桜と菜の花

三月半ば過ぎ、突然の雪のあと急に暖かくなり、25日過ぎから桜が咲き始めました.。プツプツ咲き始めたと思ったら思いがけない暑さに、一気に咲く勢い!でも気温差あるので、お花が長持ちするかもしれません
私たち日本人にとっては富士山と桜は別格ですね

昨年の話ですが、近所の古木の桜が満開に近くなったある日、たまたま通りがかり「随分な大木になったなぁ」と少し離れたところから見ていたら、桜の木の下でこちらに手を振っているご年配の奥様が。「どなたかなぁ、存じ上げないなぁ」と何気に近づくと車いすにご主人様かな?うとうとしておいででした

「あ~よかった!あなたがお召しの黄色いセーターが菜の花に見えて、やっぱり桜と菜の花よね」と思ったの・・と思いがけない言葉。その方の田舎では桜と菜の花はセットなんですと仰られました。初めてお会いする方でした・・
車いすのおじいちゃまはずっとうとうとしてらして、この会話も聞かれたかどうか?なんだかまったりした時間が流れました

たまたま着ていた山吹色のセーターが、このようなやり取りになるとは!思っても見ませんでした。ほっこりまったりの時間でした。「こちらこそいいお話伺えて嬉しいことでした・・」とご挨拶してその場を離れました。相変わらず車いすのおじいちゃまは、うとうとしてらして会話をお聞きになったかどうか・・?でも、聞こえたに違いないと歩を進めると後ろから、「またね」とその奥様が手を振られていて恐縮しました

めったに色物を着ない私が山吹色のセーター着た日の、思いがけないご縁に、なんだか桜は笑ってるようでした。

今年も到来した春を超えた暖かさと満開の桜に、あのご夫妻は如何してらっしゃるかしら・・「桜と菜の花はセットなの」とおっしゃた穏やかなご夫妻を思い出し案じたことでした。桜って不思議なお花ですね。皆なにがしかエピソードがあるような気が致します

小さな子供たちが、桜咲く中を走り抜けていきました

地域ケアの新しい試み・生老病死を支える 方波見康雄著

ちっとも進まない断捨離中です。古い資料に加えたくさんの本を見つけては、パラパラ、ページめくっているからちっとも進まず、断捨離ハウツー本に書いてある通りの有様です・・💦

方波見康雄さんの「生老病死を支える」-地域医療の新しい試みー2006年版に目が留まりました。第6章・老いを生きるということ 最後の成熟に向けて・・から少しご紹介いたします

・そろそろ惜別の人生を覚えなければならない年齢になっている。過ぎ去った日々の記憶を、ただの追憶に終わらせてはならない。心臓手術によって、危うきところで死を免れたいま、「ぼくが、まだ若かったころ」の暗中模索の人生のあゆみの経験を、これからの新たな蘇りのよすがにと、ひたすら思っている。
セネカは指摘するー「生は短く術は長し」とヒポクラテスは言うが誤りである。われわれは短い人生を受けてるのではなく、我々がそれを短くしているのである。人生は使い方を知れば長い(「人生の短さについて」茂手木元蔵、岩波文庫)。後期高齢者と言えどもなお、人生に成熟と余熱のゆとりがあるということである。再び茨木のり子の詩を引用して、どこにでもある、だれにでもある、このささやかな物語をおえることにする。

ー自分の感受性くらいー

ぱさぱさに乾いてゆく心を
人のせいにするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにするな
そもそもが、ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ  (茨木のり子「自分の感受性くらい」花神社)

馬場あきこさんの選者退任を惜しむ歌

馬場さんに選ばれるのが夢だった死ぬまで歌は詠むだろうけれど
                             (大田市)安立聖さん    永田和宏選

※小さなコラム・佐藤ママの「きらりヒント」にも、以下「言葉を研ぐ」感覚身につけて・・として載っておりました

朝日歌壇選者の馬場あき子さんが退任されるとの記事が載っていました。短歌の提携である五七五七七という様式は、「言葉を研ぐ砥石」と馬場さんはお話しされています。定型の様式の中で「言葉を研いでいくうちに、こういうことを私は言いたかったんだという深い思いが歌の奥から出てきます」と説明され、そのために何度も句のつながりを考えるとのことでした。最近の家庭では砥石そのものが珍しくなりましたが、記事の中に見つけた「言葉を研ぐ」という表現にしばし見とれてしましました

昨今、思ったことをそのまま書き込んで世間にばらまく、ということが日常茶飯事です。ネットをみると、発言の自由という名のもとに他人を傷つける言葉があふれています。じっとしているだけで、目や耳に飛び込んでくる多くの言葉たち、何の悪気もなく放った言葉でも、受け取る人は傷ついて血を流すこともあります。心の傷が癒えない場合もあり、言葉は非常に危険なものともいえるのです

またその反面、かけられたほんのちょっとした言葉が、心を温かくし、人の人生を最後まで支えることもあります。人は一言の言葉を握りしめて一生元気に生きていくことが出来る生き物なのです。さまざまな立場の人の気持ちが理解できるようになり、とっさの場合でも言葉を選ぶことが出来るような鋭い感覚を、沢山の文章を読んで身につけて欲しいと思います(佐藤ママこと、佐藤亮子さん)

※2024年9月11日このブログにも、馬場あき子さん選の三句、素敵なので掲載差せていただいております

慣れたら難易度を上げましょう!懲りずに早口言葉

もうこりごりの皆様
しつこく早口言葉ですよ
定番だけど難しい早口言葉8選です🌸

レベル1
・この釘は引き抜きにくい釘だ

・瓜売りが瓜売りに来て
 瓜売り残し売り売り帰る

・裏庭には二羽 庭には二羽 にわとりがいる

・桜咲く 桜の山の桜花 咲く桜あり 散る桜あり

レベル2
・お綾や母親に お謝りなさい

・この竹垣に 竹立てかけたのは 竹立てかけたかったから 竹立てかけた

・親亀 子亀 孫亀
 親鴨 子鴨 孫鴨

・客が柿食や 飛脚が柿食う
 飛脚が柿食や 客が柿食う

フーッ!お疲れさまでした、しんどいですねぇ~
初めはゆっくりでいいので、口をおおきく開け、お腹からしっかりと声を出すことを意識し、徐々にスピードを上げていかれるといいようです・・と言われますが。先ずはご自分のペースで、お休みしながらでもいいので、続けてみて下さい

やらないよりやった方が、結局はお得です、と言うのは簡単、フーッ!

折々のことば 3344

共感のやり取りでは批評という言論が育たないし、磨かれていかないですね。
                         川野里子

今の人は、他人と密着するようなコミュニケーションツールに馴染みすぎ、批評すれば傷つくんじゃないかとびくびくしていると、歌人は言う。だが、批評は攻撃でも共感でもない。互いに練磨しあう過程を回避して、小さな共感の「島宇宙」に閉じこもるのは危ういと。”納富信留との対話「哲学と詩歌の怪しい関係?」(川野の対話集”短歌って何?と訊いてみた”所有)から

感じることを閉じずに

照らす月の写真と、たくさんのお魚が青い海に泳ぐ写真とともに、「光のたまごたち」と言う写真家・石井麻木さんのコラムに吸い込まれました、ご紹介します

この方は、子供だった時に起きた阪神・淡路大震災が脳裏に焼き付いているのが大きいと。30年という長い年月をかけて、神戸の街が、その街で暮らす人々が教えてくれたもの。懸命に伝え繋いてきてくれたものを、止めたくないと書かれています

能登に向かい、能登の人たちがいま必要としているもの、困っていることを伺う。能登を訪ねるたびに、この13年間の東北の人たちの涙やもらった温かい気持ち、子供たちの笑い声、毎月待っててくれる笑顔も心の中に連れて行く
小さかったあの子は先日東北で成人式を迎えた。戻れない故郷、解体されてしまった実家は戻れなくても記憶の中で確かに生きていた

思い返すと中越地震も熊本地震も西日本豪雨も全国各地の地震や豪雨災害現場にも足を運んできたのは、現地に行かなければわからないことばかりだからだ
能登の水族館。空へと泳いでいってしまったサメやイルカ。避難して戻ってこれた生き物たち。生き残った魚たちは揺らぐ光の中を泳いでいた

被災された方、支援する方、境目はない。共に生きている。それぞれの生活があり。それぞれの守りたいものがそこにあるけれど、想うきもちは誰にも壊せない。照らす月は誰にも隠せない

灯りのなくなった街で見あげた、目が眩むほどの星空。眩い星たちはいつだって、見えなくてもそこにある
不在の存在も、無意識の意識も、永遠の今も、感じることを閉じずにいたい。小さくても繋いでいく

草食のウシはなぜ筋肉質なの?

★科学ページ・栃木県Fさん(90)からの質問
ののちゃんと、麻布台助教先生とのやりとりから抜粋

のの・牧場で牛の乳しぼりを体験した。間近で見たおっきな体、すごい迫力だった。で、思ったんだけど、ウシは草ばっかり食べてるでしょ。それなのに、なんであんなに筋肉もりもりなんだろう

先生・じゃあ、筋肉を作るのに欠かせない栄養成分は何かわかる?

のの・タンパク質!

先生・正解!牛の飼料となる牧草にはいくつか種類があって、タンパク質を多く含むマメ科のものも含まれている。なので、草食だからと言ってたんぱく質が取れてないわけではないよ。とは言え肉食動物のえさに比べたら少ないことは確か

のの・じゃあ、どうしているの?

先生・秘密はまず胃にあるの。ウシは胃を4つ持っていて、第1の胃の中には細菌や真菌と言った微生物が沢山すんでいる。ここで、肉食動物や私達ヒトでは利用できない栄養素を分解して、アミノ酸というたんぱく質の材料に変えてしまうんだよ。そしてそれを栄養源にして、微生物自体が大量に増えるの

のの・へええ

先生・この微生物は第4の胃に運ばれ、ここでドロドロに溶かされて、小腸でアミノ酸などとして吸収される。微生物がウシの筋肉を作る材料になるってわけ。「微生物たんぱく質」と呼ばれてるよ

のの・お肉を食べる代わりに微生物の力を借りて、筋肉の材料を自分のおなかの中でつくっちゃうんだ、ビックリ。

先生・まだあるよ。老廃物となったたんぱく質は、尿素という物質になって血液中を流れるんだけど、ヒトではやがて尿や便として捨てられてしまう。でもウシでは一部が「唾液」になって、タンパク質の材料として再利用されるんだよ。似たようなしくみはウマにもあるとされるけど、ウシよりも分かってにことが多いみたい

のの・人間とは全然違うんだね

先生・それがね、パプアニューギニアという国の高地に、サツマイモが主食で、たんぱく質をとる量は、他と比べてとても少ないのに、筋肉質のたくましい人たちがいるの。これまでの調査で、この地域の人たちの大腸には独特の腸内細菌が住んでいて、ふつうなら廃棄されるはずの成分をアミノ酸に作り替えるなどして、タンパク質を確保していると推測されているんだよ。

のの・おなかの微生物すごい!

先生・微生物の謎がもっとわかれば、健康にも役立ちそうだね。でもまずは、君たちは、お肉も野菜もバランスよく食べてね

パ・タ・カ・ラ

今回は特にパ・タ・カをお話ししたく、本来はパ・タ・カ・ラ、もう20年以上前から言われている、パタカラ体操です

皆さまご存知の、お口を動かす体操です。発表された時はなんだかなぁ~位でしたが、この数年高齢者施設でもやって下さるようになりました

私も、患者さんに提案する立場としてやっておりましたが、頻度はかなりいい加減でした、それがそれが、最近年齢と共に必需体操!になりました💦
やらないと始まらない。やれば口は動き、大きく開けられ、発音もハッキリできもちろん一番肝心な「飲み込み」も問題ありません

さらに「誤嚥」という言葉が、とても知られるようになりました、大きな災害で日をおかずに予期せぬ「誤嚥性肺炎」が悪さをしたとわかってからですね

さて、なぜ、パ・タ・カを特に申し上げたいか?というと動く箇所が、はっきり違うからです、特にこの三つ!

パは→唇の動き

タは→舌の前の方

カは→ ★舌の根 (実はこちらがとても重要です、衰えに気づきませんから・・)先ほどお話しした、「誤嚥」って喉のゴックンのところ「カ」の発音ですね!

なので、私はパ・タ・カ・ラ体操のついでに、「カ」をギャロップで発音したり、テンポを変えたり負荷もかけてやっています。パ・タ・ラに比べ「カ」の発音は本当に疲れますが、やらないでいると「できなくなるので!」お風呂での発語がお勧めですが、長風呂は危険ですから、のぼせないように、ほどほどに・・

危険と言えば、お風呂に入る前に「コップ一杯のお水を飲んでから!」もお伝えします。大事ですよ~!

 

 

奥歯のかみ合わせ悪いと死亡リスク大(大阪大の調査より)

副題・75歳以上18万人調査 入れ歯の状態も大切

75歳以上のお年寄りで、奥歯のかみ合わせが悪いほど、同じ期間内に死亡するリスクが高く、状態の悪い入れ歯を使ったり、入れ歯をしていなかったりする人は、リスクがさらに高まると、大阪大などの研究チームが、20万人近くを対象の調査で明らかにし、国際専門誌に発表した

高齢化に伴い、歯を失った高齢者は増えている、入れ歯は低下した食事機能を助け、健康維持に役立つと考えられているが、入れ歯の状態と死亡リスクの関連について、残る歯も考慮した大規模な追跡調査はこれまでなかった

研究チームは。大阪府歯科医師会等の協力を得て、同府内在住、2018~19年度に歯のチェックを受けた後期高齢者18万6893人を、平均3・2年にわたり追跡。
1万5955人が亡くなっていた

歯のかみ合わせは奥歯(16本)や前歯(12本)の状態から10パターンを想定。年齢・性別、高血圧や糖尿病、認知症などの有無、喫煙、肥満など、他のリスクの影響を取り除く手法で分析した

その結果
奥歯のかみ合わせが、1か所以上ない人が全体の7割近くを占め、かみ合わせパターンが悪くなるほど死亡リスクが高まり、奥歯のかみ合わせがすべてそろう人に比べて、最大1・83倍になった

一方、噛み合わせのパターンが同じでも、入れ歯の状態が悪かったり、入れ歯をしてなかったりする人は、入れ歯の状態が良い人に比べて、死亡リスクが高く!最大1・56倍となった

研究チームの豆野智昭・阪大助教(高齢者歯科学)は、入れ歯は、はめた時にガタついたり、食事の時に簡単に外れたりせず、汚れもない状態が望ましい。「奥歯のかみ合わせが少ない人が入れ歯を作ることは、食事を摂る上で重要であるばかりでなく、健康的な食事を介して、寿命の延長に繋がっている可能性を示せた。自分の歯を保つことに加え、歯を失った場合でも、”適合した入れ歯を使うことが大事”で、定期的に適切なメンテナンスやケアを受けてほしい」と呼びかけている

と言う記事でした。高齢になっても見事に8020を達成し、これからは8028を達成なさる高齢者もいるであろう昨今、でもでも残念ながら失った歯がある方も多い現実。昨今はインプラントばかりがもてはやされますが、上手な義歯に出会えれば摂食のチャンスは増えますし、もちろんご自分で手入れだけでなく、介護が必要になっても外して洗う、手入れをすることは可能です。
うっとおしいと嫌われがちな義歯(入れ歯)ですが、歯を失った後の選択肢に必要だと思われます。歯学部で義歯の授業が少なく関心も低いとも聞きますが、歯を失った後の選択肢の一つとして、歯科医師にも義歯(入れ歯)への関心と義歯製作技術への研鑽を望むばかりです「高齢になって入れ歯の手入れは誰が!どうするんだ・・」「入れ歯にも口と同じ細菌が付着するから,手入れ悪ければかえってリスクが増す!」との議論があるのも承知しておりますが、でも噛んで「食べる・食べられる」喜びは計り知れない大きなものです

この大阪大の調査を見ても、歯を失ったままにしないで、奥歯がある意味と噛み合わせの重要性をあらためて認識し、今一度!なくてはならない奥歯に光が当たりますようにと願うばかりです。食べられて手入れしやすい事を優先して。
さらに義歯製作が上手な、腕のいい歯科技工士さん達への応援と、更なる活躍も望まれます

折々のことば  3334

古いこと、昔から知られたこと、誰でも見て見落としてきたことを「はじめて発見されたように」見るということ      ニーチェ

これが「真に独創的な頭脳の持ち主を特徴づけるもの」だと、19世紀の哲学者は言う。同時代の誰もが当たり前のこととして前提にしている思考の初期設定、ないしはフォーマットを解除し、あらためて虚心で眺めると、事物はこれまでになかった相貌で立ち現れてくる。
      ”人間的な、あまりに人間的な”(浅井昌男・手塚耕哉訳)から。
                   

忘れな草 テノール佐野成宏さんを偲んで

忘れな草  Non ti scordar di me     ディクルティス作曲 
                                                                    フルノ作詞
                     訳詞:佐野成宏

寒く太陽もない私の国から つばめ達は去っていった
すみれの花咲く春と愛と幸福の巣を探し求めて
僕のいとしいつばめも去ってしまった
さよならも 別れの口づけもなく

僕を忘れないで
僕の人生は君と結ばれている
きみを いつももっと愛し続ける
夢の中には いつも君がいる

僕のことを忘れないで
僕の人生は君とずっと結ばれている
僕の心の中には君のための 愛の巣がいつもあるから
僕のことを忘れないで

 

2月18日、今日は佐野成宏さんのお誕生日。還暦をお迎えの予定でした。光り輝くテノールは飛び去ることなく、ずっと私たちの心にあります

※この曲を、佐野成宏さんの声を!初めて耳にし衝撃を受けたのは、日野原重明先生が立ち上げられた「癒しと安らぎの環境」フォーラムでのことでした
当時、医療施設等はともすれば、機能に重きを置くばかりに、患者さん方々にとっては無味乾燥な施設になりがちで、その頃ようやくクオリティ・オブ・ライフ(QOL)が重視されるようになりました。施設の環境も、癒される、あるいはやすらぎを得られる場であるべきではないのか、という意識が醸成されつつあった中発会し、この活動を普及させていく為、広報活動の一環として当フォーラムの名誉会長である日野原先生が総監修、当フォーラム実行委員・テノール歌手の佐野成宏さんのご厚意により出来上がった、チャリティのCD「幸福の歌」の中の一曲です
ピアノはあの河原忠之さん、指揮は佐藤正浩さん、音楽監修・編曲は大島ミチルさんという豪華メンバーの素晴らしい、祈念すべき貴重なCDとなりました

あいまい表現が生む「良い加減」

擬態語や擬音語、目分量。わかるようでわかりにくいお料理の言葉
あいまい表現編が紹介されていました。あいまいだからこそ、自分ならではの味ができるのかも・・・?

・ひたひた
食材が水や出汁などに9割方、つかっているような状態。
「かぶる」は食材全部がぎりぎり水面下にある状態

・少々
親指と人差し指でつまんだ量
一つまみより少なく、塩なら0・3~0・6㌘程度
少々は塩以外にもよく使う表現で、㌘で表しにくい、ごく少量を指す言葉

・とろ火
(最も弱い火加減。とろ火、弱火、中弱火、中火、強火の順に強くなる。とろ火~中弱火までは鍋底に炎は当たらない。強火は鍋底全体に炎が当たる

・ひとつまみ
親指、人さし指、中指の3本でつまんだ量。塩で使うことが多く、0・6~1㌘ほどで、幅がある。軽量スプーンで言えば小さじ10分の1~6分の1程度

・ぐらぐら・グツグツ
ぐらぐらは、水蒸気の大きな泡が至る所で上がり、激しく沸騰している状態。
グツグツは、煮物などを中火~強火で煮る時によく使う表現

・ふつふつ・コトコト
ふつふつは、鍋底のところどころから水蒸気の細かな泡が立ち上がる「微沸騰」が続いてる様子。コトコトはシチューなどを弱火でじっくり煮込んでいる様子

・耳たぶ位の硬さ(白玉団子作る時によく言われますね)
滑らかで軟らかだが、まとめた時の形を保ってくれるくらいの硬さ。白玉団子やうどんの生地の硬さの目安

・雪冷え
常温は「冷や」、冷やしたものは「冷酒」。冷酒のなかでも5度程度にキンキンに冷やすと「雪冷え」
10度くらいなら「花冷え」、15度くらいなら「涼冷え」

               監修=東京聖栄大教授・福留奈美さん
               協力=料理研究家・渡辺あき子さん

わ~っ難しい、普段何気にやってることも文字で書くとかえって難しい・・

そう言えば、先日よく行列出来ている洋菓子売り場が、珍しくすいてたので試しに買ってみようと、そこにいた少し年長の店員さんに「どんなお味なのですか?」と聞いたら、「甘じょっぱいんです」と。それですぐ想像できましたが、そういえば今「甘じょっぱい」って若い方言うかなぁ~と思いつつ買って食べたら、チーズの塩気にクリームのほろ甘い味がうまくマッチした、「甘じょっぱい」お味で人気が伺えました(関係ないかぁ~)

FAST! 知ってることが大事!

FAST!

朝テレビでやっていたので、慌てて見ました
このFAST 実は20年以上前から待合室の、患者さんが良くご覧になる新刊本の横に、目立つようにファイルで置いといたものでした
脳卒中の気配に気づく「サイン!」です

F →face  お顔のゆがみ

A →arm  腕
      両手を前に出し、どちらかの腕が下がらないかどうか
      

S →speech  スピーチ・ろれつが回らない
            言葉が出てこない・・などないか

T →time   時間  ①上記FASTの症状が見られれば、少しでも早い 
          対応が必要です
          躊躇せずに救急車です→その際、
          ②もう一つの「タイム」
          ★その症状が ”起きた時間のメモ” があると
                                    救急処置に大いに役立ちます

このような文面で、大きく書いたファイルを、どの新刊本より目立つ様においておきました。「変な歯医者ねぇ」とよく言われましたが「知っておくと、存外役立つことってある」が院長の口癖でした。特に脳卒中の類や、くも膜下出血では時間が勝負です

当院では、禁煙支援活動もしておりましたから、喫煙は脳卒中のリスクの一つでもあるので、皆様がちょっとでも知って、頭の隅にあれば・・と思っての事でした。お役に立つことなく、緊急性がなければそれに越したことありません
久しぶりにテレビで見て、「アッ脳卒中のFASTに違いない」と思い老婆心ながら書くことにしました

番組では、お一人住まいの方が救急車に電話しようにも、「119」が出てこない方・・の例も紹介され、日ごろ傍から携帯を離さずにとも言ってました

又、「仮面高血圧」の方も居られるので、血圧を自宅で測る際、座って測るほか、立って測ることもして、比較下さいとも言っていました、違いがあるんでしょう、その違いに日頃のサインがあるんですね・・

又★自分で小さいカードに、名前・生年月日・緊急連絡先・治療中の疾患・服薬・アレルギーの有無を書いて、お財布に入れておくのはどうでしょう?と医療者からの提案もありました、役立つこと大なり!★救急安心カードですと

ストレスフルな昨今にこの寒さ、しっかり食べて水分もとられ、睡眠を十分とって、体を労わってやりましょう

★★令和7年2月、急な寒さと地方によっては大雪の現在。あちこちの番組でヒートショックや、脳梗塞のサインなどやってましたので、このブログも再々掲載させて頂きました

・令和6年も再掲載しました(令和5年初掲載でしたが、梅雨が明け再びの猛暑に他局でも再び「FAST]やっていましたので再掲載させていただきました
救急車どうしよう・・と躊躇せず、#7119に電話!と案内されていました)

料理を哲学する

最近何かと話題提供の、料理研究家の土井善晴さん

「こんなんでいいの?」という意見もあると聞くが、土井さんだからこその「今の料理の提案」がすこぶる小気味よい

先日JーWAVEでのやりとりが紹介されていた
大学生からの質問「最近は指示さえすれば機械でも美味しいご飯ができます。作り手の気持ちはどのように味に影響するのでしょうか」に答えて・・
「私はね、気持ちが荒れているとあとから反省する食べ物ができてしまうんです。素材ゆうのは触れば触るほどストレスがかかる。丁寧ゆうのは時間をかけることではなくて、素材をいたわって料理をすれば随分違うものになるんです」

移ろう自然の、小さな変化を感じ取る日本人の心の話。和食とは何か、正月料理に見る「ハレとケ」、盛り付けの哲学など扱うテーマは多彩。「人間は賢いから料理したんと違うんです。料理をして人間になったんです」など含蓄ある言葉が心を刺激する・・と、相方のステキなクリス智子さんのフォローとともに、卵を溶く音、てんぷら油のカラッとした揚げ音、ボトルから水を注ぐ音が響く中での会話。想像するだけで、美味しそうでステキ!
料理を作る、食す人の心のありようをきちんと、しかし肩肘張らずに伝える番組と好評のようです
父上は日本料理、家庭料理の真髄を、善晴さんご自身もフレンチも極めてらしたからこその歯切れよい言葉は、普段のご飯を、限りなく、シンプルに美味しくするような気がして、つい関西弁につられて聞いちゃいますね

料理を通じて生き方論みたいでもあるようですが「社会で本当にエライ人も、台所では新人と思って心がけて下さい。わきまえることを知ってもらえたらいいわ」「優しくないとおいしいものはできないよね」って言いきっちゃうのが凄い

幅広いリスナー層の中で、意外にも10代、20代からのメッセージが多いとのこと、いいじゃない・・いいじゃない
丹精込めた一品をじっくり味わうがごとく、心で言葉を味わう楽しみが人気の理由かもしれないと伝えています
毎日のご飯、気持ちよくつくって大事にしよう・・っと、あらためて思います

4日は世界対がんデー

折々のことば 3329

       傷ついた人にはあらゆる人が遠ざかっていくように見える
                            安克昌

救護する側もされる側もみな傷ついている被災現場では、傷を負っていない外部の人が訪ねてくれることが大きな意味をもったと。阪神・淡路大震災時、現地で精神医療にあたった精神科医は言う。「見捨てられていない」と安心できたから。実際、被災直後は他府県のナンバープレートを付けた車を見るだけで心を熱くした被災者は多いと。
               ”心の傷を癒すということ” より

歌会始の儀「夢」

天皇、皇后両陛下に、皇族方も陪席された想像もつかない優雅な「歌会始の儀」
今年のお題の「夢」を詠まれた、新聞で紹介された一般入選者の歌が、それぞれにとても心に響きました

マエストロ小澤の夢はぐくみて楽都となれり山岳の街 
                  長野県 金井寛さん(77)

「戦争」の対義語は「夢」生徒らは班学習で言葉を探す 
                  新潟県 大堀みきさん(65)

まだ夢を見るのだらうか議事堂の壁に隠れたアンモナイトも 
                  埼玉県 吉田光男さん(60)

カーテンをあなたがあけて文鳥とわたしが同時に夢からさめる 
                  埼玉県 川崎ななせさん(31)

「実際に叶う程度にしておけ」とそんな夢など見たくないのだ
                  東京都 村木睦さん(23)

ペンだこに薄く墨汁染み込ませ掠れた夢と言う字を見てる
                  宮崎県 森山文結さん(16)

それぞれに情景が目に浮かび、一瞬別世界に飛んでいけるようで、圧倒されます。お若い方の瑞々しく大きな気持ちの吐露にハッともし、懐かしくも、いいなぁ~と羨ましく何度も文字を追いました・・

朗々とご披露される空気まで伝わって、不思議な幸福感にひたらせて頂きました

 

新年、脳トレはじめ・言いにくい言葉③  

懲りずに③・繰り返すと言いにくい言葉 です
(5回以上繰り返すと効果ありだそうです)たまげた!

・キツツキ ・狂牛病 ・午後5時55分55秒頃
・駒込 ・赤坂サカス ・炙りカルビ ・生ナマズ ・右目右耳
・肩たたき機 ・交響曲・歌曲・協奏曲

これで、新年早口言葉の猛ダッシュは終わり!です
継続は真なり~🌸(笑)お疲れさまでしたぁ
今年も皆様にいいことありますように
笑う門には福来る~!

 

小さな空   佐野成宏さん急逝の報を受けて 

小さな空  武満徹 作曲・作詞

青空みたら
綿のような雲が
悲しみをのせて
飛んでいった

※いたずらが過ぎて
 叱られて泣いた
 子どもの頃を憶いだした

夕空見たら
教会の窓の
ステンドグラスが
真赤に燃えてた

夜空をみたら
小さな星が
涙のように
光っていた

※くり返し

この歌をいつも歌って下さっていた、テノール歌手の佐野成宏さんが10日急逝されました。毎日宝物の彼のCDかけては涙が止まりません、エストレリータ、忘れな草・・。「あなたが好きだったのはA Vucchellaでしょ?」と知り合いに言われまた涙。
2000年、日野原先生の癒しと安らぎのフォーラム開始前、会場に流れる素晴らしい光り輝く歌声に圧倒され、受付け手続きも忘れて「このイタリア語も美しい歌手の方は、どなたですか?」とお聞きしたのが佐野成宏さんとのご縁の始まりでした。初めて追っかけのファンになりました
歌声だけでなく、お人柄にも惹かれるもの大なりでした。毎年お正月は、佐野さんのプライベートコンサートで、夫婦二人して心もうきうき幕を開け、日本に一台という縞模様のファツィオリのピアノとこの床は最高ですね・・と目の前で歌って下さる贅沢な時間でした。今年も豊かな良い年になりますように、と心新たにしたものです

経済大学で合唱していた時に、小林研一郎さんのお目に(お耳に)とまり、本格的に音楽への道に進まれました。その小林研一郎さんがピアノ弾かれ佐野さんが歌った夢のような日もありました。その日のLa danzaはすごくて腰抜かしました、たしか頼近美津子さんが司会をなさいました
そして、2009年和光市関係者のご理解ご協力、地元三師会、友人のお力拝借して、和光市サンアゼリア大ホールに、佐野成宏さんをお呼びすることが出来ました。オペラファンの方や、たくさんの皆様が佐野さんの光り輝くテノール・リリコを聴いて下さいました。患者さんの中には、マイク使わない声ってすごいんですね!と、小さいお子さんもご一緒に楽しんで下さいました
皆さまその節は有難うございました

その後ご出身地・駒ケ根で後進のご指導の為、町あげてのご協力を得て音楽コースも開かれ、東京音楽大学でも教えていらっしゃいました。いつでしたか?池袋でバッタリお目にかかったのが最後となりました

残念過ぎて言葉もなく、ただただ、光輝く美しいテノールを聴かせて下さってとても幸せな時間を頂戴したこと、あったかい方々がいつも佐野さんの周りにはいらしてご縁を頂戴したこと、そしていつもいい気持ちで聴かせて頂いて、それはそれは豊かな時間を頂戴したこと、あらためてお礼申し上げたいと思います。

ありがとうございました。佐野ちゃん♪
またお目にかかりましょう

 

新年、脳トレはじめ・言いにくいカタカナ言葉②

前回に続き言いにくい言葉シリーズ、お口まわりの筋トレと脳トレです
今回は②言いにくいカタカナ言葉、それ~っ!頑張って!

・ゴルバチョフ書記長 ・マサチューセッツ工科大学 
・シミュレーションシステム
・スリジャヤワルダナプラコッテ(スリランカの首都)
・エゾスジグロシロチョウ(シロチョウ科の蝶)
・メガスケパスマエリトロクラミス(中南米の原産の花)
・パキケファロサウルス(白亜紀の恐竜)

知らない言葉ばかりで、4番目のエゾスジグロシロチョウ迄はなんとか発語出来ました💦

偉そうに書いてますが、ここに書き出すだけでこちらも降参
ア~ッ疲れる~!
だけども頑張ってみましょうかね!

まるで地下鉄「遠回りな神経」の教訓

のんびりいいご気分のお正月、年明けは早口言葉でスタートしました。しかしながら新年早々今年もお餅の事故のニュース、「誤嚥」という言葉も随分知られるようになりました。
そこで誤嚥にも関係する「反回神経」→遠回りな神経!のいいお話し見つけたのでご紹介します

・まるで地下鉄「遠回りな神経」の教訓
私たちはとかく遠回りすることを嫌い、「効率」を重視し追い求めます。地図アプリを駆使し最短ルートを見つけ出そうと躍起になるのが常です。最短距離とは、現在地と目的地を直線で結んだルート。しかしそのような理想的な道路や鉄道は存在しません。とりわけ東京の地下鉄路線は迷路のように複雑で、駅によっては乗り換えに思いのほか時間を有します

こう考えていると脳神経の一種で、喉の筋肉を動かす役割りを担う「反回神経」を思い浮かべるのです。なぜ「反回神経」という名がついたか?それはこの神経が驚くほど遠回りな経路を辿っているからです。
脳と喉は10㌢ほどしか離れていないのに、反回神経はなんと胸部まで伸び、心臓付近の血管を巡ってから、Uターンして喉に戻ってきます、非効率極まりない配線です。なのでこの神経が正常に機能しないと、声が嗄れたり、呼吸困難や誤嚥と言った深刻な症状を引き起こすのです。

謎めいた反回神経の経路の秘密は進化の歴史にあります。
反回神経は、原始的な魚類だった頃に、鰓(えら)を制御するために発達した神経。脳と鰓は、どちらも心臓の近くに位置し、両者を直線で結ぶと、心臓から出た血管の後ろを通ることになります。ところが生物が進化するにつれて、脳は徐々に大きくなり、これに伴い脳と喉は心臓から離れていきました。もはや後の祭り。反回神経の奇妙な経路は、まるで東京の地下鉄の経路のように今日まで受け継がれています、

ヒトの体はまだましで、首の長いキリンでは、更に悲惨なことになっていて、キリンの反回神経の長さはなんと5㍍にも達します。よくキリンが水を飲むシーンで前足を横にぐーっと広げて首を水面に近づけて飲む絵をご覧になった方も居られるでしょう、不自由そうですよね。首の長い恐竜においては事態はより深刻で、反回神経は28㍍だったそうです。想像できませんね・・。

話が飛び過ぎました。そういうわけで喉の筋肉を動かす反回神経の遠回りな経路を知ったら、我々生物は、必ずしも効率的に設計されているわけではないと理解して、うまく機能するようにちょっとの工夫や努力がいるようです
          脳研究者・池谷裕二の「全知全能 連載76」より

感謝の特等席

昨年暮れ、ノルウェー・オスロで開かれたノーベル平和賞の受賞式に出席した、日本原水爆被害者団体協議会の代表団のニュースは、皆様ご存じでらしたと思います。ご高齢の皆様が行きの長旅にもかかわらず、立派なご挨拶をされ、時折原稿を修正なさりながらの見事な演説に、心揺さぶられた方も多かったのではないでしょうか・・

その授賞式に向かわれた被団協の80~90代の代表委員3人が行きの便でエコノミークラスだと知った、長年客室乗務員を務める方が「ハードなスケジュールの中、分刻みで動いてきた高齢の方々にとって、10時間以上のフライトは大変だ」と帰国便の担当となった折、帰りもエコノミークラスと知り、ビジネスクラスに少し空きがあることを知って、初めて最高責任者に直接メールを送ったそうです。「高齢の方たちなので、何とかなりませんでしょうか」
帰国直前にCEOに送ったメールに返信も期待していなかったが、程なくメールが帰ってきて「素晴らしいアイディアだと思う。喜んでサポートします。搭乗者の名前を教えて欲しい」帰国便で3人はビジネスクラスになった・・
長年客室乗務員勤めるこの方は、母親の戦時中の疎開体験を聞いたり、被爆地の長崎を訪れて被爆の実情を見たりしてきた
「苦しい思いをされたにもかかわらず、一生涯かけて活動を続けてこられた」

北欧から羽田に到着したスカンジナビア航空(SAS)の機内に、13日朝、伝えたかった気持ちを到着時のアナウンスに添えて日本語で読み上げたそうです

「苦しい思いをされたにもかかわらず、これまで生涯をかけて行ってきた、そしてこれからも続けていくであろう貴重な活動に対し、深く感謝すると同時に、核兵器も戦争もない平和な世界が一日も早く訪れますよう、心よりお祈り申し上げます。これからも平和への声を上げ続けて下さい。乗務員一同皆様のご健康とご多幸をお祈り申しげます」
機内は温かい拍手に包まれた・・とありました
到着ロビーに車いすで出てらした方もおいででした。長いご活動に感謝と尊敬の心あふれ、きめ細かい機に敏なご対応に拍手するとともに、記事を読んでこちらもあったかい気持ちになりました。ステキなお話伺いました。

折々のことば 3280 器量

器はまだ空っぽなのに、期待というものがすでに盛られているのを感じます
                           石垣りん

瀬戸物売り場をのぞいていると、何かを誰かと食べる情景を想像し、心が浮き立つと詩人は言う。土が焼かれて品になるところが、焼かれて土になる人間と逆コースながら似ていて、肌身に近いところがあるし、人の徳分や、みめかたちを表す語が「器量」であることも面白いと。人の器量はその容量に表れ出るらしく、「懐が深い」ともいう。随筆集「焔にてをかざして」から

 

新年、脳トレはじめ・言いにくい言葉①

あけましておめでとうございます
本年も、それなりに楽しく、面白がっていきたいと思います。時には真面目に・・です。宜しくお願いいたします。

さてさて、ゆったり9連休の方もいらっしゃるとか?寛がれてることでしょう
お口元、ダラリンとしていませんか?お腹の周りもぷっくりダラリンとしてませんか?お口まわりのストレッチは、腹筋も使うので、何かと宜しいようですよ
まぁ聞いて下さい。口だけ動かせばいい(らくちん)脳トレです。

最近会話の途中でよく”かむ”ようになったあなた、原因は口や舌の筋肉や脳の衰えらしいです。放っておくと認知機能やらに影響する可能性も言われています、大変大変・・!
そこで!おすすめするのが、以前よりここでもご案内している”早口言葉”です
食べて飲んでばかりいないでぇ~!ごろんごろんしてないでレッツ・トライ!

☆彡言いにくい熟語

★老若男女 ★手術中 ★骨粗しょう症 ★生活必需品 ★来場者数 
★取捨選択 ★事情聴取 ★高所得者層 ★派出所 ★初出場 ★魔術師
★著作者 ★車窓清掃 ★新車車両 ★消費者庁 ★古美術商 
★商標法違反 ★環境保護規制法 ★地域経済活性化政策 ★営業所所長職務
★左折専用車線 ★消火装置設置業者 
★高架橋橋脚下(こうかきょうきょうきゃくした)

おいしいお餅や、普段より噛み応えのあるおせち料理の数々のあと、いじわるな早口言葉では顎(あご)が更に疲れますよねェ~!
懲りずに頑張って発音していると、早口言葉も出来るようになります。動かさないと動かない、ダラリンちょ!の口の周りの筋肉をウエイクアップ!!

今年もお元気に、「笑う門には福来たる」
デーケン先生流に「にもかかわらず笑う!」🌸
面白がってまいりましょう!

巳年ですから、脱皮~!
ダッピイー・ニュー・イヤー!?

折々のことば 3282

「あそこに仮設住宅が建つのに、なんで3カ月から6カ月かかるの?大学の先生だったら来週建ててよ!」 宮城県石巻市の小学生

東日本大震災後に訪れた避難所で小学生にこう問い詰められ、建築家・北川啓介はそれを機に短時間で組み立てられるインスタントハウスの研究に取りかかった。美しい建築よりも先ずは子どもらの想いに応えるものをと。能登半島地震の際も、行政の要請も待たずに現地入りし10棟設置したという。ホームページ「北川啓介研究室」から。2024・12・3

子どもの素直な声に聴く耳もって、応えようとする方がいる。なのにああじゃないこうじゃない・・と妙な段取りや、つまらないメンツやらなにやら、理解しがたいものが右往左往する国日本。イザッという時に動けるようにするには、普段の生活にもっと目をとめ、実情をよく見て、子どもの素直な声にも耳を傾け、頭やわらくして考え対応する大人でないといけないなぁ・・

そう言えばかつて日医大の癒しの環境研究会で学ばせて頂いていた時、阪神大震災の時だったと思うが、初めて「段ボールベッド」が紹介され、皆驚きを持ってウエルカムしたものだった。今ではかなり普及していると聞くも、被災地の様子を伺うと相変わらず体育館の冷たい床にごろ寝してらっしゃるのを散見する。急な災害に遭遇して、寝る所もままならない様子を目にするたび、この小学生の見つめる目を!声を!真摯に受け止めないといけないと強く思い、このような点に最初に光を当てる国であってほしい、ありたいなぁと強く思う

もうすぐあのお元日の地震から一年になる。続いての水害。被害にあわれた方々の生活の再建が進まれんこと、ご家族のご健康、安寧を願わずにいられない

思いつき、つぶやきの数々、この一年も拙い文におつきあい下さり有難うございました
寒さ増します折、インフルエンザも流行っております。どうぞ皆さま、おからだ専一になさって、良いお年をお迎えくださいませ
皆さまのお幸せと安寧を、お祈り申し上げます

 

チンパンジーも人の目を気にする?

この6月28日「オランウータン薬草使い治療?」とスマトラ島に住む「ラクス」というオランウータンが自ら薬草を使い顔の傷に塗って治療する話を紹介しました

そしたら今度は、チンパンジーが多くの観客が居ると、能力を高く発揮したり。逆にミスを連発したりするらしい、と京大ヒト行動進化研究センターのチンパンジーが、数字課題に挑んだ記録を分析した結果から判明したようです
普段から接している実験者が多いほど難しい課題では成績が上がったが、簡単な課題では成績が下がったとか

このチームの山本真也准教授は、「チンパンジーにも”観衆効果”が一定程度みられることを実証できた。今後探求したい・・と。

人間は観衆の存在によってパフォーマンスが大きく影響されることがある。多くの観客が詰めかけて野球場で、調子を上げる選手もいれば、逆にプレッシャーに負けて力を発揮関内選手もいる、これが「観衆効果」

人間に一番近いチンパンジーでも観衆効果があるかを調べるため、6頭のチンパンジーが2009年から2015年まで数字課題に挑んだ計9219セッションの成績と、その時の見学者の種類や数との関係を分析しました結果、最も難しい課題では、チンパンジーにとって最も近い存在である実験者の数が多いほど、正答率が向上したそうです。

一方、最も簡単な課題では、実験者が多いほど、正答率が下がった、実験者が一人増えるごとに正答率が6~11%低下する計算となった
見知らぬ見学者に対しては、成績に統計上の変化は見られなかったそうです

「人間の場合、仲間内に見られていると、自分の評価が気になる、チンパンジーも顔見知りか見知らぬ人かを見分けていて、何らかの心理的な変化が起こったのかもしれないとと推測しているとのことです
観客多いと能力発揮したり、ミス連発したり・・、仲間内に見られていると自分の評価が気になる・・親近感ありますねぇ

そんなぁ・・

笑っちゃう話をふたつ・・(ある新聞の投書)

☆彡英語の英
友人の英子さんが電話で住所と氏名を聞かれたとき、「えい子はどんな字を書くのか」と尋ねられ「英語の英です」と伝えたところ、しばらくして送られてきた宛名を見てビックリ!
「A子様」となっていた(笑)大阪府76歳→笑っちゃいますね。しかしながらまず今の世の中怖いですから、やたらに電話で教えちゃダメです。これ大事!

☆彡「ま」抜け
街路沿いの花壇に「すいません」と書かれたプレートが刺さっていた。何を謝っているのか、とよく見ると「すいせん」だった。奈良市・25歳→すぐ視力検査を

 

ことばあそびうた🌸また

谷川俊太郎さんの詩・瀬川康男さんの絵・福音館書店刊です

かってくった

いたかったら
いたかった
いたくったが
いたくはなかった

かゆかったら
かゆかった
かゆくったが
かゆくはなかった

うまかったら
うまかった
うまくったが
うまくはなかった

くさかったら
くさかった
くさくったが
くさくはなかった

 

ほっとけ    いつかご紹介済みのをもう一度

いけはほっとけ
こけははっとけ
たけはきっとけ
おけはおいとけ

つけはほっとけ
ふけはとっとけ
はけはほしとけ
かけはまけとけ

ごけはほっとけ
みけはかっとけ
さけはさけとけ
やけはやめとけ

     もう、ほんとに!フフフ・・

リハビリは人間の尊厳の回復である・多田富雄さん2006年

この9月に折々のことば3088・多田富雄さんの言葉を紹介しました。その中に、以前私たちが予防歯科発会の折、基調講演として免疫の第一人者でおられた多田富雄先生の難しいお話しに戸惑いながらも、「サイトカイン」という言葉だけは覚えていて、先ごろのコロナ蔓延でサイトカインストームという言葉に触れ、「あの時のあれだ!」と感じ入ったと書きました。またその後多田先生は脳梗塞患われ、専門部署にご意見申し述べたことを知りその内容知って尊敬申し上げたとも書きました。その記事が見つかったので遥か18年前のものですが、ご紹介したいと思います

・診療報酬改定、リハビリ中止は死の宣告  多田富雄 東京大名誉教授         2006年朝日新聞オピニオンより

私は脳梗塞の後遺症で、重度の右半身まひに言語障害、嚥下障害などで物も満足に食べられない。もう4年になるが、リハビリを続けたお陰で、何とか左手だけでパソコンを打ち、人間らしい文筆生活を送っている。

ところがこの3月末、突然医師から今回の診療報酬改定(2006年)で、医療保険の対象としては一部の疾患を除いて障害者のリハビリが発症後180日を上限として、実施できなくなったと宣告された。私は当然リハビリを受けることができないことになる。
私の場合は、もう急性期のように目立った回復は望めないが、それ以上機能低下を起こせば動けなくなってしまう。昨年別な病気で3週間ほどリハビリを休んだら、以前は50㍍は歩けたのに、立ち上がる事すら難しくなった。身体機能はリハビリをちょっと怠ると瞬く間に低下することを思い知らされた。これ以上低下すれば、寝たきり老人になるほかはない。その先はお定まりの衰弱死だ。私はリハビリを早期に再開したので、今も少しづつ運動機能は回復している。

ところが、今回の改訂(2006年)である。私と同様に180日を過ぎた慢性期、維持期の患者でもリハビリに精を出して居る患者は少なくない。それ以上機能が低下しないよう、不自由な体に鞭打って苦しい訓練に汗を流しているのだ。そういう人がリハビリを拒否されたら、すぐに廃人になることは、火を見るより明らかである。今回の改訂(2006年)は、「障害が180日で回復しなかったら死ね」というのも同じことである。実際の現場で、障害者の訓練をしている理学療法士の細井匠さんも「何人が命を落とすのか」と3月25日に書いている。ある都立病院では,約8割の患者がリハビリを受けられなくなるという。リハビリ外来が崩壊する危機があるのだ。
私はその病院で言語療法を受けている。こちらはもっと深刻だ。構音障害が運動マヒより回復が遅いことは医師なら誰でも知っている。1年経ってやっと少し声が出るようになる。もし180日で打ち切られれば一生話せなくなってしまう。口蓋裂の子どもなどにはもっと残酷である。この子らを半年で放り出すのは、一生喋るなというようなものだ、言語障害者のグループ指導などできなくなる。

身体機能の維持は、寝たきり老人を防ぎ、医療費を抑制する予防医学にもなっている。医療費の抑制を目的とするなら逆行した措置である。
それとも、障害者の権利を削って医療費を稼ぐというなら、障害者の為のスペースを商業施設に流用した東横インより悪質である。

何よりも、リハビリに対する考え方が間違っている。リハビリは単なる機能回復ではない。社会復帰を含めた、人間の尊厳の回復である。話すことも直立二足歩行も基本的人権に属する。それを奪う改定は、人間の尊厳を踏みにじることになる。そのことに気づいて欲しい。
今回の改訂によって、何人の患者が社会から脱落し、尊厳を失い、命を落とすことになるか。そして一番弱い障害者に「死ね」と言わんばかりの制度を作る国が、どうして「福祉国家」といえるのであろうか。

以上2006年4月8日朝日新聞オピニオンより
多田富雄 1034年生まれ。医学博士(免疫学)「生命の意味論」「独酌余滴」   等著書多数。

脳梗塞の後遺症と闘いながら、ご自身だけでなく人々のことを考え、人間の尊厳に言及し、国の策を憂いてこのような発信なさったことに頭を垂れます
この20年近い間に、病に伏す方々に光は当たるようになったのでしょうか?先日引用しご紹介した「医のアート」にも、医療はプリンシプルと現実のハーモ二イ、かみ合い。プリンシプルを立てる。そのプリンシプルを適用する時はいつもインディビジュアル(個別的)と1997年日野原先生、犬養道子さん共著の本にもありました(先月23・24・25日ご紹介しました)

体幹の大事さ みんな共通

長野五輪メダリストの清水宏保さん
最近はパラアスリートの方々との交流が増えてらっしゃると聞きます。今年のパリパラオリンピックでの選手の皆さんすばらしかったですね。深夜の放送でしたが時間忘れて応援してしまいました

清水さんおっしゃるには、体をひねることで、スピードやパワーが生まれるそうです。パラのトップアスリートは、手や足の動きが不自由なことが多い分、このひねりへの意識が高く言い方を変えると、体幹が強いのだそうです

体幹の強さは、パラアスリートだけでなく、健常者にも必要です。それはアスリートに限ったことではありません。一般の方にも、そして高齢者にも必要だと言っておられます
体幹と言うと、腹筋をイメージする人が多いと思うが、清水さんが大事だと思うのは、肋骨と肋骨の間にある肋間筋だと

椅子に座った状態で、自分の体ななめ後ろに45度ひねってみて下さいと。
その時に引っ張られる感じがするところが、肋間筋だそうです。あばら骨の間に筋肉があるそうです。多くのパラアスリートの活躍の秘訣は、ここにありそうだとおっしゃっています

この筋肉を鍛えると、たとえば転びそうになった時、バランスをうまくとれるようになります!の言葉に私も刺激されました。座った状態で出来るので、気楽にできそうです

パラアスリートを知ることは、高齢者の方々に分かりやすく体の使い方を伝えるヒントになる、そんなことを気づかされていますと言う記事に、アスリート清水さんのやさしい眼差しを感じました。これならやれそうです
「転んだら終わりよ!」私のそんな毎日に、いいこと伺いました♪
やってみましょう!

一生懸命だと

一生懸命だと 知恵が出る

中途半端だと 愚痴が出る

いい加減だと 言い訳が出る

そうだった・・そうだった、わかっちゃいるけどなんとか・な私
そう言えば、前にもここに同じ事書いたかも・・💦(言い訳)

ひとはどう生き、どう死ぬのか 日野原重明・犬養道子「医学はアート」③

②より続く(以下犬養道子氏・日野原重明氏 以下敬称略)

日野原・それを科学が補強するんです。それで、ウイリアム・オスラーがいったことは、「メディシン・イズ・アン・アート・ベイスド・オン・サイエンス」。医学はサイエンスに支えられたアートであるといったのです。論文を書く時にはどうしてもサイエンスが前面に出ないと格好がつかないから、論文ばかり書くのに熱中してると、臨床が出来ない医者やナースができてしまうことになる。そのときには、ケアがおろそかになってしまうんです。

犬養・英語にビー・ケアフルという言葉がありますね。

日野原・ええ。

犬養・ケアフルというのは、たとえば、子供相手にだって使うわけでしょう。ケアという言葉は、この聖路加看護大学の新館の磁石に書かれている言葉に通じるものでしょう。「愛」というとちょっと日本人にはピンと来ないかもしれないけれど、昔の言葉でいえば「御大切」なのよね。切支丹は「愛」を「御大切」と呼んでいました。

日野原・そうですね。

犬養・他人さま(ひとさま)に対しての「御大切」ということを考えれば、全部ケース・バイ・ケースになりますね。そこに一つのプリンシプル(原則)も通る。むしろプリンシプルの上に立つ、といった方が良いと思いますが、プリンシプルと現実との二つのハーモ二イというか、かみ合いでしょう。これが、いつか、いつの時代でも私は、人間のリアリティだと思います。

日野原・プリンシプルを立てる。そのプリンシプルを適用するときは、いつもインディビジュアル(個別的)。

犬養・そのとおり。

日野原・人によって違う、相手によって違う、時期によって違う、タイミングも違う。例えばガン患者にインフォームド・コンセントを得る時にも、何でもすぐにほんとうのことをいうのではなく、その人が受け入れられる態勢にあるかどうかをよく打診した上、タイミングよく情報を与えるに適切な表現の言葉を考える必要がある。

犬養・そうそう。

日野原・しかもステップ・バイ・ステップなんです。そういうことを考えることがアートの中に入って来る。

犬養・そうです。それがアートであるためには、その人がやっぱり人間としてまず成熟しなくてはいけない。

日野原・ところが、いま、日本でお医者さんになる医学生の入学選考には、偏差値のことばかり考えなければいけないから大変なんです。教養(リベラル・アーツ)をなくし、楽しい若い日の生活を犠牲にして進級させているところが多いのです。高校をでて、医学校に入って、二年、それから四年の、六年勉強しなければならない。
アメリカは、リベラル・アーツでもサイエンスでもいいから、何でもいいから大学を出なさいとなっている。出てから本当に医療にいきたい人は医学に進めばいいのです。医学はすべての教養がすんでから。
日本で医学部に入った若者には、ヒューマン・タッチなんかまるでわからないですよ。だけど、いま日本でも、自分はソーシャル・ワーカーになって病院にいったけど、お医者さんの行動を見て、やっぱり医者になりたいと思って医学部に入るとか、小学校の先生をしてたけど、医者になりたいから医学部に入るとかの人が出てきた。大人になってから医学をやりたいという方が本物かもしれないですね。ハーバードの医学校に入る学生は、みんなちょっと歳が言ってるんだそうです。そういうキャリアのある人を面接で医学生としてとるというんです。そのような受験者には動機づけがあるから。

犬養・ベッドで寝ている、苦しんでる人の事はわからない、人間的に成熟しないかぎり。
欧米が全ていいというのではないけれど、自分の体験からして、日本はもっとアメリカとかヨーロッパのやり方を謙虚に取り入れる必要がありますね。それは崇拝とか西欧一点張りとかとはまったく違います。アメリカ・ヨーロッパには、もっとヒューマンなものがあるのですから。

日野原・そうです。

犬養・もし人間としてのタッチがあるならば、この人の御一生というものを御大切にして、死期が迫っているということをどういうふうにいうかを真剣に考えることができる。一人の人の一生のけじめをつけてあげる。そのときにはモルヒネを使っても言い、家に帰してあげてもいい。

日野原・患者を介抱するとはどういうことかを、正岡子規が「病床六尺」に書いています。「看護とは」「介抱とは」と書いているんです。精神的看護と形成的看護の二つがある。精神的な看護がないと、形式的だけではだめだと正岡子規は書いているんです。それから、夏目漱石も「思ひ出す事など」の中に、「私は昼、夜を通して看護をしてもらって、吐血から助かった。私は病むことによって生き返った。これからは善人になろうと決心した」というようなことを書いているんです。

犬養・いい言葉ですねぇ。

日野原・ケアをうけた病の体験が漱石を変えたんですね。こんなに若い女性が自分の介抱のために挺身してくれたということに感動して居る。
それから、そういうケアのことは福沢諭吉も「教育論」の中に書いています。

以上「人はどう生き、どう死ぬのか」第一部・医学はアートより抜粋・日野原重明・犬養道子著 1997年発行岩波書店

ひとはどう生き どう死ぬのか 日野原重明・犬養道子「医学はアート」②

①より続く(犬養道子氏・日野原重明氏 以下敬称略)

日野原・日本においては特にそうですよ。これは医学の専門家が一般の人々や患者に情報を提供しないから批評が出来ないんです。ところが、芸術は聴いた人や見た人のアートの批判力が育つような雰囲気が出来てきたわけです。だから、私はいまの日本にもう一度医術を、すなわち医の臨床のアートが一般の人から批判を受けて、そのことで医術を進歩させたいのです。
さて、医の臨床の術には、その基礎にハイサイエンスとハイテクノロジーの科学が必要です。そこで病む人間にサイエンスとテクノロジーをどうタッチさせるかという技がアートなんですよ。ところが、いまは、タッチをしないで、サイエンスとテクノロジーをとにかく患者に与えればよいとなっている。誰にでも同じことを無差別に与えるような乱暴なことをして、受ける人がどんなフィーリングを持つかということを考えない。うけ手の事情を考えないで、ただただ与える。

犬養・いま、先生はタッチと言う言葉をお使いになったけれど、もっと単純な日本語で言うと「手当」ですよね。

日野原・はい。そう。

犬養・そして、手当てをするときには、相手がやけどをしている人とやけどをしてない人では、手の当て方が違う。

日野原・そうです。

犬養・だから、非常に素朴な次元においても、日本にはさっきおっしゃったような考えはあったわけです。ところが、いまは「手当て」ではなくなってきているのではないかしら。

日野原・日本で「看護」という言葉の前にあったのは、「介抱」という言葉です。

犬養・そうそう。

日野原・まず「介抱する」という言葉があるんです。その介抱と手当てをどう英語に訳すかと言うと「ケア」なんです。看護婦さんがやる場合には、ナーシングケア、医者がやる場合にはメディカル・ケア。この「ケア」という言葉はまさに「テイク・グッド・ケア・オブ・ユア・セルフ」。あなた自身があなたの体をコントロールして、健康になって下さいと言うことなんです。そのケアという言葉は1920年頃から医療界に出てきました。
それまではそういう言葉はなかったのを、ピボディと言うボストンのハーバードの医学校の教授が、医療で大切なことは患者へのケアだということを「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」という医学雑誌に論文書いたんです。それが最初。
ナースの方はそれからさらに遅れて、ナーシング・ケアという言葉が使われ始めた。日本では看護と言うと、看護大学の先生たちは、看護学と言ってくれと言うんですが(笑)、看護と言うのは、ケアそのものでしょう。

犬養・その通りです。「学」では困るんです。(③に続く)

 

ひとはどう生き、どう死ぬのか 日野原重明・犬養道子「医学はアート」①

1997年6月出版されたこの本は、当時衝撃的で、折に触れ開いては、ため息つきながら大事に読んで参りました、この本の企画は犬養道子さんが思いつかれたと日野原先生があとがきに書いておられます
ハイデッカーの言う「最期の死への挑戦」であり、老人にとっては、ヘルマン・ヘッセの言った「老いへの成熟」の姿だろうと。ここに取り上げられた問題のいくつかが、読者諸氏により、解決を早急に要する現実の問題として広く取り上げれればよいと思うとあり、特に医と医療をめぐる問題のいくつかが、深く掘り下げられて考えられ良い方向に変えられることを願ってやまない・・ともあります

僭越ですが、この中の第一部・医と医療をめぐる対話に「医学はアート」があり、その部分の抜粋を三回にわけてここにご紹介いたします。1997年のものです

医学はアート①(以下犬養道子さんは犬養・日野原重明先生は日野原と敬省略)

犬養・今日の対談のテーマではないのですけれど、「医と医療と医学」が総合して初めて「全人的」になると思います。そして、繰り返しになりますが、患者はみんなユニークな、個別的な人間であるということです

日野原・ヘルスと言う言葉は、古いアングロサクソンの言葉(古代英語)では、ホール(hal)からきてるそうです。halと言うのはwell(健康な)という意味です。それが中世ではhelthとなり、近代英語ではhealthとなったと言われます。またこのhalからwhole(全体)やholy(聖なる)という言葉がつくられたとのことです。ヘルスというのは臓器一つの事ではない、手の一本ではない。そこには全体がある。心と体を含む全体と言うのが、ヘルスすなわち健康の一番の語意なんです。
いま、あなたは、医と医療と医学と言われたんですが、日本でもともと一番ポピュラーだった医に関する言葉は医術です。医術は医のアートの事です。

犬養・そのとおりです。

日野原・医学部と言うための医学という言葉はあったけれど、医術と言うのが一般的だった。

犬養・術と言うのはいいですね。

日野原・そのうちに術を使わなくなって、医学一点張りになった。英語ではメディシンと言う言葉が最初にあった。薬もメディシン、医学もメディシン。さらにそれが科学的になってくると、メディカル・サイエンスと言う言葉ができてきた。それでもギリシャのころから、西洋には、医術と同じような言葉があって、それがアート・オブ・メディシンです。いや、正確に言うと、「アート・オブ・プラクティス・オブ・メディシン」。多くのアートがギリシャにあった、絵のアート、音楽のアート。医のアートもその一つだったんです。
アートは批評を伴うものです。音楽は批評され、絵も批評される。だから音楽や絵画は進歩する。音楽家のパフォーマンスも上手になっていく。

ところが、二千五百年前にギリシャの医術の祖と言われたヒポクラテスは、世の中には多くのアートがある中で、アート・オブ・メディシンが一番貧困だと言ったのです。なぜならば、他のアートは批評家を作ってきた。自分は弾かなくても、聞く耳を持ってる人がいた。これはすごい絵だと、見る目を持っている人がいた。そういう芸術はそれぞれ批評家を育ててきた。ところが、医のアートは、受診者にあまり情報を提供しなかったから、批評する能力のある人が育たなかった。それで医術の発展がプアだったと言ってるんです。

犬養・なるほど。

日野原・それが今でもずーっと続いてる。医療は何度も反省されてきたんだけれども、なかなか改善されない。日本においては特にそうですよ。(②につづく)

谷川俊太郎さん

真っ青な空に銀杏の黄色も美しい日に、谷川俊太郎さん死去のニュースが飛び込んできた。一昨日、月一回の書下ろしの詩が掲載され、読んだ私は胸騒ぎをおぼえたばかりでした・・

感謝

目が覚める
庭の紅葉が見える
昨日を思い出す
まだ生きてるんだ

今日は昨日のつづき
だけでいいと思う
何かをする気はない

どこも痛くない
痒くもないのに感謝
いったい誰に?

神に?
世界に? 宇宙に?
分からないが
感謝の念だけは残る   

     「どこからか言葉が」谷川俊太郎 11月17日朝日新聞掲載

 

・以前、このブログに武満徹のPOPSONGS、石川セリ歌唱のCDから「翼」ご紹介しました。そのCDには谷川俊太郎さんの「死んだ男の残したものは」「恋のかくれんぼ」「見えないこども」の他、この歌ものっていて大好きな一曲です。ご逝去を知って谷川さんのこの歌を辿りながら ファンとして私もたくさんの感謝を捧げたいと思います。

うたうだけ

むずかしいことばは
いらないの
かなしいときには
うたうだけ
うたうと、うたうと、うたうと
かなしみはふくれる
ふうせんのように
それが わたしの よろこび

なぐさめのことばは
いらないの
かなしいときには
うたうだけ
うたうと、うたうと、うたうと
かなしみはふくれる
ふうせんのように
それが わたしの よろこび

アゲハの遺伝・10歳の昆虫博士の話

びっくりしたぁ~と言うより、たまげた!というのがふさわしいかも・・だって
小学校5年生の男の子が、国際昆虫会議でポスター発表し、英語で質問に答えてる!この小学生可愛い!すごいー!

長井丈君10歳・神戸の小学5年生
何でも「アゲハの幼虫の記憶は、成虫やその子孫に遺伝するのか?」がテーマの研究だとか・・

もとはと言えば、レモンの木にアゲハが卵を産み、幼虫からサナギになるのに死んでしまうという経験から関心持ったらしい・・
アレっ?誰かの話に似てるなぁ~。

と言うのも、以前診療室のベランダに、食べたグレープフルーツの芽が出てる種を植えたことがあり、芽が伸びて枝ぶりも立派な鉢植えとなり、気がつけば黒い糞のようなものが沢山あって、それがあっという間に青虫になり子供たちが面白がっていました。青虫に葉っぱ食べられて、グレープフルーツの木は裸ん坊になりそうこうしてるうちに、壁に幼いアゲハが、飛び立つ練習をしているのを見守った経験を思い出したからでした・・

この丈君は、それでは終わらない・・
一年生の時、僕とチョウチョの35日間というレポートをし
二年生では、アゲハの過齢幼虫(5~6回も脱皮)の大発見をし
三年生では、育てた蝶を離しても自分の周りを飛んでくれるが、野生の捕まえた蝶は自分の周りを飛んでくれない、なんでだろうの疑問持ち、記憶では!と思って、幼虫の時にラベンダーの匂いをかがせ、触る代わりに低周波をあてて記憶するようにしてみた!と。スゴイ~!

その理由がおもしろい。ママが片頭痛で、僕もそう、おばあちゃんもそうなんだよ・・と。アゲハを1世代から3世代まで飼育し、交尾させ研究に励んだらしい・・スゴ過ぎて言葉がありません

幼虫時に、ラベンダーの匂いと低周波をあて、嫌な事がある!と記憶させた結果、成虫の68%とその子孫もラベンダーの匂いを避けたそうです
その結果、アゲハも記憶は遺伝すると思うと結論付け、幼虫も可愛いけれど、成虫に遺伝するとわかってもっと好きになりました・・とにっこにこ笑顔でした

将来は生物学者になりたい、困ってる動物や人間を助けたいんです・・と、どこまでも目がキラキラ笑顔の丈君でした
最期にママが出られて、実験装置などお手伝いしたんですか?の質問に答えて「百均に連れてって、本人に考えさせ、自分で作るように促しただけ・・」とサラリとお答えになりました、拍手!

追記・何故あえて蝶の話題と思いましたが、最近よく、と言うより、今まで気づいてなかっただけかもですが、何かの時に「アレっ?蝶々だ」とアゲハが近くを舞うのに遭遇することがあり、友人にも「アゲハが来てるよ」と指摘されることも多くて、なんだか最近アゲハとご縁があるなぁ、不思議だなぁと思っていたので余計この丈君の着眼点と、10歳の素直な気持ちが繋がった研究に驚きながら、親近感持ったことでした
将来の生物学者目指して、丈君頑張って下さい!

滑舌体操に 若隆景

超高齢化社会の日本 
認知症予防には・・何々を食べる・・、毎日1000歩歩く!腸内細菌・・云々、テレビでも新聞でも、雑誌でもあ~ぁ忙しい・・!
唯一私の続けてること、早口言葉です、それも決まったものだけですが、よく
このブログにも書かせて頂くので、皆さま呆れておられるかもしれません、言うほどはやってないのです、ええ加減がいい加減だと勝手に思っている私

それでも何年前!?この「若隆景」がテレビに出た時にはビックリしました。なぜってアナウンサーが言い難そうにしてましたからねぇ(笑)
思わず「何?」って見ちゃいましたし、自分で言ってみて「こりゃアナウンサー泣かせだわ」と思ったものです
なので、日に一回実践のパタカラ体操(滑舌予防)に「若隆景」を加えてみました。難しいわぁ、こりゃアナウンサー泣かせというより、イジメかもです

そしたらこの度届いた九州場所番付表みて、東西の上から順に発音してみたら、「若隆景」どころか難しい四股名のオンパレード!
「一山本」「錦木」「錦フジ」「尊富士」・・

「美ノ海(ちゅらのうみ)」を「チラのうみ」と発音した自分に笑っちゃいました。こんな身近にいい教材があったんだぁ~と上から順に読むことにしました。いつまで続くか「?」ですが、やらないよりやった方がいいに決まってるので、少しでもおもろいやり方がいいかな?と。どうぞ皆様もよろしかったら、番付表発音してみて下さい、疲れますよ~でも、有効じゃないかなぁと確信します

そう書いている時丁度、若隆景と美ノ海の対戦、アナウンサーもどなたも若隆景の名を言う時には、一瞬ゆっくりのような気がします、ですよねェ
「若隆景」は前頭ですが、発音の難しさにおいては横綱です💦!ファイト!

4・4・8呼吸法

あっ、またやって下さってる! 4・4・8呼吸法
と言うのも、前にも紹介している番組見て、これはいいわ!と二三日やって、相変わらずの三日坊主で中断してたものでした・・

緊張をほどくのにとてもいいらしく、血液を全身に届けますよ・・と優しそうな先生が伝授されていました

4数えて息を吸って

4数えて息を止めて

8数えて息を吐く

これだけですが、やってみると結構大変!
歳とともに、吐く力が弱ると言いますからね。これを機会に忘れないように続けてみたいと思います。 フーッ!

山藤章二さんを悼む  東海林さだお

暑さが残る中金木犀も咲いたりする今年の秋、著名な方の訃報が届く猛暑後でした。9月30日に亡くなった山藤さんへ寄せられた、東海林さだおさんの追悼文です

山藤さんはまっすぐにものを見る人だった。
まっ直ぐに物を見て、まっすぐに表現する人だった。
小細工はしない。
だが”ズケズケ”と言うのともちがう。
歯に衣着せぬ、と言うのとも違う。
ありのままをありのままに表現するのだが、ありのままをどう捉えるか。
そこのところに”山藤流”があった。
山藤さんは相手を鋭く指摘する。
批評はとかく切り捨てゴメンになりがちである。
山藤流はそこのところを独特のユーモアにもっていく。
ユーモアに持っていくので、鋭く指摘された人の心は緩む。
緩んで安心する。
安心するのでつい頷いてしまう。
頷いたついでに、つい、ニヤリとしてしまう。
自分の事なのに、つい、ニヤリとし、苦笑し、その苦笑が,いつのまにか。肯定の苦笑になっている。
山藤さんは自分のことをしばしば「戯れ絵師(ざれえし)」と称していた。
世間一般で言うならば「イラストレーター」。
それをわざわざ「戯れ絵師」。
「戯れ」るは「ふざける」。
「絵師」に至っては何をかいわんや。
まさに江戸時代?鎌倉時代?
そういう反逆精神を常に忘れなかった。
忘れなかった、というより、心掛けていた。
山藤さんには世間一般ではあまり評価されていない一面がある。
あまりに当たり前なるがゆえにみんなが気がつかない面。
それは山藤さんの描く似顔が本人によく似ているということ。
実によく似ている。
当代随一、天下一品、唯一無二。
こんなこと(似顔が本人に似ている)をわざわざ書くのは、本人に似てない似顔を描いて平然としている人がいかに多いか、ということを言いたかったからである。
そしてまた、本人に似せて描くことがいかにむずかしいか。
本人に似せて描くことがいかに研鑽が必要か、ということを言いたかった。
そういうことを含めて、山藤さんは”さりげなさ”を大切にしていた、ように思う。
大げさを嫌った。
大げさは粋じゃない、と思っていたような気がする。
「戯れ絵師」はいかにも時代にそぐわない。
そぐわないし大げさである。
そぐわないし、大げさと知りつつ戯れ絵師を名乗る。
只者ではない。
また一人、「只者」が消えて行った。残念。

ビックリ!パリのメロンパン・ドバイの焼きそばパン

ヒェ―ッ!
パリのパン屋さんで、皆が日本のメロンパン買って食べてる!
しかも、アレンジがいっぱいあって、どの方も「美味しい美味しい」と
更に、ソーセージパンやら、カレーパンも大好評!

そしたらもっとビックリ!
次に出たパン屋さんの一番人気は、な~んと「焼きそばパン!」
こちらはドバイのパン屋さん、経営はなんとドバイのイケメン殿下!
もう、ビックリマークばかりですみません

アッ!(またビックリマーク)そうだ5月にアップしたデーツだ!と気づきました。なぜって焼きそばパンって言ったら、ソース焼きそば?
繋がりました!デーツ!

5月に私の大好きな「デーツ」のブログ書いた時、日本のソース会社の方がイギリスのウースター州訪問した際、ソースにデーツが使われていると知り、日本のソースの甘みに使っていた砂糖を→デーツに変えたという情報とぴったんこ合いました。

なぜって放送で焼きそばパン一位の、パン屋さんを経営するドバイの殿下が「デーツの甘みを使ったおたふくソースを使った焼きそばだから、ドバイの人に親しみがあるんですよ」と言ってるじゃありませんか?納得!にっこり
デーツ好きとしては、それが日本のソースの甘みに使われ、そのソースを使った焼きそば挟んだ「焼きそばパン」が、はるかドバイにつながるとは思ってもいませんでした。ハナマルのご縁ですね、
なんだか超嬉しい「デーツ縁」でした!(ビックリマークだらけすみません)
いやはや本当にビックリ! 繋がるなぁ~

折々のことば 3248

日本人だけが安全で豊かなことって、ありえないんですから。
                     緒方貞子

元国連難民高等弁務官は、国家の安全は社会の安定なしに確保できないと語る。ある社会集団ばかりが不公正な状況におかれることがテロや紛争の温床となる。日本が国際的な安全に依拠しつつ経済大国となったことを考えれば、国際社会でいま果たす役割も見えてこようと。
2001年のインタビューの再放送(NHK・Eテレ「テロはなぜ生まれるのか」10月2日)から。

チェロの堤剛さん 文化勲章受章!

8月26日付、チェロの堤剛さんの、ドボコンの放送を楽しませて頂いた記事をここに書き、随分前のお若い頃の再放送でしたがこれぞ!ドボコンと感動したと書かせて頂きました。そうしたら、この度の文化勲章受章の報!!何と嬉しいことでしょう

日本の音楽界全体を牽引し現在は霧島国際音楽祭音楽監督、サントリーホール館長でも居られます
「音楽は人間の心に内なる豊かさを育み、多様な背景を持つ人々の心を繋ぐ架け橋となります」と堤さん
亡き・小澤征爾さんらと後進の育成に奔走、今日本のチェロ界は個性、技術とともに充実の極みにあります「今の若いチェリスト、誰一人似た人がいないでしょ」と相好を崩し、若い作曲家から今も新作を託される日々だそうで、好奇心が先に立ち、嬉しくて挑戦をやめることができないとおっしゃるそうです

先日私が感動した、お若い頃の堤さんのドボコンとともに、いつぞや「題名」で放送された円熟味を増された今日の堤剛さんの演奏が、再放送なることを心から願います。
文化勲章受章おめでとうございます♪

川柳のらりくらり お題・虫歯

たまたま知り合いのところで普段見ない週刊誌をパラリと見たら・・
落語家・柳家喬太郎さん選の川柳コーナーが!
偶然お題は「虫歯」!

・歯医者さんが悪魔に見えた幼き日 (広島県・65歳)

・明日抜くと言う歯を舌で舐めている(千葉県・94歳)

・一睡もさせてくれない蚊と虫歯 (大阪府・82歳)

・カトチャンの歯ぁ磨けよを聞いとけば(静岡県・74歳)

・虫歯でもいいから欲しい自分の歯 (北海道・94歳)

☆彡今週の特選句!
・自然治癒しない虫歯と夫婦仲 (千葉県・75歳)

   以上選ばれたのは何故かすべて男性の句のよう。ご高齢の方が多く、のらりくらりと投稿なさるだけでも素晴らしい!気持ちがにじみ出ていて全部ハナマルですが、全てお気持ちお察し致しました・・ハイ

おかゆ大福

先日「あんこ愛」というブログあげたものとして、この記事にはビックリしました、と同時にご高齢者などに喜ばれるだろうなぁ~と直感しました

高齢者が超高齢者となり、口から食べることへの関心高まるわりには、なかなかお食事への対応が進みません、いえ、進んでいる所はすっごく進んでいるのですが、全体がその認識になってはいません

お食事がそれですから、ましてやお楽しみの和菓子に至っては、今回のようなご提案は耳に入ってきませんでしたからビックリ、介護の現場で大歓迎だと思います

先日「あんこ愛」を書いたように、ご年配者に限らず闘病中の方、特に甘みを制限されている方を除けば、大概「甘いもの特にあんこ」はみんな大好きです、
特に男の方は・・

前文が長くなりました(いつものことですが)
戦国武将・藤堂高虎の城下町、三重県伊賀市の総業400年余りになる和菓子店の18代目、もう一つの肩書が、市の災害ボランティアセンター長である中村伊英さんが「のどに詰まらない大福」を作ったそうです
食品による窒息死は年4000人以上も報告され、高齢者に多いそうですが。中村さんの祖母の弟さんも、お餅がのどに詰まって亡くなったことから「安心して食べられる和菓子を作れないか」と工夫されたとか・・
粘り気の出るもち米を使わず。うるち米の粉や寒天でこしあんを包むと、口中でほろりと溶けた、それで「おかゆ大福」となりました
販売から8年、全国の介護施設約500か所に広がってるとのこと、ちっとも知らなかったです、迂闊でした・・
「ゼリーや水ようかんしか食べられないとあきらめてていた」感謝の声が届いているそう、良かったですね。ハナマルです💓

市民活動を支援するNPOの立ち上げを考えていた頃、阪神・淡路大地震が起き、ぜんざいを振る舞おうと、小豆を持参して避難所での餅つきを考えた中村さん、「反発されないだろうか」恐る恐る始めると、お祭りのような雰囲気に
「災害からひと月ほどすると、甘いものが食べたくなる。お菓子の力を見た気がします」・・と中村さん、良かったですね。

今年2月には、能登半島地震の被災地の介護施設を車で回り、おかゆ大福を配りながら。被災者の声を聞いた、今も月に一度、10人乗りのレンタカーを運転し、ボランティアと7時間かけて通ってらっしゃるとのことです
「人間らしい日常生活を取り戻すということでは、ボランティアも、お菓子も、目指すものが同じです」と.。誤嚥に配慮した「おかゆ大福💓」
召し上がった方にどれほど笑顔と、ホッとなさる幸せをお届けしたことでしょう
すばらしいご活動、少しでも多くの方に召し上がって頂けますように、素晴らしい方がたくさんおられますね。思っていても動かねば・・と反省です

以前ここに、バイオリニスト廣津留すみれさんがアメリカ留学中に「意見を言わないのは、居ないのと同じです」と言われ衝撃うけた・・と言う記事を書きました。おかゆ大福考案され、広められている中村さんもまさに、信念もって行動に移された方、人を想う信念には人々の共感が伴うんでしょう、素敵なお話しに目を覚まされる思いがいたします

同じ月を眺めている

猛暑の後、まだまだ暑い中にも秋は来たようで、お月さまが冴え冴え見えます
スーパーのチラシにも、いきおい十三夜の案内やお月見団子の案内など、にぎやかです。今はご自宅でお月見団子を作るのも珍しんでしょうね・・
先日はスーパームーンとやらでしたが、曇りだった上、いつもと同じでした

でも、夜空を見上げると、金色の輝きを放つ月が、私達のことをいつも見守っています。幾千もの星の輝きを見ることが難しくなった現代であっても、月は変わることなく私達を照らしてくれていると感じます

月かげの
いたらぬさとは
なけれども
ながむるひとの
こころにぞすむ

大好きな歌です

あんこ愛

我が家には絶大なるあんこ好きが居て、魅力的なあんこに目がないのです。どら焼きは上野のうさぎや、あんみつはミツバチ、豆大福は群林堂、最中は空也・古印最中、どちらかと言うと「こしあん」好みですが、もちろん粒あんも大好きです。な~んだどっちだっていいんじゃない・・と言われればそれまでですが・・

いつぞや「あんパンとクリームパンどっちが好き?」と言う記事があり、「何言ってんのアンパンに決まってるじゃない」と思ったら、やっぱりアンケートとったら71%対21%であんパン好きの方が多かったそうです、にっ!
・あんパン食べるとホッとする
・あんパンは一個でも安心の満足感、忙しい時はあんパンと牛乳で決まり!

あの人もあんパン好きだったらしい、食に詳しいジャーナリスト重金敦之さんは「あんパンのへそ」と題してこう書いています
< ところで銀座のパンと言えば、誰でもが四丁目にある木村屋総本店のあんパンを思い起こすはずだ >
あんパンは日本初のパン屋、木村屋がつくったとされる。1875(明治8)年に明治天皇へ献上、天皇は「御感斜めならず」と返す。<  もってまわったいいかただが、要するに「気に入った」ということ。これが契機となって、日本中にあんパンブームが巻き起こった  >
やっぱり我々日本人「あんこの国」「あんこの民」なのだろうか・・

この後記事では、対するクリームパンは新宿中村屋が最初に作ったとされる云々・・続くが、あんこ好きとしてはここまで・・

里の父も大好きな木村屋のあんパン、父は桜の塩漬けがのったのが大好きでした。美味しいねぇの言葉に折々持参、最後の入院の時ロマンスカーに乗る直前デパ地下に飛び込み「桜あんパン」買ったものです。「随分小さくなったねぇ」。他の認識乏しくなってもあんパンの大きさにはすぐ気づき、細くなった手で、いつものように半分に割って、鼻を抜けるパン酵母のにおいに目を閉じて満足そうに頂くのでした・・「美味しいねぇ」いつものように言ってくれたことが家族みんなにご褒美のように耳に残っています
ほどほどの桜塩漬けの塩味と、美味しいあんこ、そしてパン酵母のにおい、ホッとしたんでしょう
みんな大好き、あんこ!

この新聞記事には、明治天皇の「あんこ愛」とありました
そう言えば高輪の高松宮邸そばに、松島屋さんと言う、豆大福の有名なお店がありますね、赤い暖簾だったかしら、しばらくご無沙汰の昨今です・・
おいしいお茶入れてあんこ食べましょう、何にしようかなぁ~

明日は明日の風が吹く

La  nuit  porte  conseil (夜は忠告をもたらす)
                  フランスのことわざ

田辺貞之助編「フランス故事ことわざ辞典」によれば、「何か重大な決定をするときには、すぐに決めずに、一晩落ち着いて考えろという訓え」重要な決断は即決しないで一晩塩漬けにして待てということだと

「夜は思案の母」「枕と相談せよ」とも言うらしい(折々のことば・鷲田清一)

たしかに、反省反省・・
猛暑の後ストンと肌寒くなり、ようやく秋晴れ、冴え冴え現れたお月様にハッとします。日に日に変わる自然や空気、大事にしなきゃもったいない、もったいない・・大事な時間

 

再び、アルフォンス・デーケン先生

喜び、悲しみ、苦しみを
分かち合う人間関係がないと
いらついたり、むかついたりする

喜びも人に話せば二倍
悲しみも人に話せば二分の一になる
周りの人は有難い 
             

朝日歌壇「番外地」選者・馬場あき子さん

馬場あき子さん選の時は、いつもクスッとしたり、ユーモアのセンスになんかいいなぁ~と拝読。猛暑の夏の終わり、セミの声も聞かなくなった頃の人生の達人の真面目とおかしみと、あります

・本名です結婚以来名乗ります「かいじゅう」なのです驚かないで 
                          海住 秀子
   「驚かないで」と言われれば驚かないが、いきなり「かいじゅうです」と名乗られたら耳をうたがい、「えっ」と顔を見てしまうだろう。「海住」の文字でやっと納得。次にすぐ友達になりたくなるにちがいない。実に魅力的なお名前だ

・長男の帰省する度知らぬ貌ポールスミスのパンツを洗ふ 
                          斎藤 紀子
    このお母さん、結構楽しんでいる。息子のブランド趣味を通してその心の世界を除いているのかも。ポールスミスはイギリスのファッションブランド。オシャレだなァ。家で手洗いしていいのかなあ。どんなパンツだったのだろう

・家のみで〆の焼きそば振る舞えば上品な味やねとソースかけられて
                          山田 啓子
    この家飲みの場面は親しい人々の賑わいの中でのこと。下句が断然面白い。啓子さんが振る舞った〆の焼きそばは、関西風の味だったのか。客の一人が「上品な味やね」とほめたそばからソースの入った器を取ってじゃーっとかける。「あっ」と思う日々の顔が見える。

選外ながら・・とユーモアあふれる短歌を目にして、またこれらを選ばれる馬場あき子さんのセンスにこころがふわっとしました。ほっこりハナマル!

小田凱人君、金メダルおめでとう!

昨晩テレビで放映あるかなぁ~と、BSのフジ子へミング特集見ながら探していたけど見つからず、それでも眠い目をこすってチャンネル移すも見当たらず!エ~ッ!こんな大事な時に放映ないんだと、ブツブツ言ってたら少しして、小田選手金メダル!とテロップ出て、バンザーイ!

準決勝に進む前も、「金メダル取るために来た!」と強い決心を言ってただけに本当にすごい!おめでとう!
時々自分を鼓舞するようにとがったパフォーマンスする小田君に、頑張れ~と、そのキッパリさに、手に汗握りながら応援の声も大きくなりました。練習に明け暮れる中、小さい子たちにテニスを教えたり、関心持ってもらえるように活動する、小田凱人君まだ18才!

大きな手術をし、車いすになって大変なのに、レジェンド国枝さんを見て車いすテニスをやろうと決め、車いすの操作も体調も大変な日もあっただろうに、決めたら一生懸命、追いつき追い越せその成長ぶりはどなたもご存知のように清々しい
先日ここに那須川さんとのやり取り載せましたが、想像超えるご苦労おありでも、それを微塵も見せずに挑戦する小田君の姿、日々の自分のちっぽけな事なんか、ぐずぐず言ってられないわ!とこんな歳の私にも思わせてくれるパワー頂きました
頑張れ!小田凱人君、なんだか清々しく嬉しい!