4月となって、出勤途中にも、着慣れないスーツやヒールの若者を見るにつけ、「頑張ってよ」と声をかけたくなります。入学式でしょうか?お母様が早足で改札を抜け、パスネットの残金が足りないのか?引っかかってドギマギしている新入生の本人も居ました。これから荒波に出るんでしょう・・。新しい季節に新しい生活。活動の場をかえ、地方に移る人もあり、何もかも又新しく変わっていく季節。生きていくって、変っていく事ですね。そして自分も変わっていけるなら世界はいつも新しいのでしょう。「おしゃれ」も自分が変っていくことですが、そもそも「おしゃれ」ってどういう意味なんでしょう。
「しゃれる」の語源は「される=さらされる」という説があるそうです。”晒し木綿”は木綿を灰汁で煮て日光や雪の上でさらして白くしたもの。怖いですが”しゃれこうべ”といえば、風雨や日光にさらされて白骨になった頭と言う意味。時間の経過で余分なものがそぎ落とされて、本質的なものが立ち現れてくる。これが「さらされる」の意味だそうです。
先ほど書いたこの旅立ちの季節。地方から出て来た若者が一人で生活をはじめファッションに興味を持ったり流行を真似たりする。初めて人を愛し傷ついたりする。やがて就職し、たくさんの出会いを重ね世間にもまれていく。そうこうしているうちに、いつか無理に流行を追いかけるのでなく、自分らしいスタイルでよりよく生きたいと思うようになってくる。その時、人は「さらされて」きたわけで、だんだん余分なものが要らなくなり、素のままで格好いい。それが「しゃれる」と言う本来の意味のようです。経験や年齢を上手に重ねれば、人はもっと豊かに変っていける希望がありますよ。「さらされて美しくなる」わかるような気がするこんなことを、満開の桜が風に散る頃知りました。