三月に入り、寒い中にも陽ざしが幾分春めいています。実家の庭で85歳の母と主人と
ふきのとうを摘みました。土に埋もれてまだ蕾でした。紅梅は満開・白梅はぼちぼち咲き
始めていました。「今年は梅がなるかしら?」の母の声に希望を感じました。元気でいて
欲しいと思います。ふきのとうは今日蕗味噌にします。
昨日のNHKプロフェッショナル、70歳(女性の年齢失礼ですが)の日本で一番の同時
通訳の方の紹介でした。「通訳は格闘技」とおっしゃるその熱意というかプロとしての
すごさに圧倒されました。同時通訳というのは、当たり前ですが「同時」に訳さねばなら
ないので、相手がしゃべると同時に瞬時に訳すわけで、マイクに向かうアップのお顔に
一分のスキもありません。しかもこの方はただ訳すのでなく、「行間」を訳すとおっ
しゃって日本語にもこだわってなさっています。又これほどの方なのに、仕事前には
必要な英単語と和訳をノートに書き出し、復唱されています。「どうして?」と聞かれて
も困るけれど、言葉と言葉の持つ意味を大切にしたいし、言葉にそれを発した人のおもい
ありますからね・・と。「知識と努力は裏切りませんよ」と。福島で同時通訳の前の晩には
ホテルで「ふるさと」という言葉をどう訳したら「故郷」の意味伝わるか苦闘する姿に
プロ根性を見ました。ホームタウン?うーん違うのよねェ。「ふるさと」ってもっと違う
でしょう?悩んだ末、結局本番では「our home」と訳されていました。すごくわかりま
すよね。「our home」! そうそう「ふるさと」って感じします。カナダ・韓国・・海外の
参加者からも、心のこもった、日本語と英語のニュアンスにこだわったこの通訳の方!と
会議終了後絶賛のハグされて、さようならしてらっしゃいました。
歴代の日本の首相も彼女を指名なさるそうです。同時通訳の仕事中だけでなく、オフタイ
ムには「和歌」を勉強なさって、日本の意味とおもいを伝えるために日々努力なさる
プロの姿に感動しました。再放送をぜひもう一度拝見したいと思います。