままいくと日本は超高齢化。2020年のオリンピックは、あんな豪華なスタジオより、高齢者対応の車いすの移動手段とか、動く歩道などが必要ではと思ってしまいます。少しでも長く自分の足で立ち・歩けるように、今からでも遅くはありません。タンパク質十分にとって、適度な運動してゆっくりでも自分で歩いていたいものです。

サルコぺニアは、見逃されると「フレイル」というにっちもさっちもいかない状況になってきます。お口の中も響いてきて、噛めない・呑み込めない・・となったら本当に悲しいですし、自立できなくなります。

今晩のごはんから、これでタンパク質たりてるかな?とお食事ちょっと気を付けてみてください。そしてゆっくりしっかり噛みましょう。お茶などで流し込んでしまうと、かまずに済ませてしまいます。気を付けてください。
     転ばぬ先の杖 ならぬ転ばぬ先のタンパク質(筋肉)です

介護食 中村さんのお知恵

介護の現場で、おひとり分だけやわらかいご飯、という必要に迫られることがあります。以前当院では、2回ばかり真空調理の実習講座を開いたことがあり、大変好評でしたが、一膳分だけというわけにはいきません。

今回、尊敬する管理栄養士の中村郁子さんのご提案は、もっと簡単です。

★出来上がりにひと手間!の簡単やわらかご飯の作り方です。

①ご飯茶わんにご飯を盛り、水大匙1を振りかける

②ラップをかけ電子レンジで、1~2分温める

③レンジから出して一度ご飯をかき混ぜる

④再びラップをかけ、数分おいて蒸らす

これでお米からやわらかご飯を炊くよりもずっと簡単だということです

ぜひ、皆様もお試しください。

介護食は「介護を受ける人を支援する食事」であると同時に、「介護する人の心身を守り支える食事」であってほしいと中村郁子在宅訪問管理栄養士の言葉は、とても励みになります。私もやってみたら、とてもうまい具合になりました。ただ、薄いお茶碗ですと器が熱-くなるので、ご年配の方にはお気をつけて。あっちっち・・です。やわらかご飯はとってもいい具合です。お試しください。

介護食はもっと楽になる・・

愛読雑誌 「栄養と料理」9月号の特集です。

大したことしていない実家の介護ですが、いつも素朴であたたかい中村育子(在宅栄養管理学会会長)さんの記事を拝読すると、肩の力が抜けます。「誰でもある日突然介護者になる」。本来楽しいはずの食事が、苦痛になってしまっては「栄養」「健康」どころではありません・・。頑張りすぎず、介護の味方、市販品を活用してみてくださいとのこと。女優・安藤和津さんの「全力投球は危険。両方が少しづつ我慢するのがいいわね」8年間の介護生活経ての言葉が身に沁みます。

そういえば最近コンビニもかわってきました。時々覗いて、オヤッと思う品があると買ってみることにしています。クタクタになった先日、「豚汁」買ってみました。程よいお味で、残っていたネギの小口切りを足し、冷やご飯入れて食べたらおいしかったこと。卵を落とせば完璧だったと、いいもの見つけて大喜びしました。コンビニも時々覗けば、利用できるものが沢山出てきました。手作りにこだわらず、共倒れしないように利用したいものです

医療の本質は・・

今はお休みだが、少し前まであるテレビ局で「ジェネラルドクター(総合診療医)」と言うのをやっていた。視聴率も高く、あらゆる方面から、病気を見るのではなく、病気を持った人を理解して診断しようと言う”当たり前と言えば当たり前”だが、知識だけでなくその背景も読み取ってと言うドクター達の取り組みに、感動しながら安堵したものです。このような総合診療医を育てる整備が進められています。

ある放送で、高齢化率の高い山村で、老老介護・独居老人が多い地方で、90歳にならんと言う一人暮らしの女性が、ニトロを飲みながら畑仕事を止めない。往診にいったドクターが入院を勧めても頑として受け付けない。

「入院したら、命と同じくらい、もしかすると命より大事に思ってる畑が枯れてしまう。そのお婆さんにとって生きることとは、畑でとった作物食べて、近所で物々交換しながらその土地で暮らしていくことなんですね」と往診する総合診療医の言葉。

病気やケガを克服したり、治したりすることが本質ではない。医療の背景には、常にその人の生活があり、その生活の質を高めることが医療の本質と気づかされたとその総合診療医は言っています。今後急速に高齢化が進む大都会でも、このように高齢者を支えるのは地域の力。そのためにも総合診療医の育成は欠かせないとおっしゃっておられます。そのために必要な、患者の声に耳を傾けるきめ細やかな診察、ち密で論理的な思考による診断方法などを学生や研修医に伝える日々だそうです。

技術も知識も大切ですけれど、医療の本質は患者主体の診療であり、患者さんを幸福にすることにあるという、ジェネラルなフィロソフィーだということを、強く伝えたいという総合診療医の言葉は大変い意義深いものとして心に残りました。

ギュウギュウ型かパンパン型か

「血圧の薬飲んでるのに、うまく血圧が下らないというご相談が良くあり、薬の種類を変えたら下がった」という例も多いようです。同じ高血圧と言っても、ギュウギュウ型と
パンパン型、両方の混合型があります。

ギュウギュウ型は血管が収縮して狭くなり、血圧が高くなるタイプ。例えて言えば、水まきのホースをぎゅっと絞ると水が勢いよく飛び出る感じとのこと。

パンパン型は血管内の水の量が増えて血管の内側から加わる圧力が増すタイプ。風船に水が一杯入ってふくれ、内側が強く圧迫されるような状態を言うようです。

ギュウギュウ型の原因として、アンジオテンシンⅡと言う血管を収縮させる物質の働きが言われます。ですのでこの拮抗薬(ARB)がこの働きを打ち消すので、血管を収縮しにくくすることで血圧を下げます。

パンパン型は、塩分を摂りすぎた血液を水で薄めようとしていると考えられ、減塩が効果的です。薬を使うなら、余分な塩分や水分を体外に出すような利尿剤の服用担います。

日本人の高齢者にはパンパン型が多く見られ、若い時にギュウギュウ型だったのが、年齢と共にパンパン型になったり、両方の混合型ということもあります。

この他カルシウム拮抗薬もよく使われ、血管壁にある平滑筋の細胞によく効き、血管を広げて血圧下げるようです。ギュウギュウ型・パンパン型両方に対応します。

血圧を昼夜持続的にきちんと下げることが重要。自分の高血圧はどのタイプかを知って薬の選択は医師とよく相談することが必要なようです。お薬飲んでいても効果がないなら、まんじりと服用せず、医師とご相談が肝心ですね。

「長時間座りっぱなし」生活で寿命がちじむ

最近スウェーデンのウプサラ大学から、面白い研究結果が発表されたそうです。それは運動量を増やすより、座位・つまり座っている時間を短くできるかどうかが、老化を遅らせるカギになりそうだというものです。

同大学では普段座りっぱなしの肥満の高齢者101人を対象に、運動するよう積極的に介入した群と、そうでない群に分け、6か月間記録。その後採血して、老化に関与する「テロメア」の長さを測定した。運動時間の増加はテロメアを長くするどころか、短くし、一方で両方の郡に共通して、座位時間が短くなるとテロメアが長くなる。すなわち老化を遅らせることがわかりました。

座りっぱなしの生活は、喫煙やお酒の飲みすぎと同様、糖尿病やがん・心血管系疾患を引き起こす原因になるとしています。ほかにも座りっぱなしでテレビを1時間見ると、寿命が22分ちじむという説もあるそうです。思う以上に座りっぱなしって、不健康な生活習慣なんですね。その原因の一つは筋肉の収縮です。血流が滞り、内臓・ぜんしんの組織の働きも悪くなります。

座ってる時間の間に、短い休憩を入れることで、ウエストがダウンしたり、脂質代謝がよくなるという報告もあるので、30分に1回くらいは「立ち上がり体操」を取り入れましょう。その際、ちょっとしたストレッチをすれば、全身の血流アップ。お試しください。

熱中症対策

熱中症で救急搬送される方が後を絶ちません。これだけテレビや新聞地域で呼びかけても、熱中症になってしまうのです。ほとんどの方が口にするのは「ちゃんと取ってますよ水分!」

人の身体は6割が水分・50キロの方なら30キロは水です。この量は体内で厳密にコントロールされてますが、想定外の高温だったり、水分摂取が少ないと脱水になります。
体重の約2~4%の脱水で、激しい口の乾きや倦怠感・頭痛が。5%以上の脱水で脱力・吐き気などが現れるそうです。体重の5%と言うと50キロの人で2・5キロ(2・5リットル)です。

熱中症で運ばれた方に、どのくらい飲んでるか?聞くと大体「スポーツ飲料をチョコチョコのんでペットボトル一本くらい・・」という方が多いようです。足りませんね。ですので救急外来で2~3リットルの輸液を点滴し、症状軽快した場合は1ℓで中止し、「涼しい部屋で、おしっこ出る程度に水分とって」と帰宅させるようです。

では何をとればいいのでしょうか?
熱中症の脱水原因は汗です。汗には、塩分・カリウムと言った電解質も含まれるので。水分にナトリウム・カリウム・塩素も補給できるといいので、スポーツ飲料となります。最近は電解質濃度の濃い「経口補水液」も販売されています(決して味はよくありませんが先日あるメーカーから、結構飲みやすいものが新発売となりました)

このような補助食品の助けも借りながら、基本的には食事です。暑い日ほど、朝食にお味噌汁・スープなど我が家は取るようにしています。そしてご飯からもとれますが、あえて、お雑炊やお粥なども作って、水分を積極的にとっています。更に色のきれいな野菜・果物・海藻などからカリウムも積極的にとるようにしています。

お茶やコーヒー類・一部の栄養ドリンクはカフェインが含まれているので、利尿作用が出てかえって脱水することがあります。ビールも同様です!まずビールは美味しいですけれどね

おトイレが忙しいですが、出た分補充しましょう。
当院では、来院されると、美味しいお水の摂取と「岩塩(今年はパタゴニア)」を差し上げてなめて頂いています。海外の岩塩ってそれぞれお味が違ってとても美味しんですね。

PS スポーツ飲料には相当の砂糖が含まれています。飲みっぱなしは虫歯になりやすいので十分注意ください。蛇足ですが、スポーツ飲料は自宅でつくれます。1リットルの
水に3グラムの塩・20グラムの砂糖です。冷蔵庫でも一日しか保存できません。

 

世六把野

ある医師のことばに・・

ある整形外科医の言葉 「安静は治療として成立しない」

うーん、なるほど。では、どうすべきか?何をすべきか・・?

94歳の父を見ていて本当に実感するも、なかなか同意・共感・納得してもらうのは

難しい。誰に?

患者さんより、医療従事者かも・・?

虫歯も同じ。早期発見早期治療が後を絶たない。

治療も出来るだけ小さく(MI)が主流なのに、乱暴に大きく削る。

大きく削る方が技術はいらない。

歯一本も指一本と同じなのに。

暑い中、ご自分の歯を、お口の機能を残そうとメンテナンスに来院される人々の

人としての人生に、なんとかお役に立ちたいと思う八月の猛暑です。

医療技術の進歩!

両手移植 子供で初! (アメリカの病院)8月3日の記事より

くちびる突き出して「イエ―イ」と言わんばかりの男の子の写真!

アメリカペンシルべニア州のフィラデルフィア子ども病院で、病気で両手を失った男児(8歳)に別の子どもの両手を移植する手術に成功したそうです。大人では成功例があるものの、難易度高い子どもでは初めてとのことです。

ボルティモアに住むザイオン君は2歳の時、思い敗血症にかかり、両手と両足の膝から下を切断する手術を受け、義足をはめて自力で歩けるようになったが、両手は手首から先がないまま生活してらしたそうです。さぞや大変だったことでしょう。

手術の準備が整って、ドナーを探すネットワークに登録。3か月後に血液型・肌の色・性別などが一致するドナーが見つかり、手術は10時間半に及び、約40人の医師とスタッフが参加したそうです。手首の骨や血管・神経などを一つ一つ丁寧につなぎあわせたところ、2週間後には、やわらかい物をつかめるようになったそうです。ブラボーです!
リハビリ続け、数週間で他院できる見通しとのこと。
良い経過をたどり、ザイオン君の未来が明るく進むことを心からお祈りします。
ドナーのお気持ちが生きるとよろしいですね。こちらも祈ります。

添えられた写真のザイオン君の表情がとても良くて、思わず拍手!

「暮らしの保健室」の試み

開業30年を超すと、定期メンテナンスに通われる方々も、順繰りにお歳を召され家族環境も変ってきます。独居の方も多くなってきました。イザッという時より、そうなる前のご不安とかどうしているんだろう?と思っていたら、新宿区の戸山ハイツで試みが始まっていました。

高度成長期の末期に建てられた広大な敷地の一角に「くらしの保健室」が出来、地域コミュニティで「おひとりさま」の生活を支えるボランティア施設だそうです。

当院でも時々ありますが、病院で検査数値の説明受けたがよくわからない。医師には聞けず、帰る道すがら不安になって立ちより、看護士・薬剤師等の経験積んだ専門スタッフが対応され安心して帰宅。ちょっと具合悪かったり悩みや心配がある時に、また何もなくともだれかと話したい時に気楽に立ち寄れる。一人暮らしの悩み事を聞いてもらい、気が軽くなって帰っていくことが出来る。そう学校の保健室のような存在。

訪問看護が必要になるよりももっと前の段階で、予防的なことも含め一人暮らしの高齢者や在宅で療養する人たちが、小さな悩みを解決できる仕組みを、長く訪問看護に携わる看護師の方が開設しました。訪問看護ステーションとしての依頼も受けるようです。独居の高齢者や在宅の方は一人で思い悩んでいるうちに、状況が悪くなって行く悪循環に陥りがち。しかしじっくりお話しを聞くだけで解決することが案外多いとのことです。

特に自立してそれまで一人で頑張ってきた人ほど、助けを求める事に躊躇し、高齢になって体力落ちてきた時にひきこもってしがいがちとの事。いつも外の世界とつながっていることはとても重要なんですね。外に出るためには、誰かの手助けが必要。近所の人でも良くいく八百屋さんでもいい。そういう人たちとのつながりを大切にして、外に出るきっかけを持ってほしいと、開設者はおっしゃっています。誰もが安心して暮らすために必要なシステムとして、全国で自発的な広がりがあるようです。
毎週木曜には200円で提供される昼食会もあるとか。すばらしい取り組みです。

オリンピックと禁煙

どうなるんだろう2020年の東京オリンピック。
というのは、禁煙にするかどうかです・・。

曖昧な国日本の最たるもので、禁煙にはなりません。
昨今のオリンピックで、公共の場が禁煙にならずに分煙だったのは、北京だけです。

舛添東京都知事は提言するも、却下されたとのこと。業界が反対したそうです。

健康健康と言いながら、オリンピックと言う世界中にアピールできるいいチャンスに
禁煙できないなんて。恥ずかしい・・。

国立競技場の再考と同じように、タバコOKももう一度見直しにならないかしら・・。
先進国と言ってこんなの日本だけですもの。

こんなに健康被害がわかっていて、何故なんでしょう。
タバコOKなら灰皿とかも必要になるし、だいいちアスリートの祭典なのに空気が
たばこ臭いなんてカッコ悪いです。今はベランダでの喫煙だって、控える時代なのにね。

 

喫煙者 糖尿病リスク高い(国立国際医療研究センターet al)

☆しかし 禁煙10年以上で「解消」!!

タバコを吸ってると、糖尿病にかかるリスクが高まる一方、禁煙を10年以上続ければリスクは吸わない人と変わらなくなる。国立国際医療研究センターなどのグループが、そんな報告をまとめ、22日付けの米科学雑誌で報告する。禁煙による糖尿病の予防効果を大規模調査で確認したのは珍しいとのことです。

関東などに本社のある八つの企業に勤める男女やく5万4000人について、喫煙状況を含む健診データーを提供してもらい、その後を4年間ほど追跡した。この間に約2400人が、生活習慣も原因とされる2型糖尿病を発症していた。

糖尿病の発症にかかわる他の要因が影響しないようにして、解析したところ、たばこを吸う人では吸わない人に比べ、一日に11~20本の人で36%
                21本以上の人では50%
2型糖尿病にかかるリスクが高かった。

こうしたリスクは、禁煙をしても期間が5年未満だと変化はみられなかったが、10年以上禁煙した人では、もともと吸わない人とほぼ同じだった。

たばこの煙のせいで、血中の塔を処理するインスリンが効きにくくなったり、インスリンを作る細胞の機能が落ちたりすることが考えられている。

こういわれてみれば、当院のメンテナンス患者さんの中に、ほとんどの方は禁煙なさったが、まだまだタバコのご縁きれない方に糖尿の兆しはみられます。一時期有名になった、メタボという言葉も、つまるところ、死の四重奏といわれる疾病のもとには、タバコというリスクがある方が多い。糖尿との因果関係が出てきた今回のデーターは、とても貴重です。

最近いらした患者さんで、虫歯も歯周病もずいぶん進んでいて、いつ禁煙支援はじめようか?悩んでいて、先日帰り際、ドクターが診療中に、会話のきっかけ作っておいてくださったので「タバコ吸うの、1日のうちのいつごろですか?」と伺ったところ、「丁度糖尿病の主治医から、保険で治療できるから、禁煙始めましょうか・・」といわれましたとのこと。すわっチャンスと、当院の禁煙パンフレットをお渡しして、夏は禁煙のチャンスですと話しました。エーッなんで?と聞かれたので、次回続きをお話しするので、当院でも禁煙支援始めます。ご一緒にやっていきましょうと話したら、ニコッとされたので、これはいける!大丈夫!と確信しました。禁煙は ”今でしょ!”