随分前に、フランス人イブさんの新しいケア?の形、ユマニテュードご紹介しました。その後日本全国で大きなうねりが出来、イブさんも看護士さん・介護職さんへの講習会を頻繁に開かれているようです。フランス滞在長かった人に言わせると「あたりまえのこと言ってるだけよ」とおっしゃいますが、文化の違いもあって日本ではなかなか難しいのでやれていないだけだと思います。
この度NHKで三夜連続「認知症」の番組があり、中盤にイブさんが出演され「ユマニテュード」の実践をされました。
イブさん言う「ユマニテュード」とは①見つめる ②話しかける ③触れる
この三つにつきます。
それならやっています・・と言いたいところですが、頑なになられたり、抑制が効かなかったり・・の方々に、イブさんがこの三つをなさっただけで、ヘルパーさんが
「ウッソー!」と涙出すほど、患者さんが変わられるのです。私も初めてみた時同じように「ウッソー」と思いましたが、よくよくイブさん見ると、①見つめる②話しかける③触れる、が本質的に全く違うと気づきました。
イブさんはまず、”相手を人間として接すること” ”認知出来なくとも、生きる喜びは忘れていないと尊敬していること” これに尽きると感じました。
認知症が進んでも、様々な能力が隠れていることを認め、誰か?はわからなくとも”感情はわかる”と認め、ひたすら見つめる目は強くなく優しく、話しかける言葉には深い愛情あふれ、触れる手は柔かく優しく。
現場でベッド上の患者さんの体位を変えるヘルパーさんが、黙って患者さんを動かそうとしているのでNON!と。「ハーイ、こちら向きましょうね。そうそう、痛くないですか?ゆっくりでいいですよ」と話しかけながらなさることをすすめていました。
そういえば、最近赤ちゃんのおむつを替える際に”一言も言わず” 極端な例がスマホ片手におむつ替える人もあると聞いたことがあります。こちらも一緒で、黙っておむつ変えるのでなく「冷たかったね」とか「気持ち悪かったね」とか言いながら赤ちゃんの目を見ながら話しかけながらがコミュニケーションのスタートです・・と小児科の先生方もおっしゃっておられます。
まぁ日本では、他人とハグする習慣もないし、ハグしたりしたら照れますし、文化習慣の違いとはいえ、イブさんが日本語もお出来にならないのに、見つめたり、さすったり、フランス語で話しかけただけで、高齢者や患者さんがニコッと笑ったり、おだやかになる様子には、本当に驚かされます。まさに魔法のよう!
☆深い思いやりを持ってすれば、介護者そのものが「薬になる」
このイブさんの言葉に大いに納得し勇気づけられて、出来ない理由を探さず、出来るほうに向かいたいと思ったことでした。