もう解散しましたが、以前50キャラット会議と言うところに参加させて頂いておりまし
た。各界で大活躍の方々が気楽にいろいろお話しやら、そのお仕事を披露下さるので、
大変魅力的でした。さすがプロ。どなたも非常にやわらかい心で、広いお気持ちの持ち主
で感動しました。出版したご本の中にあった文章、今でも、介護が始まった今だからこそ
「そうだなぁ」と心に残りましたので、ピックアップしてみます。
お料理するのが大好きな母でも、うっかりお鍋を焦がしてしまう。たび重なると自信を失
い、料理がおっくうになってしまうようです。歯が弱くなったり、消化力が落ちるのは誰
にもあること。けれどスプーン料理ばかりでは淋しいもの。手軽にやわらかくする料理の
裏技があれば、お箸で食べられるいつもの一皿を並べられます。薄味で統一したら、食
が進まない様子。食べてくれなくちゃ元も子もないと思う。季節の香味野菜でメリハリを
利かせたり、小鉢の一品は好みの味にしたりする。食欲は宝ですから。
体が老いるって、こんなことだったのね・・。(会員の実際のご経験)
「祖母はお皿の模様を箸でつついて、ハッと気づいては照れていました。視力が弱ると
色や立体感がわかりにくくなるのね」とある料理研究家。「うちでも同じことがありま
した。レストランで、テーブルの照明が十分でなかったせいもあって、お皿の模様を一生
懸命取ろうとしていたの。笑いながらも哀しかった・・・」と今は亡きお姑さんを語る方
もありました。50代といえども他人事ではありません。お店で伝票の金額が見えなくて
支払時に困ったことは再三再四。家でもお魚を下すときは、メガネがいるようになってい
ます。60代を迎えた人の中には、洗ったつもりなのに、汚れが落ちていないお皿に気
づいて、「食器洗浄機を買おう」と決意した人もいます。
いつもと同じ味付けなのに、今日のはアジが薄いね・・と言う。お薬味などで工夫して
見た目と香りで味を補う工夫をしました。又、塩分抑えて薄味にすることは確かに大切
だけれど、それで美味しくないから食べないでは元も子もないと、食欲の大切さも実感し
ながら伝えています。このように、親たちから学ぶ「食の底力」を生かしていくつになっ
ても誰かと食べる幸せを感じて頂き、美味しく召し上がれれば、脳も活発になれるので
いい事尽くしです。お一人でも多くの高齢者がそのようになられることを祈って、引用さ
せていただきました。食べ方上手は、生き方上手かもしれませんね。
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