はがき大

歯周病の原因はpg菌に代表されるプラーク・細菌であり、歯周病の治療は原因菌を歯の周囲から除去すること(プラークコントロール)が主となります。歯肉炎の状態では、患者さんご自身によるプラークコントロールで治る場合も多いですが、歯周ポケット内にプラークや歯石が付着している場合は、歯肉縁上のプラークコントロールに加えて、歯肉縁下のプラークと歯石除去が必要です。しかし実際の歯周病の病態は多岐にわたり、①歯周ポケット内のグラム陰性嫌気性菌である歯周病原菌 ②宿主側の遺伝子に支配されている生体応答 ③喫煙・ストレス・食生活に代表される生活習慣 の3つのリスクファクターが加わることで重症化していきます。この歯周病の病巣となるのが、「歯周ポケット」でここでの炎症が歯周病が全身へと影響を及ぼす起点となります。中等度から重度の歯周ポケット(深さ5〜7mm)がすべての永久歯28本に存在すると、ポケット内面の総面積は約「はがき大」になります。もし皮膚に「はがき大」の傷があったら、誰も放ってはおかないでしょう。歯周ポケットに炎症があっても、歯周病は相当進むまで自覚症状がなく、沈黙の病気(サイレント・ディジーズ)と言われる由縁です。沈黙の病気は同じく糖尿病もそうです。ご自分でわかるような症状が出てからではかなり進んでいます。ですので、普段から歯科医院でお口の中のメンテナンス(プラークコントロール)に通われ、衛生士の予防処置が必要になります。その前に患者さんご自身の日々のお手入れを欠かさないことが前提です。本日・土曜日もたくさんのメンテナンス患者さんがいらっしゃいました。最初のうちは「痛くもないのに・・」とおっしゃられますが、お口の状況を詳しく説明し、虫歯・歯周病の成り立ちをお話しし、予防できることをお伝えし、早く削ってつめたり、歯を抜いたりすることがどれほどご損なこと(歯が保てない)かを丁寧にお話すれば、どなたも予防できることを理解くださって続けられます。そのうちに、お口の中の気持ちの良い状態を実感され、歯医者に「歯を守る為に通う」という習慣になられます。本日も貴重なお休みの日を、こうしてお時間つくってメンテナンスにおいでになるたくさんの患者さん方を、「すてきな健康観を持った方々」とうけとめて、少しでもお役にたちたいと思います。衛生士さんのお仕事は、今後さらに重要になります。そしてさらに喜ばれるお仕事になります。充実した衛生士本来のお仕事は、きっと仕事の大変さも疲れも吹っ飛ばしてくれるものと思います。予防処置は細かい気を使う仕事です。スタッフみんなで支え合って一人でも多くの患者さんが、健康な口腔内を維持できますように、中央歯科はスタッフみんなの総合力で頑張ります。

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