昭和61年から定期メンテナンスに来院下さっている91歳のおばあちゃま。初診時にたくさんはいっていたクラウン(かぶせもの)を、ご来院された当時、金属でなくきれいにしたいとセラミックのかぶせものにして以来20数年維持なさっておられます。すごいことです。それでも年齢とともに高血圧・夜眠れないので誘眠剤などの服薬出てきて、お口の中の変化もあり数年前一部小さな義歯になりましたが、相変わらずきちんと定期メンテナンスに見えびっくりするほど維持できています。このクリスマスイブに、上の一番奥の歯が欠け自らお電話くださり、慌てて来院されたので、入れ歯の増歯の処置を急ぎ、技工士も頑張ってくれて昨日入れ歯がきれいに直りました。「お正月だもんね」という91歳のまだまだきちんとしていたい、お正月のおせちをみんなと食べたいという前向きのお気持ちに、スタッフ一同何とかお応えしたいと院長も知恵を絞り技工を急ぎました。以前より「四代一緒の大家族だから、若い人に食事の面倒かけたくないんだよね。おばあちゃんだけ別のおかずって大変でしょう。なるべく同じものを食べて、時間かかるけどゆっくり食べればみんなと同じおかずで食事できるし幸せですよ」とご同居の家族を慮った事をいつもおっしゃってらっしゃいます。お直しした入れ歯の具合を先ほどお電話で伺ったところ、「大丈夫、いただけていますよ」と有難いお返事。お正月に向けてお役に立ててスタッフ一同安堵しました。これも、日ごろのこの患者さんのお手入れとお口の中に対する積極的なお気持ちのおかげさまです。
このような素晴らしい年長の方々に、たくさんの事を教えていただきながら、常日頃当院ができる最大のお手伝いをさせていただこうと心がけております。皆様の生活を支える歯科医療。美味しく召し上がれる毎日・豊かな毎日を支えていかれるように、来年も中央歯科は心を尽くします。皆様本年もご来院ありがとうございました。来年も定期メンテナンスをお続けになり、お口の中を保って美味しく召し上がってください。お元気に和やかに新しい年をお迎えください。 院長・スタッフ一同
かわらないこと
片づけていたら、随分前のきれいなメモが出てきました。
よく聞く心と 話す心を持ちなさい
体なら体に聞く心
胃なら胃でも オペしている胃に話しかける気持ちを持つことが大事
形なきを観る 音なきを聴く
それと一歩下がって、静かに考える時間と習慣を持つ
ゆっくり本を読むとか、絵を見るとか 音楽を聴くとか
そういう人間の作り出した文化の中から人の心がわかり
人間の美しさが理解できるようになる
どんなに機械や器具が進歩しても医の根本は真心と優しさ
そしていろいろな考え方でも何でも
基礎的なもの、ベーシックなものにかえれば
ほかのものと根っこでつながってくる
そしてある一つの事を一生懸命やってる人は
ほかの分野の人の話が非常によくわかるようになる
癌研病院 黒川医師
札幌パークホテルのメモに書き留めてありました。北海道に行った折きっと
雑誌かTVで見て書き留めたのでしょう。随分昔のメモが心に響いたひと時でした。
アトランティス大陸はブラジル沖にあった?
衝撃的な番組を見ました。ギリシャの哲学者プラトンが著書に記した伝説の大陸。そのアトランティスがブラジル沖にあったというトピックスです。日本の海洋研修開発機構の有人潜水調査船が大きく貢献し、リオデジャネイロ沖の深海で、かつての大陸の痕跡を発見したというのです。大西洋の海面下で、陸地でしかつくられない花崗岩を大量に見つけ、これは大西洋に大陸があったことが判明したことに等しいということでした。サイエンス
ZEROは大好きな番組ですが、この日は本当にびっくりでした。横須賀にあるという海洋研修機構の調査船がブラジル沖に出ますと、「しんかい6500」という有人潜水船がブラジル人日本人の研究者3人を乗せて水深4000まで潜るのです。時々現れるお魚たちの奇妙なこと!ゼリーのようなピンクのナマコ・足が全部くっついて水かきのようになった蛸・一番びっくりしたのは細ーいお魚にちっちゃな目が付き、なんと3本の長い足の上に乗っかった三脚魚。この奇妙さは口では言い表せません。ご興味のある方はネットで「三脚魚」ご覧になってください。このような魅力的なお魚たちとの対面の後、乗船した科学者たちが目にしたものは、突然現れた、人がかかわったと思われる形の物体、そして大きな花崗岩の塊。採取アームを伸ばすも大きすぎて重すぎてびくともせず、仕方なくその周辺のものを採取して持ち帰るさまは、当事者だけでなく、TV画面を見る私もドキドキしました。なんといっても水深4000メートルです。これからさらに研究が進むことでしょうがワクワク、ロマン掻き立てられました。研究者の皆さんどなたも、少年のような顔して遭遇したことを報告し喜び合う姿にますます夢が広がりました。サイエンスZEROはとても面白い番組です。遅い時間ですがお薦めです。
すごい、バイオリ二スト登場!
第23回出光音楽賞が決まり、その演奏を聴きました。この出光音楽賞はかなり高い評価で多くの音楽家の登竜門となっています。このところ目覚ましいチェロの宮田大さん、かつて指揮者の佐渡さんも受賞しています。2013の受賞者はバイオリンの黒川侑さん・テノールの西村悟さん・ファゴットの福士マリ子さんです。ファゴットという珍しい楽器がソロで評価されることも稀ですが、演奏聴くと実にエレガントで美しい。長くて大きな
ファゴットを肩からしょいながら優雅に踊るように吹く姿に、オーケストラから飛び出したソロとしての魅力を再発見しました。若い方の中に吹いてみたい!と思う人が増えるんではないでしょうか? テノールの西村さんは日本人離れした体格のよさで、オペラでの活躍が期待されます。テノール・佐野成宏さんを応援している私は、ぜひ佐野さんのように存在感のある光輝くテノール歌手に育っていただきたいと願います。オペラ歌手は舞台上の佇まいが大切ですので、海外を含め沢山の舞台で活躍されて、世界に通ずる堂々としたオペラ歌手になっていただきたいと願っております。音楽だけでなくさまざまな場面を経験されて豊かな表現者になられることを応援したいと思います。
バイオリンの黒川侑さん。ともかくびっくりしました。豊かで自由な音。デジタルでないアナログな音。というと古めかしいようですが、すごいテクシックの持ち主なのに、器械体操みたいに聞こえない深い音。1990年生まれのたった22歳ですが、音楽に対する
畏怖の念というか、スゴイのにとても謙虚でらっしゃいます。音楽に並々ならぬ情熱を持っていながら「音楽がすべて」でなく日々大切にしていることがごくごく普通な青年。インタビューを聞いて、たった22歳でどのように育っていらしたのだろうと興味がわいてきました。5歳頃から、おうちでなんとハイフェッツやオイストラフなどのレコードがかかっていたとのこと。随分前のバイオリンの巨匠たちです。こういう音楽を5歳のお子さんに聴かせていたご両親もすごい。ちょっと前のブログに、やはりバイオリンの潮田益子さんの事を書きました。また今になってバイオリン諏訪根自子さんも話題です。お二人とも佇まいの美しい魅力的なバイオリニストです。すばらしい先人たちの話題とともに、この黒川侑さんのような青年が登場してきて、今クラシックは本当に楽しみです。アメリカでもドイツでもフランスでもない、ブリュッセルに留学しているというのがまた興味深いです。どうかふくらみのある豊かな音色を持った演奏家に育って下さるように願ってやみません。出光音楽賞受賞の若い未来のある音楽家たちの演奏を聴いて、これからがとても楽しみになりました。ブラボー!!
めっけもん!
先日魚売り場で、何やら黒い貝が山盛りになっていて、ムールにしちゃ小さいけど、形はムールよねぇ?と行ったり来たりしてると、売場のお姉さん。どうですか?フランスもんよ?えっ?モンサンミッシェルの!の言葉につられて、大荷物だったのに山盛り買ってしまいました。とてもきれいな状態のムールで、シンプルに食べようと休日だったので、にんにくオイルでワイン蒸ししました。小さいのに味が濃くふっくらした身のあまいこと。砂の一粒も入っていないきれいな美味しいムール。久しぶりでした。これならバケツ一杯食べられると豪語して笑われました。冷たく冷やした辛口白ワインがあったらもっとグーッ!そう言えば昔、葉山の鐙摺の海岸壁にくっついていたカラス貝って、ムールの親戚かしら?前田武彦さんがよく採ってらしたっけ?大昔の話です。めっけもんムール最高でした。
落葉の季節
若いころ?夢中になっていた趣味の作品です。磁器上絵付けと言って白いお皿に絵付けしては焼き、金もぐるりとつけて仕上げます。奥のピッチャーは骨董市で見つけた古い大倉陶園のものをワインキャラフに見立て、サンキライを描きました。この季節にピッタリなので、お目よごしですが、林の中の枯葉のカサコソという音を感じていただければ幸いです。 受付 佐藤
院長先生のお誕生日です
皆で院長のお誕生日お祝いランチしました。スタッフからFrancfrancのスープカップと沢山のフリーズドライスープブレゼントされました。
スープでダイエットの意味?と自覚されたようです。最後に写ってる方はタイミング悪く、食べられず見ただけの市村さんです。
もう少し後で来ればご一緒に食べられたのに(笑)ケーキのロウソク数えないで下さいね!先生患者さんに喜んでいただけるよい一年になりますように。
自転車も復活してください。
当院は28日㈯午前中で年内の診療を終了いたします。
12月29日から1月5日まで年末年始のお休みをいただき
新年は1月6日㈪より診療開始致します。
寒くなりますので、皆様ご自愛の上よいお年をお迎えください。
Merry Christmas & A Happy New Year to you !
腎臓病で口臭が強い?の投稿記事を読んで
当院では、お口もおからだの一部と考え、お口の汚れ(菌)が体のあちこちに影響を及ぼすことがわかってきたので、病気の事や服薬などご協力いただいて拝見しています。先日新聞に上記のような投稿があり、専門医よりお答えがあったので紹介します。
Q・45歳の女性、中学の頃より腎臓の調子が悪く尿たんぱくが出ている、父親も腎臓病口臭が強く人と会いたくない。歯科に通い、舌も磨いているが効果がないどうしたらいいでしょうか?
A・腎臓は血液から老廃物をろ過して尿として出すのが役目です。この働きが悪くなると体中に老廃物である尿毒性物質がたまり、口や汗から異臭を放つことがあり、尿素が含まれるので、鼻を突くようなにおいが出ることがあります。中学のころからというと腎臓内のろ過装置である糸球体が壊れている可能性あるので、治療が必要と思います。尿毒性物質の排泄を目的とした飲み薬があるので、一度腎臓内科を受診し、適切な指導を受けられるように・・・・とのお答えです。
なんだかもっと気にしてしまうようなお答えですね。専門医から言ったらそうなんでしょうが、尿素の匂いなんて!質問者は女性です・・・
この記事を読んで、たかが口臭・されど口臭。「口臭」に悩まれているかた、またそのことで人に会うのもいやと外出もおっくうになっている方のお悩みを知りました。実際腎臓病で口臭が出ているかもしれませんが、当院で多くの方を拝見して、口臭を気にされている方に、本当に口臭がある方は少ないのが現状です。当院で口臭が感じられる方は、まず喫煙者・ホームケアが不十分な方・歯科のメンテナンスが滞りがちな方・入れ歯の手入れをしない方です。皆さま何か一つ治療中の病気?があってもその方に適切なお口のケア(ご自宅での)と当院での定期メンテナンス(特に歯周病のケア)受けている方に気になる口臭は見受けられません。中には気にし過ぎの方も見られ、きちんと説明して「大丈夫ですよ」とその方のお口の検査をふまえて丁寧にご説明すると安心なさいます。
この新聞の質問の方は、病気のきちんとした対応とフォロー、歯科を受診しているといってもきちんと歯周病のメンテナンスをしているか確認され、また「舌」も気にして
ブラシし過ぎもいけませんので、気持ちをゆったりなさって下さればそんなに気になさることでないような気がします。外野がとやかく言うのもなんですが。わさわさ噛みごたえのある緑黄色野菜などを生や蒸してよく噛んでお口の唾液を出し、美味しく召し上がってください。噛むことはお口の中のお掃除になりますよ。お薬などに頼る前に、日ごろのお食事などから改善出来るかもしれません。ニンニク・ニラなど匂いの強いものは控えめになさったりも大事ですね。リラックスして、お出かけになってください。そうそう大事なこと忘れました。よくしゃべること・大きなお口開けて笑うこと、お口を十分に使ってあげて下さい。お役に立つようなたたないようなですが、気にしすぎも唾液の出をストップさせます。リラックス・リラックスです。
大変なこと、ありがとう。
今年も余すところわずか、そんな時私事でちょっと大変なことが起きた。街中あちこちでクリスマスソング流れる今、なんで!と思っても仕方ない。あれこれ考え、髪を染めてきれいにしておこうと、時間もないので同じテナントの美容院に駆け込んだ。いやな顔せず対応下さる美容院の、さりげない距離感がとてもありがたかった。随分昔、ある勉強会で柳田邦男さんが「無言も場合によっては見事なコミュニケーション」とおっしゃたことを
懐かしく思い出していた。髪を染めている間、たまたま手にした分厚い女性雑誌の巻頭にこんな文章が載っていたので、ご紹介します。どなたかのお目に留まりますように。
スコットランドに旅した時、ビスケットの包み紙にこんな言葉が書いてあった。「嫌なことや辛いことは貯めることができて、いつでも、幸せなことをおこすために使えるのです」こんな風に個人的な範囲で起きた大変なことには感謝の気持ちを忘れてはいけないと思った。大変なこと、ありがとうと、と。
こんな風に考えられる方はどんな方なんだろう?とお名前を見ると、松浦弥太郎さん、「暮らしの手帳」編集長とある。かの昔の暮らしの手帳の編集長さんは、花森安治という
すばらしい方でその文章を何度も何度も読み返したものであった。
松浦弥太郎さんは、このステキな言葉の後、次のような文でしめくっておられます。
あなたの最近はいかがですか?暮らしや仕事において、日々いろいろなことが起きるけれど、どれもがきっと自分に必要なことなのです。今すぐでなくとも、バランスをとるために働くちからが必ずあるということを信じてみてはいかがでしょう。
親しい方がメールで笑わせながら「大丈夫!」と勇気づけて下さり、今日このタイミングで手にした雑誌の、ピッタンコのこの文章は、私へのプレゼントと思えるほど心の隅々まで沁みわたりました。言葉の力ってすごい。大変なこと、ありがとう。
生きるをつくる、ものづくり(バーンロムサイ)
例年のように、今年もバーンロムサイの「チャリティクリスマスリース」が届きました。バーンロムサイはタイのチェンマイに設立されたHIVの母子感染孤児の生活施設で、現地の素材を使った雑貨や衣類の生産を行っています。その残布で作られた手作りの熊の小さなぬいぐるみが日本の市村さんがつくられるステキな生のリースと一緒になって届きます。売り上げの一部がバーンロムサイの運営費になります。木や葉っぱの匂いのするシックなリースは患者さん方に好評で、このままお正月まで飾れるほど長持ちします。
最近ではフィギュアの真央ちゃんがバーンロムサイの手作りらしい?お財布を持ってた・・と評判になっています。皆様も一度バーンロムサイのサイトご覧になってみて下さい。小さな支援がこどもたちのいのちをつなぎます。
「あいうべえ」体操
舞台女優として大きな存在の、女優三田和代さん。移動はいつも電車とバス・徒歩。車は時間が読めないので使わず、道々歩きながらセリフの練習したり、時には「あいうべえ体操」したりするそうです。ご存知ですか?「あいうべえ体操」とっても変な顔するんですよ。29日のブログに唾液を出すマッサージの事書きましたが、この「あいうべえ体操」も2~3年前から患者さんにお勧めしています。元はある歯科医が考案したものです。ちょっと勇気いる体操?です。まあ人前ではできないかな? 「あ・い・う」まではいいんですよ。そのあと「べえ」が・・目を見開き、「べえ」とベロの根元を出すくらい「あっかんべえ」するのです。出来ればひとりの時をおススメします(笑)
これを三田さんは朝昼晩20回ずつ実行し、街中でも人の目を気にせずやってますとのこと。プロは違いますね。確かに顎が鍛えられ、顔のラインによさそうです。
10年以上前に体調崩してから自然に歳取りたいと願う一方で、舞台に立つための体力維持に努めているそうです。「うまくやろうなんて思っていないけれど、55点は取って
次に繋げたいという気持ち」。初舞台から50年たっても「経験を積めばいい芝居ができるわけでなく、50年たった今でも、けいこ中に涙が出そうになることもあります」と。それでも劇場全体が一つになる瞬間を味わいたくて稽古を重ねる。先日80歳になるステキな〝ナベサダ”お伝えしましたが、同じことを言ってらっしゃいました。一流の方は、経験を積めば積まれるほどこれでいいということなく、シンプルにひたすら努力され道を究められるんですね。しかも見えないところで。プロというのはこういうことかと感じ入りました。「あいうべえ」体操はお口まわりの筋肉がほぐれ、表情もお口まわりも若々しくなり唾液も促進されるそうです、ぜひお試しください。結構疲れますが効果ありです。
侮れない糖尿病
メタボリックシンドロームという言葉が登場してからずいぶん経ちました。当時は高血圧・糖尿病・心臓病・肥満と予備軍という言葉も広まり、死の四重奏とまで言われました。腹部が何センチ以上は危険!と脅され、そのころから減塩・とるべき栄養などの食生活、ふさわしい運動、減量などの取り組みが会社などでも始まりました。当院でお薦めしているお口の汚れをコントロールする「定期メンテナンス」もメタボの解消に貢献することがわかってきて、随分とご理解も深まりご家族ぐるみで通われる方が増えてきて、良いことだなぁと感じています。
ところがこのところ、目の具合が・・、だるい・・、血圧が高いだけだったんだけど・・と言った方から「糖尿病」だったという報告が見られるようになりました。先日も緑内障の手術受けますという方に伺うと予備軍と言われた糖尿病がコントロールされておらず失明の危機とのこと。こんなに医療が進んできたのに、なぜもっとこまめなチェックと他科と連携できなかったのかと残念に思います。
自分もたまに病院に行きますと、特に大学病院ですと、細かに細分化されていて、自分の病状がはたして何科にかかるべきなのかわからないことがあります。大きな病院は紹介されての受診が多いですが、いきなりの方にはわかりにくいため、今では総合診療室というところもあり、またサービス科窓口が詳しく伺って適切に受診科を案内してくれるところも多くなりました。でも専門化され過ぎて、一般にはわかりにくいのも現状です。人の体の中は一つですので、各科が連携せねばパーツパーツで医療が施されてしまいます。ですから私達患者側から、今の症状を詳しく話すこと、今までの病歴を伝えること、飲んでる薬を明確にしておくこと等患者としての義務もあるという意識を持ちたいと思います。
1998年、当院も歯科予防の会での活動が始まって来、お口の菌、特に歯周病菌が、心臓、糖尿病と深く関わるらしいとお話しし始めましたが、皆さんからは「エッまさかぁ」と言った反応でした。そのころから、タバコがお口の中に害を及ぼすと知って、禁煙支援も始めましたが、それこそ”煙たがられる”だけでした、それが最近では、TV/マスコミであちこちの先生方がお口の菌と病気との関連を話して下さるようになり、また喫煙の害も病気だけでなく、早産・低体重児出産など具体的にわかってきて当院の患者さんも、「中央歯科さんが言ってたこと、ホントだったね」(笑)とうれしい反応です。いずれにしても、体は一つすべてが連携しています。
随分前糖尿病の勉強会に行ったとき、慶応病院の看護士さんの発表できめ細かい支援を知り、当院の患者さんにもお伝えしています。糖尿病とおっしゃる患者さんには、礼装の時以外、「白い靴下はいた方がいいですよ」とお勧めしています。なぜなら足の指などを家具などにぶつけても感覚ない上、出血したりしても「黒い靴下では出血に気づかないから」です。心配し過ぎかもしれませんが、こんな些細なことが足の指を失う結果になったり致します。それくらい糖尿病は怖いのです。女性だけでなく「フットケアも効果ありますよ」とご案内します。定期メンテナンスにいらっしゃる糖尿病の患者さんには、
お口の定期メンテナンスと同時にホームケアを忘れないこと、糖尿手帳を持参いただくこと等ご協力いただき、喫煙者には禁煙支援をし、歯周病の管理をしながら糖尿病が進まぬように、当院として出来るだけサポートしたいと考えています。お口の中が整うと更に食欲増すので(笑)、食事の取り方などのご案内も嫌がられない程度にさせていただき、大事なことは「早食いしないこと」と美味しいもの大好きの自分への自戒も込めて、丁寧にお話しすることにしています。行動変容といわれて久しいですが、なかなか難しいもの。「応援したいので、そばにいます」そんな気持ちでサポートさせていただいています。毎日美味しくいただけることができなくなったら悲しいことですものね。食べられるって本当に幸せなことだと思います。
オノマトペ
大好きなこの言葉が、最近注目されています。
「オ・ノ・マ・ト・ぺ」!!
日本語では擬声語・擬態語というのでしょうか?そうそう、食事する際の
ポリポリ・サクサク・ガリガリ・・のような言葉です。
これが今医療でも、注目されています。
最近は、ひどい痛みを訴える急患の患者さんも少なくなってきましたが、お電話頂き「痛いんですけれど・・」とおっしゃる時に、「どんな痛みですか?」とお聞きすると、「なにかジーンとした」とか「ズッキンズッキンと波打つような、特にお布団に入ると・・」「痛みは全くないんだけれど、ぐーんと重いような、歯が浮いたような、でも2~3日すると治っちゃうの」などとてもリアルお答えが返ってきます。それにより速やかに判断して来院を促します。虫歯の痛みか、歯周病による症状か大体判断できます。急性症状か、繰り返してらっしゃる症状かも想像できます。
このように「じんじん」「ピリピリ」「ズキズキ」「ドッキンドッキン」など「オノマトペ」で伝えることにより、」痛みの種類が想像でき、来院いただいて直接伺うと、こうした情報から、痛みの原因が探れ、更にデジタルレントゲン・口腔内写真。歯周病検査などのその方の情報収集すれば、原因が特定できていきます。原因が特定できれば
治療も素早く的確に無駄なく行えます。また、慢性的な痛みに受診せず安易に薬を買って飲んでるうちに、初期症状がわからなくなっている方もあるので、薬は自分で判断せず、受診して処方頂いてからのみ、飲み始めてからの変化を医師に伝え、検証することが大切です。このように患者さんの「体感」がとても大事だと当院では考えております。特に痛みは生活の質を低下させ、気分と肉体の衰えを招きます。我慢なさらず、「オノマトペ」を活用して医療者に伝え、十分なコミュニケーションをお取りになってください。「答えは患者さんの中にある」当院はこのことを大切にしたいと思います。